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心欠け騎士、TS転生し二度目の人生を〜心を知れて幸せです〜  作者: きよわわ
アリシア 10歳編

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174.アリシアのいない日 4

ナナちゃんへの置き手紙

報告…冷めぬ彼女の体温、触れるととても熱く炎を超えてまるでマグマのように熱い、その熱い体は溜めに溜めた欲情の熱がほんの少し触れるだけで火山の噴火の様に淫らな『グシャ!』


メイド一同「「「「あ」」」」

ナナ (読めるかーーーーーー!というかアリちゃんだけじゃなくてこの屋敷にいる人みんな色々と危なくない!?私も現在、寝間着じゃない寝間着を全裸で選ばせられようとしているんだけど!?)

 ***ナルシェナ***


 ギルドにブツを提出後、査定中の私は飲食と休憩の両方を兼ねている広いスペースで長椅子に腰掛けて待機中………


「…………」


 1人だとすること無いなぁ〜


 ボーーーーーーっとしているのもなんなので依頼を受ける前にも見た、依頼ボード『?』をまた見に行く


「………増えてるし、なんか個人的な感情が含まれてる依頼があるぞ?」


 依頼の1つ『〜障害者を狙った犯行を許すな!!!!〜』というのは依頼内容が個人的感情が含まれた怒りのが詰まったというのがわかるほど荒い字で書かれていた。

 いいのか依頼者?

 ところどころ読めない部分があるぞ?

 他の依頼も『共婚者5人だけでは満足出来ない浮気性旦那を止める方法大募集!!!』という怒りの依頼があった。

 それ以外に『?』ボードは

『〜わたしのせいで、なかがわるくなったおとうさんとおかあさんを、なかなおりさせて〜』とか『〜おねえちゃんへのぷれぜんとをいっしょによういして〜』とかのいかにも10歳以下の小さな子供の依頼もあるしなんだか賑やかな依頼ボード『?』に貼られるのかな?


 ある程度見て、満足し私は再び席に着き、またボーっとしているとちょっと変わった気配を感じそちらを見る。


「……………」


 私以外も数人その気配に気づき見ているが、その気配の本人は、何も気にすることがなく受付に向かっていく…


「なんだろう?」


 受付との会話……問題なし、普通の初登録の人みたいだし、名前『えっと、普通に書いちゃうとだめだよな?えっと、あの名前が最初に来るんですよね?』


 …………は?え?なにを言ってるの?


 と私は戸惑うも周りの人達は瞬時に警戒に入ったのか僅かに空気が変わる。


 私も周りの人達が警戒に入ったことで分かった。

 違和感の正体は彼が異世界人ということ


「やっばいなぁー、アリちゃんは今いないぞぉ」


 アインさん呼んでおく?

 迷うけど取り敢えず見ておきながら聞き耳も立てておく




「………………えっとですね。この世界ではどのような書き方をされても基本問題はありませんがこの世界のルールに則ってくださるならば名前を先に…えっと……苗字と言うのでしたっけ?それを後に書いていただければ大丈夫です」

「ありがとうございます」

「…………んっ!あの!」

「はい、なんでしょうか?」


 受付の女性は顔を青ざめ体を小さく震わせながら、男性にあることを聞いた。


「あなたのチート能力は何ですか?」

「え?」



 ……堂々と聞いたぞ?


