198.それぞれの見え方がある
ザレへ
ボクは困惑している。どうしたものかと…悩んでもいる。仲間がな…動くものは敵と言わんばかりに滅していくんだ、どうすれば良いのだろうか?何を言えば止まるのだろうか?このままではあの浮島に行く方法を知っている人まっおい!やめろおおおおぉぉぉぉ!!!
敵を守れなかったライラックより
アリシア「元気そうでなによりですね♪」
ヴァネリア「はい、主亡き後も、奥方様達は計画通りに子供を妊娠している為に、胎児に気を使い生活をしておりましたよ?」
アリシア「……苦労をかけましたね」
ヴァネリア「いえ、団で様々知識や経験者もいますので苦労はさほどしておりません」
アリシア「そうですか」
***フランメ***
「やはり2人は共婚者というだけあって仲が良いな」
絶対に他人ではない距離、肩が触れ合うような距離…後ろ姿とはいえ、なんとなく私は描いておく、下書きではあるがやはりとても近いとわかる。
「何でも話せる間柄、溜め込むことなくまっすぐに感情をぶつけるナルシェナ」
いやいや、流石にナルシェナでも溜め込むこともあるだろうとは思うが、アリシアと比べると…な?
「一方平気そうに見えて、本人の自覚無しに溜め込むアリシアか…」
それに気がついているのは、果たして私だけだろうか?と思っていると、ヴァネリアさんが色々と持ってきてくれたので聞いてみることに
「フランメ様、今回はどうしますか?水彩?油絵?ペン画?木炭?あ、パステルなんかもよろしいかもしれませんね」
ヴァネリアさんはキャンバス以外に、紙がパネルに貼られた物も持ってきてそう言ってくれる。
待て待て待ってくれ!?
私は絵描きのプロじゃないんだぞ!?
準備万端はありがたいのだが
1つを極めてもいなければ、技法の1つも知らないし、完成品なんてまだ片手で数えるぐらい素人だそんな絵の種類を言われても困るし、なんでそんなに持ってきているだ!?
邪魔な荷物以外の何物でもないだろうに…
「あー……その今回はペン画にしておきます。それと1つ聞きたいんですが」
「はい、なんでしょうか?なんでもおっしゃってくださいね」
イーゼルに紙が貼られたパネルを載せる。それぐらい自分でやります。あ、わざわざ用意してくださって感謝してます。本当にありがとうございます。
「みなさんは、アリシア…ザハレグス様がため込むタイプだと気がついてますか?」
「あー……まあそうですね。ザハレグス様の時に比べて分かりやすくなりましたが……フランメ様もあの困り眉、気がついていらっしゃるんですね」
むしろ間近で見て、気が付かないわけないだろうに…
「ま、今は気にしても仕方がないか」
「ですです、今は敵地であり気を少しでも抜けない状況です。おそらくではありますが、主様もきっと落ち込むような出来事や、考え事をする暇などはないでしょうから、きっと大丈夫ですよ」
………長い付き合いの彼女達の判断の方が正しいだろう。信じて私は絵を描くか
………………
…………
……
「うーん、さすが廃墟、前に描いたのと違って光加減のせいか人物がいないせいか、寂しい感じになったな」
まあ、ペン画で必要な部分しか描いてないせいもあるだろうしシンプルに仕上げた結果、淋しい感じになった。
「もう少し描き込むか」
………………うん?
