49.風呂上がりの後に吹いた風は
字数が…空白改行含まずで
5000超えなかったし、良しとしましょう
短いよりはいいよね?
「そうね、アリもいつかきっと、そこに命を感じるわ」
命…子供…それはザレのときにも得ることのなかった存在、ザレは産ませる側でしたが、それでもきっと子供という存在は特別だったはずです。
結果的に、私が死んでしまったことにより、副官ズに子供を授ける事はできなかったのですが、心無きザレの子供と思うと、愛情とやらを注げなかったはずです。
そう思うと良かったのかもしれません、自分の為にも、子供の為にも、その母親のためにも…
「そうだと、いいですね…」
「アリちゃん…その前にステキな男性を見つけないと」
ナナちゃん、それはここで話すことですか?
「あら、そうね、素敵な人を見つけないと」
ほら〜、リーナお母さんが目を輝かせましたよ
「わっふう、自分の感じるまま、気持ちに正直になればすぐ!」
『ザパッ』と立ち上がり宣言、ですが貴方妊婦さんです足元注意してください滑らないようにゆっくりと座って湯船に浸かっていてください
そんなバカな話がありますか、簡単にいい人が見つかったとしてもそんな人は既に結婚されていますよ
「そういえば、ネーナとイリーナは幼馴染の共婚者だったと聞いたけどスーナは後からだったかしら?」
ネーナさんがナナちゃんの生みの母でイリーナさんはメガネスレンダーさん2人は私とナナちゃんのパターンですかね、そうなるとどこで合流して、どう仲良くなって共婚者となったかですね
「わん、そうだよー」
「後から2人の仲に入るって、怖くなかった?」
怖くってナナちゃん…
「……わふぅ、怖かったよ、絶対的絆が鎖のように頑丈な2人の友にしてもらうのも難しかった」
えっと、もしかしたら私とナナちゃんの間にもそういった何かがあるのでしょうか?
チラッとナナちゃんの方を見ると同タイミングでお互いを見たらしく目が合った
「へへへ、健やかなる時も病める時も、富める時も貧しき時も、喜びー」
「わかりました、わかりましたよナナちゃん」
「ーの時も悲しみの時も、いついかなる時も!」
とっ止まってくれません!
ナナちゃんは私に近づき両手を掴み浸かってる水面の上に持ち上げます
「ふふふ、愛されてるわね〜」
「わっわふぅ、想いが重い、重量過多だよ」
リーナお母さん、スーナさん止めてくださいよ〜
「24時間365日ずっと一緒だよ!」
「いえ、移る病気の時は適度な接触で済ませて、貧しき時は共に稼ぎに行きましょう。そして、プライベートはお互いに必要です!」
流石にトイレぐらいは別でお願いしたいです!
「……そんな、そんなっ!」
握られていた手が離されて俯くナナちゃん
「私の愛が受け取れないっていうの!」
「愛し合う中にも距離感は大事だと思います!」
お互いの適切な距離というものもありますし。いくら共婚者といえども、なにか1つぐらいは合わないのもあるでしょう……ね?
「ショックだよ〜、ゴポポポポ」
ナナちゃんが湯船に沈んでいく!?
「何をやっているんですか!?」
すぐに助けましたが、ナナちゃんは未だ悲しそうな表情のままです
「シクシクシクシク、だって、アリちゃんが私と距離をあけようとするんだもん」
「適切な、ですよ?」
全力で距離を開けて、二度と近づかないでなどと言ってませんが?
「こんなに肉体は近いというのに!」
抱きついてきました
「どうして…心は遠いの?」
『サワ……ツーー』
頬を触ってきたと思ったらそこから指を水滴が流れるように動かし鎖骨の中心へ移動して更に下へ行き胸の中心へ行くとのの字を書き出したって
「やめてください!」
なんだかゾクゾクっと来ましたよ!?
