21.集会をするんですか
少し遅れました。ゴメンナサイです
「アリ」
「どうしましたお父さん」
「今日の日程は子供たちはどうなってた?」
「えっと」
私に聞かれても、子供代表じゃないんですけど…まあいいですが
「日程は基本決まっていませんが、男子の見落としによる結界騒動、昨日の賊騒動の2件で年長者の親から流石に集合し話し合いが必要と言われると思いますので子供の集会が予測されます」
子供の年長者が下の子を集会所へ呼びに来てお手伝いのとか勉強会のことで話し合いが行われる結界騒動時は、収穫時期ということもありお手伝いの変更はする必要もなかった。
だが今回の賊は別だ安全を考慮する必要がある、その点を踏まえて子供だけで集まり話し合いが必要、結果を大人に伝えて判断すると思う
あくまで予測だけどね
「なるほどそうか、村長いっそ緊急集会を開きいっぺんに決めたほうがいいと思うが」
「そうじゃな」
「では、皆に伝えてきます」
「ああ、9時に集会所で」
ランニングついでに各家に訪問することになった。数軒まわったが、早朝ということもありどこの家も在宅だったからスムーズに一軒一軒回ることができた。
あっここはナナちゃん家だ
『コンコン』
「すみません、グライドですがいらっしゃいますか?」
「いるかな?」
「ナルシェナちゃんか?」
「うん」
「まあ、昨日の今日だしな心配なのは当然だな」
「はいはいはーい、おまたせ~グライドさん」
出てきたのはトラビトの妻の1人スーナさん
ナナちゃんの産みの母ネーナさんやメガネスレンダーさんのイリーナさんの様に人間ではなく、スーナさんは犬の獣人さん
獣人は人間の体に獣の耳と尻尾が付いたものちなみに人間の耳は無い
「どうしたのー?」
「実は…」
尻尾が元気良く振られている、可愛いと思ってしまうね。獣人はみんなこんなに可愛いものなのだろうか?
ザレの頃は心がなかったからな、純粋な評価では各種ごとに方向性があり、扱いは変なことを考える人間よりも真っ直ぐであると言うことぐらいだ。もちろん、個人差はある
犬の獣人さんは上下関係を一度決めれば以後従順になる傾向がある
「と言う訳で9時に集会所へ」
「はーい、トラとナルシェナちゃん以外は行くねー」
「2人はどうした?」
「それが…」
スーナさんが言うには、修行の旅に出たらしい
「えっ!?」
しゅっ修行の旅!?
「それは…どうなんだ?」
「わかんない!」
スーナさん…なげやりと言うか旦那の決定に逆らう気が無いのだろう、いい笑顔だ
でもそっか~、しばらく会えないんだろうね
「うーん、まあトラビトがいるなら大丈夫だろう。では9時に」
「はーい、まったねー」
お父さんがそう言うなら強いんだろうねトラビトさん、そして再びランニング兼伝言をこなし家へ帰宅
「ただいま」
「ただいまー」
帰宅するとリビングから声が帰ってきた。
「お帰り」
「おっお帰り〜」
「おかりー」
「では少しま…」
「聖魔法、第一節、聖なる浄化」
「リーナ……」
ははは、リーナお母さんまた魔法で済ませたね。まあ体を洗ったり着替える手間が省けたけど
私も魔法が使えるようになったら頑張ってリーナお母さんの様に短詠唱ぐらいできるようになりたいな、じゃないと実戦では使えないからね
「まあいいか」
今に始まったことではないので、お父さんは諦めて席のつくので、みんな各席に座り…では
「命の糧を今日も」
「「「いただきます」」」
「いたらきます」
今日の朝食はサンドウィッチとスープ、ロティシナの前には一口サイズのサンドウィッチが置かれている。ユナお母さん流石です手間だがきちんと作る
楽しく会話をしながらの朝食話題はもちろんナナちゃん家のお父さんトラビトとナルシェナちゃんの修行の旅の事です
「…子供を連れて?」
「ああ、そのようだ」
「しかし、10歳の儀式をしていないぞ!」
「ああ」
「危険すぎる連れ戻すべきだ!」
うん、私も死にかけたし魔毒は危険
かすり傷でもきっと危険度は高く、傷が原因ではなく魔力が原因なのだから儀式をしていない子供は魔獣と戦うときは毒持ちの相手と戦っているのと同じ
私はザレという前世があるおかげであらゆる痛みになれて……月のものは初めての痛みだったなー、じゃなくて
痛みにはなれているそんな私でも実はかなりキツかった。
痛みはある程度覚悟があれば我慢出来なくもない…あっそれはザレの頃でアリシアの体は全てが新品のツルツルスベスベのプルプルお肌だ
ザレの怪我は外傷によるものがほとんど魔毒は内側からだ……お母さんに斬られたオデコとソードウルフの以外に内側の痛み魔毒と生理、アリシアの方が痛みを負っている気がするね…
同じ年齢の頃のザレは、そんなに怪我はしたことないのにね
「?」
あれ、ロティシナが耳をふさいでるし、ちょっと震えてる?
側によるとやっぱり震えていた。ユナお母さんが怒鳴るとビクッと反応するので原因はユナお母さんにあるのだろうが今はちょっとヒートアップしていますので後にしましょう
ロティシナの様子が少しおかしいので私の部屋へ避難させましょう。コソコソッとね
「ロティシナ、大丈夫?」
「うん」
部屋に移動している間も今も、ずっと私の服を掴んだまま少し顔も青いですね?
「どうしたの、ユナお母さんと何かあった?」
「……」
まだ、知り合ってすぐだから相談とか無理かな?
「おこるおかーさんがこわいの……」
「そうなんだ」
怒ってはいますが相手はロティシナではないのですがユナお母さんが大声を出すということに怯えていますね
「怖い…何があったの?」
「えっとね…」
それは一人で子育てしているときのユナお母さんの事情で宿屋で暮らしていてユナお母さんが他の客と揉めていてその時に様子をちらりと見たロティシナに怒鳴ってしまったようでその時ユナお母さんは相手をボコボコにしていたようでその光景と声が怖かったそうだ、自分もそうなるんじゃないかと……うーん3歳児には刺激が強かったと
そのうち話してユナお母さんと相談しないと多分今私が「ユナお母さんは怖くないよー」と言ってもダメだと思うしもう少し年月を重ねれば分かってくれそうだけど、早いうちに誤解を解くのも悪くないよね、でも………
全て本人次第…なんだよね。兎に角、ロティシナちゃんの味方という安心感と言うか信頼の置けるお姉ちゃんのポジションにいて様子見をしたほうがいいよね?
「大丈夫お姉ちゃんが一緒にいるよ」
「…ほんとう?」
「うん、だから怖がらなくても大丈夫だよ、何なら守ってあげる!」
「……えへへ」
あは、よかった笑った
「アリ、ロティは…大丈夫なようだな」
お父さんが来た。ユナお母さんに問い詰められつつもよそを向いている暇があったんですね
「はい、大丈夫ですよ」
「アリ、お父さんがトラビトとナルシェナちゃんを迎えに行くことになった」
「…は?」
結局、ユナお母さんに負けて連れ戻しに行くんですね
「村の防衛とかを考えると心配事ばかりだからさっと探してすぐに」
何だろう…不安がよぎりますがナナちゃんが心配なのでお願いします
「お父さん、お願いしますね」
「ああ」
「さて、集会所へ行こうか」
「はい、ロティシナも行くよ」
「うん」
人見知りしないといいけど、とはいえ私も子供代表の年長者に会うのは実は初めてですね、どんな人か楽しみです
でわでわ、また来週投稿します




