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ヒーロー誕生!

 2024年5月1日、茨城県つくば市に、巨大ロボが出現した。

縦は600メートル、横は300メートルの東京スカイツリーくらいの高さのあるロボだった。そのロボは、四角い体の上に、四角いコックピットがのっていて、四角い体の横には、腕が2本生えていて、四角い体の下には足が2本生えていた。そのロボは、研究所を壊しながらゆっくりと歩いていた。


 「つくばに着いたよ、雪」俺は、そう雪に言った。「分かった。じゃあロボットを、破壊しよう。息吹」


 俺たちの、出会いは一か月前にさかのぼる。


 俺は、母親が10歳に死んで、養子として育てられた。そして今は、その家を家出して東京の裏路地で、座り込んでいる。もう、家から持ってきたお金が尽きようとしていた。

「よう、そこのショートの髪の少年」俺は、声がした方へ振り向いた。そこには、髪がロングの、服は、上着は長袖で、スカートを履いている、めちゃくちゃかわいい美少女が立っていた。「君は息吹だろ」その美少女が、俺の名前を言ったから、俺は驚きながらうなずいた。「やっと見つけた。僕が求めていた、能力者」「ここで話すのはいやだから、あそこの公園で話そう」

 美少女は、公園を指差した。俺は、名前を知っていた理由が気になってふらふらとついていった。公園に着いて、俺たちは、ベンチに腰掛けた。俺が、何を言おうと悩んでいると、「僕の名前は、」美少女は、ちょっと悩んで、「雪。僕の名前は雪。年齢は君と同じ16歳。息吹よろしく」俺が、しゃべようとしたところ、雪が「単刀直入に言う。君にヒーローになってほしい」と言い、手を差し伸べた。

俺は、思わず「は?」と言った。

続けて「君の能力と僕の能力があれば、世界最高のヒーローになれる」俺は、ばかばかしいと思った。

ヒーローになる?俺のことは誰も助けてくれないのに?「そういうことなら,断らせてもらう」

俺は、きっぱりと言って、そこから去ろうとした。だけど、雪は食い下がらなかった。「過去のことは知ってる。だからこそ、君にヒーローになってほしいんだ。君のお母さんのような悲劇が起きないようにしたいんだ」

「悪い能力者を取り締まれば、必ず能力者と、一般人が共存出来ると思うんだ」

「だから、協力してほしい」

  俺は、悩んだ。一理あると思ったし、何しろ俺には、はっきりとした目標がない。家から出てきたはいいものも、別にどこに行くあてもない。ならば、ヒーローになるのもありだなと思い。 

 「分かった。ヒーローになるよ」

 そう言うと、雪はめちゃくちゃ喜んだ。俺は、かわいいと思った。

 そして、雪は執事を呼んだ。「こちら、僕の執事。能力は記録」「雪様の執事のヨハネと申します。能力は記録。あらゆる世界で起きた全てを記録しております。未来でも過去でも」

 「息吹に、食事と、住むところを用意して」「分かりました。雪様」 

 「え?飯と住居、用意してくれるの?」「当たり前じゃん」と雪は答えた。

 「ところで、僕の能力聞かなくていいの?」「いいよ。君の能力を聞いたら、俺も教えなくちゃいけなくなるし。もう知ってるだろうけど」「君がそれでいいならそれでいいよ」と雪は返した。 

 

 俺は、目隠しをされたまま、ある場所につれて来られた。それは、秘密基地だった。

「ここから、君に指示をする」そこは、部屋の奥の椅子と机の上に、モニターがびっしりとかけてあって、机の上には、地球儀がのっている。異様な空間だった。「このモニターから君の状況をリアルタイムで写して、指示を出す。一応見せておこうと思って。じゃあこれつけて」雪からワイヤレスイヤホンを渡された。「ここから指示が聞こえるから常につけといて」俺は、「分かった」と言った。

 そのあと、目隠しをされ、用意してくれた自宅に戻った。


 ここから俺のヒーロー生活が始まる。


 

 そして、今。 「今からロボットの倒し方を教える。君の能力で300メートル飛んで、腕を2本落とす。そしたら、降りてきて足を壊す。そして、動けなくなったところを、とどめをさせ」と言われて、「分かった」そう答えた。

 俺は、ジャンプをして、肩のところまで飛び、パンチで、腕を1本落とした。そのまま体の反対側まで、行って、腕を落とす。そして、100メートルの足を太ももの部分まで、また飛び、パンチで、1本落としてから、横に移動して、2本目も落とした。そして、両腕、両足がなくなったロボットは、動かなくなった。そのとき、動かなくなったロボットが青い光を放った。そして、まわりにバリアを張り、まったく動かなくなった。 

