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9 作戦・・・?いいえ、ロマンです。

何か作戦を考え付こうと頭を捻ったが・・・・


ダメでした。都合よく浮かんでなんかこない!


そうしてるあいだにもコボルド12体とリザードマン4体、おまけにオーガまで突っ込んでくる。


作戦がないわけでもないが、ひとまず距離を取ろう


幸いキラーウルフの方が、向こうで一番俊敏なコボルドよりも足が速い。


ベビーデビルたちにフャイヤーボールで攻撃させつつ後退させ、キラーウルフ6体を敵の前に出させて、衝突する前に翻させ、左右に走らせた。


目と鼻の先にいるキラーウルフを追ってコボルド8体を釣ることができた。


敵を離れさせず近づけさせずの距離を保ってクレハさんの方に走ってもらう。


その間に俺は1体のキラーウルフの背に乗って、残りのキラーウルフと共に後退した。


ここまでの間にコボルド2体がベビーウルフの魔法に当たって戦闘不能になっている。


これでこちらに向かってくる敵は、コボルド2体にリザードマン4体、オーガ1体になった。


(よし、これならいけるか・・・・)


後退から一転、こちらから襲い掛かる。クレハさんのとこに走って敵を引き付けていたキラーウルフもその足でこちらに向かわせてあっという間に挟み撃ちにした。


敵の群れにキラーウルフが前後から襲い掛かり、それをベビーデビルが魔法で援護する。


俺もキラーウルフから飛び降りてオーガの元へ走る。


オーガは俺を視界に入れるとすぐさまこちらに走り出してくる。


俺はオーガとの距離が2メートルのところで右に飛び、


(召喚!)


無詠唱でオーガの目の前にドラゴンニュートを召喚する。


ドラゴンニュートはブレスをオーガに吹きつける。


オーガは目の前からの強力な不意打ちに、その場で腕で顔を守りながらも走ってきた勢いで前に倒れそうになる。


そこを俺は足を引っかけ腕を掴み、そのまま後ろへ背負い投げを決める。


伊達に高校の体育で柔道が必須科目だっただけあって、なんとか上手くできた。


オーガは受け身をとれず、その重い身体をを地面に打ち付けて、そこを追い打ちでドラゴンニュートのブレスを受けダウンした。


他の魔物も、コボルトはキラーウルフにあっという間に狩られ、重装備のリザードマンもキラーウルフに取り囲まれているところを、ベビーデビルの魔法で着々と沈んでいった。


キラーウルフが引き付けていたコボルト8体も途中で加わってきたが、キラーウルフが2体1組で次々と狩っていった。


素晴らしい連携プレーだ。


1体が前に踊りでて、その隙にもう1体が横や後ろからコボルト1体づつに襲い掛かる。それを数組で味方の邪魔をせず、敵に味方の邪魔をさせずに蹂躙している。


こいつらなんでこんなに息ピッタリなの?すげーよ、ホント。


殲滅し終え、これで敵はクレハさんを守っているコボルド8体とリザードマン6体を残すのみとなった。


それに対して、こちらはそれなりに疲労してはいるものの1匹も戦闘不能になっていない。


「やるね、坊や。人間がオーガを投げ飛ばすなんて聞いたこともないよ!それで初心者ってんだから大したもんだよ。そこらのベテランの召喚士よりもあんたの方が上かもしれないね。あたしゃうれしいよ。才能溢れる若き召喚士と巡り合えて。でもまだまだあたしには及ばないよ!さあ、かかっておいで!」


これはもうとっておきの作戦しかないな。


え?作戦とは何かって?


ロマン全開の全員突撃だよ!


・・・・作戦とかなかった、うん、なかったんだ。


俺はキラーウルフに跨り、魔物たちを突撃させた。


正直甘かった。


鉄血のクレハ様を舐めてました。


俺の魔物とクレハさんの魔物が衝突する直前に


「さあ、おいで!蹂躙しな!」


クレハさんの前に完全武装のリザードマン10体とオーガ3体、それに身長8メートルはあろうかというサイクロプスという真っ青な体に一つ目、一角のでっかい棍棒を持った巨体の魔物を召喚した。


(あんた無詠唱できたんかい!)


