SS ナルシェナ1
遅れましたごめんなさい
ーナルシェナー
私は物心ついてしばらく、笑顔や笑い声が嫌いになりそうだった。だって私がなにかしようとするとすぐに周りのみんなが笑うから
知らないから、気になるから、どうなっているのか
目に映る1つ1つが不思議だから手を伸ばしたんだ
でも笑う、同年代や年上は私を笑う…私はその笑顔や笑い声が嫌い…になりそうだった
アリシアが私のそばにいるようになるまでは…
きっかけも単純に笑わないのだ彼女は私を…
バカにしたように、変に笑わないのだ…
彼女と出会ったのは3歳の冬、冬の季節で初めての雪の日、氷った水溜りが不思議で年上の人が足で氷を割っていたのを見て私もやってみようと思った
割る感触がどんなものか割ったらどうなるか、気になって氷の上に乗った。だけど割れることなく不思議で氷の上を動いた瞬間私はころんだ
「あうっ!」
「クスクス、何をやってるのナナ?」
お母さんが笑う…
「ナルシェナがころんだぜ、ハハハ」
「あははは、どんくさいやつだ」
「ころんだころんだ」
ころんだことがそんなに可笑しい?
「クスクス滑るから気をつけてね、ナルシェナちゃん」
「フフフ、氷は滑るよ?」
「またナルシェナ?ふふふ、気をつけなさい」
氷が滑る?私はそんなこと知らない!
みんなが私を笑う……知らないから試した不思議だから手を出したどうなるかわからなくて一歩踏み出した。
そんな私はその結果を知るたびにみんなから笑われた。
みんな笑い、私を馬鹿にする。
けど…その日は1人だけ違った
「だいじょうぶ、ですか?」
その子は私のそばに来て、わざわざしゃがみ込んで手を差し出してくれた。
それは私にとって…とてもとても嬉しいことだった
まわりが笑い私を貶す。
そんな中、私を笑わず手を差し伸べてくれた1人の女の子、その子はアリシアだった
この人は違う…私を馬鹿にしない、けどもしかしたら
そんな思いが頭をよぎる、だから氷の1件以来ずっと一緒に居るアリシアを見てから、気になったものに手を伸ばし結果が出ると
「どうでしたか?」
と聞かれて思ったまま答える私、という光景が当たり前になった
「なんてことのない、ただの冷たい雑草だった」
他と違い日陰にあるためか広い葉っぱは他の葉っぱと違い冷たい感触だ
「そうですか…ですが、ただの雑草ということもないんですよ?」
「そうなの?」
「はい、この草の名前はドクダミと言いドクダミという草は生薬として…」
アリシアはとっても物知りで、私が知らないことをたくさん教えてくれた。
でもアリシアは、ただただ教えてくれるというだけではなく私のことを大切に思ってくれていた
『チラ』
『フルフル』
ん?いつもだったら、見たらそのままなのに今回は首を横に振った。どうして?
スッと手をとあるキノコに伸ばすと
「ダメです!」
ガシッと手を掴まれた。
「触れてないですよね!?あのキノコは触れるだけでもだめなキノコですよ」
そう言ってアリシアはとても今にも泣きそうな表情で私を見る、その顔を見た私はダメだと思った
私を…馬鹿にしない笑わない、そんな彼女にこんな表情はさせたくないと思った。
でも言ってくれれば私もさすがに………いや、それでも私は触ろうとするか……だけど
「ごめんね」
信じよう、アリシアを信じよう、この子は私を馬鹿にしない
「ねえ」
「なんですか?」
「アリちゃんって呼んでいい?私のことはナナって呼んでいいからさ」
「えっと、いいですよ。ナナ…ちゃん」
少し、ほんの少しだけ目を見開き、その後少しだけ顔を赤くして言う、アリシア改めアリちゃんは少し照れ屋さんのようで可愛い女の子だった
「ありがとう、アリちゃん!」
それから、私はこの子とずっと一緒がいいと思いどうしたら一緒に居続けることができるかと考えたら、すぐに答えが出た。
親が父親1人、母親が3人いる…これは使える!
