124.本を読んでいる間
お母さん達へ
本調子ではないとは、とても大変なことなのですね。様々な要因で情緒不安定とは恐ろしいです。いつもの自分のつもりでそうではない…頑張って慣れていこうと思います
アリシアより
アリーナ・ユナルテ「……ふふふ」
グライド「アリはなんだって?」
アリーナ・ユナルテ「「秘密」だ」
グライド「?」
***アリシア***
「はぁ……」
流石に疲れました…
「やっぱりブローチ幹部では相手にならんか」
この特別訓練場に入れるブローチ幹部を全員叩きのめした後、端っこで壁にもたれかかっていると紙の束を持ったライラックが近づいてきた
「そんな事はありません。私自身もいろいろと足りなくて、将来を考えるともっと鍛えなくては」
力はもとより体力と柔軟さがまだまだですし、何よりも女の体に変わったことの変更点が多いことを改めて気付かされました
「胸を抱えているが何かあったか?」
「回避不足で当たって痛かったのです」
集中していたら思わず男の感覚で避けて、おっぱい分の回避が不足し、部下1人の木剣が直撃した
「あーーーーー………そうか、まだまだ大きくなるか?大きくなるなら体の把握はしっかりな」
「ええ、成長中だけですよね?ここまで痛いのは」
「え…あー、まだ10歳だったな、成長中ならまあそうだな」
当たって痛かった、のに揺れてさらに痛かった。けど実戦や刃物相手でなくて本当の良かった…
「ん、待て魔導具は?」
「当たった瞬間壊れて揺れたんですよ」
「なんというクリティカルうらやま」
「?」
ライラック?
「ん”んん”、なんでもない…それよりヴァネリアより女の子の日で情緒不安定の可能性を聞いてきたんだが、大丈夫そうだな」
「まあ、原因が生理と分かれば…まあなんとか?」
「そうか…」
私の気持ちが分かるのかライラックは苦笑しました。同性ですし女の先輩ですから当然といえば当然なのでしょうね
「それで何か?」
ライラックが話しかけてきたぐらいですし、なにか用があるのでしょうね
「ほぼほぼ調査が終了したらしい」
「早いですね…いや、本当に」
おかしいですね、少し前に周辺調査が終了したと聞いたばかりだった気が
「…それがな、ザレがここにいると猫の部隊に知れ渡っているせいで一目見たいと仕事を早く終わらせたらしいんだ」
「手抜かりは?」
「無いようだぞ、3重のチェックに、他の情報も集めていてな……」
『よっと』と私の隣に座り手に持っていた紙の束を私に渡すライラック
『積極的に参加していて、スレイブ・ディストラクションを好んでいる貴族リスト
〇〇子爵と長男〇〇、長女〇〇
△△△伯爵、□〇剣位男爵…爵………爵…爵……etc』
ペラ
『△△△伯爵の隠し事、脱税、殺人…』
ペラ
『△□剣位伯爵の隠し事、密輸、殺人…』
ペラ
『スレイブディストラクションの被害者リスト
グーグ犬種男性、テーンシアリィ猫しゅおんな………』
ペラ
『□〇剣位男爵隠し事、脱税、金額…』
ペラ『行方不明者と捜索いら…』ペラ『〇〇子爵の』ペラ『隠し通路1の通路の罠に…』ペラ『スレイブディストラクションの催し』ペラ『爵のかくしごとぉ…』
「ページ入れ替えました?」
「いいや、そのままだ」
「…らしくないですね」
いつもだったらちゃんと読みやすくするために、同じ内容でまとめてますし、何よりもの走り書きで字が乱れるなんて事はなかったです。なのにこの有り様とは…
「ライラックの言う通り早く終わらせたのでしょう。ページも入り乱れて字も乱れていますし、ちょっと説教しましょうか?」
「やめてあげてくれ、ザレに説教されたら自死しかねないぞ…」
まさか、と言いたいけれど猫の部隊…つまりノーラの部下なので確かにしそうですねって…
いやいや、説教ごときでパタパタ死なれたら困りますって
「でわ、ライラックが説教をお願いします」
私は紙の束をライラックに返した
「ああ、言われるまでもない……お?」
ライラックが紙を受け取り返事をした所で誰かが私達の前に立った。その人物はヴァネリア
「主様、ライラック様、同じ部隊の者が迷惑をかけて申し訳ありませんでした」
しっかりと頭を下げるヴァネリアの後ろには、最近では見覚えのない猫の部隊の黒い者達
そういえば元々はそういう格好が猫の部隊の服装でしたね、隠密等の裏の仕事ですからパッと見られて正体がバレないようにするのは当然……で?