 受付の人の行動に驚いているといつの間にかアインさんが隣にいて私の耳に囁く


「あれも、受付の人の役目の1つです」


「え、マジで?」


「はい、昔はそんな事はなかったのですが、数々のやらかし異世界人が多くて、脅威的だと判断されましたので、分かりやすい異世界人には聞いています」


「分かりやすい?」


「苗字、名前、といったこの世界では家名という王家や貴族達だけです。ですがナルシェナ様の名前、ナルシェナ・トラビト、と言うように多くの平民や商家でさえ家名と言うのは持ちません」


 そうだね。ナルシェナが私で、その親の共婚者

 のいない方の親の名前がトラビトだから詳しく名乗る時は

『領地名、町か村の名、共婚者じゃない方の親の名、自分の名』

 となる。で、それを略す時は『自分の名、共婚者じゃない方の親の名』となる。つまり家名と言われるものは、平民には存在しない


 補足として、結婚すると共婚者じゃない方の人の名前が自分の名前の後ろに来る。つまり親の名を消し、相手の戸籍に自分をいれるということだし、完全にあなたの家族となるという証明である。

 分かりやすくスーママの場合はスーナ・トラビトと名乗ることになる。トラビトの部分は言うまでもなく私のパパの名前、旦那の名前に変わったという事、結婚前はトラビトの部分が親の名前だったということだ



 って、そんな当たり前の事を思い出している場合ではない!


「受付の人は大丈夫なの?」


「……良い異世界人ならば大丈夫ですが、あれが演技なら残念な事に……なりますね」


 残念な事にって……うわぁ受付嬢の仕事って、命懸けで場合によっては人生も懸ける事になるんだ……最悪だね。

 受付の人は今頃、心の中で色んなことを祈ってるだろうね。


「僕のチートですか?」

「はい」

「僕のチートは……………」


『『『ゴクリ』』』


 唾を飲む音がやけに大きく聞こえた


「ありません」


『ダンッ!』という音と共に、1人のガタイのいい男が立ち上がった。

 机は…被害者だそんな叩かなくてもねぇ


 私は自分の座っている机をなでなでしていると男が大声で異世界人に向かって叫んだ


「嘘を付くんじゃない!」


「え!?でも僕は…」


「騙されねぇぞ!お前達異世界人は、人の心を操るチートも、持っていやがる可能性もあるからな!」


 えぇ……マジで?


 思わずアインさんを見てしまうと『コクリ』と迷いなく頷かれた。


 そんな異世界人もいるんだぁ………ヤバイね。

 けどさ…みんなでそう怪しんでも可哀想じゃないかな?


 私から声かけるかどうか迷っている間も受付と異世界人の会話は続く


「申し訳ありませんがあなたの発言を信頼するためにも、しばらく、お待ちいただいてもよろしいでしょうか?」

「待てばいいんですか?」

「はい、あなたの言葉が真実かどうかの真偽が分かる方をお呼びしますので……あちらのスペースでお待ち下さい」


 と言って受付さんはこちらの飲食スペースを手で案内した。

 次の瞬間

『『『『『『ガタッ』』』』』』

 私の周りだけではなくこのスペースの全ての人が移動していなくなった…


 流石に酷くない?


「…………」


 ほら〜異世界人さんもションボリした顔してるじゃんか………うん、これは酷いと思う。だから私は


「おいでおいでー♪」


 声を出して呼び手招きした。


「っ!」


 おおぅ、一気に明るい顔になったよ…しかもちょっと可愛いかも♪


「……えっと、招いてくださってありがとうございます」


 異世界人さんはそう言って、はにかんだ笑顔をした。胸がキュンとしたけどチートの影響とかじゃない…よね?


「っ!……いやいや、こっちの世界の人がごめんね。と言ってもそれ相応な理由があるんだけどね少し我慢してもらえるとありがたいかな?」


「それ相応の理由…ですか?」


 うん、あるらしいんだけど……詳しく話すとなると私はほとんど知らないんだよね。


「………それについては私が」


 どう話そうか悩んでいるとアインさんが……いつの間にかテーブルを挟んだ向かいに座った。


 私が異世界人さんを招いた時にはすでにいなかったのかな?