「そんな…アリちゃん」
「クスクス」
「わっふう、仲良しだね」
私とナナちゃんのお母さんが私達のやり取りを見て、微笑んだのだった。
そんなやり取りをして時間が経ち
「ふぅー、先上がるね」
スーナさんが先に湯から上がりました
「そうそうアリ、これは覚えておいて」
「何をでしょうか?」
「さっきの健やかなる時もの話のときにね、2人にこれは伝えようと思ったのよ」
「…何をでしょうか」
「なになに!」
どんなことでしょうか
「人と人は悲しさは分け合えて、苦しさも分け合える。でも…」
「……っ」
理解できるのかナナちゃんは息を呑んだ
「でも……楽しさは増えて、嬉しさも増えるのよ、不思議でしょ?」
増える!?
増えるものなのでしょうか?
「分かる!」
「あら、ナルシェナちゃんは理解できたようだけど、アリは…理解できなかったかしら?」
少々お待ちを…………辛く苦しい時、誰か支えてくれる人辛さを吐き出させてくれる人がいれば、人によっては救われる人がいることを知っています
なので、フォルミアのときにそれを実行しました。結果は上手く行ったので知識としては理解していますが…
私自身は心で理解していません体の痛みは自身の痛みです…分け合えるわけがありません。それとフォルミアのことを考えて、分け合えるのは心の苦しみだけということですかね?
心の苦しみ悲しみは分け合える………理解してみたいですけど、それは悲しみと苦しみを知るということ
…それは、嫌ですけれど、その心を知りたい私もいる
はぁ、それは置いておきましょう。次に楽しさと喜び
「考え込んでるね、アリちゃん」
「アリはいつもこうよ、覚えておいてとか理解してって言うと5歳までだったかしら?すごーーーーーーく、考え込むのその時、最初は無表情でちょっと怖かったわ」
「そうだったの?」
「そうよ」
いや、それは仕方がないじゃないですかその頃はまだ、一般家庭に慣れるまで時間がかかりましたし、大人の覚えておいてって、割と重要ですよ?
特にユナお母さんの、覚えておいてシリーズは生死に関わることが多かったですし一方でリーナお母さんは雑で思い出すと……
「刃物で刺されると死ぬから包丁の扱いは大きくなってからね」
なんて意味がうまく伝わりませんでしたよ、後からユナお母さんが
「刃物というのは肉や野菜を切るためにある…『ザクッ、ザクッ』このように人参やキャベツをキレイに切ることがな……アリはこの包丁と同じ様に手できるか?」
「できません」
「アリはこの人参やキャベツより硬く頑丈か?」
「いいえ」
「包丁はそれができる。人を傷つけることが出来てしまうそれは危ないこと、危険なことなのだ、扱う場所も今のアリにとっては高い場所だ、怪我をさせたくないしましてや間違った使い方をさせたくないだから刃物には近づかないでほしい、そのうちお手伝いとして親のわたし達の指導の元使ってほしい、そうすればアリは安全で私達も安心だから」
「はい、わかりました」
というやり取りを思い出します
っと、それを思い出している場合ではなく
「アリちゃん!」
ナナちゃんが今度は後ろから抱きついてきました
「……なんですか?」
「難しく考える必要なんてないよ!」
「?」
「私と一緒にいるのが楽しいかどうか、嬉しいかどうかだよ!」
「……そう、ですか」
私1人で何かをするよりもナナちゃんと一緒に何かをするほうがいい、私1人でいるよりも、ナナちゃんと一緒に居るほうがいい
…………たったそれだけ、それがわかればいい、1人がつまらなくても1人でいるのが何も感じないよりも、1人よりはいい
そっと私は前に回されたナナちゃんの腕に手を添える
「そうですね…ナナちゃんと一緒なら、きっと幸せですね」
「一緒がいいよね」
「はい、一緒がいいです」
ギュッとナナちゃんが抱きしめる力を強めました
「ふふふ、さてそろそろ上がりましょう?」
あっ、そうでした。リーナお母さんが居たんでした。
「はーいってあれ、アリちゃん顔が赤い?」
「…それは当然赤いでしょう、お風呂に入っているんですから」
そう、決して恥ずかしいという感情のせいではありません。友達…共婚者と仲良くしているのは当たり前なのにどうして仲良くしてるところを親に見られると…
こう、見られたくなかった、というか見てほしくない、という感情が出てくるのか良くわかりませんが顔が赤いのは湯に浸かって体温が上がったせいということにしてさっさと出ましょう!