謝罪だけではなさそうな雰囲気なんですが
「主様、血を吸わせていただきたくございます、小奴らに地獄を味合わせたく思いますが、ノーラ様が現在不在ですので、代わりに私がと思いまして」
ノーラが不在なのは私のせいなので頷き許可を出す
「感謝いたします」
地面に座る私に、何故か乗っかるように私の上に座るヴァネリア…ちょっと待って
「あの、他の視線が痛いんですが」
「「「「「どうぞお気になさらず!」」」」」
猫の部隊が目に焼き付けんとばかりに、見つめてくる
「首から吸わせていただきます」
「……………どうぞ」
もう好きにしてください、疲れてますし、動きたくありません
「…………『クリーン』……では、行きます」
どうぞ?
『カプ』
「んっ」
そういえば、吸血種に血を吸われる行為は最初の皮膚を破る感触で声を上げてしまうだけで、痛みは無いのが不思議ですよねぇ
吸われている間暇なのでヴァネリアを抱きしめておく
「!?」
びっくりしてなのかあまり吸う予定はないから離れたのか分かりませんがパッと離れたものの
「あっ、もったいない」
血がタラリと少したれた瞬間首を舐められる
「んんっ、ちょっとヴァネリア!?」
そこは吸血種、布で拭うとか抑えるとかではなく舌で舐め取りに来るとは、驚きはしてもまあ納得はできる?
いえ出来ませんね、せめて指で拭う…それだと血が完全に拭えません。うん、やっぱりハンカチとかで押さえて血が止まったら『クリーン』できれいにする方法でいいです
「すっ、すみませんつい……主様、ご馳走様でした」
いえいえどうも
その後は言うまでもなくヴァネリアは猫の部隊に対して武力による罰を与えた
凄まじかった…ただただすごかった。ヴァネリアは猫の部隊の顔を狙い殴りにって殴られた相手は縦や横に回転して壁まで吹っ飛ぶのだから
大人しく殴られること無く、抵抗はしたようですが身体強化+血の効果はもはや私や妻達でないと止められないほどなのでしょうね
「ふぅ………終わりました。ライラック様そちらを1度こちらに戻していただいてもよろしいでしょうか?」
「ん?ああ構わんぞ、修正するのか?」
「はい、ページも入り乱れて字も乱れていますので、万が一があるかもしれません今一度情報の精査をしなくてはいけません。幸い時間はありますから」
「……そうか、ザレ……いいか?」
「どうぞ、私に聞かなくてもライラックの判断でかまいませんよ…確認、後処理等はライラックとエレニカの仕事になるでしょうし」
「…………手伝ってくれても良いんだぞ?」
「ふふ、ご冗談を」
「いやいや、そこはほら元旦那ということでだな、前のようにボクを手伝って欲しいのだが…」
「残念ですがライラック、心を得た私は面倒くさいという感情を知ったのですよ」
「なっ!?そんな……嘘だろ!?」
そう…ライラックには残念なお知らせです。心がなかった頃は、書類仕事等の一般的に面倒くさい作業はただの時間経過的な作業工程であり、何時から何時まで書類で昼食を取った後の仕事はこれで…などというものでありましたが
現在の私は心がありますので長ったらしく堅苦しい契約書や椅子に座りっぱなしの書類仕事等は思い出すだけでも『良くあんな面倒くさく肩が凝りそうな仕事をやっていたものだ』と即座に感想が浮かびます
「なあ、ザレ!嘘だと言ってくれ!」
『プイッ』
私はライラックから目を背けてやり過ごす
「ザッ、ザレェ……はぁ、元々私の仕事だしな頑張るか」
…書類仕事とかは大人になったら手伝うようにしますので、今は見逃してください
………………
…………
……
「さて……」
私は身綺麗にして部屋に戻りました
「どうしましょう?」
やることがありませんが、考え事は駄目ですので……どうしましょうか?
『チリンチリン♪』
ん?誰かが来たようですね。魔道具を切って『誰ですか』と聞くとヴェルーナが『がう、入っていいか?』と聞くので入室を許可し入ってもらった
椅子とかではなくベッドの端に2人で座る。少し無言の後
「がう……最近どうだ?」
なにが?
「最近ですか?……まあ、男女の違いが分かって少し嬉しいぐらいですかね?」
胸は揺れると痛いですし、生理の大変さというのは、女性のならなければ分からない、それと同じく男性でなければ男性の大変さも分からないのですが…
男性の大変さは、心無きザハレグスだったために、少し分からないのが悔やまれるところですね。
「がぅ…そうか」
「……」
「……」
えっ…………と、なにしに来たんでしょうか?
