鍋、再戦
今日も腹が減ったので外に繰り出した。
腹が減ったときにしか外出しない日々が続いているが、腹が減っても外出しない日々よりかは幾分かマシだろう。
人間としてどうなのかはともかく、生物としては正しい行動選択であるはずだ。
今日は大手ショッピングモールに赴いた。
道中、溶けた雪がみぞれのようになり、春先の東欧ほどのぬかるみのようになっていて大層腹立たしかった。
靴下まで濡れた。
やっとの思いで店まで辿り着く。先日の味噌鍋をもう一度作ろうかと、少々マイナーチェンジはしたもののいいから同じ具材らを購入した。
石狩風にしてみようかと鮭も入れた。
チェッカーに友人の姿が見えたので頼んだところ、鍋をやると見抜かれた。
それはまあいいのだが、一緒にでも食うかと誘ったのにも関わらず、あいつはついぞ来なかった。
きっとぬかるみに足を取られ死んだに違いない。
モール内の書店へ行き先日買い損ねた本を探す。しかしどうにもここでも売り切れているらしく、M-1チャンピオンというものの景気の良さが窺い知れる。
代わりに、友人が読みたがっていた石田明氏の『答え合わせ』を購入した。
帰宅し、台所と正対する。四分一に切り分けられた白菜をさらに三等分。鶏胸肉を短冊状に切り、長葱もざっくばらんに切る。しめじの石突を切り落とし、豚細切れを載せる。その上に鮭の切り身を三枚。鍋の素を回しかけ、準備完了。
蓋が閉まらなかったが気合いで解決した。
妹が見たら汚いなどとほざくだろう。
中火で煮たたせた後、弱火で火を入れる。
数分後、完成。
いい味だった。やはり味付けは出来合いのものを買って使うのが一番であると実感できる。