表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
心欠け騎士、TS転生し二度目の人生を〜心を知れて幸せです〜  作者: きよわわ
アリシア 10歳編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

144/219

134.領都地下で(アリシア視点)

今回は同じ話を2度アリシア視点とナルシェナ視点ですので134話が2つとなっております。ナルシェナ視点は1時間後に予約投稿しております。ではお手紙をどうぞ

……………… ……………… ………………

愛する家族へ

譲れない、渡せない、大切なもの自分のもの相手を排除し利用してでも通したい信念はありますか?

私は……そんな思いを知ることができるでしょうか?

         相手の心を知りたいアリシアより


グライド「通したい信念か…」

アリーナ「旦那よね、ユナ?」

ユナルテ「…ああ、男を手に入れる時、譲れないし渡せなかったから排除したな」

グライド「…………」

 ***アリシア***


 息を潜め、気配を周りに溶け込めさせて違和感を無くして時が来るまで待つ


 ……………………………………………………………

 ………………………………っ!


 合図ですコインに魔力反応、それと同時にノーラの姿が消える。私は普通に楽園の入口に近づき両開きの扉を開く、鍵がかかっていないわけではなく


「にゃ♪」


 既にノーラが侵入していたから、そして中にいた人物を始末したから普通に入れた訳です


 さあ、楽園はどうなっているのか…


 いつも通りの加減のザハレグス化を消し去りアリシアに戻されることがなければいいけど…


 まあ、ザハレグスになれなかった事はあっただけで問題はないでしょう


「……はぁ」


 魔力を感じるガラス張りの楽園の外側、本来の楽園はガラス張りの外側から無垢な子供達を見て、様々な感情を感じて楽しみ、一定以上の寄付金を与えたもののみ司祭の服を着て特別な魔道具をつけて触れ合うこともできる幸せの箱庭、やましい感情なんか持つものは許されなかった場所、幸せの楽園


「…これはこれは、まさか真逆の光景があるとは言いませんよね?」


「?」


 ナナちゃんが私の呟きに疑問を持ち、首を傾げる。これは彼女に見せても良いものか?


 今更ながら思う、初の鷹と苗木の団の1団員としての行動がまさかのスレイブディストラクションで良かったのか?こんな凄惨な物を見せてもいいのか?


 私は見慣れているし、団員も見慣れているですね。だけどナナちゃんは…


「ナナちゃん」


「なに?」


「ここから先、つらい現実を…凄惨な現場を見ることになりますが本当に大丈夫ですか?」


 聞けばいいかな?そしてガラスに込められた幻影の魔道具を停止させれば、ガラスは幻影が消えて奥にある本来のあるがままの光景を見通させてくれる。


 どうだろうか?

 ザハレグスは『なれさせるためにも見せるべきだが十分注意』となっていてアリシアは『ナナちゃんなら平気でしょう』と共婚者相手にも関わらず、酷いというか謎の信頼があるようです


 なので聞きました。結果は…


「……うん、大丈夫」


 大丈夫なようです、では消しますよ


「……では『スッ』」


 私は手を上げる。するとヴァネリアが魔道具のスイッチを切る


「ヒッ!?」


 一瞬で幻影が消えて中の光景が見える

 すると楽園はどこにもなく、実験施設が姿を表した


「これはまた…すごいことで…」


 ガラスの向こうは、檻やら何かを入れておくためのガラスの筒?のようなものからたくさんあるもののどれも中にあるのは肉塊であった。


 先の考え通り真逆の光景となっていました


「にゃ『ポチッ』」


 ノーラが何かを押すと音がなり、道が出てきた


「さてナナちゃん………ナナちゃん大丈夫ですか?行けますか?」


 グロッキー状態のナナちゃん込み上げてきているであろうに耐えて吐かずにいる


 うーん初めてですしねぇ魔物や賊、人は倒しても形がある。けれど今ガラスの向こうは肉塊…でもまだ所詮肉塊なんですよね…


 別の場所から入った部隊の、スレイブディストラクションの被害者の檻のほうが正直キツイと思いますが、何を気持ち悪いと思うかは人それぞれですから…


 ザハレグスは『そばにより背を擦り優しい言葉をかけるべき』と思いますが、アリシアは『見守り立ち上がるのを待とう』と今回はなんだかひどく感じる


 何故今回のアリシアの心境はちょっと突き放そうとするのか?