そう思ったところでザハレグスの記憶から引っ張るヴェルーナの扱い方、構ってちゃんの時もあるため用もないのに来たときは近くに呼び、頭や頬を触ってあげると機嫌よくなる
「こっちに来なさい、ヴェルーナ」
記憶通り、手招きして呼んだ
「っ!がう♪」
ふむ、あっていたようですね。しかし撫でるのは良いですけどやはり暇なのでなにか……
ヴェルーナの頭を撫でて周りを見渡すと、ザハレグスの伝説という本が目に入った
「……ヴェルーナ」
「がう?」
「この本のついて、どこまで知っていますか?」
「がう?……ああその本か、それはあくまでも私達、周りが知っている範囲の事しか書かれていない、ゆえにザレが単独で動いた事…例えば『世界樹の雫取り』や『地下神殿、悪魔召喚儀式を阻止』は語られていない」
そうですか…
「ぐるぅ、だからな、あくまでもその本は私達他人の視点で書かれているんだ………読んだか?」
「いいえ、自分の辿った道を読むのは恥ずかしくて…」
「くぅん?そうか…だが、読んだほうが良いと思うぞ?」
ん?何故?
「…ザレは、周りがザレをどう思っているかを知る必要がある……と思う」
「どうしてそう思うのですか?」
「……がぅ、獣と女の感だ」
なんですかその羨ましい能力、いいですね私もいつか『ふふ、女の勘ってやつですよ』とか言ってみたいです。
それとヴェルーナと再開した時に、私は逃げ出したりしましたし、散々ザハレグスを罵倒しましたから私がザハレグスを嫌いなことを知ってますよね
「まあ、ヴェルーナがそう言うなら読みましょう」
「がう、だったら隣にある図書館を使うといい」
「図書館ですか?」
…いいですね。行ってみましょう
「ぐるぅ、久々にムンブートに会うといい」
「はぁ…まああの子なら居ますよね」
とまあヴェルーナの言葉に従い私はザハレグスの伝説を読む為に隣の図書館に向かうことにしたのだった
「見つけた!」
「がうっ!?じゃあなザレ!」
「待てヴェルーナ!ボクだけに仕事をしつけるな!」
ヴェルーナが逃げて、ライラックが追いかけて行きましたが…ヴェルーナは速度を抑えて追いつけそうで追いつけないようにして、ライラックが疲れるのを待っているようですね
なんと酷い事を…
ライラックは追いかけて疲れてそのまま書類仕事とか、ヴェルーナを追いかけるは辞めればいいのにヴェルーナはヴェルーナでそんな事するぐらいなら手伝ってあげればいいのに
さて一度外に出て隣の………
…………
……
…
図書館に着きましたちょっと距離がありますね。団の施設をどこまで大きくしているんですか…
中に入ると………意外と騒がしかった
「これぼくの!」
いいえ図書館のものです
「ねーねー、まだぁ?わたしもよみたいよぉ」
「もういっかいわたしがよむの!」
2人で見ればいいのに
「…………」
「…………『ポイ、コロコロコロ』3…1、2、3あ」
「いっかいやすみだね」
「………」
もうちょっと盛り上がりませんか?黙々とやるのはちょっと怖いですね
一階はどうやら子供達のための絵本や遊戯場があるようで賑やかですね
「えーと…」
案内板はありますかね?
私がキョロキョロと見渡していると、後ろから誰かが近づいてきます魔力反応があるので10の儀式は終えている方ですね。となると先程上がった名前の
「ムンブートさんですか?」
振り返り名を呼ぶと
「はい、私はここの管理を言い渡されている。ムンブート・エリアナと申します。アリシア様」
アリシア様ね。うん、伝わっているようですね彼女は別にブローチ幹部というわけではないのですが、団の行動記録をまとめて記録することを条件に、図書館の管理を任せたこです
「初めて利用するのですが…子供達のための本ではなく普通の本はどちらにありますか?」
「初めて……コホン、あちらにある大きな扉の奥が児童文学以外のものとなってます」
「ありがとうございます。ちなみに専門書などはどこにありあすか?」
「専門ですが…そちらは事前予約をいただき、監視付きでのみ閲覧可能となります。場所は地下2階からです」
監視付き…となると過去になにかありましたかね?
「監視と言いましたが知識人同伴ではありますので、説明や案内も兼ねています。ただ持ち出して紛失した方がいましたので貸出禁止になっただけです」
「そうですか、では機会がありましたら予約させていただきますね」
私はそう言って一礼し奥へ向かうのだった
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ナナ「はい!剣位伯爵ってなんですか!」
アリ「え?『23.嵐の予感』で説明しましたよ?
あーいえ、説明が足りなかったですね
剣位は、つまり武勲を本人が立てたという証明なので
剣位男爵も居れば、剣位子爵というのもあるので全ての爵位に、剣位が付けば武力で貴族になった実力者ということですね。まあ名誉子爵とかのやつです1代限りのね」
ナナ「なるほど」
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でわでわまた来週投稿しますね