 現れて、消えて、現れて…忙しくしてごめんね。


 で、アインさんの話に集中すると………

 ある異世界人はチートを使って田舎の土地で畑を耕し様々なものを作り、普通はそこでは育たないものも作り出した……そこまではいい、だが商人の言うがまま売り、儲けることから大量生産したことが問題で、市場の混乱と市場の独占により農家が農業を辞めてお金に余裕があるものは移住か別の仕事を探す事に……しかし異世界人はそこで止まらなかった。なんと家畜を買い、畜産業にまで手を出した。


「え?人手は?」

「えっとお嬢さん、たぶん定番の奴隷だと思います」

「異世界人さん正解です」

「おぅ」


 農業系異世界人は儲かったお金で奴隷を買って、ウハウハハーレム生活で市場を壊しまくった農業の王様で幸せな老後を迎えましたとさ…


「幸せになったのは、異世界人を良いように扱った商人と、農業関係以外の仕事を持つ人だけでした」

「えっとお姉さん、チートで作っていたとは言え、そこでは育たないものもあったんですよね。その後残りましたか?」

「…いえ、それ以前にその異世界人の死後は、その農地は死の大地となり、何1つ雑草さえも生えない状態となりました」

「連作障害でもないと……」

「はい、エルフ、ハイエルフ、専門家全ての人でその土地を調べましたが、微生物もマナも何もかもなくなっていたと…最悪なのは、その土を別の大地で混ぜた場合も死の土となり、その混ぜた地点が何も生えない地面となりました事でしょうか」


 ほえ〜最悪だね。何も生えないとか……というかそれってさ、恨まれて子孫は追い出されたりとか、責任取らされてない?


 聞いてみると「本人は死んでいるとはいえ、もちろん責任を取らされて、問題の死の大地を元通りにするように子々孫々の罪」とされているみたい


 異世界人よ、子孫の事も考えようね。


「儲けのために騙す商人が悪いとも言えなくもないんじゃなか?」


 異世界人さんの言う事は理解出来るけど…


「周りの人が何も言わなかったと思いますか?」


 そう、当然野菜とか調味料系統だけならとまだギリギリだったかもだけど


「いやいや異世界人さん。そもそも増やす意味がその農家異世界人の、金儲けがあったことがいけないんだよ」


 金が欲しくて商人に相談、商人は自分の儲けとその異世界人と共に儲ける案で金儲け


「儲けるにしても、珍しい食材だけでよかったかもだし、調味料系統だけでもよかっただろうし何よりも取り敢えず同じ村の人と被らないようにしてくれればまだ平和だっただろうに、それか畑を手伝わせることで賃金を支払うというか雇うというか…とにかく、周りと共存する考えがなかったことがだめだったんだと思うよ」


「そのとおりです。彼はただ自分だけの為にやった事が原因でやらかし異世界人登録されました」


「や、やらかし異世界人登録!?そんなのがあるんですか?」


「はい図書館で異世界人関係で探せば『やらかし異世界人』と『平和な異世界人』と『技術革命の良き異世界人』で私達の世界が知ることが出来た異世界人は記録に残されています」


 そのアインさんの言葉で絶句した異世界人さん。あなたはどれだろうね?


 それはともかく


「他には?」

「えっと……そうですね。他には…」 


 魔物をテイムする能力の持ち主とか、言うまでもなく寿命が違う為、異世界人の死後元の野良魔物になり更に、異世界人により育てられていたために、知識を得て、対人戦に慣れて、討伐が大変に難しくなった。

 まさに強さは伝説級になっていたために、3カ国が合同で討伐に赴き、多くの犠牲者を出してようやく討伐できたとか……

 ザハレグス様は?

 …………ザハレグス様のよりもかなり前のために当然いなかったそうな


 そうなると犠牲は万単位かな?


