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心欠け騎士、TS転生し二度目の人生を〜心を知れて幸せです〜  作者: きよわわ
アリシア 10歳編

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135.ボコにする

ナナちゃんへ

己の直感を信じ、己の力を信じ、己を貫いてください

          ちょっと席を外すアリシアより


ナナ「アリちゃん?これ手紙だよ?メモ書きじゃないよ?アリちゃんアリちゃーん……いないや」

 ***ナルシェナ***


「『私は乞い願う!強く!強く!!願う!!!』」


 私は力強く言う!思いを込めて言う!

 すると領主様も詠唱をし始めた


「『魔力よ!我が願いを叶えるために応え給え!』」


 アリちゃんに教えてもらった詠唱と言うのは魔力、魔素に呼びかけること


「『犠牲になった者達の!、怒り!、憎しみ!、悲しみを晴らすために!』」

「『強靭なる力で、すべてを薙ぎ倒し、鋼なる体は、何者にも傷つけられぬ!』」


 私と領主様の魔力が高まる


「『集え集え魔力よ、ここで苦しんだ、たくさんの人の思いの分、私に力として与えて!、みんなの思いを少しでも私に!晴らさせて欲しいんだ!』」

「『肉体に!細胞の1つ1つに魔力を纏わせて実現させよ!我に最強の体を!』」


「『その為に魔力よ力を貸して!』」

「『与え給え!』」


「『身体きょーーーーかーーーーー!』」

「『身体強化!』」


 魔力が爆発するように大きく膨らんでから体にまとわりつく


「全力で行く、あなたを…止めるよ」


「来い小娘が!」


 領主は片手剣とバックラーかな?その丸い盾を構えた


 それにしても、私に集まっている魔力の量がおかしい、私のキーワード魔法『全力全開』よりも圧倒的に多いし、魔力が可視化して緑色の靄が私にまとわりついている


 圧倒的に多い魔力…だから私は少し慎重に力を込めて相手の間合いに入ー

「っ!?」

「っ!?」


 領主は私の速さに驚く

 私は自分の間合いに入るために入れた一歩一歩が違いすぎて驚く


「…………」


「な……なんだ?なにかしたのか?」


 ううん!?何もできてないよ!?

 でも、戦いが始まったのに何も出来ず通り過ぎたのは恥ずかしい………そうだ!


「ふっ、見えなかったんだ…大した事ないね。じゃあ次は攻撃するけど……防げるかな?」


「はっ…ハッタリだ!」


 その通り!だけど今ので加減は分かったから次は当てられる


「………ふっ!」

「っ!」


『ガンッ!』とバックラーに止められる


「ちっ」

「速いだけでは意味はないなぁ」


 なっ、何だと!(怒り)


「じゃあ全部防いでみろ!」


 私はヒット・アンド・アウェイを繰り返し左右前後から何度も何度も攻撃するけど防がれる。


「…」


 なんで当たんないかなー、さっきから盾で防がれてばっかり


 私は理由を探す……思考をして何度も探す。その間も攻撃は休まず続ける。


「魔力よ!」

「っ!」


 させない!


「我が敵を焼き払う」


『ガンッ』と再び私の拳がバックラーに防がれた瞬間、領主が笑った気がした


「『カノン砲!』」


 なにそれ!?じゃなくって避けないと!!


 今の体制とか、回避後のこととか全部無視して、全力で避ける。ギリギリの所で私の横を何かが通り過ぎて何処かにぶつかる音が響いた


「っく」


 追撃は…

「ふんっ!」


 うん!来るよね!

 来るのは大振りの縦斬りぃ!


 ヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイ!


 何度目かの攻撃を避けた瞬間体勢が整い一気に距離を取り相手の間合いから出る


「ふぅーーーー」

「……………」


 さっきのはキーワード魔法だったよね?でもその前に詠唱してなかった?よくわからないけど、後でアリちゃんに聞こう!


 今は集中!集中!


「『アースニードル』」


 またキーワード魔法!

