109.アリとナナ合流前
アリへ(1/5よ他の家族の手紙忘れないでね!)
鷹と苗木の団員さんに頼んで、手紙を9通送ってもらったわ、4通はナルシェナちゃんの家族にだからちゃんと渡してあげるようにね。あ、5通はあなたへの手紙よ、ふふふロティも字がかけるようになったから貴方に送りたいって言ったから送ることにしたわそれでね(以下長文続くのでカット)
あなたの産みの母 アリーナより
アリシア「………私に前世があっても、まさか長文で血の繋がりを感じるとは………嬉しいですね。ちゃんと私は、あなたの子なのだと感じる事を胸に刻みますね」
***ナルシェナ***
アインさんに4人を保護してもらって、私は元の道に戻った。
「……………はぁ」
『くぅ〜』
お腹がなった
「どんな状況でもお腹は減るのか……うん、切り替え切り替え!」
お昼を食べて元気を出そう!
私は歩き出す、止まっていても時は流れる。ならば立ち止まることは時間を無駄にすること!
なにか目的がない限り、止まる必要なし!
というわけで……………ブラリブラリっとあ!ココはどうかな?
フォークとナイフが両端にあり、中央は名前が書いてある看板、よしここにしよう!
中に入ると
「らっしゃい!」
元気な髭面親父が来店客への挨拶をしてきた。いいね元気をもらえるよ!
「オジさん!オススメを1つね♪」
「はいよ!直ぐに作るぜ!空いているところに座って待っていてくれ!」
「はーい」
さてさてさてさーーーーて、何が出てくるかなぁ、楽しみだね、元気なオジさんのオススメだもん!
待つことしばらく
「お待ちどう!ふわふわオムライスだ!」
し、しまっっっっっっったああああああぁぁぁぁ!
「………ワァ、オイシソウダネ!」
「ごゆっくりどうぞ」
オジさんが奥へ戻る
「うん、たまには柔らかいものも大事だね」
備え付けのスプーンで上に乗っている。部分に切れ目をツツーっと入れるとぉ?
ほら、きれいにデローン♪と半熟卵が広がる
「ご飯と一緒に掬って」
『パクッ♪モニュモニュモニュ』
…………………………………うん………………これじゃない
違う、違うんだよなぁ………私は………私は、カムカムしたいんだよ!
ふわふわオムライスが悪いわけじゃない!
オジさんの料理が不味いわけではない!
別に柔らか食感が悪い訳ではない!
ただ…………ただ私の美味しい食事とは、噛む事が重要なのだ!
うん、卵オイシイ…ご飯と一緒に噛むことが出来る玉ねぎの食感もワルクナイ…………だけど私には合わない!
怪しくない程度に私は早く食べて代金を払う
「どうだ、美味かっただろう?」
「ウン、旅のいい思い出にナッタヨォ?」
「そうかそうか、じゃあまたこの町によった時に来てくれよな!」
「ウン」
次はちゃんと注文しまーす
「はぁー」
「ナルシェナ様……大丈夫ですかにゃ?」
「およ?コメットさん、どったの?」
「いや、なんだか元気がなくなったようですからにゃ」
「あ〜、ごめんなさい。ただのメニュー選びの失敗だから、気にしなくてもダイジョブだよ?」
「左様ですかにゃ」
「オススメ、しっぱい………だった?」
「いやいや、味はよかった………でも私はカムカムしたかったんだ」
「「カムカム?」にゃ?」
「なのでもう一軒行こうと思います!」
「にゃ!」
「ん、隠れるね」
あっしまった。コメットさん達が、ご飯食べたか聞きそびれた隠密護衛じゃなくて通常護衛で一緒にご飯食べればよかったね。
でも仕事だし気遣いは逆に迷惑になるかな?
じゃあお食事処を探そう、柔らかオムじゃあ私の腹は満たされんよ!ということでもう一軒!
探すとぉー「そこのお嬢ちゃん」…………ん?
