捜索
これは、まだ「天界」の天使と「下界」の人々が共存していた頃のお話。
私は、先日学園から抜け出した美紗…妹を探しに下界へ学園長の許可を得て降り立った。
妹は天界にはいないことがすでに調査済みで、いるとしたら下界しかない。
「あんなに素直でイイ子だったのに、急にいなくなって一体どうしたって言うの・・・」
そう呟くことしかできなかった。
実は兄が居るのだけれど、その兄も抜け出していて探さなきゃいけない…んだけど麗揮は常習犯だからひょっこり帰ってくるから
ぶっちゃけ探す気はない
それよりも妹なのだ…
下界に降り立ってから一週間経つけど聞き込みしても全く情報はないし、あと3日で帰らなきゃいけない。
まぁ、過ぎてもいいんだけどさ?ランク下げられたくないからなぁ…
と半ば諦めで商店街で渋々聞き込みしていると、近くで井戸端会議中のおばさんが
「そういえば最近、岬の方に山菜を採りに行ったらね?黒い羽が落ちてたのよ~」
「まぁ!でも黒い羽なんてホントに存在したのねー…気色悪いわ」
…黒い羽?下界の人たちが目にするのは、絶対にないはずなのに・・・
うーん気になるけど今は関係ないから、後で学園長に報告すればいいよね~
さて、買い物して帰ろう
夕飯はオムライスにしようかな
そう言って何事もなく夕食を済ませ、風呂に入り、ふかふかの布団に入って私は目を閉じた。
翌朝私は玄関に気配を感じ取って目を覚ました。
紛れもなく兄の気配だ。
ピンポーン
…朝から鳴らすのか
でないと後で何されるかわからないし出よう
「なに、麗揮」
「よーぅ、倖、元気かぁ?」
相変わらず訪問が唐突すぎる
「…まぁね。」
と答えておいた。
しばらく会っていなかったし心配する気持ちもわからなくなかった。私も兄のことは心配はしていたしね?
「ならよかった。んでな、話したいことがある。ついてこい」
そう言われて近くのこじんまりとしたカフェに連れて行かれた
勝手に頼まれたアイスティーを口に含んでいると
「美紗を見つけた」
「はぁ?!」
突然過ぎる発言に、美味しいアイスティーを台無しにするところだった
危ない危ない…
「どういうこと?」
何もわからないし状況も把握できない。私には聞くことしかできない。
「いや、そのままの意味だけど。」
「そういうことを聞きたいんじゃないのよ…」
「あ、なんで俺が見つけたのかってこと?それは愛だよ愛妹に対するあ――――…
「気持ち悪いから、うん、私も妹だしね?」
言い忘れてたけど兄は、シスコンらしい。悍ましい…私も人のこと言えないけど
「冗談だ、本題に戻ろう」
そう言って兄は淡々とエスプレッソを飲みながら妹のことを語った
わかったことは
・兄が妹を魔力の檻に閉じ込めていること
・明日、私に妹を会わせてくれるということ
そして
「明日帰れるような準備をしておくこと」
「え?」
意味がわからなかった。
「とにかく明日10時に岬で待ってるから、必ず来いよ」
兄はすっかりぬるくなったエスプレッソを一気に飲み干し、私の分の勘定も支払って去っていった
私はわけがわからなくて頭の中が真っ白になって、アイスティーの氷が半分溶けてしまうほど時間を使ってしまった
「…―さま
お客様、もう一杯どうですか?」
「!」
そう店員に声をかけられてやっと気がついた
「あ、お願いします」
店員に勧められるままにアイスティーをもう一杯飲み干し、店を後にした。
続く