 ………そういえば私は、生活に使う魔法と身体強化以外には魔素霊体に書いてないね…いやいやまだ戦闘の素人の私が欲張っちゃダメダメ必要ならアリちゃんが言ってくれるだろうから何も言ってこなかったってことは不要だってこと………そう思いたい!


 アースニードルは考え事しながら避ける事ができるほど簡単だったし、回避後どこに行くのか分かってるんだろうね、領主様の追撃が来たけどそれも回避はできた。


「ちぃ!」


「……うん」


 領主の強さ、というか速さ、反応速度は大体わかった、アリちゃんよりも弱い(当然だけど!)アリちゃんよりも遅い(当然だけど!)アリちゃんよりも反応速度は遅い(当然だけど!)


 じゃあ………いけるはずだ!


「すぅ……はぁ………んっ!」


 覚悟を決めろ、勇気を持て、怪我を恐れるな…


「んん?」


 領主が私の雰囲気が変わったのを感じ取ったのか警戒心を高める


「すぅーーーーーー」


 全力で突っ込んで殴るだけ!


 踏み込むと『ドゴッ』と地面が割れて凹む、今まで踏み込んでそんな事になったことはないし、その影響もなくちゃんと踏み込めた。


 ならばすることは1つ、全力で殴る


「はああああああああ!」


「っ!?なんと馬鹿の一つ覚えか!?『シールド』」


 領主の構えた盾に合わせるように、魔法の盾が展開された。だけど……


「それごと!ぶち抜くっ!」


 右の拳を振り抜く、魔法の盾が1発で壊れた


「なんとぉ!?」


 順調!なら次は左のストレート!


「ふんっ!」

「ぬぅん!」


 バックラーに防がれるが何度も殴る!


「おりゃあああああああ!」


「なんと重い一撃一撃だ!?」


 このまま押し切る!


「ぬうううう!」


「っ!そこっ!」


 直感でこの次の一撃でなんかイケル気がしたので、連撃の殴りから渾身の一撃に切り替えて拳をココと思う場所に叩き込んだ!


『バゴンッ!』

「ぐああああああああ」


 叩き込んだら盾ごと領主が吹っ飛んだ


「ふぅふぅふぅふぅ………ふーーーーー」


 息を整え、領主を見る


「ぐぬぬ、まだだ!まだ倒れるわけにはイカン!」


 どうやら私の予測を遥かに超えるダメージを与えたようだ、バックラーは凹み、その凹みで手が損傷したのか……いや、腕自体がだらんとしているところから、手だけではなく右腕自体にダメージがいった?


「『治癒』」


 ちっ、観察している間に腕を治された。これは後でアリちゃんに怒られそうだなぁ


「私は倒れんぞ亡き娘を生き返らせるまで!」


「あん?」


 巫山戯てる、それだけ娘が大切だっただろうけど


「かかってこいk」

「犠牲者達の!苦しみを悲しみを!」


 全力でまた殴りに行く私


「っ!」

「遅い!」


 私に向けて振られた剣を、振られている途中で刀身の横を殴って当たら『バキンッ!』…ないようにして空いている方の拳で領主を殴る!


「くらえ!」『ボコッ』「思い知れ!」『ボスッ』「犠牲者達の!」『ボコッ!』「残された者達の!」『ボスンッ!』


 1発入れてからふらつくので、私はそのまま容赦なく殴り続ける


「悲しみを!苦しみを!生きたかったという思いを!もっと共に居たかったという思いを!お前が望んでいた娘との時間を望むように!お前が犠牲にした、犠牲にしてもいいと思った人達も!」


