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心欠け騎士、TS転生し二度目の人生を〜心を知れて幸せです〜  作者: きよわわ
アリシア 10歳編

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202/218

186.屋敷に連れていく

パパ、ママ達へ

私は抗う、決められた道に行けという親の意思を

私は拒絶する、この道が安全と親が言おうとも

私は歩む、心配する親を他所に荒れた道を

私は肯定する、己が決めた己の選択を

私は背負う、己の選択の結果が如何なるものでも

私は抱える、譲れない大切なものだけを

         自己中心的なナルシェナより


トラビト「いや、これは自己中ではないだろう」

ネーナ「ええ、そうね。独り立ちかしら?」

イリーナ「親の所有物ではない、子供もまた1人の個体なり」

スーナ「わん!それでいい!その意思は大事だ!」

 ***ナルシェナ***


『ガタンッ』

「お?」


 止まったわけではなく馬車のドアを開けて、アインさんが入ってきたあああああぁぁぁって怪我大丈夫なの!?

 はっ!私が大丈夫だから大丈夫か…

 つくづく普通の怪我と魔物による怪我の魔毒による回復阻害の差は激しいねぇ


「ナルシェナ様…今回は役に立てなく申し訳ございませんでした」


「いやいや、異世界人だし仕方がー」

「護衛に仕方がないという言葉は当てはまりません。本当に力不足でお怪我をさせてしまいどう償えばよいか…」

「……いや、それは異世界人相手には適応されないと思うよ?」


 いや本当にマジで


「いえ!しかし!」


 まだ何か言おうとするアインさんのお口に、私は人差指をプニっと当てる。


「じゃあ聞くけどアインさん?」


「……」


「あの相手というか、異世界人相手に勝てる人って、どれくらいいるの?」


「……異世界人の能力にもよりますが、ほぼ居ません。能力が戦闘向きでなくても、あの手この手でコチラを殺す事が出来る発想力をお持ちです。勝てる算段が私達には見当もつきません」


「だよねー、だから私からは不問、第一(だいいち)さ隠密護衛の段階で出来る事って限られてるよね?」


 これは私の予想、私が行くと決めて動いた時、本来、普通の護衛なら絶対に止めたはずだし、止めることができるアインさん達、だけど…止めず行動を共にしてくれた。

 その段階で、護衛と隠密護衛の差があることを感じるし、私の言葉に従ってくれるのは名を呼べば出てくるので理解ができる。


「はい」


 頷くアインさんに何でもかんでも正直に答えることから1つ結論が出る


「実は私ってアインさん達に命令権あったりする?」


「はい…あります」


「更にさ、最上位命令として、私の行動を制限するなって、アリちゃんから命令あったりする?」


「ございます。それと主様はこうも言っております『ナナちゃんは人の為に行動する子です。それは私達が止めたら後悔することになるかもしれません。なので、邪魔をしないで付き従ってください、そして守ってください、死なせないでください、戦わせてしまうこと自体は問題はありませんが、死ぬ事、それだけは絶対に避けてください』と言われております」


「アリちゃん…」


 私は額に手を置き悩む、なぜアリちゃんがそれで良しと考えたのか?とは言え私の行動を制限しない事には感謝できる。それと確かに私はだめだと言われて止められたらその後、なにもせずに結果の報告次第では苦しむだろう。

 実際に、モナレアートちゃんの元で何も出来ず悔しく苦しい思いはした。


 でも、それは自分が弱いからだと理解はできる結果…しかし、危ないから下がってと言われ、避難したなら、もしかしたらなにか出来たんじゃないかと、モヤモヤした筈だ


「流石分かってるなぁ……だけどそれってさアインさん達を危険に巻き込むってことだよね?」


「私達は鷹と苗木の傭兵団の団員、猫の部隊所属の特殊員の黒羽根であります。危険はもとより、任務で命を落とす覚悟はございますゆえ、お好きに使って構わないのですよ?」


 いっやぁ〜、それはとても重いよぉ


「いずれナルシェナ様は、団長のアリシア様の隣りで指揮をするようになるかもしれませんし、部下を持つことになるかもしれないので、今からでも慣れておくと良いかと思います」


