同棲
2人は渋々了承し、彼女は着替えを取りに自宅に戻ってから自分が住んでいる家に向かった。
今日から数日間だけだが同棲がスタートした。あまりにも急だったって事もあり、あまり実感は無い。今日は水曜日。金曜日まで頑張れば、除霊をしてもらえる。そう軽く考えていた。
「もう遅いし、とりあえず夜ご飯食べよっか。」
「うん。私作るよ。ちょっと冷蔵庫見るね。ふむふむ…作り置きしてるのね。よし、決めた。作りますか。」
「ありがとう。」
そうして作り始めた。結婚すればこうなるのか。とか考えながら一花に見とれていた。
「どうしたの?こっち見て。恥ずかしいんだけど…///」
「お嫁さんができれば、こんな毎日が送れるのかなーって思ってさー。」
「もう!恥ずかしいじゃん///」
そう言われて自分も恥ずかしくなって二人揃ってリンゴのように赤面した。
「思っても言わないで…恥ずかしくなったじゃん///」
「もう…///」
「うっ…うぅ…」
急に心臓辺りが苦しくなり、その場に膝から崩れ落ちた。あまりの苦しさに汗が滝のように流て止まらない。
「え、ちょっちょっと!?大丈夫!?汗すごいよ!?熱も凄い。」
病院にも電話しようとしたが、霊的な現象だと思い、保健の荒木先生に連絡をした。
「もしもし、荒木先生!?龍くんが心臓辺りを抑えて凄く苦しそうに倒れたんですけどどうしたら良いですか?ビッショリ汗を掻いてて熱も凄く高くなってるんです…」
「マジか…念の為に鬼ケ原に服用出来るお清めの塩を入れた日本酒が少量入った瓶を持たせてあるんだ。それを飲ませてくれ。カバンに入れてたから入ってるはずだ。」
「分かりました。え、ちょ、吐いたの!?」
「かなりまずいな…」
「龍くん。とりあえずこれ飲んで。楽になるから。」
「う、うん…」
かなりぐったりとしていて衰弱した様子だが、無理くり飲ませた。
「これ、日本酒じゃん。しかもしょっぱい…」
しばらくして、汗や熱も引きまだぐったりはしているがかなり落ち着いてきた。
「すげぇな。かなり収まった。ついさっきまではあんなにしんどかったのに…」
「荒木先生、後はどうすればいいですか?落ち着いてはきましたが…」
「なら、しばらく安静にしていればいい。一晩もすれば元通りになるだろう。しばらくは免疫をつけるような食事をとれば良いかもしれん。なるべく心がけて食べるように。私から伝えれることは伝えた。他に聞きたい事はあるか?」
「いえ、特にはありません。夜遅くに申し訳ないです。」
「良いってことよ。気を付けてな。」
「すみません。ありがとうございました。」
そう言って電話を切った。あまり食べられそうに無かったからおかゆを作って食べた後、いつもよりも早く布団に入って就寝した。