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57 刺客

「何故こんなところにオーガの群れなどがいるのだ!くっ!レン君!さすがにオーガの群れには勝てない!急いで戻りお嬢様を連れて早く逃げてくれ!ここは私が囮になる。」


そう言ってユミナスはオーガ達に突撃していった。


いや、そこはユミナスさんも一緒に逃げればいいんじゃね?


別に俺にはキラーウルフと言う人外の速度で森を駆け抜けれる乗り物がいるのだからオーガくらい余裕で逃げ切れるのに。


とにかくこのままじゃユミナスは死ぬだろう。


ユミナスの渾身の一撃はオーガの分厚い腹筋のよって阻まれ剣が取れなくなっていた。


オーガは剛腕を振り上げユミナスを亡き者にしようとする。


今召喚しても間に合わないだろう。


(あ、そういやこれがあったわ。)


俺はすぐに抜けるように足に付けておいたホルスターからハンドガンを抜き出し発砲した。


弾はオーガの頭をぶち抜きオーガは糸が切れたように崩れ落ちる。


(よかった・・・・ちゃんと当たった。今更だが外れてユミナスさんに被弾したらヤバかったな。)


オーガの肉体は分厚く固い筋肉で覆われており、剣などの武器では相当の筋力と技量がないと貫けない筋肉の装甲となっているが、さすがに頭まではそこまで固くなかった。


ハンドガンの弾でもオーガの肉体にはそこまでダメージは与えられないが人型である以上、頭は弱点となるのでそこを狙う。


しかし俺には狙撃できる技術はないのでとりあえず適当に乱射する。


さっき上手くいったのはマグレであって実力ではない。


「ユミナスさん!早くこっち来て!そこにいられると正直邪魔っす!」


「え、あ、え?」


ユミナスは死にそうになったためか反応が鈍い。


「あ~も!だからこっち来いって!」


俺は撃ちながらユミナスさんの元に行き、そのまま引っ張って後ろに後退していく。


オーガ共はハンドガンの弾が腕や腹に当たり悲痛の声を上げる。


中には運よくヘッドショットを決めれて倒せたオーガもいる。


「ユミナスさん!おーい!ユミナス!ユ!ミ!ナ!ス!」


「え、あ、う、うん。」


「大丈夫~?」


「あ、ああ、もう大丈夫だ。」


ユミナスがようやく正気に戻った。


先程から弾を乱発してるがオーガはなかなかしぶとく倒れない。


(エメ、カモン。)


俺はエメを召喚する。


「エメ、オーガの動きを止めれるか?」


「まかせてますたー。」


エメは地面に生えている雑草を操り、オーガの足に絡ませて動きを封じる。


そこからさらに草は伸びていきオーガにどんどん絡みついていく。


そして最終的に簀巻き状態になり完全に身動きを封じる。


「これでいい?」


「ああ、ありがとエメ。」


「ん。」


俺は身動きが取れなくなって地面に這いずるオーガに近づきその頭を打ち抜いていく。


動かない的を撃つ簡単なお仕事と化したオーガとの遭遇戦はこれで終了すると思ったら、


「な、バカなっ!」


いきなり近くの草木に隠れていたのであろう唖然とした顔で男が出てきた。


・・・・誰?


「き、貴様!なんだそれは!なぜオーガがこうもあっさりやられるのだ!」


「いや・・・・・・その前に誰だよお前。」


「だが俺を舐めるなよ!そいつを殺せ!」


「いや話を無視するなっておおっ!」


謎の男が叫ぶと簀巻きにされ頭を撃ち抜かれたオーガの内の1体が身体に絡まった草を引きちぎり起き上がってきた。


バルカンオーガだ。


頭を撃ち抜いたと思っていたのだが、どうやらバルカンオーガの頭蓋骨を貫通しきれなかったようだ。


普通はそれでも起き上がれるはずなどないのだが、そこはさすが魔物と言ったところか。


「まー、どのみち結果は変わらないな。エメ、やっちゃって。」


「ん、わかった。」


エメが腕を前にに振り上げるとバルカンオーガの周りに生えていた木がいきなり大きく上に成長した。


そしてエメがその腕を下に下げると大きく伸びた木がまるでハンマーのようにしなりながらバルカンオーガを叩き潰した。


「・・・・・・強えー・・・・・・。」


さすが精霊、マジで強い。


これって森ではエメさえいれば何でもできるんじゃね?


「バカな!何故精霊がここにいるのだ!」


謎の男は狂信し喚き叫ぶ。


「おいお前。いったい何者なんだ?オーガはお前の差し金か?」


「レン君、こいつは裏の世界で有名な召喚士だ。名は鬼連れのガモンと言ったかな?」


「召喚士で鬼連れ?んじゃこのオーガ共はこいつの契約魔物ってこと?」


「ああ、そうだろうな。おい貴様、何故私達を襲った?」


召喚士でB-ランクの魔物8体とAランクの魔物と契約してるなら召喚士としては俺よりもずっと凄いだろう。


ユミナスは剣をガモンの首に当てて聞く。


「い、依頼されたんだ!そこの男を殺せって。」


「誰に?」


「ピアーズ=レオナルドっていう貴族だよ!そいつに雇われただけなんだ!」


「ピアーズとは確かクラスメイトでレン君に対し問題を起こした生徒だな。」


「あの貴族が俺に刺客を送るって・・・・・・そんなに恨まれてんのかよ。そんでピアーズは今どこにいるかわかる?」


「依頼主はお前のパーティーメンバーの貴族の女に会いに行くって言っていた。俺もお前を殺したらその首持って会いに行く予定だったしな。」


「何!お嬢様が!レン君、早く行こう!」


「うん、わかった。けどこいつはどうする?エメが精霊とバレちゃったし・・・・・・こいつをこのまま放置するのは俺的にまずいんだけど。」


「ならば殺せばいい。もう知りたい情報もないしな。」


そう言ってユミナスは剣を振りかぶった。


「ま、待て!誰にも言わない!言わないと約束するから!」


「依頼主の情報を簡単に喋るような奴を信頼できるはずもないだろう?残念だったな。」


そう言ってユミナスはガモンの首を切り捨てた。


容赦ないな。まぁ、仕方ないか。


「んじゃ急ぎますか。召喚!」


俺はキラーウルフを2体召喚してその背に乗る。


「ユミナスさんも乗ってください。しっかりつかまっててくださいね。」


「ああ、わかった。」


俺達はキラーウルフに乗ってシェル達の元に急ぐ。


まぁ、ぶっちゃけ俺はあんまり心配してないんだけどね。


シェルってマジで強いし、ピアーズがどうこうできるはずもないだろう。


ちなみにオーガの死体はアイテムボックスに放り込んでおいた。


ギルドに持っていけば金になるし、演習の成果としても申し分ないだろう。


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