正直将来の結婚とか、アリちゃん以外の子と仲良く出来るかはわからないけれど、それでもアリちゃんと離れるよりはマシだと思ったから
アリちゃんと共婚者になりたいと親に告げ、どうやったらなれるか聞いたんだけど
「別に、共婚者は何かで縛られているわけではありませんよ?」
「わふ、好きだから、一緒。心地いいから、側に居る」
「相手の将来に関係します。キチンと告白して了承を得るように」
ダメだこの親、アリちゃんほど参考にならない
好きだから一緒……か、まず年齢一桁に好きだからと言われましても
なんとなくわかるような、わからないような
こんな自分でも理解していない気持ちで告白なんて、できなせんよ
そう思っていました。だけどお手伝いをするようになって、泥団子から守ってもらったりしてるうちに、私の中のよくわからない気持ちが大きくなっていって
逆に共婚者になってほしいと言い出せなくなった
「たはー、これは予想外…好きってムズカイシイ」
1人ベッドで布団に包まっていると、とある部屋から何やら声が聞こえる
「ーっ、っ!」「〜〜」「〜~っ!?」
「うーん、パパ達は防音忘れてるな〜」
これは見学して将来の役にたてねば!
防音魔法忘れているなら防壁や施錠魔法も忘れているだろうし、失礼しまーす
そんなことがありつつ年を重ねていき
ある事件が起こった。
バカ男子共がこの村の守りの結界柱の目印棒のチェックをしなかったことによってソードウルフが入り込んだ時の事で…
その日はいつもどおりに雑草抜きに来たのだけど
私は腕捲りをして意気込み雑草に向かう、そんな私を後ろからアリちゃんはそれをお追うとかと思いきや突然足を止めた
「アリちゃん?」
妙な雰囲気に思わず聞くが
「静かに」
いつもと雰囲気と声色で言われたので黙っておく、その黙っている間も何やらアリちゃんはなにかしているのかな?
「ナナちゃん、目印棒見える?」
ん?私にわざわざ聞くことかなアリちゃんにも見えていると思うけど
まぁいいか、えっと、どれどれ〜
「えっあ〜」
ダメだ光ってない!
「あっ!」
私が思わず声を上げるとアリちゃんは険しい表情をする
えっと結界が機能してないってことは、まず魔獣が入ってこれるっていうことであって…あれ、でも、侵入を防ぐために結果があるわけであって結界がなくなったってことは
魔獣が居る………ってこと…………だよね
ゾクッと体が震える魔獣が居る、近くにいる
冷や汗が体から溢れ心臓が早鐘を打つ
魔獣による怪我人は村人からも時折出ている
大人でも耐えきれず魔毒による痛みで泣き叫ぶその姿を見て来た。そして親からも口酸っぱく言い聞かされ耳にタコができるほど聞かされている
魔獣が危険でどうにか倒せたとしても、怪我による魔毒で死ぬ人がいると
(ごくり)
唾を飲み込む……
怖い、怖いよ………
恐怖に体を震わせる。そんな私にアリちゃんが
「私が絶対にナナちゃんを守るから」
そう言われた瞬間震えが止まった
「アリちゃん?」
どうしてアリちゃんは平気なの?
「大きな声で助けを呼んで」
いや違う、アリちゃんも怖いんだ…
アリちゃんは気が付いてないのかもしれないけれど震えている、声も若干震えていて正常じゃない、けど覚悟を決めた顔つきだ
「呼んで来るんじゃなくて?」
そんなアリちゃんを見て私は少し落ち着いた。私だけじゃないんだという安心感を得たから
「うん、相手はたぶん複数だから移動されると困る」
すごい本当に物知りだし状況判断もこんな状況で出来るんだ!
じゃあ私は私に出来ることをしよう!