「はい、なんですか?」
なんか髭面のオジさんに声かけられた。私をお嬢ちゃんと言うのだからある程度年齢は行っているのだろう。もうすぐ老い時が始まる年齢ですかな?それとも苦労人?ってそんな事はどうでもいいか…
「さっきからキョロキョロしているようだけど、迷子かな?良ければオジさんが案内しようドコに行きたいんだい?」
怪しさ満点オジさんが私の真ん前まで来た。
え?なに?何が目的なの?
「いえ、全然大丈夫なので」
「まあまあそう言わずに!ほらコレ見て地図」
オジさんはバッと紙を開くと陣が浮かび上がった
「魔法!?」
ヤバッと思った次の瞬間には、紙が破かれ……なかった
「おぉ…」
驚き腕で顔や頭を守ろうとした瞬間にドサッという音がしたのでチラリと見てみるとアインさんが息を切らして太めのオジさんを地面に倒していた
「はぁはぁはぁ……ご無事ですかナルシェナ様」
「うん………助かったよ」
「はぁ………すぅ…………何よりです。コメット!ミュイ!」
アインさんが名を呼ぶと物陰からヒョコッと出てくるコメットさんと、私の後ろから出てくるミュイさん
「あなた達!〜〜っ、説教は後でします。ヴァネリアに報告しますので覚悟しておいてくださいね」
「にゃぁ…」
「は、い…」
「はぁ……ナルシェナ様、ご提案なのですが今はまだ治安が悪く、安全面に心配が多いようですので、一度鷹と苗木の施設に戻りませんか?もちろんまだ散策されるのであれば護衛を増やし守り通しますが…」
「ううん、お昼食べたし、そいつ連行しないとだし、一度アリちゃんのところに戻ろうか?」
「ありがとうございます」
放火の後に変なオジサンと遭遇とか、このまま子供が出歩いていても碌な目に合いそうにないしね……帰ろう
***アリシア***
午後2時になりました。
特別訓練場に動きやす汚れてもいい格好で来ました
「動きやすい格好はこれでいいですよね」
「同じ格好のままだが、いいんじゃないか?ザレが動きやすければ何でも」
…………ですね、パンツルックでシャツのシンプルな格好です。下黒で上白の色ですし
「それで、ライラック…その方々は?」
知っている人達ですが、何故ここにいるのか気になりますね
「久しぶりにお前の模擬戦を見たいといった連中だ」
「お忘れですかっ!我が主!?」
このスキンヘッド筋肉男性は、人族のガガンさんでしたか
「……………」
『シクシクシク』と泣くジェスチャー中
で、その隣でジェスチャーで気持ちを伝えてくる仮面を付けている女の子は、人魔族、有翼種のノイズさんという女の子
彼女は幼き日より日々虐待を受けていたそのせいなのか声を出すことがなくそのうえ、特殊な火で受けた火傷が顔にあるために仮面を付けている
ちなみに獣人の鳥とは違う点は、獣人の鳥種は実体の羽があり、人魔族の有翼種は魔力の羽で出し入れ可能の違いがあります
「いかなる姿に変われど、我らは使える主に違いなく、たとえ忘れられていようともこの忠義は揺るぎなし」
………そう言っても、心は正直なのでしょうか、あなたの涙はダバーっと流れているのですけれどね
長身の細マッチョでイケメン男性は獣人の犬種ワングさん
「あーー、まあちゃんと覚えてますよ」
「おお、良かった!」
『ぴょんぴょん』嬉しそうに跳ねる仮面さん
「感謝である。生涯忘れぬ感謝である。」
うん、そっとしておこう
「ライラック武器は壁際に置かれているのを使っていいですか?」
「当然、好きにすると良い」
刃を潰しているたくさんの種類の武器サイズも別にあるため、本当にたくさんある
「うーん、どうしましょう?」
東刀もありますが久しぶり直剣にしましょうか?