 それ以外にもアインさんが幾つもの異世界人のチート持ちの話を出してきて驚いた。

 そこまでたくさん来ていたんだね異世界人


「なるほど、そもそも寿命が違いすぎるのか、結婚してもチート持ちが怖くて手を出せない間はともかく、その後の子孫までも安心安全とは行かない………当然だな」


「やりすぎず、先の事を考えてチートを使っていただけたら良かったのですが…」


 でも…難しいよね。


 農業チートはまさかの大地が死ぬ。

 テイムは野良に戻る。

 ………チートが本人だけだったら良かったのに


「チートに頼らず物を作っていれば良いのですが…売りすぎて市場の混乱やアーティファクトのような武器や防具を作られたり魔道具を作られてもそれがいい人に出回るだけならば良いのですが…」


「現実はそうもいかない、それに死後誰の手に渡るかも不明か……とはいっても」


 異世界人さんは悩む…でもそりゃそうだよね。

 もらった力は使いたいし、金はたくさんあっても困らないし…


「アイテム系は使い手次第だしねー、強力なアイテムを善人だけが使えるなんて都合いいように作られてないだろうし」


「作るな、金を稼ぐなとは言えませんし、言いたくても異世界人だからと買い取りを拒否する事も良いものを買い取らないわけにも行きません。実際に買い取り拒否して別の土地に転々として最終的に国を出ていって復讐計画を立てたクズもいましたし、チートの使い方次第で本当に恐ろしい事をした人もいます」


 そうだねぇ…


「ねえねえ、チートで作られたものってやっぱりすごいの?」


 アインの方を向いて話す。なんとなく名前を呼ばないようにしているような気がするので、私もそれにならい、話す相手 (アインさん)の顔を見て言うとアインさんも私を見て私の疑問に答えてくれた。


「そうです。異世界人のチートで作られたものは食材なら最高に美味しく、道具なら最高品質なことがほぼ当たり前なので商人からすれば最高に商売として儲けるチャンスなのですよ」


 儲けチャンスなら商人として見逃すわけにはいかないよね…


「……まあ、だいたい分かりました。とにかく加減をせず能力だよりで何かしてしまうことがいけないことなんですね」


「異世界人が生きている間だけが繁栄しても、この世界で人類が絶滅しない限りその後も私達は生きていきますし、異世界人の子孫の方も生きていきますので、普通は未来を考えるものだと思うんですけどね。今だけ幸せなら良いという異世界人がやり過ぎて、この世界の人々が警戒するのですよ、実際に武力と魅了でハーレムの町を作られた歴史も存在します」


「うっわぁ、ありえないよ」


 武力で王侯貴族たちを黙らせ、魅了で気に入った女を手に入れさぞ楽しんだんだろうけど…流石にキモいよ


「………マジか」


「幸いなのは、そういう異世界人は転移者が多いので見た目と行動で分かりやすいだけではなく、転移の影響か寿命が短いという点ですかね。とはいっても私達にとっては短い100歳ぐらいと言うところですかね?老い時まで若々しい姿とかもありませんし、数年でだんだん老けていきますし」


 あ、異世界転移者って寿命そのままなんだ、魔力影響無いんだね?

 そうなるとみつぐ様ってエルフだし、かなり長生きするんだろうなぁ

 でも、転生者なら


「そうなのか…俺は普通の寿命なのか…というかこの世界の平均寿命ってどれぐらいですか?」


 ここからは常識の説明となったので私は聞き流していると特徴的な音が近づいてきた


『シャン、シャン、シャン』


 なんか幾つもの鉄同士が当たるような音がしてかなり近づいてきたので振り向くと顔をベールで隠した『スー、ピタッ、ジーーーーー』

 …とっても大きな乳を持つ女性が立っていた。


『ゴクリ』

 同じ女性としても思わず上から見てそこで止まってしまうほどに………大きいやぁ


「……」


 私が胸に見惚れている間にアインさんが話をやめて立ち上がり、丁寧に頭を下げていた。


 …お偉いさんかぁ


「お待たせしました。私が真偽が分かる者です。この国の真偽官というかあなたの世界では裁判官のような事をなさっていますし、現行犯での逮捕権や現行犯での罪の決定と執行する権利も持ち合わせております。といえば分かりやすいでしょうか?」


 うーんなるほど、でもね。あなたのお胸様と同様の注目度で後ろにいる黒い仮面を付けた大男さんも気になるんだよねぇ


「ええ、だいたいはそれでもう1人の方は…」


「こちらは執行官で罪状がわかり次第それを執行する人ですね。と言っても処刑とか体の1部を切ったりする場合以外は拘束し牢屋へ連れて行く程度ですが…」


 当然のように処刑といったのも怖いけどさ、体の1部を切ったりって…この国の法にそんな恐ろしい法があるの?


