126.耐えて後に解放
お父さんお母さん達へ
ただでさえイライラする時に限って、やたら細かな事がうまく行かずにイライラする時は、一体どうすれば良いのでしょうか?物ならば多少の諦めはつくのですが、コレが人だと一発殴……
アリシアより
グライド「ここで終わってる…」
アリーナ「不穏だわ…」
ユナルテ(書いている途中で聞くことでもないと気づいたが、書き直すのもめんどくさくなったか?)
***アリシア***
「着きました」
「ありがとうございます、アイン」
「アインさんや護衛さんも一緒に食べる?」
「いえいえ、私達は護衛の都合上、一緒に食べるわけにも、一緒の店の食べ物を食すわけにはいきませんので」
そうですね…
「え、そうなの?」
「そうですよ?」
「そうなのです」
そうですよ?護衛が主人と一緒の物を食べて、毒や食中毒などにより死ぬことはもちろん体調不良になったら駄目ですからね
ああ、串焼きは既に私とナナちゃんが食べてから勿体ないという心で食べていただきましたのです
「そっかぁ…じゃあ後でねアインさん」
「はい、ごゆっくりっと」
私とナナちゃんは店に入る
………………
………
…
「らっっっっっっっしゃい!どうぞ空いているすきな席に座ってくれい!」
威勢の良いガラガラ声のおっさんが出迎えてくれた。不必要なほどの大きな声です。店内にほどほどの声量でないと、うるさい以外の印象はありませんね。
「他にお客さんがいないから…特別席のカウンターだね♪」
その選択が後悔に繋がらなければ良いのですが…
「嬢ちゃん達初めてかい?」
なにが?
「はい!こういうお店は初めてです!」
私が首を傾げているとナナちゃんが元気よく返事をしてくれました。
……会話はナナちゃんにお任せしましょう
「ほら、お冷やとおしぼりだサービスだ構わず使ってくれい!」
「おぉ、サービスなんだ…」
「それで、初めてってなら俺が適当にオススー」
「メニュー見せてください!」
「ーメェ…おお、これがメニューだ」
お冷やを一口、うん水ですね
「うーん…塩焼き定食、煮魚定食、旬の山菜天ぷら定食、天ぷら定食、旬の海魚定食、お刺し身定食、海鮮丼、カツ丼………」
「全部注文するかい?」
「いやいやいや、んなわけあるか!しないよ!」
「いいえ、違います」
私の声はナナちゃんにかき消されたでしょうね。もう黙っておきましょうか?
「メニューの名前を呟いただけです。注文が決まったら呼ぶから、店主は自由にしてて下さい!」
「じゃあ、見てる」
「変態か!」
変態ですか!?
ちょっとは気を使って欲しいものです!
「ハッハッハッ、分かった分かった。ちょいと裏に引っ込んでるから決まったら呼んでくれぇ!」
「はーい」
「はい」
店主が裏に引っ込むと、ナナちゃんがメニューをテーブルに置く
「アリちゃん、全部知らない料理なんだけど固く噛みごたえのある料理、どれか分かる?」
「まず食べ物で硬いものを求めるのはどうかと思いますが?」
私の記憶をたどる限り、食で硬さを求める人や店はありません。
「そんな!?」
「決まったかい!」
「まだ!引っ込んでて!」
「あいよ!」
店主が暖簾を捲り顔を出すも、ナナちゃんに引っ込んでてと言われてまた奥へ…いえ、暖簾で顔が隠れてますがそこに突っ立ったままなんですね怖いですよ
「硬さは無理でも噛みごたえがあるならば、使われている食材にもよると思いますが、天ぷらでしょうか?それの定食が良いと思います。あとは…軟骨の唐揚げですかねそれと鶏の唐揚げに………ごぼうの唐揚げですかね」
芋ならば柔らかくも抵抗があり、レンコンとかならばコリコリとしますし、筍なんかはか見応え抜群だと思います。
軟骨は言うまでもなくコリコリしていて噛みごたえ十分ですしナナちゃんも気にいるでしょう。唐揚げと交互に味わっていただければナナちゃんの大好きなカムカムが味わえることでしょう
最後にごぼうの唐揚げは噛めば噛むほどという感覚で何度も噛めるという意味合いで言っただけです
料理屋ならば時期に関係なく食材を調達出来る魔法の食材ハウスで育てた物を仕入れているかもですし…
少し聞きますか
「店主少しー」
「決まったかい!?」
「……伺いたいことがあるのですが良いですか?」
「なんだい!?」
やかましいのはデフォルトなんですね…
聞きたいことを聞くとやっぱり旬の食材をいつでも提供できるように魔法ハウス栽培の食材を仕入れているようです
「よっし、店主!」
「きまったか!」
でわ、ナナちゃんは天ぷら定食とサイドで軟骨の唐揚げとごぼうの唐揚げ鶏の唐揚げと飲み物で緑茶です
私は、お刺し身定食です
「はいよぉ!じゃあ作ってくるから待っててくれい!」
嵐のような店主は奥へ行った
「……天ぷらどんな料理なのかなぁ」
『モソモソモソ』
料理が作られている間、少し時間がありますが考え事はしないように何かをしていましょう
「ねぇアリちゃん天ぷらー」
「出てきてからじっくりと見て食べて堪能すればいいじゃないですか」
「ー……だね」
『モソモソモソ…』
出来ました。おしぼりウサギ♪
「なにやってんの?」
「考え事をしないようにするために、おしぼりで遊んでいるんです」
「はぁ……そういえばサイドメニューできゅうり1本ってあたっけどさ未加工ってこと?」
「ええ、きゅうりはナナちゃんの望むような噛みごたえのある食材ですからね。でも手に入りやすい品と考えるとお店に来てまで食べるよりは、生産地で買って食べたほうが良いと思いましたのでオススメしませんでした」
「そっか、あと豆腐って」
「豆腐は柔らかいです、硬いものを望むナナちゃんには全然オススメ出来ませんので無視しました」
「そういえば作戦は順調?」
「私の知らぬところです。ですが鷹と苗木の事を考えれば順調でしょう」
『モソモソモソモソモソモソ』
出来ましたヒヨコ!