完全に油断していた。


二つ名を持ってて、さらにはギルマスまでやってるほどの実力者ならできて当然だったのだ。


ただ今まで詠唱して召喚していたために、詠唱しないと召喚できないと思い込んでいた。


あの詠唱は布石だったで、クレハさんのほうが一枚上手だった。


(やばい!)


この戦力差じゃどうやっても覆せそうにない。


(こうなったら!)


ルールでは召喚士への魔物による直接攻撃は禁止だ。


なら俺が直接クレハさんを叩けば勝ちだ。


しかも魔物は召喚士である俺を取り押さえることはできても明確な攻撃はできない。


ならキラーウルフに守られながら、接近できるかもしれない。


ベビーデビルとドラゴンニュートには空から援護してもらう。


しかしサイクロプスの巨体が飛んでいる魔物たちの邪魔をする。


しかし相手の最高戦力が向こうに気が向いてるならチャンス。


俺はサイクロプスを通り抜けクレハさんに近づく。


途中、魔物が襲い掛かってくるが、キラーウルフの守りでなんとか抜け出ることができた。


ほんとお前ら(キラーウルフ)優秀過ぎ。


(いける!)


俺はクレハさんの前に踊りでて、そのまま柔道の技をかけようとしたが、クレハさんが先に動いた。


「雷の渦よ、我の周りに天誅を!スタンプール!」


クレハさんを中心に光に包まれた。光が消えたと思ったら俺は地面に倒れていて身体が全く動かなかった。


全身麻痺しているようだ。


「戦力差を見切り、頭のあたしを狙ったのはいい判断だが、ちと甘かったね。」


「あう、ひゃ、あわ・・・・」


喋れもしない。


「おおっと、今解いてやるさ」


そう言って俺に解痺ポーションを振りかけた。


「ふ~、負けました。クレハさん、普通の魔法まで使えたんですね・・・」


あ~、結構悔しい。


「召喚士は術者本人が狙われやすいからね。狙われても対処できるように適正のあった雷魔法を覚えたんだ」


俺も覚えたいな~。適正あるかな?


「さすがは鉄血のクレハですね」


「やめんかね、恥ずかしい。」


中二病が容認されてるこの世界でも恥ずかしいものは恥ずかしいらしい。


「しかしホントに驚いたね~。ここまで優秀な子は初めてさね。期待しているよ、坊や」


「クレハさんもすごいです。」


「坊やよりも何倍も生きてんだ。これで坊やに負けたら、今までの経験が泣いちまう。坊やも強くなるさね。がんばんな。」


「精進します。」


「それで初めての使役指揮をやった感じはどうだった?あたしから見ても命令の混在もなければ終始冷静に戦況を判断した指揮だったと思うよ。」


「はい、ぶっちゃけやってて楽しかったです。かなり上手くできたと自負しています。負けちゃいましたけど。」


地球では絶対できないゲーム染みたことだったので、やっててとても楽しい。


「はっはっは、それは良かった。また相手してやるさ。」


「ええ、お願いします。次は負けません。」


「若気だね~。ま、期待してるさ。」


「あ、クレハさん。キラーウルフ12匹追加でお願いします。あとベビーデビルももう3匹お願いします。」


沢山魔物と契約して魔物軍を作るという夢を今思いついた。


自分の軍隊・・・ロマンだな。


「さっそく戦力強化かい?買ってくれるのは嬉しいが、あまり無駄使いするんじゃないよ。」


「わかってますよ。」


「それと当然召喚士にも契約できる魔物の数の上限がある。坊やは自分の限界数はちゃんと把握しているのかい?」


「魔物の限界数?」


・・・・なんやそれは?


俺のロマンティックが早々崩れた音が聞こえた。

















魔物名:サイクロプス

スキル:強治癒

ランク:B

説明 :巨体を持つ人型の魔物。


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