30.気にしなくてもいいのに
遅れましたごめんなさい!
m(__)m
「アーリー」
おおぅ、私に抱きついてきたリーナお母さん。よしよしと頭を撫でます
「えっと、お母さんこのあとの予定は?」
「んー?えっと晩ごはんを取って寝るの」
…………あっそうですか
「えと、分かりました。ならばご飯の用意はどうするのですか?」
「既婚者は各家庭でってね、あっでも家はトラビトさんのご家庭と一緒だからみんなで行きましょう」
と言われたので何故か仲良くなったナナちゃんとロティシナとリーナお母さんで移動する事に
私とナナちゃんがお世話になった馬車とはサヨナラです。これで医療用というか怪我人用となっていた馬車は普通用となり普通の馬車として使用され…なさそうですね
外に出て晩ごはんを作り食べるために移動中、多くの怪我人を見かけました。
リーナお母さんに聞くと彼らは別の村の者たちだそうです。怪我人があんなに多いなんて…うちの村とは差が激しいです
もし、うちの村に冒険者経験者が少なかったらと思うと似たような結果が出たことでしょう、あちらさんには気の毒ですが非常時のことを考えて戦力が無かったことが問題でしたね…
平和ボケとまでは言いませんが、結界に安心感をいだきすぎです
なんにせよこれから先の道はあの馬車も引き続き傷病人用として使われそうですね
そして、たどり着いたテントが私達グライド一家が眠るテントでその隣がトラビト一家のテントですね、さてお手伝いしますか
……………
………ナナちゃん邪魔です!
………………ロティシナ包丁使っているので危ないです今は近づかないでください
…………よし、完成ですねお父さん、ナナパパさん!
リーナお母さんご飯できましたよ〜
ご飯ができて野菜スープと簡単に肉を焼いた串焼き肉です包丁は、野菜を先に切りその後で肉を切りました。
この包丁あまり切れ味良くありませんが研いでないんですか?後で手入れをしておかないと
……食べ……ますか?
「先に食うとするか?」
お父さんがみんなに食事が行ったもののいない人がいるからどうしようか迷って聞く
「…もう少し待とうや、どうせすぐ来るさ」
ナナパパはそういう…ならば最初からそう言っていただけますと鍋から掬わなかったんですが?
「待たせた」
「すまない、と思うが先に食っても良かったと思うが…」
すまなさそうにする二人に対して
「なに、待ったのは少しだけだ気にする必要はない
グライドお父さんはそう返し
「ハハハ、そうだそうだできればみんなで食いたいじゃないか、少しぐらいは待つぞ家族だしな」
ナナパパはそう言う
では買い物に行ってきた2人にも食事を渡し
「「「「命の糧を」」」」
「いのちのかてを」
「「「「「昼も美味しく」」」」」
「いただきます(2家族一同)」
『パク』
可もなく不可もなく普通の出来です。ですが普通でいいのです旅先で普通の味は大事大事
食事は進み食べ終わると片付けはリーナお母さんとナナママ1ナナちゃんの産みの母のネーナさんの2人でやるそうですね
「さて食事もすんだことだし、アリこれを」
ユナお母さんが出したのは言っていたオペラ・グローブ…と言うわけではなく
「手袋ですよね?」
革製の手袋でちょっと長めで手首から肘の中間辺りまで……革がある。手袋の裾でいいですよね?それが普通よりちょっと長いので…はい、ちゃんと見えなくなりました。
「本当は色々と考えていたんだが…」
ええ、なんかオペラ・グローブとかアーム・ロングとか言ってましたしね
「ここよりも領都のの方がいいものがあるだろうからな、だからあっちで買う事にした」
ふふふと笑うユナお母さん…着せ替え人形のようになりそうですね、まあーその、オシャレというものを体験しましょう
それに発展している場所や都会の方がいいものがありますよね
「今いいか?」
おや、トットルさんが来ました。どうしましたか?
