表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/25

『会話の0.2秒を言語学する』読了記

 『ゆる言語学ラジオ』にてパーソナリティを務めている水野太貴氏の『会話の0.2秒を言語学する』を読了した。以下に記すのは初読の感想であるため、至らない点が多々あるのはお目こぼし願いたい。


 ここで語られる「会話の0.2秒」とは、会話中に話者が話し終わってから聞き手が返答するまでの時間――書中ではターンテイキングと呼ばれているもの――であり、世界のあらゆる言語とその会話のターンテイキングにかかる時間の平均が0.2秒であるという。


 書の前半は題の通り、ターンテイキングの謎とその理解のための知識の解説に終始していた。ここで語られるのは水野氏がパーソナリティを務めるラジオにおいて散発的に語られていた内容からタ説明に必要なトピックをまとめているものだった。


 言語学初学者も、ただ興味があるだけという人にもわかりやすくまとめられていて非常に理解しやすかった。もちろん、私がラジオで語られた予備知識があるということも理解の助けになったのだとは思うが。


 ターンテイキングの謎については、なぜ人は0.2秒という短時間で会話を返せるのかという問いに直接答えることは避けていた。これは言語学という見地からこの問いを見た時に、それがあまりにも大きすぎて取り扱いきれないからという判断によるものである。


 問題はあとがきの内容だった。


 これについても水野氏は何度かラジオ内で言及していることだったが、曰く、単著を刊行することが夢だったという。


 ラジオを聴いていても時折思うが、夢や目標に向かえる人間、そしてそれをかなえられる人間を見ていると、自分の矮小さにどうにも腹が立って仕方がなくなる。


 そしてそう思うとき、決まって自分は夢をかなえるための努力なんて何一つしていないことを直視させられ、身を焼きたくなるほどの悔しさに苛まれることが多々ある。


 おそらく、この文章を後から見返してみた時、私は幾分か身悶えすることだろう。熱くなった時に書いて、熱いまま公開した文章とはどうも粗削りで衆目に曝すに堪えず、苦しくなるものである。


 しかし一方で、熱いままでないと伝わらないものもあると考える。


 先日、YouTuberグループ、コムドットのやまと氏がXにて発言していた内容を引用する。


 以下引用

遂にコムドット応援するのダサいって言ってることがダサいフェーズきたな

完全に俺らの粘り勝ち

熱く生きるのがダサい時代はこれにて終了

斜に構えてスカして人のことバカにするのが面白い時代も終了

国民総命燃やし時代創ろうぜ

 以上引用


 この発言をネットニュースで見かけた時、数秒思考が止まったのを覚えている。


 私は彼らの動画を数本しか見たことがないし、正直なところ、彼らがメディアに取り上げられるようになった頃、やまと氏の発言や行動を「痛い」と評価して冷笑していたがこの文章を読んだとき、脳みそを氷水に沈められたような感覚が襲った。


 実際、このポストにも発言をクサすようなリプライが多々寄せられているし、少し前の私なら同じようなことを思っただろう。


 しかし、それは誤りだった。夢や願いを持つ人間は、それを形にする義務があり、それを言葉にするのは、公表するしないを問わず、目標を達成するための手段として妥当である。


 熱いものを熱いまま形にすることは何ら恥じることではないのだ。


 私は、私の言葉や文章に、私が憧れている人々のそれら以上の価値を付けられるようにしなければならない。


 彼女が欲しいだとか、まだ若いから時間はあるだとか、そんなことを口にしていい理由など私には残されていなかった。


 日々ものを見て、聞いて、思い、感じたことのすべてを忘れぬように記録しなければならない。文章を書き続けなければならない。


 私事備忘散文とはそのために存在する。


 私に筆を置く暇などなかったのだ。

https://www.valuebooks.jp/【特典付き】会話の0.2秒を言語学する/bp/VS0063352236

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