 アインさんをチラッと見ると


「異世界人に魔眼がある場合は迷うことなく、切ったり取ったりしましたね」


 そうですか…


「まずは自己紹介を…私はレフィーナ・アレイナ・ドスティアードと申します」


 やっぱお偉いさんだった。しかもドスティアードの名があるって…

『コソ』

「エレニカ姫の祖母様でございます」


 え?まだ老い時さえも来てないんだ…


 私は垂れていない胸で判断した


「あの、まだ異世界人さんがいますから名を呼べませんがそこで判断はどうかとございますよ、あの方の共婚者様」


 あ、やっぱり名前を呼んでくれないのは異世界人が原因だったんだね。なんとなーく、空気読んで私も呼ばないようにしたけど合ってたんだね。


 真偽はすぐに済んだ『はい』か『いいえ』という質問と、この世界に来た方法や、神様に会ったかどうか、異世界に来る時に誰かに会ったか、招かれたか等など聞いた上で杖で2度床を叩き音を鳴らすと大きな声で宣言した


「私、レフィーナ・アレイナ・ドスティアードの名とこのドラゴンの瞳にかけて宣言する。この異世界人の言葉は全て真であると、この異世界人はチート等を持ち合わせておらず、一般人であることを!以降この者をチート持ちと蔑み差別意識を持つことを禁ずる!」


 そう宣言すると早々に立ち去った。

 が…まだ疑念は晴れないようだけど、まだ腫れ物を扱うような感じが残る


「えっとでは、異世界人さーん登録の続きをしますのでコチラへ」


「あ、はーい」


 異世界人さんは私達に一度頭を下げると受付向かった


「これで、50%は信じることができますね」


「え?………まだ半分は怪しむんだ」


 完全に信用できないって悲しいね。


「ええ、チートは怖いですから」


 アインさんがそう言って少しだけ空気が変わった。警戒してたんだね。


「おまたせしました。査定が終わりましたのでコチラへ…」


 あれ?てっきり名前呼ばれて向かうと思ってたるんだけど


「今はまだ異世界人さんがいますから特別対応です。」


 真偽がわかっても、みんな異世界人が怖いんだね。

 ………ってわざわざ別室!?なんで!?



「申し訳ございません。今回は異世界人がいるということで特別対応の状態です」


 あ…なるほど名前で呼ばれないのと一緒か


「えっとまずは今回、依頼をこなしていただきありがとうございます。本日は回復薬の素材の材料集めでクラレ草とリェチの木の実を集めてくださいました。その持ち込んだ査定結果をご報告します」


『ドクン、ドクン、ドクン』と私の心臓は緊張に高鳴る


「まずはクラレ草…20束全部問題ありませんでしたので、満額の大銅貨20枚です」


 わーい♪


 声を出して喜ぶことは無く心の中だけで喜ぶ


「……次に」


 私の顔を見て微笑む担当さん、さすがに顔のはでてたか…恥ずかしい


「木の実の方ですがこちらは流石にグラム単位でして僅かに重さが違い1つの実での計算ができませんでした。わざわざ持ってきてくださったのに申し訳ございません」


「いえいえ、そこは問題ありません」


 うん、そういう事は書いてあったから問題はない


「それで持ち込んでいただいた実13個なのですが、実には問題はなかったので全てグラム計算させていただきました。それで総計610gでした。なので銀貨10枚と銅貨2枚となります」


