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後日譚

 土地開発の進む某県の山々。

 その奥に狸狢山はこっそりと存在する。


 ある日、その地に突如青灰色の大柄な狼が出現して、一帯に棲む動物たちを混乱に陥れる。その尾は三本だったとも、五本だったとも噂され、彼らを震撼させた。


 しかしその狼と共に灰褐色の二尾の穴熊が目撃されたことにより、その騒動は早々に終結する。


 何故なら、狸狢山には古くからムジナ伝説があるからだ。


 伝説によれば、狸狢山には遥か昔からムジナが棲みついていた。ムジナの中の一匹が長い年月を生き抜き、やがて尾が増え化けムジナに転じた。


 その化けムジナが、長きに渡って狸狢山とそこに棲む動物たちを守っているというのだ。


 狸狢山には、狸だけではなく、狐、栗鼠、兎、猪、猿など、未だに多くの動物たちが生息している。

 それは、化けムジナのおかげなのだ。


 ムジナの正体に関しては幾つか説があるけれど、穴熊は有力なムジナ候補として挙げられている。


 だから、狸狢山に二尾の穴熊がいても、なんの不思議もありはしないのだ。


 狼と一緒に現れた穴熊は、狸狢山の動物たちの長にある贈り物を届けたのだという。それがなんなのか、多くの動物たちは知らない。


 けれどその騒動の後、無謀な狩りに出かける動物は減り、食料を求めて不用意に人間たちの住処に近づくものはほとんどいなくなったという。


 そうして狸狢山の動物たちには、長く生きる者が増えた。

 

 長く生き、尾の増えた動物たちがその後どうしたのかは、おそらく尾垂界の住人たちがよく知っていることだろう。


                                  了

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