 思考を巡らせたいが今はそんなときではない、万が一に備えてザレモードは切れないし、切るにしてももう少し様子を見ておきたい


 それはさておき


 なので今この光景がマシというのは違いますか…


「ここから先もー」

「大丈夫、平気じゃないけど大丈夫だから…行こう!」

「……はい、行きましょう」


 震える拳に引き攣った笑顔で無理をしていることは分かる。だけどせっかく決めた決意を無駄にはしたくないので…


 もうなにも言いません


 ノーラの開けた道を通り歩くついでにアインが魔法で埋めていく、分厚く簡単には壊せないように6〜7メートルほどただの壁作ると次は崩れたように偽装する瓦礫を作った。まあコレで万が一こっちに逃げてきても落ち込むか頑張っている間に追いつくはずです


「さて、分かれ道ですか」


 軽く目に魔力を込めると猫顔スタンプが右に押してあった


「右にノーラが行ったようですね、では左に行きますか」


「えっとアリちゃん説明してくれない?」


「?ええ、はい、では歩きながらしますが」


 では簡単言うと魔道具でスタンプが押されていたのですよ、なんかのよくわかんないって顔してますが、目に魔力を込めると見える押印があったわけでしてね。

 さきほどそれを見てこっちの道に来たわけです……え?そんなことで見えるものがあったと?

 ええ、ありましたとも、目に魔力を込めることで見えるものがあるのはなにもその押印だけではありません。人の魔力量、魔力痕跡等に他にもあることはありますっと今はこれだけにします。


 敵がいますね……2人ですね


『サッサッ、スッスッ』


 ハンドシグナルで合図を出してアインとコメットに襲わせる


「!」


 ナナちゃんが驚きますが何とか声を出さずにすんだようです、声を出したらバレるので当然なのですが、そういえばナナちゃんの前でハンドシグナルは使ったことなかったですね


「終了」

「終わったにゃ」


「はい、では進みます」


 それから、何回か見回り中の敵に遭遇したものの倒して進んでいく


「ねぇ、アリちゃん」


 声を潜めてナナちゃんが私に声をかけてきた


「…」


 視線だけを送り『何か?』と問う


「他の人も突入してるんだよね?」


 ………はい?何を当たり前のことを聞いてきているんでしょうか?当然他の班も突入はしていますよ?


「……『コクリ』」


「なのに敵は気がついていないの?」

『コクリ』


「このまま?」

『フルフル』


 歩きながら、今回の鷹と苗木のやり方を説明する


 今回は1隠密突入、2正面突入、3救助突入となりますそれぞれわかりやすいですよね?


 ね?と問いかけるとナナちゃんが首を横に振る


『フルフル』


 え?


 えっとでは少しだけ説明しますか


 今回の鷹と苗木は第1段階が隠密突入です。コレにより逃げ道、隠し通路を先に塞いでおきます。


 この隠密突入は他でも第1段階目でよく使用され、出口、逃げ道、隠し通路を塞ぐ以外にも人質が居た場合、逃がしたり守りに付く場合があります。もちろん事前情報を得てからですので団員の安全第一ですので人質が助かる可能性がある場合のみです。駄目なら諦めてもらいますよ?


 そして、第2に正面突入ですがこれは簡単にですよね?『お前たちを捕まえに来たぞ!』と言って正面から入るだけです


「…なるほど」


 最後に第3の救助突入ですがこれは団員以外にも教会のハイエルフさん達も居ます。共に怪我人や今回のスレイブディストラクションの被害者救う為の治療部隊ですね


「……それじゃあ私達は隠密突入なの?」


「はい、ですが先程出口を塞ぎましたので少し自由です。ナナちゃんの思う通り動いても問題はないのですが…」


「…」


「被害者を助けることだけは駄目です」


「なんで?」


「なんでって、ナナちゃん医学の心得ありますか?」


「ないけど…」


「誰でも大人しくさせることは出来ますか?」


「え?」


「錯乱状態、突飛な行動等…落ち着かせることは出来ますか?また突然倒れたら対処は?そもそも発見時に色々と管に繋がれていたりしたら?」


「……むり」


「でしょう?まだ敵がいるのにそんな子達を開放するわけにもいかないし、万が一人質にされるなんてのも駄目ですし、助けに来たのに自分のミスで死ぬなんてもってのほかです。なので役割を分けて専門家に任せて、私達はただ敵を倒すだけです」


「主様、ちょっと」


 ん?どうしたのでしょうか?