「…なんというか難儀だねぇアリちゃん」
難儀?
苦しみ悩む様や、苦労するような事…と
面倒なこと迷惑なさま……といったことでしたっけ?
「ちょっと違うような気がしますが?」
「そう?考え事を深くしないように苦労してるし、毎度毎度困難じゃない?」
そう言われると………あってますね
「女の子の日は努力して浅慮にならざる得ないアリちゃんってこれからも苦労しそうだね…」
……確かに、ですがねナナちゃん落ち込み周りに心配をかけるよりはマシかと思うのですよ
「周りに心配かけるよりは良いかと」
「確かにね」
それからナナちゃんと、お喋りしていると料理ができたようです
「お待ちどう!」
でかい声出さないで下さい
「へーーーーーー、これがテンプラ」
「これがお刺し身定食」
何の変哲もない生魚の切り身です。これが異世界人が言うお刺し身というものですか、ザハレグスの時には味わったことがない食べ物です
「じゃあアリちゃん!」
「はい、命の糧を」
「今日の終わりも美味しく」
「「いただきます!」」
早速た
「ちょいと待ち!」
……なんですか店主
「ん?」
「あん?」
ナナちゃんも、フォークでレンコンをぶっ刺す直前で止まる
「茶髪嬢ちゃんは、ほら横に塩があるだろ、それを1つまみふりかけてそのまま食べるんだ」
「あ、はい」
『ピキ』
?ナナちゃんから不思議な音が聞こえました
「銀髪の嬢ちゃんもまずは塩だ…その赤いマグロの刺し身を塩で食べるんだ」
「…はい」
『モヤ』
ん?何か重い感情が粘着的に出てきましたがなんの感情でしょうか?
塩をパラッとかけて
「違う違う、そうじゃないあー持ったいねぇな、まあいいか食ってみろ」
『モヤモヤ』
『ピキピキ』
「はむ」
「あーん」
……中が冷たい、解凍不足じゃ無いですか、それに無駄に厚い身のせいで噛んだ食感も程よくなく不必要さを感じて不快ですし、刺し身を塩で食べさせる意味も感じません
その前に、お前の刺身を作る技量を上げたほうが良いと思いますよ?
そう思う私は悪くないですよね?
『チラッ』とナナちゃんを見ますがナナちゃんからはレンコンを噛み砕く音がします。噛み応えは良さそうなのに、ナナちゃんの顔が笑顔ではないのはどうしてでしょう?