「うん、わかった全力で助けを呼ぶね」
そう言って私は大声で結界が破られたことと助けを求めた。そしてそれが合図となり魔獣が襲ってきたのだった
「結界が壊れたぞーーーーーー!」
何度も何度も叫ぶ、そんな中アリちゃんが魔獣と戦うでもアリちゃんの持っているのは木剣であり、子供の筋力で振るわれるものだとてもじゃないが魔獣に致命傷を与えられないようで縦横無尽に避けて避けられる
『ビュンッ!』
「ひゅっ」
見えない何かが真横を通ったときは叫びをやめて体がこわばり息が止まる
怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い
アリちゃんは言葉通り私を守ってくれるけど怖い
魔力が分かるのか見えない攻撃が来るときは私ごと避けるアリちゃんでもそれはスキになるようでその瞬間、一斉に襲いかかってくるそれを捌くアリちゃん魔獣のドアップに恐怖する私
早く誰か助けに来てよそう思っていると
「無事かーー!」
遠くから声が聞こえたこの声、パパだ!
声の方を向くと遠いけどパパの姿が見える
「パパ!」
パパの姿に安堵したのかいや違うこの恐怖から1秒でも早く抜け出したいその思いからか私は走り出してしまった。
「ナナちゃん!?」
アリちゃんが私の行動に驚きの声を上げる
「ガウッ!」
後ろから魔獣の声が聞こえるけどすぐに私は『ドン』押されコケてしまった。すぐに上体を起こし押された方を見ると
「あ、ああ、あああああ」
アリ……ちゃんが……あちこち、噛み付かれて、角で刺されていた
「走って逃げろ!」
そんな自身の命の危険な状態にもかかわらず、私を逃がそうとしてくれるアリちゃん
「でっでででも!?」
「行けッ!」
必死なアリちゃんに促され私は自分の愚かな行動に後悔をしながらパパの方へ走り出す
「ごめんなさい」
自身のとった行動が憎い
事前に「移動されると困る」と言っていたのにパパの姿が見えて迂闊に行動した自分が憎い
友達が命の危険な状態にも関わらず何もできないことが憎い
私は今の自分が憎い
「ナナ!」
「パパ、アリちゃんアリちゃんが!」
「ああ、大丈夫だグライドも一緒に来ている。ほら」
促されてアリちゃんの方を見ると、アリちゃんのお父さんが剣の一振りで魔獣を倒していた
「よかった」
……なにがよっかただ、私相手は魔獣だ…ずっと聞かされ続けているこの後の魔毒だろうに!
死ぬこともある毒だから絶対に魔獣には気をつけるように、決して結界から出ないようにそう言い聞かされている危険な毒
魔毒……アリちゃんが………死んじゃうかもしれない
「いやだ……アリちゃん……」
「ナナ…大丈夫だ、大丈夫だ……大丈夫だ」
そういうパパの手は震えていた。全然大丈夫そうには見えないしとても小さな声で「きっと」と言っているのが私には聞こえた
やっぱり危険なんだそう思いパパにしがみつく手により一層の力が入るのを感じていると
「ふっ……ふえええええええん」
アリちゃんの泣き声が聞こえてきた
アリちゃんが………泣いた……いつもしっかりしていて大人びているアリちゃんが……泣いた
そこまで怖かったのだろう、当然だ私が迂闊な行動さえ取らなければあんな怪我を負うこともなかったはずで死ぬようなおもいもするはずはなかったのに
「私がっ……わだじのぜいで……うわあああああああん」
ごめん、ごめんね、アリちゃん馬鹿な私でごめんなさい、私は、これから賢くなるから
「えぐっ……スン………ぐすん………う、う゛………」
これから強くもなるから、どうか死なないで!
「アリちゃん!」
私は、変わるからだから神様アリちゃんを助けて!
1とあるように今後もチマチマと書き出来上がり投稿しようと思いますのでSSはいつ出来上がるか分かりません、ごめんなさい
でも楽しみに投稿待っているという人がいるかもしれないと勝手に思って(感想怖いからもらわないようにしてますし)書きますね
でわでわ……できれば高評価とイイネよろしくおねがいします