 ナナちゃんに説明している間に先行していたヴァネリアが帰ってきた


「ここから先はどうやら実験体の檻らしく、とてもグロテスクな光景が広がっておりましてその…」


 チラリとナナちゃんを見るヴァネリア、まあ言いたいことは分かります


「ナナちゃんここから先グロなんですけどどうします?」


「ちょっ!?主様!?」


 ん?ヴァネリアどうかしましたか?


 と思ったところでザハレグスの思考は何らかの方法で見せないようにするか、遠回りすべきかとと訴えてくる

 だがアリシアの思考は謎の信頼を持つ、そうナナちゃんなら平気でしょう?……と


 私の心の相談で腑に落ちない結果を出した時に、ナナちゃん本人から『私は無敵じゃないよ…』と言われているのに、これはこれで問題ですよね?


 今は頭の隅においておきましょう


「え……グロ?」


「ええ、おそらく上と同じー」

「上以上です」

「ーよりグロいみたいですけど駆け抜けます?」


 よりハードですか……肉塊より上ということは、音声もあるでしょうし臭いもあるでしょう。視覚だけなら大丈夫でもそれらが重なればキツイでしょうね


「…………ううん、ちゃんと見る」


 いいえ、別に見なくとも良いのですが…まあいいでしょう


 ナナちゃんの決意を受けて歩いて通る。左右共に檻の通路、まるで監獄のようですね


「ゔゔゔぅ」

「あ………あ、あぁ……」

『ビチャ、ビチャビチャ』

「ゔぁ?びゃああああああ!?『ガンガンッ!』」

「……ヒヒッ!アヒャ?………アーーー?」


 ……うん、ザハレグス状態は解除されませんね。今後も心が動かされそうな事がありそうな場合ザハレグスで試してから余裕があればアリシアに戻しましょう


「ナルシェナ様、無理はしなくても良いのですよ」


「ううん、全然大丈夫……大丈夫だから」


 どうやら気持ちが悪いとかではないようですね?

 では、今のナナちゃんの心にはどんな感情が渦巻いているのか?


「………行こうアリちゃん」


「……ええ、行きましょう」


 確固たる決意を感じます。様々な光景を見てナナちゃんの意志が揺るぎない塊となり、決意に昇華したのでしょうか?


 真剣な目付きというよりも怒りをその瞳に宿していますね…………その表情、覚えておきましょう。

 こんな時になんですがアリシアだったら間違いなく、カッコイイ、素敵ですとか感想を抱きかねませんね。ナナちゃんにカッコイイと思う気持ちを感情をしれないのは残念ですが仕方がありません。


 現状、私とナナちゃん両方で不安があるからこそ、私はザハレグスに切り替えているわけですからね。ナナちゃんが強くなれば護衛と合わせて私が不安定になっても大丈夫となるまでは絶対にアリシアでいくわけには行きません。

 もうあんな事は繰り返したくありませんから…


 そう自分の失敗を思い出しながら歩いていく事しばらく、檻ゾーンを抜けると右側が折が無くなった。見てみるとイベント会場広場を見下ろせるようなのですが何のために?


「………あーそういうことですか」


 実験体をイベントで使い、性能や問題があるかないかとかを見るのでしょうね。となると…この先が実験室ですかね?


「ねえ、アリちゃん」


「ん?どうしましたか?」


「あれ…」


 顎でクイッとイベント会場を見るように促されて見ると1人の男性が走っていた。その後ろから2人ほど現れるが猫の部隊の者だ時折攻撃しては防がれている


「あの人ってもしかして領主?」


「ええ、身なりは立派ですし、何より顔もザハレグスの記憶のチアヨリ領の領主と一致します」


「そっか……ねえ、お願いしたいんだけどさ」


 何をでしょう?