オーク程度では、軽い運動にもなりませんでしたし鷹と苗木の団員なら少しは運動になるでしょう
***ライラック***
ザレが武器を選んでいる間に3人がやってきたな
「遅れましたか?」
「ん?いいや、まだ5分前だ問題ないぞ?」
時間前に来ることはキチンと出来るか……だが気になるのは、どうもヴェルーナがブローチを渡したにしては緩いんだ
ボクは実はこの3人、ブローチビギナーに違和感を持っているのだ
だがブローチは本物で、手紙の内容も鍛えて欲しいとあり、だから訓練場の施設があるここに派遣したとあった。だがボクの指導適正はどちらかと言うと魔法向きで妖術は専門外だ、ならば…………っ!
考えているとボクは1つの結論に行き着いた。というよりもあることを思い出した。ヴェルーナの悪い癖を
ヴェルーナは時折普通に甘えるのではなく、乱暴に扱って欲しがる時期が年に1、2回あるのかわざとわかりやすい何かをしてザレに調○……つまり、おねだりを要求するんだよアイツ
「ここ10年ほど無かったから忘れてた」
無いのも当然、ねだる相手がいなかったからなのだが………おい、ちょっと待てヴェルーナ、今のザレは女だぞ?
性的な目的なら今のザレにアレはないからボクを含め、他の共婚者から見ると最早本当にアレにしか見えなくなるし、ザレが同意するかも不明となのだが?
ボクがそう悩んでいると、ヴェルーナの目的のために捧げられた3人はブローチ持ち幹部と会話をしていた
「えっとライラック様以外の幹部様々がいるのはどうして、ですです?」
「困る、上に見られながらとか恥ずかしい」
「ガハハハ、気にすることはない、むしろ1つアドバイスしてやる!最初から全力で挑み己の無力さを知るための模擬戦と思え!」
「「「?」」」
『サラサラサラサラサラサラ』
「えっと?『あの人と手合わせ出来る機会を得ること羨ましすぎる全力でぶつかって色々と教えてもらえ』だって」
「「?」」
「叶わぬ高みと戦うのだ、手加減や様子見は侮辱と思いお主達は実戦と思い死ぬ気で勝ちに行くのだ!」
「「「?」」」
「まあ気にするな武器を持って定位置にいけ」
訓練場の模擬戦開始位置に行くように言うと素直に行く3人、ついでだ聞いておくか
「おい、あの3人どう思う?」
ガガン、ノイズ、ワングは3人を見つつ答える
「とても我が上司、ヴェルーナ様が信を置いたとは思えんな」
ガガンは睨みつけるよう3人を見る
「『〜〜っーっ』『同意、ヴェルーナ様の部下は、上の命令は絶対派で疑問を持つ部下を嫌う、絶対的アイツらではブローチ貰えないはず』」
ノイズがキーワード魔法を使い音を振動させ声として聞かせる魔法を使い、ボク達だけに聞こえるように伝えれくれた
「しかり、他の意図があってブローチを渡したとしか思えぬ、ライラック様ガガン殿ヴェルーナ様と共婚者と部下という視点から何かわかりませぬか?」
あー、やっぱり普通だとブローチを貰えるような立場にないと思えるか……ならボクの考えは間違ってなさそうだな、それにヴェルーナの部下でさえ10年ぶりのアレは忘れてしまったようだな
「………ヴェルーナの10年ぶりのアレだ、久しぶりすぎてボクも忘れていた。ザレに甘えるやつだよ多分」
「「「………………」」」
うん……なんにも言えなくなるよな
さてザレは……と武器を選び終えたようだって直剣かぁ、期待して少し本気で戦ってくれるようだが、その意気込みを無駄にすることになるとは
「まぁ、怒り方面だが感情を知ることになるなら、結果的には喜んでくれるだろうか?」
***アリシア***
うん、これでいいですね。同じ剣でも色々な人がいる分少しずつサイズの違いがある
軍であればすべて統一されたものでしょうが、許可を得たこの特別訓練場は、ザレや妻達やブローチ幹部が使うため多種多様な武器やサイズがたくさん置かれている。もちろんこの団でも普通の訓練場は統一された普通の武器が置かれています
「これが丁度いいですか」
配置につくと3人は待っていた。会話は聞こえていましたので、魔法無しとはいえ全力で戦ってもらえるそうなので楽しみですね
「すみません待たせましたか?」
「大丈夫だよ?」
「ですです!」
「倒させて、もらう」
お互いに構える。
「いつでもどうぞ?」
先手は譲りましょう、そこから何処まで出来るか見ましょうかね?