「どうだ?うめぇーだろう?」
「……ええ、美味しいですね」
「……ウン、オイしいネ」
私とナナちゃんは適当に答えた。答えてしまった。美味しいと言ってしまった。そしてそれが間違いとなってしまった
「そうかそうか!じゃあ次はな!」
そこから地獄の食事会へ変わってしまった。
そういちいち指摘されはじめた
「茶髪嬢ちゃん唐揚げはな!………」
『ピキッ』
「銀髪の嬢ちゃん…醤油に浸しすぎだ!」
『モヤァ』
などと指摘されるだけではなく
「茶髪の嬢ちゃんほら!『ポタポタ』レモンかけたぜぇ食いな!唐揚げにレモンはいいぞぉ美容にも健康にもバッチリでなぁ!」
『ピキピキ…ギリギリ』
ナナちゃんが拳を力強く握り音がする。怒りをこらえているのですね、まぁ理解はできます。客の注文の品に勝手に手を出す暴挙
食前の祈りをしていなかったらナナちゃんは立ち上がり『勝手にレモンかけるとか戦争もんだろ!』と怒鳴ってぶん殴っていたかもしれないです
「銀髪の嬢ちゃん刺身の下にあるツマは、無理に食べなくても大丈夫だぞまあ食べてくれたほうがゴミにならなくて助かるがな!」
『モヤァァ……イライラ』
へぇ〜ありがたいことに余計なことを言って下さったお陰で、私のモヤモヤの正体がイライラだと教えてくださった訳ですか、ふっ私も思わず手が出そうになりますねぇ
ですが…私とナナちゃんは耐えました理由は食前の祈り
『命の糧を、いただきます』
という大切な祈り…生き物の生きてきた命、植物の生きてきた命、私達はそれらを食べて糧としています
いくら苛立つ事があろうとも祈り一口でも食べようものなら最後まで食べる。それが食への…犠牲にした命へのせめてもの弔いである
黙々と店主の小言を聞き食べていきようやく
「ご馳走様でした。こちら代金です!」
「ご馳走様でした!」
「おう、また来いよな!」
二度と来るか!という言葉をなんとか飲み込み
「ええ、機会がありましたらまた」
と社交辞令の言葉を告げて店を出た
「「……」」
ただでさえ余裕のない私と、堪忍袋の緒が切れかかっているの普段ではあり得ない無表情のナナちゃん
「アイン、特別訓練場を早急に私とナナちゃんが使えるようにしてて下さい」
「はっ!」
私とナナちゃんは無言で施設に帰ると足早に特別訓練場のへ行き、ナナちゃんはガントレットを装備するなり
「ぶっっっっっっっころすぞクソ店主があああああああああああ!」
『ボスッ!』
使用許可だけではなく気を使ってくださったようで、訓練用の人形君が、ど真ん中に2体用意されていたのでそのうちの1体をナナちゃんが腹部に拳を打ち込み、斜め上に打ち上げると即座にナナちゃんは追いかける
「何が食材の味だよ!塩を振ったらそれ塩味じゃん!塩の味したら塩味だよ!食材の味を引き立てるとか言っても塩味がしたら塩味なんだよおおおおおおおおお!」
「……塩の味がしても食材の味がしたと思いま『ボスッ!』すが、ああ良く『ボスンッ!』身体強化もなしに追いつきましたね」
斜め上に打ち上がった人形君を空中で縦にグルンと回って踵落としを頭部にめり込ませて地面に叩きつけました
しかしナナちゃんにとって素材の味を引き立てるための塩は駄目なんですね。ちょっとでも塩味がしたらもうそれは塩味の何かという感じになってしまうということですか…
まあ、ナナちゃんの好みではなかったということですね。
人形君は魔道具なので、起動させたら自動で立ち上がるのですが、起動させる前に殴りましたから起き上がりませんよね…仕方がありませんナナちゃんの邪魔にならないように瞬間的に起動させましょう
『preparation』からの『stepped leader』で瞬時に人形君にタッチして魔力を流し、起動させて私は通り過ぎると人形君が早速立ち上がろうと動く、そこにゆっくりと歩いて立ち上がっている最中の人形君の首を掴むナナちゃん
「それだけじゃない…なに人の唐揚げに勝手にレモン汁かけてんだよおおおおおおおおおおお!」
『ボスッ!』
掴んでいた手と入れ替わるように拳が顔に入り再び吹っ飛ぶ
「私の好きなタイミングでレモンをかけさせろ!それとまずは素で食べさせろ!お前の唐揚げを私に食わせろよ!」
しっかし、本当に感情とは不思議ですね。
ここまでナナちゃんがキレているのを見ると私の怒りがスーっと消えていきました。いったい何故なのか…
そして、人形君は起動させるべきではなかったと後悔をしています
「うらああああああああ!」
『ボスンッ!』
「くそったれ店主!」
『ボスボスボスボスボス!』
「聞いた客だけにしろ食通の話を聞きに行ったわけじゃねぇよ!」
『ボボボスンッ!』
何度も殴られても人形君は立ち上がる
そう作られているから立ち上がる
「っ!せいっ!」
『ボスッ』ゴロゴロゴロゴロ………ムクリ
「………」
何故かボロボロになりながらも(訓練用だから当然だけど)、何度も立ち上がる人形君(そういう仕様)の姿に、私の胸がキュッと締め付けられて少し泣きたくなったのは、気の所為だと思いたい
だって、ただの魔道具だし
私もザハレグス時代に何度も訓練で殴り倒したし
ただ立ち上がり、直立するという行動をインプットさているだけの魔道具です
だから心を得ただけで、人形の物体がボロボロになりながらも立ち上がるという健気な姿に心が動かされるわけにはいかないと
そう思う私だった
ナナ「あああああああああ!」
アリ「どうどう、落ち着いてナナちゃん」
ナナ「むーりー!」
アリ「どうすれば、落ち着きそうですか?」
ナナ「カムカム出来るの頂戴!」
アリ「では………コレならどうですか!」
ナナ「なにこれ…」
アリ「みつぐさんの世界で世界一硬いと言われている鰹節です!」
ナナ「あーん『ガッ』……何だと?まだ私の顎力が足りないとうのか!?」
アリ「いえ、人にはそのまま食べることなど不可能だと私は思いますよ、後で顎力って…」
****** ****** ******
でわでわまた来週投稿します