 そのとき、雪から指示があった。

「ああなってしまったら、倒す方法は1つしかない。その方法は内部から倒す」

「君の能力で小さくなって、コックピットから内部へ入って、内部から外へパンチをする」

「そうすれば、破壊できる」

「僕の想定では、コックピットに人はいないはず」


 俺は、その話を聞き、能力で小さくなり、コックピットに向かって飛んだ。

コックピットについて内部に入ったら、雪の想定通りコックピットに人はいなかった。

コックピットも体も内部は空洞だった。

俺は、体に入った。四角い空洞の壁に向かって全力のパンチをした。

すると、壁は壊れ、外と繋がった。外に出たとき、バリアは壊れてて、ロボットは何もなかったように消えた。

「やったね、息吹」そう言われ、勝ったことを自覚して、俺は、でっかいロボットを倒せたことに高揚感を覚えた。

 

 家に戻り、テレビをつけた。

ニュースでは「ヒーローが現れ、でっかいロボットを倒しました」とやっていた。

俺はそれを見てうれしくなり、ヒーローになってよかったと思った。 



 次の日、朝寝ていると、イヤホンで雪に起こされた。

俺は、「また敵が出たの?」と答えた。

「違う。いや、違くはないけど。あと30分でこの世界の時間が止まる」

「時間の能力者が、時間を止める」

「それまでに、能力を覚醒させてほしい」

「君のパソコンに場所を送った。そこに行って、僕の執事のヨハネに会って」

「詳しいことは、ヨハネに聞いて」

そう言われて、俺は支度をした。いつもの服に着替えて、顔を洗い、ご飯を食べて、歯を磨いて、パソコンで場所を確認して、家を出た。

走って、着いた場所は数キロメートルまわりには何もない場所だった。 


「やっと来た。あと15分なんだけど」執事のヨハネは言い、

「遅い。15分何してた」

「ご飯を食べてました」

ヨハネは、あきれたようにため息をつき、説明を始めた。

「君がヒーローになったとき、どれくらい能力が使えるかどうか、記録をしたと思う。そのときの、記録によると、君の走る速さは、音速だった。でも、時間の能力者を倒すには、光速が必要だ。そのために、覚醒させる必要がある。あと15分がたって、時間が止まるとき君が、光速に達していなければならない。光速に達していると、時間の止まるときを回避できる。そしたら、アメリカにいる時の能力者を倒せ。唯一、時間の能力者だけが動いていて、見つけやすくなる。

覚醒の方法は3つある。1つは、自分が緊急事態に陥ったとき。2つ目は、努力。君には、2つ目の方法で覚醒してほしい。そのために、君のこれを用意した」

 そうして、ヨハネは、2メートルある白い四角い部屋を持っていた本から出してきた。

「この四角い部屋は、私の能力で具現化した記録の中にあるもの。この空間は4次元空間。無限の空間で、どんだけ走り回っても、壁にあたることはない。この中で、能力を覚醒してほしい」

そう言って、ストップウォッチがついている腕時計を渡してきた。それを腕に巻いた。

「その腕時計は、ストップウォッチだ。今から、時間が止まるまでの時間を計ってくれる」

そのストップウォッチには、10:00と表記されていて、刻一刻と時間が減っている。

「あと10分だ。さあ、部屋に入って特訓をしてきてくれ」

そう言って、俺に部屋へ入るように誘導した。 


 俺は、その部屋のドアを開けて中に入った。その中は、360°壁と天井がない、真っ白な空間だった。

俺は、その空間を音速で駆け出した。


 そして、8分たったとき、俺は確信した。無理だと。どんだけ本気を出しても音速よりちょっと速く走れるくらいだった。

「やっとつながった。おーい、聞こえる?」イヤホンから雪の声がしてきた。

「聞こえるよ」

「よかった。苦戦しているようだね」

「俺には無理ですよ」

「そんなことはない。君の能力の理論値だと、可能だから。まあ、難しいのは分かる。僕も、覚醒するときは大変だったから。そうだな、僕が覚醒するときにやっていたのは、覚醒したい部分に力を入れる。それと、まわりに重要な人、例えば家族とかがいると覚醒したよ。あと1回でもいいからやってみれば」

時間は残り1分だった。

「じゃあ最後の1回」

そして、俺は足に力を入れ、走り始めた。

徐々に加速していく、そして30秒のところで、最高地点の音速に到着した。

だがそこから、速さが出ずどんどん減速していく。

そのとき、「がんばれ」と、雪の声が耳に届いた。

俺は、雪の声を糧に、徐々に加速した。

そして、音速に戻りさらにそれを超えていった。

残り1秒で光の速度に到達し、0秒になっても走り続けた。

そして、止まって。

「雪、やったよ」と言った。

しかし、返事は返ってこなかった。

そのとき、目の前に出てきたドアを開けて外に出る。

そこは、渋谷スクランブル交差点の真ん中でまわりを見渡して本当に時間が止まっていることを自覚した。


 俺は、アメリカまで走り、その中で1番高そうなビルに登って、能力であたりを見まわした。

ちょっと時間がかかったけれど、タイムズスクエアの近くの道路で、動いている人影を見つけた。その人影に近づいて、一発パンチをおみまいした。油断していたのか、防御をする間もなく倒れた。