…………あ〜
……ふっ
「失敗したな」
「そうでしょうか?」
「ん?おっ!?」
声が聞こえて振り向くと、隠密護衛含めた今回の猫の部隊である黒羽根さん達が全員いた。
びっくりだ、全員気配が無いから素直に驚いたぞ…
「あ……ああ、私の技量が無いせいで、ただペンの黒を追加した感じになってしまったんです。そのせいもあると思うんですが、全体的に暗い印象となり、物悲しい感じになってしまった。と思うんですが……どうでしょうか?」
白いキャンバスに、黒い色が増えていき、描き込みが細かく温かさがない……うん、人の顔などであればいいが誰もいない廃墟の絵は……物悲しい感じにしかならないな、プロとかだったら温かさを、表現出来るのだろうが私は素人、ただただ黒くなるしかない………失敗作だな
「まだ時間はあるだろうか?」
後ろを見て聞くと返事はなく
「物悲しい感じ………」
「物悲しい…悲しい?」
「どこか淋しい、何となく悲しいとかじゃ無かったかにゃ?」
物悲しいという言葉で困惑していたようだ…
まあ、あまり使わないよなぁ
「アクリル絵の具か水彩か……ここはアクリルの方が早く乾くよな」
独り言を言っていたら、いつの間にか側にいたヴァネリアさんが答えてくれた。
「いえフランメ様、出来上がり後の乾燥を気になさるなら、パステルや色鉛筆でよろしいのでは?」
「ああ、それもそうだな…」
つい完成後に残すことを考えてしまった。
素人のラクガキなんぞ、捨ててしまえばいいのに保存する方向性で考えてしまった。
「すまない、ど素人の私が残すことなんかを考えてしまった」
こんなプロの絵描き様に比べれば、光の加減も、パースも、何もかもが足らなさすぎて、とてもじゃないが売るに値しない絵だろう
「えっ!?残さないのですか?」
「は?」
ヴァネリアさん驚きの声を上げた。
何故だ?
「えっと、残すつもりなんですか?」
ヴァネリアさんの方に向き直って、私は真剣に聞く何故残そうと思うのかと
「はい、その絵をお描きになったのはフランメ様だからですが?」
「?」
「?」
「???」
「???」
「いやいやヴァネリアさん、素人の絵というよりもその道に進んでない、絵と呼ぶにはふさわしくないラクガキは、残す価値すらないと思うのですが?」
私の言葉にムッとするヴァネリアさん。
いかん、怒らせてしまっただろうか…
「作品に素人とか関係あるのでしょうか?」
ん?それはどういうことだ?
「世の芸術家と言われる人は、他者の評価により、芸術家と言えるようになってます」
「はい、そうですね」
ヴァネリアさんの言葉に頷く、芸術家と言われて世に作品を残すのはそういった人々だ、お金持ちの商人やお貴族様方の保護や支援を受けて……
あれ?受けてるな私
いやいやそうだとしてもだ
「私は残そうとは思ってませんよ」
そう、趣味程度で適当に描いた絵なんか残さなくていいだろう。
「フランメ様…私は誰かが気に入ればそれは作品であり、価値があるものと思います。素人とかプロとかは関係ないと思います。私は欲しいと思ったから残そうとは思うのです。なので購入させていただけませんか?そうすればその絵をもらえますか?」
え?買うの?技術も、センスも、何もかも足りない素人の絵を?趣味で描いた絵を?
「そりゃ、買うなら買った人が飾ろうが捨てようが自由だと思いますが……え?買うんですか?私の絵ですよ?売ろうとしてじゃなく趣味で描いた絵を?……後から苦情などは受け付けませんよ?」
「はい…じゃあお金は後で渡したほうが良さそうですね。今渡しても邪魔にしかならないでしょうし…」
ヴァネリアさんはわざわざ人を呼んで運ばせた。
え?マジか…いやまあ良いんだが
「はい、団でしっかりと保管して、皆でオークションをし、金額が決まった後に飾りますね」
…………ん?
「ちょっと待ってほしい」
「はい?」
私は『飾りますね』の部分に嫌な予感がした。
「まさかと思いますが王都の、あの屋敷のどこかに飾ったりなんか…」
私なんかの絵が、私も見学したあのギャラリーに飾られたりするのだろうか?
「飾るに適したギャラリーがありますのでそこに飾ろうと…」
「いや、やめてくれ」
思わず丁寧な言葉ではなくなってしまった
いやまあ、丁寧語や敬語なんか教えてもらってないからよくわからないんだがな?
少しでも丁寧にくらいで話してはいるが……
だがアリシアが認めていれば特に気にしなさそうではある。そこがすごいと思うな、ザハレグス様が認めていれば認める。という上がいいならいいって簡単にできることだろうか?
「そうですか………では購入者の部屋にという感じにいたしましょう」
「いや買わないでください、オークションとかマジでやめてください、こんな絵無料でいいです無料で…本当に差し上げますから」
というやり取りをしているとアリシアとナルシェナが帰ってきた。
しかしアリシアは、最近標準装備の困り眉の上に、口元に手を当てて本当に困っていた。
「どうしたんだ?アリシア」
「いえ、あの…ちょっと心が行方不明でして…」
心が行方不明とはいかに?
