59 魔物の襲撃
投稿が遅くなってしまい申し訳ないです。
俺達は問題が起こった時に使う開始前に渡された魔法具を使う。
しばらく待っていると教官達がやってきた。
「貴様ら!いったいどうしたというのだ!」
シェルの勇者級魔法は教官達には見られていないようで、教官達は黒焦げたこの場所の光景に驚いている。
「事情は全部ユミナスさんが説明しますので。」
「・・・・・・えっ!?」
「ユミナス、頼みましたわ。」
「え、ちょ、お嬢様まで!」
「俺達先にテント戻って夕飯の準備してるんで後はよろしく。」
俺とシェルはテントに向かって歩く。
この黒焦げの物体の中には貴族の生徒が8人も紛れ込んでいるので色々と詳しく説明しなくちゃいけないので、こういうのが得意そうなユミナスにすべてを任せた。
これは信頼の証であって決して面倒だから押し付けたわけではないのだ。
そう、信頼の証。
ああ、信頼、なんて良い響きの言葉だろうか。
「何があったか詳しく話しなさい。」
教官はユミナスに説明を求める。
(レン君!私一人に押し付けるのはさすがにひどいぞ!)
ユミナスは心の中で嘆いていたが説明役の役割はもはや手遅れだ。
俺は事情説明をユミナスに丸投げしてテントに戻った。
ちなみにミナはエメの治癒魔法によって破れた鼓膜を治してもらい今はテントで先に寝て休んでいる。
まー、いろいろあってミナもさすがに疲れたのだろう。
「さて、んじゃ夕飯だけどせっかくの川原なんだし俺はバーベキュウをやりたいんだけどどうかな?」
「いいですわね。私も賛成ですわ。」
「んじゃ用意しようか。川原の石と持ってきた鉄網を使えばできるよね。」
「ダーリン、その前にやらなければならないことがありますわ。」
「ん?何?」
「食材が何もありませんわ。自給自足ですからまずは狩りやら釣りやらで食材を取ってきませんと。」
「ああ、大丈夫大丈夫。問題ない。」
普通は演習中の食事は自分達で獲物を捕まえてそれを調理して過ごすのだが、最初から真面目に演習する気のなかった俺は演習の前日に王都の市場で食材を沢山買い込んでアイテムボックスに放り込んであるため食糧の問題はない。
シェルの目の前にバーべキューで使う食材を出す。
「さすがダーリンですわ!用意がいいです。」
やはりと言うべきかシェルは俺がズルして食材を持ってきたことにケチつけることはしないようだ。
「おーい、レン。」
寝ていたミナがテントから出てきた。
「お、ミナ。起きたのか。」
「ミナさん、私の魔法のせいで誠に申し訳ありませんわ。」
「気にしないで。シェル様のおかげで助かったんだし。」
「ミナ、今日はバーベキューだから石をここに運ぶの手伝って。」
「バーベキューって言っても食材がないじゃな・・・・・・」
ミナは何かを言いかけたが俺達の目の前に置かれた俺が王都で買った食材を見て口を一度閉じる。
「レン・・・・・・、その食材どうしたの?森で取れるものじゃないよね?」
目の前に出された食材は適当な大きさにカットされた様々な種類の肉に海で取れた新鮮な魚、バーベキューで焼く野菜、そして飲み物などその他沢山の食糧。
どう考えても森で採れる食材じゃない。
「これは俺が演習が面倒だからという独断で王都で先に買ってアイテムボックスに入れておいたものだ。ミナよ、お前はこの俺の行動をどう思う?蔑むか?」
「いえ、寧ろ尊敬するわ。」
やはりミナはこちら側の人間だったか。
内のパーティーでズルする事に文句を言いそうなのはユミナスくらいだな。
「そういえばエメはどうした?一緒に戻ってきただろ?」
エメは視覚が機能停止したミナをテントに運んでもらい治癒してもらっていた。
「エメならあたしの治療が終わるとそのまま一緒に寝ちゃったよ。」
「んじゃまだ寝かせておけばいいか。」
俺はしばらくバーベキューの準備をしていると森に配置しておいた魔物の反応が消えていくのを感じた。
「う~む・・・・・・」
「どうかしましたか?」
「いや・・・・森に配置しておいた魔物の反応が消えていってるんだよね。多分もうすぐここも襲撃されると思う。」
「ちょ!それってやばくない?」
