さあ夏が来た!
はじめまして、始めて書きます。
仕事が忙しいですが、こまめに書いていきます
暴走とりお
「なあベイ」
「なに?」
「中学ん時のさ、吹奏楽部のあゆみちゃんって覚えてる?」
「どんな子だっけ?」
「色白でさ、おっぱいでかかった子」
「あー、大樹と付き合ってたやつか、そんで?」
「結婚したんだと、でき婚だって」
「マジか!?清楚な顔してマジか!?」
磯部は立ち上がって叫んだ
が、さっきまで寝そべって空を見つめながら半ば夢の中にいた彼は自分が今どこに居るのかを忘れていた
のろんと船が傾いて彼は派手な水しぶきをたてて海に落ちていった
「お前もこいよ!」
ご自慢の緑色の髪の毛がへたって、まるで頭の上にワカメでも乗せたようになった磯部がそう叫ぶと、大野も勢い良く船からジャンプした。
トクトクトクトク…と音を立てて2人を乗せた船が港に帰ってきた。ヘッドラインを手に持った磯部が岸壁に飛びのり、手際良くボラードにロープをかけていく。
船尾から大野がスタンラインを磯部に渡し、磯部が船を係留しているうちに大野はエンジンを切り、潮をかぶった甲板上を水で流した。
「ベイ、遠藤んち行こうぜ」
「泊まってく?」
「あー、明日何曜日だっけ?」
「あーちょっと待って…土曜!」
磯部が鞄から携帯を取り出して言った。
「んじゃ、ベイ行くべ」
「ヒロ、バイクとってくるから少し待ってて」
「了解、俺の分のメット忘れんなよ」
「あいあい」
磯部の家は港の目の前だから、2人で歩いて行けば良いのだが、いかんせん大野は磯部の両親から好かれていない。
なので大野は磯部と出かける時、大抵はタバコを吸いながら磯部の仕度が整うのを待つことになる。
ちょうどタバコを吸い終わるタイミングで磯部がやってきた。
「ヒロが運転な」
ヘルメットを大野に投げ渡して言った。
夕暮れの海岸通りを2人を乗せたフュージョンが駆けていく、ビーチにはまだ沢山のサーファーが見えた。
オレンジ色に染まる海と空、照り返しの逆行で浮かぶビーチにいる人達の影絵
千葉県南房総、無職3人、24回目の夏がきた
トリオなのにまだ2人しかでてない罠