しかし行方がわからないとなると届け出の必要があるな
となると隣にいるナルシェナに出すべきでは?
「アリシア、届け出は提出したか?」
「届け出が必要ですか?どちらへ出せば心は帰ってきますか?」
お?のってきた?
そこまで心がモヤってるのか?
「ナルシェナじゃ……ないか?」
「……ナナちゃん?」
アリシアは横にいるナルシェナを見ると、ちょうどナルシェナもアリシアを見た。
「おん?聞かれても私も分かんないよ?」
あ〜、まあそれもそうか、ここに来るまでに話ぐらいはしてるよな
「ほら………『ムニュ』アリちゃんの胸に聞いても………怖いについては所在不明だってさ」
わざわざ胸を揉むなよ…しかし今回は『怖い』か、アリシアが怖がるのは確かに想像できないな、むしろ怖がることってあるのか?
あったとしても一瞬で歓喜に変わらないか?
ヘタをしたら笑い声を上げて何か言いそうだな…
例えば
『……体が震える?ど、どうして?ああ…でも客観的に見れば知っている?この状態を?私は知っている?……あ、ええ、ええっ、ええっ!私は知っています!そうです!そうです!知っています!これは怖い!恐怖の感情!?ああ…なんてことでしょう!怖いはずなのにそれ以上に喜びがこみ上げて来るじゃないですか!ああ…恐怖の感情が消えてしまいました。ふふふ、ははは、とっても残念ですが……まあいいでしょう。お詫びと言ってはなんですが、あなたに死に方を選ばせましょう。さあ、どう死にたいですか?』
……なんてな?
「…『パシ』そうなんですよフランメ、ナナちゃんが廃墟に1人で居るのが怖いと言いまして、私にはそれが分からないのですよ」
アリシアは胸を揉むナルシェナの手を払い、私に向き直って言ってくれた。
怖い……恐怖か、伝えれるだろうか?
私は新しいヴァネリアさんにお願いして画用紙パネルに変えて、一旦アリシア達に待っててもらうように言い、中をサッと見て木炭画で描くことにした。各構図は全部同じで細部や影などで理解してもらおうと思う。
まず1枚目は必要最低限の線だけ描くと、ヴァネリアさんにお願いしてもう1つ持ってきてもらって、その間に出来たのを2人に一度見せる
「あくまで例えなんだが、これがアリシアの視界とする」
「おーーー早いのに綺麗だね」
「……サッと見てきただけですよね?記憶と一致することを考えるとすごい瞬間記憶ですね」
「………」
私は無言でヴァネリアさんの用意した新しいパネルに描き始める。今度は先の絵よりも少しだけヒビ、苔、草、の細部も描き、影は色濃く描く、そうすることによって廃墟の虚しさが浮き彫りになる……筈だ
「ふぅ……これが私の視界な……で次だ」
既に準備されている。ありがとうございます。
でもう1枚描く、今度はかなり細部まかく描く、もはや全体を描き込む、白い場所は本当に光が差し込んでいる部分のみ、そこ以外は薄っすら黒を入れ、グラデーションで光から離れる事に濃くしていく……………………………
…………………もうちょい
…………もうちょいかな?
……よし
「待たせた。これが一応ナルシェナの視界ということで」
絵から離れると、すかさずヴァネリアさんとリエルさんがイーゼルと先に描いた絵を3つ並べる。
うーん、いい……いいな、私的には上手く描けてると思うんだが…
チラチラッと、イーゼルの横に立っているヴァネリアさんとリエルさんを見ると
『グッ!』とサムズアップしてくれたのはヴァネリアさん
リエルさんは『コクリ』と一度頷くと微笑んでくれた。
うん、下手ではないようだ
「…私の視界かなりシンプルですね」
あー、一応描くことがまだあると言えばあるぞ?
分かりやすく説明するために、描いただけだからな?アレだ図付き解説?
のようなものだ
「………ある意味あってそうだけどね?」
だろ?
