9.探索
1歳になりました。はい。
…って早いと思ったあなた!
ここまで来るのに、途方もない努力と努力とおねしょと努力があったわけですよ!ちなみに、おねしょは北海道までできるようになりましたー。
…じゃなくて、ついに!念願の!!ハイハイできるようになったわけですよ!!!
…これで。。ぐふふっ。。。
この世界の魔術の情報をーーーーーーー。
…と、軽く考えていた時期もありましたとさっ。はぁー。
実際、ハイハイを家族みんなの前で披露したときは、みんなが喜んでくれて、これでこの家を好きに回れるぜ!って思ってたさ。
で、現実はというと…
「グラン。ねてなきゃダメだよー」
…と何時間いるんだイケメン介護士のお兄ちゃん。
「ほら高いたかーい。」
…高すぎだろーーー!あと、10分おきとか、もはや虐待じゃね?
「お腹すいたわよねー。グラン。」
…言い切った!言い切りましたよ!!今体重何キロかなぁ。。。
「きゅきゅきゅきゅっーー(頬をペロペロ)」
…俺をおもちゃにするんじゃなーい!ダブル!!
………まぁ、モテモテすぎて何にもできなかったわけです。うむ。
しかーーーーーし!
今日はなんとマイクとお兄ちゃんはおでかけ。エリーは夕飯の支度。ダブルはお昼寝中。もはや昼じゃないが…
ってなことで、家を見てまわることにした。
さて、まずは右隣の部屋から。と、いつもいるに二階の探索から始める。
「きゃきゃっ。」
…そういや、怪獣声を卒業しました!
・・・じゃなくて、右隣の部屋はお兄ちゃんの部屋だった。
藁をつめて布で包んだものがベッドかな?部屋にはなんにもなくて、唯一、鞘に納められた子供用ナイフがいくつかあった。
…なにこの部屋、怖っ!!
と思ったが、いつも俺を気にして見てくれるお兄ちゃんの笑顔を思いだし、見なかったことにした。
今度は、左側の部屋へ向かってハイハイする。
キョロキョロ周りを見ながら移動すると、ふとっ、正面に自画像?っぽい絵を見つけた。金髪の壮年のおじいさんが威厳のある表情で椅子に座っている。右手には宝石らしきものをつけた杖を持っていたので、腰が悪いのか?とどうでもいいことを思いながら、部屋へと向かう。
そこは両親の部屋であろう。窓際にお兄ちゃんと同じ藁の大きなベッドがあり、壁には机、反対側には小さな本棚だけの簡素な景色だった。
そう。今回の目的は魔術の本を探すこと。
まずは本棚の前に移動し、二段しかない本棚を見上げる。
下の段をみると、「モンスターの解体方法」、「モンスター辞典」など魔術に関する本はなにもなかった。
上の段は、と視線を向けると、そこにも狩りの本しかない……ん?
いや、背表紙に何も書かれていない本が一つだけあった。それも、かなりくたびれてるというか。古いというか。
なんとなく気になるので、その本へ手を伸ばしてみるものの、
やはり届かない。
「ん~~ん~~」
唸りながら伸ばすが、やはり届かないので本棚を揺らしてみる。
一階まで聞こえるかな?と、内心恐々としていたがもうやってしまったことだと、すぐに開き直る。
すると、「さっ」と音がするやいなやその本が頭の上へ落ちてきて、またもや意識を失うのだった。