 …………話をそらそう


「で、何で来たの?用事?」


「はい、実は…………」


 アインさんから聞いたことそれは…今回の事件というか、アリちゃんが受けた依頼の障害者を狙う犯人探しの際にノーラ様が独断で調べた事があるそうで…その結果被害者の事も調べて分かったのは1部の被害者は……




 自殺をしてしまったという事だ




「なん……で…………」


 膝の上に置いていた手が勝手に拳を握る。強く強く握る。


「本当の所は分かりません……被害者の方の心境の負担が、とても大きかったのでしょう」


 うん……そうだろうね。

 異世界人さえいなければ、違う。やらかし異世界人だけだ、みつぐさんの様に普通の優しい人ならばきっと逆に幸せに導いてくれた事だろう。


 アインさんは報告書を読み上げる。その内容は聞き取り調査を、聞いたまま、ありのまま教えてくれたことにより、どういう生活をしていたか家族からの視点の為より深く感情を感じ取れた。


 だからこそ、もっとあの異世界人を痛めつけておけばよかったと思った。


 視覚障害者の被害者は、視力を失った我が子が初めて、1人で外出してくると見送った日の出来ごとで、ついていけばよかったと激しく後悔をしていた。

 なぜなら被害にあった日を境に、何かに怯え、部屋からでなくなって、ある日部屋から不審な音がして部屋を覗くと…………首を吊っていた


 どれほど悔しい思いをした事だろうか…寄り添い、救えなかったことを後悔しているだろうか


 腐らず、努力をして、頑張った先が侮辱されるなんてあっていいのだろうか?

 私はだめだと思う。頑張ってるフランメちゃんも、将来は報われて欲しい


 私は横に置いてある荷物、障害者達の助けとなる道具を睨み付ける。


「最初から…最初から!こういう道具を作ってくれる人だったらっ!」


 被害者はどんな気持ちで、命を絶ったのだろうか……私には()()()()できない、フランメちゃんなら私よりもより鮮明に理解することが出来るんだろうな…


 自殺してしまった被害者がいる以上は、全部渡すのかな?

 どうするか分からないのでアインさんに聞く


「……それで、これはどうするの?」


「生存している被害者には届けますが……死んでしまった被害者の方には会わないほうがよろしいかと」


 だよね…今更とより深く悲しませることになるもんね。だけど…


「犯人を捕らえ、殺したことを、報告したほうがいいんじゃない?」


「それは役人の仕事と成ります。会い、報告し…まあ、色々とお話なさるんです。被害者への賠償金等、求める場合は、異世界人が関わっている以上は神殿と国が被害者遺族へ弔い金等が支払われます」


 ………弔い金、お金で済ませれるようなものじゃない、けれど国や神殿も心についてはどうにも出来ない、せめて立ち直れるまでのお金になれば


 …………………

 …………

 ……


 数軒回ってほとんどの家が


「受け取れるか!」

『ブンッ』『ゴッ』


 いった〜い


「犯人の作ったものなんか!受け取れるか!しかもやらかし異世界人のだろ!使えるわけ無いだろう!」


「…はい、分かりました。ではコチラは持ち帰らせていただきますね」


「とっとと帰れ!二度と顔を見せんな!」


 みたいな感じで投げ返される。

 せめて、1度も受け取らずに押し返してほしいものだよ……投げるとか、これ普通に受け止めるとたぶん、さらに相手はムカつくだろうから受け止めずそのままにするけどオデコが痛い、何で顔に向かって投げる人ばかりなのかな?