 と言うとお金の乗ったトレーが私の方に差し出された。銀貨10枚と大銅貨20枚と銅貨10枚


「これは分かりやすく持ってきたものです。このままお渡ししますか?それともキチンとした硬貨に直してから渡しますか?」


 キチンとと言うのは10枚ごとに変わる銅貨10枚で大銅貨1枚だから正確に私に渡すなら

 大銀貨1枚と銀貨1枚と大銅貨1枚となる。


 たぶん、こういうふうに渡そうとするのは、パーティで依頼をこなした場合に分けやすいようにだろうね。あと買い物のしやすさ



 でも私はソロだし、分ける必要もない、かといって用意されたものをわざわざ両替してもらう必要もない、なのでそのままもらうことにした。


「ご納得頂けましたら、こちらにサインをお願い致します」


 紙をスッと出される。その紙には査定結果に納得すると言う同意とお金を受け取りましたという証明その為のサインらしいので迷うこと無くサインしお金を財布に入れて部屋の外へでた


「依頼達成ありがとうございました」


「はーい」


 さて………家に帰ろう。


 ……………………

 ……………

 ………


「「「「わん「「お帰りなさいませナルシェナ様、さあ湯浴みをして、お着替えをいたしましょう」」」にゃ」」」


 到着し、屋敷の中に入るなり私はメイドに囲まれそう言われた。


「…………あ、私ちょっとまだ外に用事が」


 なんだか恐怖を感じるので外に出ようとしたが


「「「「わん「「もう日が暮れておりますし、晩ご飯の用意も出来ていますのでその用事はまた明日にでも回しましょう」」」にゃ」」」


 囲まれているので、そもそも逃亡できる可能性は……ない


 ダメだ逃げられそうにないな…


 私は諦めて脱力した。それを見逃すことのないメイドさん達は私を持ち上げてまずは部屋に連れて行かれた。


「あ、先程アリシア様から手紙を預かっております。どうぞ」


「ん?」


 私は何故かこの部屋で服を脱がされて全裸にされて、寝間着を強制的に選ばされるのだった。


「ちゃうねんメイドさん達、その服とあっちの服は寝間着じゃないと思うんだよ…」


 全身タイツは言うまでもなく寝間着じゃないし、胸と局部が空いている服とか、スケスケとか、絶対通常使用じゃないと思うんですが?


「選ぶからさ…まともな服、出して?」


「「「「わん「「分かりました」」」にゃ」」」


 おお、出てきた出てきた。まともな服、フリフリのからスウェットまで選び放題だね。



 ***フランメ***


「ふぅ…………今日はここまでだな」


 小さいけれど祖父を作ってみることにした私は……失敗したと何度か作り直す事になっていた。


 失敗とは小さいと顔が描けない事、誰か分からない物に意味はないがかといって等身大だと持ち運べない、そもそも私が祖父を作ろうと思ったのは何を作ろうか、何を描こうか迷っていた時にアリシアが朝と夜に少しだけ祈りを捧げて居るのを思い出したからだ