「リーナお母さん、手を」
「ありがとうね」
「私もよかったら支えに使ってね」
ナナちゃんもリーナお母さんを支えてくれます。スーナさんはササッと出ましたから手伝えませんでしたが、人それぞれでしょうか?
スーナさんは手伝い不要感がややありますが今よりもっとお腹が大きくなったら必要でしょうその時はより注意深く手伝えることがあるときにササッと手をお貸ししましょう
「あら、じゃあ頭を」
「すみませんアリーナさん、せめて肩にしてください」
ナナちゃんが一歩下がり頭を下げました
「そんなに警戒しなくても冗談よ?」
リーナお母さんの場合冗談に聞こえないんですよ
湯から上がり体を風魔法で乾かしてもらいました。タオルで拭くよりも早いので助かりました
「……」
「………で…………なのよ」
「ほぉ……ちゃん……………で…………か?」
「そおなのよ!………で……」
「……そう……………た」
何やら、服をゆっくりと着ながら会話が弾んでいます
「先に外に出てますね」
「「はーい!」」
……ナナちゃん、私よりもリーナお母さんと仲良さそうですね。別にいいですけど
脱衣所が直ぐなので、少し隙間があり2重になっている布をめくり外へ出ると、お父さんとスーナさんが会話していました。
「…ということだ、頼めるか?」
「はい、大丈夫です。キチンと伝えておきます」
「助かる、では頼む、すまんなアリ父さんすぐに行かなくては行けなー」
「全然平気です。すぐにいてください」
「ーいから、そうか…そうかぁ………じゃあ行く」
「はい、頑張ってください」
「お気をつけて、怪我のないように」
何故かトボトボと歩いていくお父さん、すぐに行かなくてはいけないのでは?
そう思いつつも横にいるスーナさんに視線がいきます。だってすごい違和感です
同性や親しい人の前ではいつも『わふ』や『わん』という語尾のようなことをいうのに異性の男性と2人っきりだったりすると先程の普通な喋り方だ
「わっふうー、ナナはまだお着替え中?」
「はい……その」
「わん?喋り方気になった?」
「はい」
ザレの頃から変わっていないのであれば種族特有の事情、警戒や気を許していないという意味合いでした
「わふ、ほとんどの未婚の獣人は異性にのみ線引するの」
「線引ですか」
「わん、気を許していない、あなたはまだ他人ですよーって言う線引」
「………なるほど」
未婚はそういう意味合いですか、好感を持っているかどうか分かりやすいのは、獣人はわかりやすく素直でいいですよね
「では、親しくなると」
「わっふ、男はスキンシップが多くなりベタベタ触り始めて、女は私みたいに犬系なら『わん』とか言い始めて、猫ならば語尾に『ニャ』を言い始める」
ほぅ…………ん?
副官ズのヴェルーナは……『がう』でしたねノーラは…あってます。そうですね『〜ニャ』というのをよく聞きました。でもほとんどの未婚って言いましたね
「結婚すると変わりますか?」
「わん、結婚すると結婚相手以外の異性に気を許さないという意味も込めて、私の場合はトラがそばにいないときは普通に、そばにいればわふわふ言うよ他の獣人もそうじゃないかな?」
「わからないものですか?」
「わふぅ、気にしたことないし、わざわざ聞かないし」
それもそうですね
「おまたせ、アリちゃん!」
「おまたせ〜」
ようやく出てきましたか…何を喋っていたのやら
「わん、待ったよー、アリーナ、グライドから伝言」
「あら、なにかしら?」
「わん、えっとね……………」
スーナさんがお父さんから頼まれた伝言は、また私達に不穏な空気をもたらすのでしょうか
スーナさんのまとう空気が変わりましたので、思わず警戒してしまいます。やめてください、もう騒動入りませんよ、平和で行きましょう平和で
さて、プロットはありませんのでどうしたものか…
街に一度も入ってないから街に行かせるか?
アリシア「武器がほしいです(切実)」
ナルシェナ「オシャレしたい!」
なにか騒動を起こさせるか?
騒動の素材「!?」
悩みますが来週までに書かなければ…
でわでわ、また来週投稿しますね!