「私の説明…余計な部分なのかな?」


「いえ、後々知ってしまった場合の事を考えれば言うのは当然です。その上で犯人を利用してでも生きるか、そんなものに絶対頼らないと生きるかは個人の自由です」


 だよね…誰が作ったか犯人はどうなったか知らせるべき事は知らせた。

 その結果は先程言った通り投げ返される。


「ですが、わざわざ持ってきて報告した人に暴言や投げ返すのはどうかと…」


「あっははは」


 私は笑い流す。


「ナルシェナ様もナルシェナ様です!自分一人でやるからと相手がどういう行動に出ても手出し無用とは」


「あっ……ははは、でもさ相手も発散場所が必要だからね」


 溜め込むのは良くない、八つ当たりでもなんでもいい、やりきれない感情の発散場所は必要だよ、私が見てしまったあの夜の、アリちゃんも溜め込んで1人で発散しようとして、フランメちゃんを抱きしめて、抱きしめ返すという浮気…じゃなかった。心を支えてもらう結果となったのだろう。


「ナルシェナ様がその役目を負う必要はございません!あなたは子供なのですよ!?なのに相手も10歳の子供にあたるとは………」


『ギギッ』

「あ、最後のお家に到着したようですね」


「えっと最後は……マスクってことはモナレアートちゃんか」


「はい、それとこちらも」


 そう言って渡されたのは、銀の……なにこれ?


「こちらは、食事が乗った皿にかぶせて使う。クローシュという道具です。これは異世界人により食事に含まれる魔力を除去する仕様となっております」


「何だって!?凄い凄い、これでモナレアートちゃんは食事に命をかけなくてもいいんだね!」


「そうですね」


 モナレアートちゃんなら使ってくれるだろか?

 いや、使わせよう!


 そう意気込んだのだけど…


「……ありがたく、使わせて、いただきますね」


 普通に受け取られた。ま、当然だよね?


 モナレアートちゃんは他と違って、外にでれないし、ご飯も命がけで食べなきゃならないし


 ………と、言うかアリちゃん。あの場で異世界人にちゃんと作らせるとは凄いや、モナレアートちゃんの病気を理解し、ご飯の事も考えていたとはね。


「クローシュは嵩張りますが、旅行に行くわけでもないならば、家に常備させておけば宜しいかと」


「これで、私も、喀血し苦しい思いもせずに、食事が……食事がっ……取れるの、ですね」


 嗚咽を漏らしながら泣き始めたモナレアートちゃん。

 うんうん、嬉しいよね……って喀血しながら!?

 血の味が濃厚だったことだろうに…これからは、しっかりと料理を味わってね。


「よし!じゃあ早速何か食べたいものある?すぐの用意するよ!アインさんが」


「ええ、ご所望のものがあれば直ぐに」


「え……じゃあ、ホワイトチョコレートを、食べたい、です」


「では直ぐにお持ちいたします」


 そしてすぅ~っと消えるアインさん。


「それに、しても…本当にありがー」

「モナ!」

「モナ!」

「モナちゃん!」


 父親母親1と母親2が登場!


 私は今更ながら改めて、モナレアートちゃんのご家族を観察する。


 まず父親だけどエルフさん。次に母親2の方からこっちは人魔族、有角種の方こっちは共婚者の母親だね。そう結論づけたのは当然産まれた子供は必ず母親の種族だから

 それで母親の種族は獣人族、しかし!

 しかしだ!何種かわからない!

 だけど見た目からは犬っぽいんだよなぁ

 でも犬っぽくても狼かもしれないし…

 産みの母親を見ても、普段はピンとしてる獣耳にモフモフ尻尾、これじゃ分からない


 マスクつければ活動出来るんだよね?

 そう、今はしなびて毛艶も悪いモナレアートちゃん。お風呂入れたい………そして元の状態に戻してモフモフさせて欲しい、すっごくモフモフさせて欲しい、リエルさんは年上さんで我慢すべきだと思うし『わふわふ』言ってくれないから出来ない、気を許してくれて『わふわふ』言ってくれてたら、迷わずモフったのになぁ


「それでモナ…それは?」


「あ、それは私から………」


 私は説明した。布製のマスクは魔力を通さずに呼吸ができる魔導具だと…


「おお!」

「よかった」

「よかった。よかったわ…これでモナちゃんは自由に…」


 うんうん、道具の説明だけなら喜ぶんだよなぁ、けれど………


「この魔導具の製作者は、あなた達を襲ったあの異世界人です」


「っ!」

「………」

「モナちゃん!今すぐ前のやつに戻しなさい!」


 だよね。何でかな!?何でこうなるのかな!?