「なんですって?私はこれでも物事をちゃんと見ているつもりですが?」
逆だちゃんと見すぎなんだよアリシアは…
じゃ、追加していくか
「さて、ここに追加していくな」
私はペンを持ち、まずはアリシアの視界とする絵に、矢印とメモを追加する
例えばヒビには
‡←ヒビ
と、アリシアの絵にはこうで、私の絵にも同じように
‡←ヒビが入ってるなぁ
とする。も
ちろんナルシェナのやつにも
‡←おお、ヒビ入ってるや
と書く
同じように苔にも
苔の絵の部分から←を伸ばしてそれぞれのコメントを書く
アリシアのには『苔』
私のには『苔だ』
ナルシェナのには『あ、苔がある』
それからは通路、影、天井のシミとか様々な場所に情報を継ぎ足していく
そうして情報を書いて行くと分かることがあると思うんだが?
どうだろうか?
「おお、成る程成る程、あー確かに私曲がり角の影とか、明かりが入らない室内の暗闇はちょっと怖かったかな?」
「………………」
アリシアがとても真剣な目で絵を見続けている。
「……………………」
「……………………」
「へー、にしてもササッと描いただけなのにとても上手で驚きだよ」
「…………」
「…………」
「…………」
無言になった。というよりも、あまりにも真剣な目で3つの絵を見比べているアリシアの空気に、私達は何も言えないのだ
「…………成る程、フランメ感謝します。とてもとても……感謝します。こういった見方がただの風景の草の1つ1つのさえも人それぞれの見方があるのだと……」
ふわっと空気が変わり、アリシアは私が見たこともない美しい微笑みを浮かべた
「知りました……ええ、知っていたはずなのに、物の見方は人それぞれだと知ってたはずなのに、こうして細かく描かれるとその違いを改めて違いを理解できますね」
そうかい、そりゃよかったな
「……今日はここで夜を明かしましょう」
そう言われて私は空を見上げると午後の太陽の傾きだと今知った。
しかしだ……暮れるまで時間はまだまだあると思うんだが…
「およ?そんな時間?」
「何が起こるか分からない場所です。体力には余裕を持つべきですからね…スーリア達に体調も診てもらってください、お腹が痛いとか、熱があるとかあるかもしれません」
……うん、多分だがアリシアが絵を見ていたかったり、考えたいだけだな
で、だ、お腹痛いはそうなった場合は先に食べた魚だろうに
「いや、アリシア…そこを気にかけるなら魚食べさせるなよ……」
「美味しかったでしょう?」
「確かに美味しかったが…」
「新鮮で油のノリも良かったよ!」
「でしょう?では私はまだ絵を見ていたいのでここにとどまります」
そうアリシアが言うので、私とナルシェナで黒縁の白い十字に、1対の羽根がデフォルメで描かれた絵が付いている場所へ、ヴァネリアさんが案内してくれた。
中には獣人族で栗鼠種のスーリアさんがいた。
「……問題なし、ですね。健康そのものですよ♪」
…………サラッと軽い検査だけではなく、服を脱がされ細かく検査された
「まー、違和感ないしね。そうだと思ったよ」
下着を身に着けて、簡易ベッドに座る私を見るナルシェナ……いや、全部着ろよ
「フランメ様も、義足の接続部分に問題はなさそうですね。黒で染まってるために色などの判別はできませんが特段触診で腫れも確認できませんし、フランメ様自身も痛みもないとおっしゃられてますので大丈夫かと」
うん、健康第一だ
私が義足をつけて、私とナルシェナが服を着たところでアインさんが大皿を持ってテントに入ってきた。
「……検査ご苦労さまです。こちらナルシェナ様用にアーモンドと、フランメ様用に角砂糖を用意させていただきました……その、主様はまだまだかかりそうですので2人でごゆるりとお待ちいただければと思います」
アインさんが持ってきたアーモンドも角砂糖も、何故か丼に山盛りで持ってきてくれた。
………………………………………………はっ!?
白く輝く四角に意識が飛んでいたようだ、いかんいかんせっかくの角砂糖だ味わっ『ボリボリボリボリ』て食べようと思う。
ナルシェナは、個数関係なしに鷲掴みで取れた分だけアーモンドを口に含み、噛み砕く
『ボリボリボリボリボリボリ』
私は山の頂から1個を手に取る
うーん、まずはこの1個をどう食べようかな?
直で舐めるか?
それともちょっと砕いて指に付けて舐める?