「ああ、どうした?」
父グライドが立ってトットルさんの前に
「まずは、謝罪を大人は子供を守る役目があるというのに魔神相手に動けず、すまなかった。そしてアリシア、ナルシェナ本当にありがとう助かった」
そう言って頭を下げるトットルさん、気にしなくてもいいのに
「それで調子はどう……だ?」
私はちょうど手袋をして分かりませんでしたがナナちゃんを見て視線を止めました。
「なっ…何ということだ…」
ナナちゃんの左目を見て驚く
「……すまない」
すごく悲しい顔をして謝るトットルさんに対してナナちゃんは
「トットルさん、大丈夫です!」
満面の笑みと明るい声で返します。さすがナナちゃんです
「どうして?」
ええ、理由を聞きたくなりますよね
「ほらっ」
『グイッ』と私を引き寄せるナナちゃん
「お揃いなの!」
その声はとてもとても嬉しそうな声です。弾んでいる声って、こういうのを言うんだねと言わんばかりにわかりやすいです
「そっ、そうか………そうか」
安堵…ですね。本人が気にしていないならば良し、喜んでいるならばなおさら良し、ですからね
「とはいえ、そのままという訳にはいかんな…少し待ってろ」
そう言うとトットルさんはどこかへ行きすぐさま戻ってくる、小さい子供…ではなく小人族の…あれはトットルさんの旦那様、ギアースさんです。村では小物の細工をしていてトットルさんが作ったものに匠の技で可愛らしいデザイの細工をつけたりして商人に売ったりしていました。
えっとそんな人を連れてどうしたんでしょうか?
「旦那ちゃんお願い」
……ん!?
えっと、トットルさんの声が心なしかワントーン上がっているように思えますが…まあ、旦那の前ですからねなにか事情があるのでしょうね?
「フム……まずはうちの嫁ちゃんが力不足で申し訳なかった」
いえいえ、魔神相手で力不足ということはありませんよ
「構わない」
「仕方のねえことだ気にすんな、ナナも気にしてねえし」
お父さんとナナパパがそう返す
「感謝する」
一礼する、ギアースさん
「では、ナルシェナちゃんの眼帯になるものに細工を無料でしよう後、嫁ちゃんと嫁さんに協力も」
「私がアリシアの…確か手だったな?」
「はい、左手です」
「ガントレット系統の手の装備を作ろう」
「えっ、いえいえそうはいきませんまだ成長期ですよ!?」
「何気にするな、一人分くらい趣味の範囲で十分だ…それともアリシア詫びもさせてくれないくらい私のこと、嫌いになってしまったか?」
トットルさんの眉が悲しそうに下がります。
「そんなまさか!?」
力不足でもないですし軍人さん相手に戦えるだけですごいですよ、実際に他の村の人はあんな状態ですし
そう思いよそに目を向けるとよくわかる、うちの村とは全く違う空気の村人、一目でうちの村とは違い悲惨な目にあったとわかる
「…では、構わないな」
「はい、ご迷惑かけます」
頭を下げてしまうとその頭にトットルさんの手が載せられて撫でられる
「そこは謝るのではなく喜んでほしいのだがアリシアは真面目だな、お小遣いが減らないと喜んでくれればいいのに」
「……」
一様ニコっと笑ってみるがうまく笑えていないと思う
「…まあいいか、ではサイズを図ろう」
「トットル俺は早速作ってくる」
「あっうん♪」
トットルさん?本当に旦那様が好きなんですね…ナナちゃんと一緒にそう思える素敵な人に会えればいいんですけどね
サイズを図るとトットルさんも領都につく頃に渡すと言って自分のテントへ戻っていった。
「良かったな、アリ、ナナちゃん」
「ハハハ、いいのができるといいな!」
「楽しみだねアリちゃん」
「そうですねナナちゃん」
本当に楽しみです。まあ、私はガントレット、ナナちゃんは眼帯ですからね、私よりもナナちゃんの眼帯のデザインが気になるのはトットルさんに申し訳ない…ですよね。うん、ガントレットも楽しみにしておきましょう実用的でデザインもいいものを……それは欲張りですよね?
ナナ「魔力を込めたらビームが出る機能入れてくれるかな?」
アリ「え!?じゃあ私は、ガントレットが飛ぶ機能を求めればいいのですかね?」
ナナ「おおいいねいいね!」
ギアース「無理」
トットル「すまん、無理だ」
アリ&ナナ「ですよねー」
なんて書いてないで次書きます次週は間に合うよう頑張ります!
でわでわ来週投稿します