 今までで1番力を込める


「そう願っていたんだあああああああああ!」


「がああああああああああぁぁぁぁ!」


 領主は壁まで吹き飛び衝突して壁が凹み埋もれる


「はぁ、はぁ、はぁ………みんな、領主様が思っていた当たり前の明日が、日々が、来ると思っていたんだ!それを故意に壊すことは誰にも許されることじゃない!」


 そう…私もアリちゃんもホンド村で平和な日々を過ごして、12歳で学園に通いそして二人旅をして素敵な旦那様を見つけて…なんてね


 クカバンが来なければ、そんな未来が訪れていたはずだった


 フォルミアなんか家族を村の仲間を失うことなんてなかったのに


「ねぇ…領主様、仮に娘さんが生き返ったとしてもさ、多くの人を犠牲にしたうえで生き返って喜ぶかな?」


 そう問いかけた瞬間瓦礫が吹き飛び領主が怒声を上げて出てきた


「知らぬと言っているだろう!」


 私の殴ったダメージがまだ残っているのだろうか、ふらつきながらもこちらに一歩一歩歩いてくるので私は構える


「死者に会いたいというのは悪いことか!?」


「そう言っていない!」


「だろう!」


 ダメだ殴り足りないらしい…

 殺すまで殴るつもりはない戦闘不能まで犠牲者達の思いを拳に乗せて…………


「そうじゃないって言ってるだろ!」


 殴ろう、私か領主の心折れるまで……耐久戦だ


 ……………………

 ……………

 ………


「はぁ…はぁ…はぁ…領主様、自首してよ、娘さんや奥さんのことを考えてさ…罪を償おう?」


「…………わだじは…あぎらべるわげにば」


「……諦めて」


「あぎらめるわげには!」


 もうボッコボコにしすぎて殴って大丈夫なところがない、顔も酷い有り様で正直、自分がやったのかと思うと自分で自分に引いてしまいそうになる


「……」


 どうすればいいのかな…できれば生かして罪を償って欲しい


 そう思ってアリちゃんを見…………あれ?いないぞ?


「『治癒』……小娘が分からんのか!最早止まるわけにはいかんのだ!お前の言う通り犠牲にした!大勢の人を犠牲にしただからこそ成果を!」


 治った…そうか!

 ボコって治してを繰り返せばいいのか!

 じゃあ領主様、ラウンド2だよ!


 ……………………

 ………………

 ………


 どれだけ時間が立ったかな?そんなに時間は経ってないかもだし、経ったかもしれない


 とにかく領主様はもう立てない


「わだじば………まけるはけには………」


 涙を流し横たわっている。私がボコにした後の回復役はアインさんであり現在


『ゴクゴク』と回復薬を飲んでいる。うん、私では残念なことに回復できないんだよ私にできるのは浅い切り傷とかの軽傷ぐらいで骨にヒビとかと入るともう無理


「……ねぇ、もういいんじゃない?勝負はついたよ?」


「……ぐ……くぅ…………わかった自首しよう」


「本当!?じゃあ、アインさん治してあげて!」


「……ナルシェナ様、嘘の可能性があります」


「だとしても……チャンスは与えたいんだ、ごめんねアインさん達」


「………まあ、いいでしょう」

「………にゃぁ」

「……はぁ」


 ちゃんと自首してくれると……………いいなぁ

 それよりも…


「アリちゃんは?」


「上の道に戻りましたが…既に倒し終わっていることでしょう」


「じゃあ、合流しよう」


「はい!」

「にゃ!」

「ん!」


 ………よっと、上の通路に戻って奥に行くと壊れた扉があって、そこをくぐると全裸の死体が1、2、3……11体あるってちょっと護衛の皆さん?


「アイン、これってあの方にゃ?」


「……ええ、『ゴクリ』間違いなくザハレグス様です」


「スンスン……流石に匂いは全く違いますが外見はザハレグス様ですね」


 え?その護衛さん達が取り囲んでるご遺体はザハレグス様なの?