あ〜でもこの甘味を眺めるだけでも幸せだ、見ているだけで涎が溢れてきそうだ
『ボリボリボリボリボリボリボリボリ』
「ナルシェナ様、紅茶です」
『コクリ』
ナルシェナは、テーブルに用意されたティーカップを掴むと一気に煽る
「『ゴクゴク』…………ぷっはぁ…うーん良い噛み心地だよぉ、紅茶ありがとねー、アインさん」
あーもー、とにかく口に含もう。
この白き幸せを口に入れよう
私は唇にチュッと合わせると、少しだけ口を開き角砂糖を口の中へと迎え入れた。
舌に乗った瞬間に来る甘み!
ジュワッというかトロリというか、頬と共にとろけてしまうような甘味!
「んんん〜〜〜〜♪」
たまらないなっ!
誰だ!最初に砂糖を作ったやつは!
最高じゃないか!?
誰だ!最初に角砂糖を作ったやつは!
天才すぎないか!?
堪能している間に日は完全に傾きつつあり、日が暮れていく、いつの間にか私達用のテントも建てられており、お風呂場もある。
コチラですよー、と案内されている時にチラッと見たが、未だアリシアは絵の前から動いていない、気になって大丈夫かリエルさんに風呂で尋ねたが
「……いえ、分かりません。ザハレグス様はそもそも長考することがなかったので、あの様に考え悩む姿は心が宿っている証明でもあるかと思います」
「そうですか……」
それにしても検査で脱いで着て、風呂でまた脱ぐとは、風呂のためとは言え面倒くさいな…
「まー……アリちゃんの時でも悩む事はあってもあそこまで長く悩むのはレアだよねぇ」
そうだろうか?
「心で悩む事は今までもあったんじゃないか?」
「んー?いや、心で悩む事は確かにあったよ?だけどねー、悩むと、落ち込むは違うから」
あ、それもそうか…言われて気がつく、私がアリシアの側に行ったときは、落ち込んでいたときだったと
「そうか、そうだな…ではどうしたものか?」
しかしなぁ、あのままでいいのだろうか?
「だが共婚者として側にいて、アレコレ話をして少しでも悩みを軽くしたりしないのか?」
ナルシェナが何処か影のある笑みを浮かべた。
「フッ……ねぇフランメちゃん。私のようなおこちゃまがさ、人生2度目のアリちゃんの悩みを、言葉で解決できるとでも?」
………それを言われたら無理だとは思うがな?
だが、それ以前の問題だぞナルシェナ
「ナルシェナ」
「おん?」
「お前はそれでも共婚者か?」
こう…アレだ私の知識は、祖父から教えられたことでおそらくは偏りはあると思われる。
しかしだ、共婚者とは共に1人の異性と結婚つまり、ハーレムになる事を良しとして
共に支える仲間であり
共に1人の異性を共有し合う仲であり
共に苦楽を分け合う者である
魂の片割れ
じゃなかったかな?
と思い出している間にナルシェナはナルシェナで頭を抱える。
「いやうん、分かってるんだよ?一緒に悩むべきだって、言葉足らずでも話して見るべきだって、でもさ……でも……アリちゃんはザハレグス様なんだよ」
「うん?」
らしいな……そのザハレグス様と奥様方が作った鷹と苗木の団の団員が従うし、奥様方も認めていらっしゃるし、疑う余地はない
「………それがどうしたんだ?」
「あの…ね。フランメちゃんと会う前の私…というか10の儀式をする前はね。共婚者の覚悟をしてたんだけどさ、本を読んでから凄い人ってどんどん分かって………団員さん達とも知り合って事実って事も分かって………ね?」
はぁ〜〜〜〜〜〜
私は心の中で大きなため息付くと、ナルシェナの白い肌の背中を思いっきり叩いて声をかける
『バシッ!』
「馬鹿だったか?ナルシェナ」
「いったぁ〜……なんで?なんで叩くのさ!」
「そりゃ叩くさ」
ああ、叩くぞ…服越しではなく直でいい音もしたな、それはさておきナルシェナの人となりは大体分かってる。だからこそだ、こんなウジウジするナルシェナはらしくない
もちろんナルシェナだって人だ、時には迷い、時には道を違えるだろう。
だが、ナルシェナは悩んでもいいのは自身の事に関してだけであるべきだ、勿論決めつけは良くないのは分かってるぞ?
