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8 使役訓練

コロシアムはギルドの外と中に一つずつあり、外にあるコロシアムの大きさは、円型の直径60メートルくらいでその周りを3メートルくらいの壁が囲んでる。その上に観客席があり闘技場を観戦できるようになっている。


中にある方のコロシアムの、大きさは直径20メートルくらいの小型の闘技場で、どちらかというとオークションで使われることの方が多いらしい。


今回は外にあるコロシアムに案内された。


「それじゃあ、複数の魔物の使役は大丈夫かい?召喚士はテイマーと違って沢山の魔物の同時使役ができる分、魔物の指揮能力が必要になってくる。テイマーの使役する魔物の数くらいなら、慣れればそこらの荒くれ者共でも指揮できるが、10体、20体となってくるとそこらへんの才能も必要になってくる。坊やは指揮はできるのかい?」


荒くれ者共って冒険者ギルドにいた脳筋バカみたいな奴らのことか・・・


指揮能力か・・・・ふっ、舐めてもらっちゃ困るぜクレハさんよ。


こちとら地球ではオタクと呼ばれる娯楽のプロフェッショナル様だ。


戦略シュミレーションゲームや、FPSの隊員の指示命令で数々の戦いを勝ち上がってきたんだ。


魔物の多数使役命令もこなして見せようぞ!


「たぶん大丈夫だと思いますよ。」


「ほー、指揮する自信があるようだね。よし、ではあたしが相手になるからやってみな。」


「クレハさんがですか?」


「これでも、あたしゃ召喚士の端くれさね。坊やの訓練相手くらいなら造作もないね」


このばーさん、召喚士だったのか。さすがギルマスなだけはある。


「それではお願いします。」


「それじゃあ、やろうかね。ルールは訓練だから使役した魔物に相手の魔物を殺さないよう命令しとくこと、それから対戦者への魔物による直接攻撃は禁止だが取り押さえさせることができれば勝利。もし坊やの魔物があたしの魔物を殺しちまった場合は、弁償すること。それから坊やは、当然ブラックマンティスの使用は禁止だ。他の16体は全部使っていい。あたしは、坊やの実力に合わせて使う魔物を調節する。わかったかい?」


「わかりました」


ちなみに魔物への指示は頭の中で命じることができる。


そのため多くの魔物を指揮しようとしても上手く命令しなければ、頭の中で命令が混在してしまうらしい。


「それじゃあ準備できたら言いな。」


そう言ってクレハさんはコロシアムの真ん中辺りまで行った。


「レン、頑張れよ。」


ラウドの声援を受けて俺もクレハさんと30メートルくらい距離を取ったところに立つ。


コロシアムにいる他のテイマーが訓練を中断して端っこに下がった。


観戦する気らしい。


「おい、クレハさんが戦うらしいぞ。」


「相手はあのガキか?」


「新しい登録者の訓練試合らしいぞ。」


「なんで初心者の稽古相手にギルマスが出てくんだ?」


「なんでもあのガキは召喚士らしいぜ。」


「マジかよ!珍しいな~。」


「鉄血のクレハ相手にどれくらい持つのやら・・・・」


おい!鉄血のクレハって!クレハさん二つ名とかあんのかよ!


これは本気でやんないと一瞬で終わらされそうだ・・・・


(召喚!)


俺はキラーウルフ12体とベビーデビル3体を召喚した。


「おい!あのガキ無詠唱で召喚したぞ!」


「マジかよ!使役してる魔物の質も初心者のレベルじゃねーぞ!」


周りのテイマーさん達が騒いでいる。無詠唱は目立つのか?あまり人前では無詠唱で召喚しない方がいいかもしれない・・・・


あ、でも召喚の詠唱の仕方も知らなかった。詠唱ってどんなのだろ?


まー、いいや。ともかく今は訓練に集中しよう。


「いいですよ。始めましょう。」


「そうかい、それじゃあ始めるよ。小さき鬼達よ。主たるクレハの名の元に命じる。我に刃を向ける者に汝らの剣を向けろ。暴れだせ、ゴブリン!」


かっけーーー!!!


なにそれ俺も言いたい!


なんと中二心をくすぐる詠唱なのだろうか!


この世界は痛々しい中二発言が容認されている素晴らしいユートピアでした。


後で詠唱の言葉を教えてもらおっと。


そんなこと考えている間にクレハさんの前には20匹くらいのゴブリンの集団が召喚されていた。


さらに


「剛腕の鬼人よ。主たるクレハの名の元に命じる。我に刃を向ける者に汝の剣を向けろ。捻り潰せ、オーガ!」


身長2メートル50センチくらい大きさで、横にも大きい赤い人型の筋肉の塊が召喚された。


「それじゃあ行くよ。」


ゴブリン共が、10体づつ二手に分かれて左右から挟み込もうとしてくる。


オーガはクレハさんを守るように仁王立ちしている。


俺はキラーウルフ8体を右のゴブリンの迎撃に集中させる。


ベビーデビル2体には左へ闇魔法の小幻術で先頭を走るゴブリン達の視界を奪ってもらい、もう1体には先頭のゴブリンより少し後ろを走っているゴブリンに小混乱を掛ける。


混乱に掛かったゴブリンは前にいる幻術に掛かって慌てているゴブリンに攻撃した。


これで幻術に掛かったゴブリンは、視界を奪われ何も見えず後ろから攻撃されたため混乱しだし統率が執れなくなり、左のゴブリン共の足止めが成功する。


その間に右のゴブリンをキラーウルフ8体が襲い掛かり、ゴブリンを圧倒していく。


混乱しだした左のゴブリン共にキラーウルフ4体を嗾けて、更に混乱を強める。


ベビーデビル2体にはオーガへフャイヤーボールで牽制攻撃してもらい援護に来させないようにする。


もう1体にはキラーウルフを無視してこちらに走ってこようとする右のゴブリンが来られないように火炎小障壁を使い妨害する。


「なかなかやるじゃないか!」


そう言って笑いながらクレハさんは詠唱しだす。


「狡猾なる竜の子らよ。主たるクレハの名の元に命じる。我に刃を向ける者に汝らの剣を向けろ。陥れろ、リザードマン!」


出てきたのは重そうな鎧にヘルムまでして、盾や剣、槍や弓を持った完全武装のトカゲ人間が10体召喚された。


戦況としては、左右のゴブリン20体を殲滅し終えて、ベビーデビルで牽制攻撃しつつ、キラーウルフを3体4グループに分けて、4方向から囲もうとしていたのだが、リザードマンがクレハさんの周りをがっちり固めてしまったので、キラーウルフを戻らせて、ベビーデビルたちの攻撃も辞めさせた。


「いい判断だね。だがまだまだいけるだろう?うん?忠実なる犬士達よ。主たるクレハの名の元に命じる。我に刃を向ける者に汝らの剣を向けろ。我に従え、コボルト!」


今度は剣を持つ腰くらいの大きさで二足歩行の剣を持つ犬の魔物が10体ほど召喚された。


・・・・これは無理じゃね?倒しても召喚されるんじゃムリゲーじゃん・・・・


俺はなにか良い作戦が浮かばないか頭を捻った。
















魔物名:オーガ

スキル:剛腕

ランク:B-

説明 :人型の鬼のような魔物。力がとても強い。


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