時間の能力者は「動いているやつがいたのか」と言った。

姿は黒いショート髪でやせ細っていた。

そのとき、時間の能力者は、体を光らせて第2形態になった。

その姿は顔が時計の巨人だった。

そして、時間の能力者はもう1度世界の時間を止める攻撃を始めた。

俺は、すぐさま走り光の速さで何回もの時間を止める攻撃を防ぎ、俺は、その巨人にパンチをした。

しかし、パンチは当たらなかった。パンチを当てる瞬間に時間が攻撃前に戻るのだ。

俺は、攻撃する方法を考えた。何度も使っているうちに能力の本当の力が分かった。

光の速さで動けるということは、未来でも過去でも好きな場所に行ける。

時間を止める攻撃がよけられるのは、光の速さでちょっと未来に行けるからだった。

攻撃の瞬間時間が戻るなら、その瞬間光の速さで走り、時間をもどせばいい。

そうして、時間の能力者に向かってパンチをしようとしたときに、光の速さで走り、未来に行き、攻撃をした。

すると、攻撃が当たり、時間の能力者はもとのやせ細っていた時に戻った。

そして、血を吐きながら近づいてきて、今までの人生を語り始めた。



 10歳の夏、起きたら家に火が放たれていた。両親はドアの前で俺を守るために燃えながら立っていた。

俺は、窓から飛び出して裏庭に行き逃げようとしたところで、フードをかぶっている人達に捕まえられて

気絶させられた。

起きたら、自分よりちょっと大きい鉄格子の箱に入れられていた。

鉄格子の箱が、カートに乗せられて運ばれていく。

着いたのは、ステージの上だった。

そこで、カートから鉄格子の箱が降ろされ、幕が上がった。

そこには、仮面をかぶったスーツ姿の人がたくさんいた。

白い丸いテーブルがたくさんあり、そこで、高そうな酒を飲んでいた。

「こちら、今日の目玉商品。時間の能力者です」と、司会者らしき人が言い、一斉にオークションが始まった。

俺は、このとき自分が能力者であることを知った。

 そして、自分を買い取った人は、優しそうなおじいさんと、おばあさんだった。

家に連れていかれ、着いた家はめちゃくちゃ大きい家だった。

「ここが、今からあなたの家よ」と、おばあさんが言い。

俺は、「俺の能力を使って何かするんじゃないの?」と質問した。

すると、おばあさんは「そんなことはしないよ。買い取ったのは、私たちに子どもがいないからだし、能力者を買い取ったのは、この世界では能力者はひどい扱いをされるから、せっかくだから私たちが守ろうと思ったから」と言って、頭をなでてくれた。

 そこから5年間何もなく、親にばれずに能力を特訓していたころ、新しく女の能力者が家族になった。

その能力者の、能力は透明で、最初の俺は警戒をしていたけれど、一緒に過ごしていくうちに、仲良くなって、一緒に特訓をするようにもなった。


「見て、俺の能力。時間を止められるんだ」

「すごいけど、私の能力の透明の方が強いよ」

「時間を止める能力を見ても、私には本当に時間が止まったか分からないから」

「しかも、その能力何回も連続して、時間を止めることは、出来ないでしょ、だから私の勝ち」

「私は、いつでもどこでも透明になれるもの」

「わかった。勝ちでいい」

と、毎日競い合いながら、普通の日常を過ごしていた。


 そんなある日、学校からの帰り道、自宅の方向に向かって消防車が走っていった。

俺は、いやな感じがして、走って家へ向かった。

家に着くと、放水活動が行なわれていた。もう、家は原型をとどめておらず、残っているのは、柱だけだった。

俺は、トラウマと絶望でうめき声をあげた。

そして、怒りで世界の時間を止めた。

俺は、涙をぬぐい、復讐を誓った。


 そう決めたとき、誰かに殴られた。

世界の時間が止まっていると、思って俺は油断をした。

「動いているやつがいたのか」と言い、俺はもうどうなってもいいと、特訓した日々を思い出し、全力を出した。

そのとき、俺の体は変形をして、人間ではない化け物の姿になった。

そして、俺は殴ってきたやつに向かって無造作な攻撃を繰り返した。

でも、俺は敗れた。

自分の最期に、俺は俺を倒した能力者に一縷の望みをかけてこう言った。

「クリスを見つけたら、一緒にいられて楽しかった、と伝えといて」

時間の能力者は死に、周りの時間が動き始めた。

周りが騒ぎ始めても、俺はそこから一歩も動けなかった。

そのあと、FBIに事情を説明し、事なきを得た。


 俺は、家に帰り雪と話をした。

「今回は強敵だったね」と雪が言って、

俺は、「本当に倒すべきだったのだろうか?」と質問をした。

俺は、時間の能力者の過去の話を聞いて、救えたのではないかと思ってしまう。

「無理だよ。君の時間の能力者の過去の話を聞いたけど、第2形態になったら、もう倒すしか方法はないから」

「息吹は、頑張ったよ」

雪は、そう言い通話を切った。


 俺は、俺の求めていたヒーロー像を思い浮かべた。

「俺はヒーローとして、まだまだだなと」ひとりごとを言った。

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