だが、まっすぐにぶつかっていくナルシェナは、アリシアには気安い感じで話しやすさが大事なんだ、もしかしたらアリシアは、ナルシェナのそういう所が気に入ってる可能性も高いだろう。
だから共婚者として側に置いているのか、もしくはそうやって接していくうちに、アリシアの心の内側に入っていてアリシアが気がついていないだけかなんだが……
なんにせよだ
アリシアを見ろナルシェナ!
「お前は、ザハレグス様と話しているのか?」
「え?」
「何勘違いしているか知らんが、今…」
私は親指でアリシアのいる方を指す
「あそこにいるのは誰だ?」
「……テントの布地で阻まれて分かりません」
「今そこ大事か?細かいことは気にするなよ…」
ナルシェナの両肩を掴み睨みつけて言う。
「お、おう、ごめん」
「コホン、テントの外、絵の前にいるのは誰だ?」
「……アリちゃん」
間があったが気にしない、私はナルシェナの腕輪を指さして次の言葉を述べる
「その腕輪は誰から?」
「アリちゃん」
「普段から一緒にいるのは?」
「アリちゃん」
「だろ?」
「?」
なんでそんな事聞くの?という表情をナルシェナが浮かべる。
まだわからないようなので、私は一気に言うことにした。
「そうだな、今まで一緒に行動して、一緒に苦楽を共にして、ずっとずーっと一緒にいるのはアリシアだ、他ならないアリシアなんだよ、いくらザハレグス様の記憶を持とうがアリシアなんだ、過去の本に載っている人物じゃないアリシアなんだ、分かるか?お前と共に時間を過ごしている相手はアリシアだ!ザハレグス様として見るな!ザハレグス様として見てしまうなら本なんか読むな!現実を見ろ!お前の共婚者は誰だ!」
「アリ…ちゃん」
「フルネームで言え!誰が!お前の!共婚者なんだ!」
「っ!ウィサリス領!ホンド村!グライドの娘!アリシア・グライドが私の共婚者!」
そこまで言わせたら、今度はナルシェナの背を優しくアリシアの方へ押した。
ナルシェナの顔は吹っ切れていたし、もう大丈夫だろう。
「そうだ、そうだよ…アリちゃんは共婚者だし、ザハレグス様じゃないんだ、ちゃんと向き合おう」
………この敵地で何を考えているんだ?
いや、問題解決できて良かったのか?
なんにせよ、よくわからんが頑張れ!
私の言葉で決意したのか風呂から上がり、アインさんに水気を飛ばしてもらい、服を慌ただしく着て出ていった。
フランメは2人の会話を聞かないようにするために、寝るためのテントを教えてもらってそちらへ行き入ると防音の魔導具があったので起動させて1人…………角砂糖を観察して楽しむのだった。
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アリ「共婚者『アリシア 8歳編 34.ココロ』で親から聞いたのが最初でしたかね?」
ナナ「私はいつの間にかアリちゃんじゃなくてザハレグス様って見てたんだね」
フラ「まあ仕方がないのかもな、資産、権力、人脈、すべてを使え動かすことができるんだからな、いつの間にか見方が変わることもあるってことだな」
アリ「………人って難しい存在なんですね」
ナナ「アリちゃんも人だよ?」
フラ「アリシアも人だぞ?」
アリ「の……はずなんですけど………ねぇ」
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夏は暑い頭もボーっとするくらい暑い、クーラーがあるからか頼り過ぎて病気になりやすい近年皆様健康でしょうか?私は駄目です。会社の同僚も駄目です。ヤバいです残業の超延長が決まりました。
先輩「ああああああああぁぁぁぁ!!!!」
同僚、自分「!?」
先輩「すまない…本当にすまないみんな…早急にチェックしてほしい事がある。実はココのな数値2つほど間違ってて……間違っていることが分かってしまってな………分かるな」
同僚、自分「……はい、再チェックします」
まー、てなことがありましてね。再確認が大量発生なんでやり直しで約2週間分の仕事がパーになりました。残業も無意味化しまして延長確定です。残業代出るとしても最悪ですね。
いつになったら週1投稿に戻せるやら…
でわでわ健康に気をつけてくださいね。
作者は体調不良で会社を2回休みました
※投稿後AM2時半頃、ナナとフラが風呂場で会話していて外に出ていなかったことを確認しちょっと修正しました。