「どれどれ…」


 うーん、パパよりちょっと高いかな?190近くあるかもでもなかなかどうして『ゴクリ』すっ…すげえ筋肉


『ペタ』

「ちょっとスーリア!軽々しく触れないの!」

「でも、もう2度と触れることの叶わないはずのお体ですよ!」


 胸筋から腹筋そして1部見なかったことにして太腿…やべえ余分がないすごい筋肉かと言って筋肉自体も余分がない大き過ぎず小さ過ぎず


『ペチンッ』

「コメット!流石にそこに触れるのは流石に駄目でしょう!?」

「でもにゃ、もう一度と思うのは」

「いや流石にもう亡くなられているので反応はしないでしょう!?」


 ある意味理想的な肉体なのかも、パパは筋肉を鍛え上げすぎて大きすぎて、あそこまで肉がすごいと私は嫌だけどこの程度ならとは思う


「アインちょっと乗ってみては?」

「そうにゃ、こうやって跨がってみて…にゃぁ〜」

「コメット!ズルいです」

「久しぶりにゃー、これ持って帰って良いかなにゃ?」

「欲しいですよね?」


 護衛さん達がかわるがわる乗っかる。過去のプレイでも思い出してるのかな?つーかアリちゃんや、アインさん達も抱いたことあるの?


「なに、してるのかにゃ?」


 コメットさんじゃない『にゃ』が聞こえたので振り返るとノーラ様と残りの護衛さん達、そして…アリちゃん


 アリちゃんは顔を両手で覆いしゃがみ込んでいる、耳が赤いので顔なんか真っ赤だろうなぁ


「「「すっすみません」」にゃ」


「………退くにゃ!」


「「「はい!」」にゃ」


 一斉に退いて距離を開ける


「他の遺体を運び完全処理してくるにゃ!」


「「「はっはい!」」にゃ」


 アインさん達は行動に移る私はアリちゃんのところに


「アリちゃんアリちゃん!」


「……はい」


 照れてるね、ここは気を紛らわせるために冗談を1つでも言うべきかな?


「後で私もまたがってみていいかな?」


「はい!?何を言ってるんですか!?」


 ガバッと顔を上げて私の肩を掴み前後に振ってきた


 あっぶなー、身体強化解いてたら脳震盪起こしたかもしれない、というか身体強化しっぱなしなの忘れてたハハハ


「冗談!冗談だよアリちゃん!」


「冗談?………はぁ~」


 ペタンとその場に座ってしまうアリちゃん。

 精神的に大丈夫だろうか?


「『解除!』…でさ、そんなに恥ずかしがっているってことはアレ本物なの?」


「…………本物です。殺したドウトピー帝国の研究者によるとクローンとか言ってましたね」


「くろーん?」


「ええ、詳しく聞きたくもなかったので喋る瞬間に殺してしまったので不明ですが……死者への冒涜以外の何物でもないので」


「っ!」


 なんかノーラ様が反応したけど何んだろう?

 私には分かんないけどアリちゃんが振り向き聞いた


「まさかとは思いますけど、私の死体残っているんですか?」


「………にゃ♪」


 満面笑みのノーラ様、笑って誤魔化した?

 いやむしろ肯定にしか見えないね


「誤魔化さないでください」


「だってザハ怒るかもだしにゃ」


「と、言うことは残ってるんですねザハレグスの死体」


「…リシェアが薬液に漬けて完全保存にゃ」


「なんというか標本ですか?」


「そんなのと一緒にしないでほしいにゃ」


 少し不貞腐れるように言ったノーラ様


「はぁ……とにかくソレはまあ良いとして、アレは処分しますよノーラ」


「にゃ?いいのかにゃ?またがって何kー」

「わああああああああ!?」

「ーにゃも!?」


 倒したあと何してたのさアリちゃん…

****** ****** ******


ナナ「あ、お帰りアリちゃん」

アリ「はい、なにか聞きたいことでも?」

ナナ「うん、魔素霊体って何処ででてきたっけ?」

アリ「10歳編最初の94.魔力解放の儀式っですね」

ナナ「あ、真っ先に出てきたんだね」

アリ「ですね……それから、魔法の話が出なかった為に書かずに来たらしいですからね。95、96以降ではしばらく見なかったです」

ナナ「そっか」


****** ****** ******


でわでわ、また来週投稿しますね

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