 モナレアートちゃんの産みの母が前まで使っていた装置を起動させ、管で繋がっているマスクをモナレアートちゃんに渡そうとする。


 モナレアートちゃんは当然拒否するも、親は聞く耳持たずとなっていうことを聞かせようとする


「あの〜」


 その事について私は意見を言いたい…


「君、持ってきてくれた事には感謝するがー」

「あ、そういうのいいんで、モナレアートちゃんに選ばせてください」


 父親が何やら定番の『ありがとう。しかし…』から続く言葉を私は拒否する。


 使う本人ね。判断するのは使う本人ね!

 親が決めることじゃないよ?


「あのですね。自分達を殺そうとした人が作った物を使うのは、確かに気が引けるかもしれません。しかしですね。他の障害者と違い、モナレアートちゃんはコレがあれば普通の生活ができる様になるわけでしてー」


「ちょっと待ってくれ、他の障害者?」


「ん?」


「今回の犯人は他の障害者も殺害したのか?」


 おや?

 まあ、話が進まなそうなので犯人のやらかし異世界人について話した。

 すると…


「は?いや、絶対に使わせるわけにはイカン」

「おい!」


「そうね。ダメよモナ使わない様に」

「ちょっと!?」


「モナちゃん早くこっちに戻すのよ!」

「いやいやいや!?」


 聞く耳持たず………どうしよう


「ナルシェナ様、簀巻きにしますか?」

「っ!?」


 おっと!?アインさんが帰ってきていたのか、ビックリだよ、最近は私にもわからないようにしていて、もっと私も気配察知とか魔力探知をできる様に努力しないとなぁと思い始める。


 それはともかく……うん、簀巻きにしてもらおう


「うん!やっちゃってください!」


 そして、簀巻きの両親を他所に私は、モナレアートちゃんを屋敷に連れていき、お風呂へ入れることにした。


 馬車の中…


「……すぅ」


 息を吸うをマスクをずらし、1度クローシュを被したホワイトチョコレートを一欠片、口に含んでマスクを戻す。


「ん〜〜〜〜〜〜♪」


 よほど嬉しいんだろうか、涙を流しつつも、頬を朱に染め握り拳を小さく上下に何度も振って止まらない


「よかったね。モナレアートちゃん」


「はい!」


 よし、親を簀巻きにしたことは気にしてないようだね。このままお風呂に入れて、モフモフして、モナレアートちゃんに許可もらって尻尾を吸わせてもらおう。


 私はこの後の予定で、モナレアートちゃんをモフモフしまくる事を企むのだった。

****** ******  ******

ナナ「今回は?」

フラ「作者が風邪を引いて、会社も休んだほどだから何も思いつかないそうだ」

アリ「胃腸風邪、熱風邪をクリアし初の喉風邪これで作者はひどくなる病気は麻疹ぐらいでしょうか?」

作者「いや、私は何でもかんでも抗体は作りませんよ?ひどくなることがなくなる程度でして一般的にはみんなそうなんじゃないですか?」

アリナナ「「さあ?」」

フラ「知らん」

****** ******  ******


今回は短くてすみません


風邪引きました……咳が止まりません。

肺が痛いです。乾燥注意ですね。寝ている間に加湿器の水がなくなっていて止まっていまして湿度計が24%となっていました。自身の目で見た嬉しくない初記録です。それで喉をやったら風邪となり1週間前まるまる風邪薬のお世話になっております。

市販薬で1つ目のやつは効果がなく、苦しい思いをして2つ目別のを買ってようやく効きました。なので執筆がどうにか間に合ったようなものです。


でわでわ、皆さん健康に気を使って気温差と乾燥に負けないようにしましょう。

来週に間に合う様に執筆しますね。

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