「じゃあ………行くよ!」
1人は真っ直ぐ突っ込んできましたが残りの2名は1人は弓を構えもう一人はナイフを投擲、まあ良いでしょう
「ナイフを……?まあ、避けると」
「っ!」
はい矢が飛んできま………?
すよね、それを避けると丁度いいタイミングで突っ込んできていたルプスさんが大剣を振るう
「ですっ!」
ですけど、私には無駄ですよ
「でっです!?」
…?
「当たって!」
「…っ!」
もう一度違和感のある投げナイフと矢が飛んできて、力加減に違和感のあるルプスさんの大剣を流し、投げナイフを掴み投げかえし、矢を蹴り弾く
…………うん、彼女達の違和感がわかった。
ナイフは私に届けばいいという程度の力で投げられて、矢も距離的に直線で私を射抜けるはずなのに、少し山なりでこちらも当たればいいという射方である。そして大剣も全然力が入っていないこれは……
舐めてやがる。と言うやつですね…
「もう1どぉっ!?」
「っ!?」
「で…ですっ!?」
どうしてでしょうか?
驚くことに思いっきり歯を噛み締めていて、頭に血が登るだけではなく、体の至る所に力がこもる。これってもしかして
私は怒っているのでしょうか?
何に?可能性があるのは3人にですよね?
理由は?手加減されているから?
それで?何故私は怒るの?
理由は分かりませんがそんなことより、全力で3人を叩きのめしたいという意志が、私に芽生えているのです。副次効果で殺気を出して怯えさせてしまってますね
このままではいけませんね………殺してしまいそうですので、今は 私を私に切り替えて
***ライラック***
「っ!?」
「おおっ!?」
『ビクッ!』
「なんと!?」
……はは……………はははは、この空気、本当に本物のザハレグスだ。いや、もう本人だと分かってはいたぞ?
だが…何故一瞬殺気が?
いったい何がザレをそこまで怒らせたのか?
何にせよ、それを消すために何故か何かが変わってザレの空気となったらしい、てっきりブローチを貰う資格なしと言って気絶させて終わる程度かと思ったら
殺気出すほどの怒り………ヴェルーナめ、ボクを巻き込まないで欲しい。ボクはお前と違って優しく甘やかされながら抱かれるのは好きだが、お前のようにお互い体中に跡が付きまくり明日に響くほどの疲れや痛みや傷痕などは欲しくないのだぞ
ボクは夜に甘く抱かれ、翌朝にはお互いの顔を見て起き、その後はベッドの上にいるボクに甲斐甲斐しく世話を焼いてくれるザレにさらに甘えるのが好きなんだ、だから…
だから怒られるのはお前だろうに!早く来い!今すぐ来い!
ボクを巻き込むなっ!ヴェルーナ!!!
そう思考するのは、ゆっくりとこっちに今世のアリシアの雰囲気が一切ないザハレグスがボク達の方に歩いてきているからだ
「………『ゴクリ』ボッ、ボクは悪くないぞ!?」
「?」
立ち止まり首を傾げるザレ
「何を言っているのですか?兎に角、あの3人に変わらない対応をしつつ、しっかり見張るように」
は?
「到底ブローチを貰える力量も忠誠もない、違和感だらけです。どうするかはヴェルーナに聞くか呼び出して直接聞くようにいいですね?」
「あ、うん」
残念だったなヴェルーナ、対応普通みたいだぞ?
いやしかしザレならなんの前触れもなくということもあるのか?何にせよ仕掛けたなら本人ももうすぐ来るのだろうか?
ヴェルーナが怒られる用に、道具など用意しておく必要はあるのだろうか?女になったザレに聞くのもなぁ…
ボクは少し頭を悩ませながら、ヴェルーナの到着を待つこととなったのだった
でわでわ、また来週投稿します