 私は祖父へ感謝の祈りを捧げようと、ミニ祖父を作ろうとして、持ち運びが出来る手のひらサイズで作ろうとした


 これが失敗、等身大をそのまま小さくしたらよく分からない物が出来上がった。

 大まかな形の段階で「なんか違う」と思いつつ、削って形が整えられていくとどんどん違う感が増していくのだった。

 そして試行錯誤して作る事3個目、頭だけ創作し丸い頭だけの祖父が完成したが…


「これは感謝の祈りを捧げるにしては、失礼極まりないのでは?」

 と思い、なかったことにしてゴミ箱に投げ入れた。

 その時にはもう良い時間だったのでゴミがいくつか出来ただけだったのが残念だ


「ふー…………あ、お風呂どうしたものか」


 みつぐ様に聞き忘れたのでどうしようかと考えていると『ガチャ』と扉を開けて誰かが入ってきた。リエルさんだ


「今日はごめんなさい、回復魔法がようやく効いて治りましたから来たのですが邪魔をしていませんよね?」


「ええ、大丈夫です。ちょうど終わったところなのですが1つ困ったことがありまして」


 リエルさんにお風呂の事を話してみると


「ああそれなら、マニュアルと整備資料と道具一式を私の所に置いていきましたので一緒に確認してから入りましょうか」


 本当にすみません。私のようなものの保護者の立場にたっていただき感謝します。リエルさん


 一緒にリエルさんが使っている部屋に行くと


「…………分厚い本のマニュアルが1冊と、薄い簡易マニュアルが1冊、厚みのある各種部品説明書が1冊、分厚い代用品、部品作成書が1冊、薄い日常生活における注意点書が1冊、かなり分厚い精密フルメンテ書が1冊、簡易メンテ書が1冊の合計7冊かぁ」


 思わず遠い目をしてしまった。


 自分の脚のこととはいえ、ちょっと覚えるのに勇気がいりそうな厚みと本の数である。


「取り敢えずは、日常生活の本からお風呂に入っていいかどうかだけを読もう!」


 ………ふむふむ………ふむふむ………ふむ、ふむぅ


 取り敢えずは大丈夫そうだ


 防水加工がしっかりと施されているようだが、完全に錆びないとは言い切れないようで、定期メンテ時に部品を見る事も注意書きされている。


 ま、風呂は大丈夫だそうだ…一応水辺での戦いも想定されているようでそう作っている

 とみつぐ様メモに書かれていた1言メモもあるのはありがたい………ん?

 今思ったが、これ全部みつぐ様が書いたんだよな?マニュアルだのメンテナンスだのの本やら部品の代用品の書物全部絵付きで分かりやすく描かれていてとても助かるが大変だったろうに…

 本当に……本当に感謝するよ、どこまでも


 で…風呂で驚きの遭遇をした。


「………………」

「………………」


「……アリシア?」


 とろけた表情のアリシアと出会った時とは雰囲気が全く違い、キリッとというか、ピシッとした空気を纏うレグシアナ様がいたのだった。

****** ****** ******

ナナ「普段フルネームなんて、そうそう名乗らないし当たり前だから違和感を感じないよね?」

フラ「ああ、そうだな…えっと、フルネームで平民と王族の違いが分かるのはどこかあったか?」

ナナ「うん、『66.懐かしい人もう1人追加』でエレニカ姫と会った時にフルネームで名乗りあったよというか、『10歳編』からじゃないかな略で名乗ってるのは……そういえばフランメちゃんはいっそ祖父の名前名乗ったら?」

フラ「本人の許可が無いのに、そんな事してはだめだろ」

ナナ「別にいいと思うけどなぁ現状孤児以下の名乗りだよフランメちゃん」

フラ「孤児は院長の名を名乗るんだったな…」

ナナ「それよりもフランメちゃんお金の金貨とか知ってる?」

フラ「硬貨のことは知っているが詳しくは…」

ナナ「『70.子供の数』に載ってるよ」

フラ「ふむふむ……10枚で1枚の大硬貨となるのか」

ナナ「そう1円が銅貨1枚10円が大銅貨だよ」

フラ「円?」

ナナ「気にしないで」

****** ****** ******


先週は投稿できなくてすみませんでした。

このごろ急激に寒くなって車が凍りますね。皆さんはどういうふうに溶かしてますか?

私は家を出る時間ギリギリなんで待ってられないのでお湯です。ワイパーゴムがフロントガラスが?シランガナ、なんか調べると割れるような事言っているが1度もなった事ないしそうそうならんやろ?それに待ってられないんだって…それよりも年末が近づいて来たせいか変な運転の車が増えてきました。事故に気をつけましょうね。


でわでわ……

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