「あいつ、私にボコらせてくれない?」

「いいですよ」


「いいの?」


「ええ」


 どのみち彼の行き着く先は死あるのみ、死ぬ前にボコられるぐらいは、まあちょっとした余興みたいなものでしょうね


 私は『comrade heal』を領主に攻撃している2人にかけて、私を気づかせる


「「っ!」」


 少しキョロキョロと探し私を見つけると、2人は私の下まで来たので告げる


「申し訳ありませんが、アレ私にください」


「はっ!」

「では我々は別の敵を探してきます」


「ええ、ありがとうございます」


 2人は領主を追って入ってきた入口からでていった


「では、ナナちゃん降りましょうか」


「うん!」


 その前にザハレグス状態を解除しておきましょう、何かいらない気がしてきましたので……意外と何らかの事情がないとアリシアで戸惑うのはあるのかないのかまだまだ人の心を理解はできませんが…


 まあ、今回は大丈夫でしょう。(ザハレグス)(アリシア)に戻して…では


「ふっ!」

「とう!」


 会場ど真ん中に降り立つ私とナナちゃん


「っ!何者だ!」


 え?…いやその、あなたを

「何者だと言われれば」


 え?ナナちゃん?怒り心頭ではなかったのですか?

 律儀に答えるのですか?


「傭兵団、鷹と苗木の……」


「……『ゴクリ』」


「新入りだ!」


 ……うん、そうだねナナちゃんけどさそういうことを聞いているんじゃないと思うんですよ


「なにぃ……新入り、だとぉ!?」


「ナナちゃん、今の問に適した言葉を言うべきだったのでは?」


「え?どんな言葉さ」


「例えば…その、『あなたのせいで傷つき悲しんだ者達の仇を、取りに来たものだ』とか『ここに閉じ込められた者達の恨みを晴らす者だ』とかですかね。ナナちゃんならば『知る必要はない、ただ私にボコられろ』でも良いかもですね」


 と私がナナちゃんに言っているとチアヨリ領主笑い出した


「フッ、フッ、ふっ、ふぅ、ふーーーーっ」


 あ、違いますねこれはブチ切れて怒っている方でした。なので次のセリフは


『巫山戯るのも大概にしろ!』でしょうか?

「巫山戯るのも大概にしろ!」


 おお!一字一句同じでした。候補は他にもあったのですがまさかの真っ先に思い浮かんだのが当りとは運が良いです


「新人だと?新人共で私は十分だというのか?」


 いいえ、ちゃんとベテランが居ますし、私はなんと団長ですよ♪


 まあベテランの護衛であるヴァネリア達は今は身を隠し、潜んでいますけどね。状況に応じ隠れることを選ぶとはありがたいですね


「いいだろう相手になってやる!私には叶えねばならないものがある!邪魔するものは排除するまでだ!」


「その前に聞きたいことがある」


 おっと?今から戦いかと思いきや、ナナちゃん先に問答をするのですか?


「あ?なんだ?特別に答えてやろうではないか」


 …ありがとうございます。わざわざナナちゃんに付き合ってくれるのですね


「何で!何であんな酷いことが出来るんだ!」


 ナナちゃんが声を荒げる。ここに来るまでに見た実験体のことや町の惨劇のことを言っているのでしょう


「そんなの決まっているじゃないか!我が娘を生き返らせるためだ!」


 領主はナナちゃんの言葉に言い返した。それでこれまで溜めていたものがあったのでしょうか?言葉を続ける


「仕方がなかったんだやっと産まれた子だ!妻は次は産めぬと医者に言われたんだ!だからそれはもう2人で可愛がっていたのに……病気?ハイエルフも治せぬ病気だと!?ふざけるんじゃないっ!どうしてだ!何故我が子なのだ!?何があろうとも娘は助けて見せると手を尽くした!なのに……なのになのになのになのになのになのになのになのになのになのになのになのになのに何故!何故だ何故だ何故だ何故だ!どうして誰も治せぬ!どうして誰もが救えぬと言うのだ!」


 はぁ………そう言われたならばそうでしょうね


「…」


「…死んでしまった。死んで…しまった!いいや!認めぬ認めぬ認めぬ認めぬ認めぬ認めぬ認めぬぞ!」


 いえ、現実ですから認めて下さいよ


「……」


 ナナちゃん?何も言えないのですか?

