7.1人と1匹の儀式
ページ改訂にともない、もう一話。
「はっ、はっ、はっ、はぁーーー」
20m走っただけで息切れだ。
運動不足か?ま、赤ん坊に体力求めてる方が間違いか。
ようやくダブルに追い付き、ふと周りを見渡すと、例の魔方陣の中心にいた。さて、ここからどうする?という意味を込めてダブルをみると、「きゅ?」と頭を傾ける。
…はい、きましたー!ダブルの見せかけですよ!奥さん。
誰に言うでもなく突っ込んでしまったが、ある種、冷静さを戻したこと、なけなしの体力を消耗してしまったことで、座り込んでしまう。
すると、今まで気付かなかったことが見えてきた。
…この魔方陣…徐々に小さくなってる…?
俺達を中心に、魔方陣は鼓動のようにドクン、ドクンと揺れるように次第に凝縮されていき、段々中心部へと向かっているように見える。
「きゅきゅっーーーー!!」
…何が起こるかわからない不安の中、ダブルに抱きつきつつ、真似て叫んでみた。ダブルの冷たい視線を受けながらも、こっちは恐怖しかないため、ひたすらダブルにしがみつく。
「きゅーーーーーーーーーーー」
魔方陣の縁が手を伸ばせる位置まで来たところで、いきなりダブルが
叫んだ!
すると、魔方陣は僕らを無視するかのように形をそのままに一気に上へ上へと昇る。そんなに時間はたたないうちに、ひゅっ、と音が出るような早さで凝縮し、一気にはじけた。
そのキラキラした祝福のようなものは僕ら1人と1匹の上にだけ降り注ぎ、やがて、祝福の光も終わる頃だろうか。
強制的な睡魔により、またもや意識が遠くなっていく感覚だけが残っていった…