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心欠け騎士、TS転生し二度目の人生を〜心を知れて幸せです〜  作者: きよわわ
アリシア 8歳編

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72/220

70.子供の数

気温差が激しい…室内は何故かすごく暑く外は寒い

窓を開け………寒すぎる……ちょうどいい温度はどこ?

このままじゃ気温差で体調崩しそう

((((;゜Д゜))))ガクガクブルブル

皆さん、体調崩さないように気をつけてください

 今日中に移動予定があったようで、私が現実逃避でナナちゃんの胸に顔を埋めている間に何やら話が進んで、エレニカが連れている軍が私達の家族達がいる避難者達の居住している南に移動するそうなのです。


 私はナナちゃんにくっつきながら移動し現在、馬車は領都内を移動中です。私はようやく冷静さをとりもどし会話ができるようになりました


「……まあ、私も心がないことを隠してましたし、愛してもいないのに愛してると嘘をつきましたからね」


 私の言葉を聞いたエレニカは手をポンッと叩くと名案をを思いついたようで、嬉しそうに私に言った


「ザハレグス様、子供を産んで隠してしまったことと当時の避妊薬と嘘をついたことでお互いにおあいこということで……どうでしょう?」


 エレニカ………あなたは確かに一度抱きましたけど、最後の日は抱いてませんよね?

 まあ…いちいち小さなことを突っ込んでいては話が進みません。せっかくエレニカが折り合いをつけようと言ってくれた訳ですから、ここで納得しておきましょう


「はい、それでお互いに悪かったとうことにしましょう」


 話したかったことはまさに隠していたこと、それと嘘となってしまった愛についてだったで、私としてもちょうどよかったです。

 本当はお詫びとしてなにか1つ、なんでも聞こうと思いますしたが、逆にこれで良かったのかもしれませんね


 ………さて、聞かなければいけませんねぇ


「……それで、何人ですか」


「う?」


 ヴェルーナ、首を傾げないで下さい。せめて自身の子のが1人か2人か教えてください


「私は子供は1人で、お淑やかな7歳の女の子です」


 エレニカが先に答えてくれました。7歳の女の子1人ですか


「ヴェルーナ、子供は?」


「がう、元気な男の子1人、ザレと一緒、8歳だ!」


 まさか自分の子供と同い年とは…いえ、1歳歳下もどうかと思いますがね


「エレニカ、他は?」


「えっとですね………大丈夫ですか、顔色が悪いようですが」


 気遣ってくれるところ悪いのですが、今は知りたいのです


「構いません、言ってください」


 いざとなったらナナちゃんに避難するだけです。


 そういう意味も捉えてもらおうと私は、ナナちゃんに身を寄せます


「猫獣人ノーラ様は男女の双子なので2人」


 うんうん、エレニカとヴェルーナと合わせて4人


「次に竜人レグシアナ様が1人」


 うんうんプラスして5人


「人魔族のライラック様は1人です」


 ふむふむ、計6人っと


「そして……………………ハイエルフのリシェア様が3人」


 リシェアは何やってるんですか!?

 3人もってどうして貴方だけ秘術を使ってまで産んでるんですか!?


 合計9人………9人!?


「ナナちゃん…」


 もう、いっぱいっぱいです。私の知らないうちに(当たり前ですが)9人も子供ができてたとか絶望とは違う何かが私の心を動かします。気力がガクッと落ち込んでしまうこの感情は…なに?


 少し内心が落ち着かずナナちゃんの方を見ると


「おお、よしよし♪」


 私を抱きしめ頭を撫でてくれますので、遠慮なくなすがままになっておきましょう


「ナナちゃん、私…自分と同い年とそれ以下の子供総勢9人の親になってました……」


「流石にアリちゃんでも自分と同い年は堪えるのかな?」


「ええ、流石に子供と同い年は………そうだ誕生日っていつですか?」


「がう?ザレが死んだ月からその年の約280日後だな、多少前後したけど妻はみんな第一子を産んだぞ?」


「うん?」


 そんな曖昧に言われても、私とナナちゃんの誕生日は1月です。そしてザハレグスが死んだのが4月だったはずです。


 ………そう考えると私は、ちゃんと誰かが宿った肉体ではなく魂が宿る前の体というか受精卵に宿ったようですね


「ザハレグス様、ヴェルーナの補足をしますと同じ月の誕生日です」


 おっ………ふぅ、自身の子供と同じ誕生月


「へぇー、十月十日後じゃないんだ?」


 ?