 では私が…コホン


「仕方がないんですよ、そういう運命だったということです。諦めて下さい」


 そして世は平和となれば良いのですよ


「アリちゃん!?」


「運…命?はぁ?運命?はぁ?はぁ?はああああああああああああ!?そんな簡単に言うんじゃない!」


「アリちゃん、今シリアス、ちょっと黙ってて」


 おっと割と本気で怒られました(汗)


「…はい」


 こんなの異世界人ならイベントシーンはスキップとか言われそうですがねぇ?


 うーんやはり私は他人に冷たいですね。というか他人事なんでどうでもいいというのが私でしょうか?

 ナナちゃんには無理な事でも私は眼の前でどんなに心の叫び声を聞いても、他人事は他人事です


 私は冷めた目で領主を見ているとナナちゃんが言葉を発した


「そんな貴方が大切な娘と同じようにあなたが犠牲にした人達にも!大切な誰かだったんだよ!」


 …えーと確かにナナちゃんが関わった人で今回はドル兄とエン姉という子を探しに来た。


 時期を考えればまあ結果は駄目でしょう。そしてその結果を持って帰った時に伝えることは、ナナちゃんにとっても苦しい事となるでしょう


「知らぬ!我が娘のために犠牲になれば良い!」


「あなたと同じ思いを誰かにさせて良いと言うの!?」


「構わん!他はまだ産めるであろう!?我妻はもう埋めぬのだ!」


 違う領主、そういうことじゃないむしろそんなの関係ないでしょうに


「産める産めないじゃない!そんな話じゃない!あなたが!あなたが自分の子供との時間を、未来を楽しみにしていたように!あなたが犠牲にした人との大切な時間がこれからの未来があったんだ!それを…それを犠牲にしていい理由なんかない!」


「知らぬ知らぬ知らぬ知らぬ知らぬ知ってたまるものか!」


 聞く耳持ちませんねぇ、サクッと終わらせたくなりましたがナナちゃんにボコらせることを許可しましたのでこのまま静かに待つしかできません


 しっかし前は良い領主だったというのに。この領都は隣国が側にいるにも関わらずウィサリス領ほど凄くはあった。程々の税収と僅かな寄付金、国からの援助金それで睨み合いを続けていけた立派な領地経営


 出来ることなら罪を償い、頑張ってやってきた領地経営を続けて、面倒な後釜を決める国王陛下や、領主が変わることによって変わる事があるのかないのかとかの民の不安をなくしてほしいものですが……


 まあ無理でしょうね!


「○□△✕□!?」


 最早聞く必要はないですね


「アリちゃん、魔法は…願うものなんだよね」


「はい、そうですね」


 ナナちゃんは一歩前に出て構えた


「大切なものを失った悲しみも分からんガキ共に私の苦しみは分からんだろう!」


「そうさ!大切なもの失う悲しみなんか味わいたくない!」


「ああ!私も味わいたくなどなかった!だからこそ取り戻しかつての幸せを取り戻すのだ!そのためには誰が犠牲になろうとも苦しもうとも構わんのだ!」


「誰かを犠牲にするんなんて、あっていい訳がないだろ!」


 これは驚きです、ナナちゃんの怒りに答えるように魔素が集まりだしました



「勝手にお前の体で実験してお前だけが苦しめばいいじゃないかっ!誰かを傷つけ苦しめたその先に、お前自身が喜ぶ未来が訪れることをっ!私は拒絶するっ!」


 集まった魔素が爆発するように可視化され、緑色の魔力となってナナちゃんの体の周りに陽炎のように揺らめくのだった

アリシア「1年が終わるそうで早いものです」

ナルシェナ「あけおめだよ!」

アリ「来年も私とナナちゃんの日々を」

アリ・ナナ「よろしくお願いします」

アリ「それでは良いお年をお迎えください」

ナナ「今年1年、読んでくれてありがとう!じゃあ良いお年をー」



****** ****** ******



アリシア視点と書いたので当然ナルシェナ視点もあります。同じ話を2度?と思われるかもしれませんがアリシアとナルシェナの違いを楽しんでいただければと思います


次話のナルシェナ視点の後は普通に戻しますので今回はだけお目溢しをでわでわ

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