「だいぶヤバいね。散発的に配置していたCランクの魔物が次々潰されているから既に囲まれているんじゃないかな?すぐにここも襲われていることになるね。」
「またピアーズ達の仕業ですかね?」
「いや、あの人達すでにシェル様によって灰と化してるじゃん。」
「敵は普通の魔物だよ。俺の魔物はどうやら数の暴力でやられているみたい。どうもさっきのシェルの魔法のせいで森の魔物を刺激しちゃったみたいだね。ここら辺に住む魔物全部に俺らは敵として認識されたんじゃないかな?」
「マジで!それって物凄くヤバいじゃん!」
「ダーリン、何故そうだと思われるのですか?」
「いや、さっきロロに偵察に行ってもらったからそれでね。いつの間にかロロとは使い魔的な感じの契約になっていて視野とか共有できるようになったんだ。」
我が愛猫ロロは愛でていたら普通の契約魔物から使い魔的契約にランクアップしていた。
なんでこうなったのか召喚魔術学部であるアリサに聞いたら、
「授業で習ったことだとどうも特定の魔物をペットみたいに可愛がり続けるとその魔物とした契約が強化されるみたいよ。あたしのレッドスライムとの契約も強化されて視野とか共有できるようになったしね。」
どうも契約した魔物をペットのように扱うとその魔物との契約が強化されるみたいだ。
俺は木の上に登っているのであろうか高い位置から見下ろすような光景がロロから送られてきており、その光景には森の魔物が大群でポイズンスネークやマンドラゴラに襲い掛かる様子だった。
「どうするの!逃げる!?」
「逃げたいけど囲まれてるし、教官を呼ぶための魔法具はさっき使っちゃたしな・・・・・・。ホントどうしよ?」
「私がもう一度魔法を使って薙ぎ払いましょうか?」
「げっ!また!」
「出来るの?」
「森の地形が少々変わることになりますができますわ。」
「んじゃ頼むわ。」
俺はG-ショップで耳栓と光遮断ゴーグルを買って身に着けた。
「では行きますわ。」
「ちょっとレン!何一人だけ装備してるのよ!あたしの分は!」
「・・・・・・あとでまたエメに治癒してもらってください。」
「レンーーーーーー!!!」
「唸れ雷、その輝く流動を龍の如くに我に仇名す者に畏怖なる天誅を!テンペライズ・ザ・ナーガ!」
シェルが魔法を放つと日本的な龍の姿をした稲妻が天から降りてきて凄まじい轟音と蒼白色の閃光をまき散らしながら意思を持っているかのようにその雷の身体をうねりながら森を這いずりまわった。
龍が消えると周りの木々が炭化して木々が生い茂っていた森は辺り一面焼け野原と化しその地には大量の魔物が雷によって焼け焦げていた。
「シェルの魔法って・・・・・・強力過ぎない?」
「私の雷魔法はお父様に教えてもらったフランソワ家秘術の魔法ですわ。」
「シェルのお父さんって公爵様だよね?普段は何やってるの?」
「お父様は裏王宮魔導士長ですわ。」
「なにその裏ってのは・・・・?」
「国王直々の魔術組織ですわ。王宮魔導士は表の法に沿った事が仕事ですが裏王宮魔導士は他人に洩らせないこと、たとえば暗殺や洗脳魔法の研究が主な仕事となる組織ですわ。」
「こわっ!なにそれ怖い!この国そんな組織あんのかよ!」
「お父様はこの国一番の魔術師でありますがそのことを知るのは一部の人のみなのでこのことは秘密でお願いしますわ。」
「なんか・・・・シェルがそんな性格になったのが納得できるお父さんだね。」
「いずれダーリンのお義父さんにもなりますわ。」
「やだわーそれ。そんな怖いお義父さんいらないわー。」
「ああ・・・・目がー!耳がー!何にも見えない聞こえないー!」
「元気だな、ミナ。」
「元気ですね、ミナさん。」
ミナは目を手で押さえながら地面を転がっていた。
「ますたー・・・・うるさい・・よ・・」
エメが先ほどの魔法の轟音で目が覚めたのかテントから出てきた。
「ああ、起こしたか。悪かったな。悪いがそこで転がっている奴の鼓膜をまた治してあげてくれ。」
「わかったー。」
「んじゃバーベキューの準備の続きでもするかね。」
「そうですわね、行きましょう。」
俺達は何事もなかったかのようにまた準備をやり始めるのだった。