「ナナちゃん、何を言っているんですか?」


「え?あれ?だって、子供が産まれるのってそれぐらいの日数だって言ってなかったっけ?」


「いいえ?」


「ナルシェナちゃん月の日数が必ず決まった日数ではないでしょう?」


「がぅ、いつ受精、着床したかは不明な点が多い、だから最終月経から約280日後を出産予定日として目安にするだけ」


「私は病院に行きましたが、最終月経開始日を聞かれその日を0日とし、約40週後つまり280日目を予定日とされました」


 2人がそう言うと何故か私の方を向きます。なにか1つ私の知っていることを言えと?


 うーん、異世界人がなんか言ってたことですかえ〜と


「ネーゲレさんの概算法……とか言ってた計算方法があったはずです。これは最終月経の月に9を足す…あれ?

 3を引くんでしたっけ?

 えっとそれが予定月を出す方法……だったと思います」


 一度しか聞いたことがないので、かなりうろ覚えですね(汗)


「がう?9足して12を超えたら?」


 12を超える?例として5月として、5+9は14だから2月では?あっこれ別に3引く方でも大丈夫そうですね、1年が12ヶ月の世界ならばですがね


「普通に頭で計算して12引いてくださいよ」


 1年は12ヶ月ですよ?


「予定日は?」


「……………忘れました。最終月経の日にち日に何日か足すのは覚えていますが…ザハレグスは男だったのと…………」


 言っていいのかな?

 いえ、言いましょう過ぎたことですし


「妻たちに産ませる気がなかったので、覚える必要性が無かったのです。それにしても9人ですか…」


 あえてサラッと言うことで済ませます


「がう、そっか…9人?」


 ヴェルーナは気にした様子がありませんね、しかし何で9人に疑問をいだくのですか?


「…………」


 エレニカは、アリシアから視線を外し右の髪をいじり始めた。


 エレニカ、あなたが右の髪をイジるのは隠し事があるときの癖ですね。ヴェルーナの疑問の答えを知ってそうですが何を隠しているのでしょうか?


 私の死ぬと決めた年は妻達とあなた以外に、ザハレグスは抱いていませんよ?

 それ以外でしたら求められたら抱いていましたけど、妻も含め避妊はしていましたよ?


「エレニカ?」


 じっと見めて聞きます。さあ隠し事を話してください


「えっと…」


 誤魔化しは無理ですよ?


「隠していること言ってくだい」


 ニッコリと笑って言います


「実はですね…もう2人ザハレグス様の子がおります」


「う………そ」


 もう…………2人…………いる?


「アリちゃんカモン!」


 ナナちゃんが私を呼んでくれますので勿論、避難します!


「おお、よしよし…9人で衝撃を受けてたのに追加したね〜」


 なんで?


「エ…エレ…エレニカ、説明を」


「ユーグリス姉妹です」


「なぜ?」


「がう…気が付いてなかったのか?」


 なにを?


「あの2人、ザレのことを愛していたぞ?」


 驚愕の真実です!

 私が呆気にとられているとヴェルーナは言葉を続けた


「いや、不治の病で死にかけを延命しただけではなく、私財を投じ、病の研究費やら、必要な素材を集めて与えてくれる。そして病を治しただろ?」


 そうですが…


「アリちゃんアリちゃん!」


「なんですかナナちゃん?」


「惚れるに決まってんじゃん!」


 えぇ〜〜、そんなバカな〜


「ザハレグス様、ありえないって顔をしてますがよーく、よーーーーーく考えてください、多くはないとはいえ珍しい病を数年かけて莫大な費用をかけて延命処置、並びに可能な限り通い励まし続けて、治療法の研究費や素材集めをして数年後、見事治療法が見つかって、晴れて2人は生まれからずっと苦しめられていた病からの解放ですよ!?」


 それだけですよ?


「惚れないほうがおかしいよ!」


 ナナちゃんは私を痛いぐらいに肩をミシミシといいそうなほど強く掴む


「真摯に尽くしてくれた相手に好意をもつなと言う方が無理です!」


 エレニカの大声で訴えて


「がう、惚れるのが普通だと思うが?」


 当たり前なのに何言ってんだコイツという疑問の視線を向けるヴェルーナ


「そういう……ものなのですね?」


 3人が言うのです。どうやらおかしいのは私みたいですね、少し疎外感を感じますよ


 ザハレグス的にはただの民衆の人気取りです。それで観察と民衆心理の確認等のことをしていただけで、とくに2人を助けたという意識はありません


 多分


 一人だけの疎外感を紛らわすため外を見ると教会が見えました


「止めてください!」


 そういえば教会で感謝を捧げるはずでした!


「どうしたのですか?」


 エレニカが合図を送り馬車を止めさせます


「そうだヴェルーナ、神様に転生のお礼をしたいので一般寄付金分のお金を貸してください」


「がう?ザハレグスの口座はそのままだ。お金ももちろんそのままだ」


 どうして?


「死後に遺産相続しなかったんですか?」


「ん!」


 いや、『ん!』じゃありませんよ妻達でちゃんと相続してくださいよ!


「がう、はい」


 そして財布ごと渡される財布と言ってもただの分厚く丈夫な布の袋だなにせ、ミスリル、金、銀、銅の金属の硬貨しかなく未だ紙幣に偽物を発見出来るいわゆる偽金を防ぐ何かしらの方法が出来ていないのです


 硬貨は厚さ3ミリ直径25ミリで統一されていてその3ミリ硬貨に色々と細工を施して偽造防止をしている………らしい


 らしいというのは国家機密だからです


 お金はもちろん平たい円の金銀銅だけじゃないのです長方形の形をした金銀銅の硬貨がありこちらは、縦30ミリ横20ミリで厚さは一緒です。これは1枚で硬貨の10枚分になるいわゆる大金貨や大銀貨、大銅貨などと呼ばれます


 そのお金ががジャラジャラと入っている財布…


「流石に全部は貰えませんよ」


 お金は何かと使いますよ?


「ガウ、日が暮れる頃に迎えに来る。少しナルシェナと楽しんでくるといい」


「え?」


「がう、幼いときに共婚者と出会う奇跡に感謝し、楽しむといい」


 確かにそうですが…


「ですが」


「がぅ…受け取れ、私はギルドで下ろすから…な?」


 色々と気を使ってくれているようですね……分かりました


「ありがたくもらいますので、ザハレグスの貯金から引いてくださいね?」


「がう、そうする」


「ここでお別れですか、残念です」


 エレニカがしょんぼりとしていますが流石にこれ以上は、時間が無いようで大人しく馬車でこのまま南の避難者達の…現在の私達が住んでいるところ行くようです



 まあ大銀貨1枚程度でいいでしょう。いざ、教会へ


「中はどんなふうなのかな〜」


 ナナちゃんは楽しみなのか笑顔で歩いていく


 そういえばナナちゃんは町の教会は初めてですね、村より当然大きく立派な建物ですし何よりホンド村に無かったですしね


「アリちゃん、早く早く!」


「はいはい」


 少し駆け足で移動し隣に並ぶと


「開けていいのかな?」


「当然です。教会の扉は誰にでも開く権利があるのですから」


 私はそう言って右側の扉を押し開いた



 ………?……………?……………????



『ギィ………パタン』



 が、そっと静かに閉じた


「アリちゃん?」


 ………………もう…………………嫌です


 扉から離れて両手で顔を覆いしゃがみ込む


「アリ……ちゃん?」


「私は…ウィサリス領……いえ、この領都ですね」


 村にいたときはこんなことで辱めには合わなかったし


「?」


「領都にいる間、ずっと……自身を崇める領都民に辱めを受け続けるんですよね……」


 アリシアが頭を抱えている間にナルシェナはそっと扉を開けてみた


「!?」


 中を見てビックリしたナルシェナは、アリシアと同様にそっと扉を閉めてアリシアの側によって聞く


「ねぇ、アリちゃんなんで?」


「私が聞きたい…」


 私は中の光景に目を疑わざる得なかった、普通ならば神の石像が奥にあるはずなのに何故かそこにあったのはザハレグスの石像、何故!?


 どういうことでしょうか?

 いえ、考えることは辞めましょう。それよりもここを離れましょう!


 私は立ち上がりナナちゃんに向かって手を出します


「ナナちゃん、デートしましょう!」


「……うん、行こう!」


 少し考えましたね?

 でも私に気を使って同意してくれたようです

次はナナちゃんとデートだ!


でわでわ、また来週投稿しますね

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