51 模擬戦からのバトル
パーティーを決めてから1週間が経ち、今から午後の戦技の授業だ。
「全員パーティーは決まったな。今後はそのパーティーで授業していく。お互いを知り合い護りあえ。」
「私の事を内も外も全て教えますからダーリンの事もすべて教えてくださいな、今すぐにでも部屋に戻って。」
「シェルさん、教官の話を黙って聞こうね?」
「今からパーティーでの戦いを確立してもらう。誰が前衛で誰が後衛か、誰が攻撃役か誰が補助役かなどを今から話し合って決めろ。決めたら今回は上級生を12人3パーティー連れて来たのでそのパーティーと模擬戦をしてみろ。自分達の戦い方に学べることがあるだろう。」
ロバルト教官の後ろには上級生達がいたので何故だろうと思ってたらそういうことだったのか。
模擬戦ね~・・・・・・
ぶっちゃけ俺のパーティー強いよ?
正確に言えばうちのお嬢様が強いのだが。
シェルの雷広域戦術魔法で一発じゃね?
「それでは各パーティー話し合え。」
教官がそう言ったあと俺達はパーティーでのバトルスタイルについて話し合う。
「ユミナスさんが壁役やってエメが回復役で俺が魔物で援護をして後ろからシェルとミナが魔法でドーンでいいんじゃね?」
「適当かっ!もっと真面目に考えなよ!」
「いやだってそれしかなくね?」
「確かに基本の型はそれでいいとは思うがもう少し詳しく戦術を詰めたいところだな。」
「私は戦闘中でもダーリンのすぐ傍で戦えれば文句はありませんわ。」
「・・・・・・お嬢様は喋らなくても結構ですよ。私達で話を進めていくので。」
ユミナスさんもシェルの扱い方がわかってきたな。
「酷いですわよユミナス、私だけ話し合えないなんてそんなの・・・・・・興奮するでしょっ!」
「・・・・・・さー戦術を話し合おうか。」
「そうだね。」
「では私は前衛として後ろに敵を抜けさせないように戦おう。レン君は魔法の使える魔物を持っていたな?」
「ええ、ベビーデビルが使えますね。あとロロも使えます。」
「ニャー♪」
ロロが制服のフードから鳴き声をあげる。
ロロはスタックスペースに戻りたがらないので最近はフードが定位置となっている。
可愛いけどこれ首が凝るんだよな・・・・・・
「それではベビーデビルを後衛に召喚し魔法を使わせてくれ。それから壁が私一人だと敵が多い際に抜けられる場合があるので壁役のできる魔物を私の隣や後ろに召喚してくれ。あとは敵に突撃していける攻撃役も召喚して備えてくれるといいかな。」
「わかりました。ホントは壁役はユミナスさんとストーンゴーレムの2壁でやりたかったんだけど前にギルドでの試合で完全に壊れちゃったからな・・・・・・あ~、惜しかったな。」
「過ぎてしまったことは仕方ないさ。ではレンの役割はそれで頼む。あとは臨機応変に状況に応じて戦ってくれればいい。あとはミナ君とお嬢様は魔法で敵の殲滅を頼む。ただ小規模な魔法なら構わないが大規模な魔法を使う場合は何を使うか声をかけてくれ。」
「わかったわ。」
「決まったね、それじゃあ上級生のパーティーに相手してもらおうか。」
俺達は近くにいた上級生パーティーに模擬戦を申し込む。
「すいません、戦い方きまったので模擬戦お願いします。」
「シェルフィーユ様のパーティーとですかっ!光栄です!」
上級生達はシェルの相手をできることを喜んでるようだ。
さすが公爵令嬢、人気者だね。
俺達は上級生パーティーと向かい合って対峙する。
上級生パーティーは直剣と盾を持った人と槍を持った人の2人が鎧を着て前にでており、後衛として魔法使いと弓使いが構えている。
「ではお願いします。」
上級生は槍の人が走りこんできて、後ろの弓使いはそれを援護するように弓を放ち、魔法使いは詠唱を始める。
「轟け雷、我に仇名す者に天誅を!サンダーフォール!」
「ちょっ、えっ!」
しかし開始早々シェルが強力な広範囲魔法をぶっ放し、全滅させてしまった。
上級生は4人ともプスプスと煙を身体からあげて倒れてる。
「うっわぁ~・・・・・・容赦ねーな。」
「ってシェル様!これ大丈夫なの!?お相手死んでない?」
「お嬢様!手加減というものを考えて魔法を使ってください!」
「ダメでしたか?私はダーリンに良いところを見せようとしただけなのですけど。一応死なない程度には手加減しましたし。」
「これどーする?とりあえず保健室かな?」
「お前達!」
あっ、ロバルト教官がこちらにやってくる。
「これはいったい・・・・・・お前達がやったのか?」
「正確にはシェルの魔法で一発だったんですけどね。」
「う・・・・む、お前達をこいつらと戦わせたのが間違いだったか・・・・。よし、こいつらで戦えぬなら儂が相手をしてやろう。」
「えっ!教官がですか?」
「うむ、儂なら貴様らより強い。」
「それはそうでしょうけど・・・・・・ロバルト教官1人で僕たち4人と相手するのですか?」
「おお、そうだったな。しばし待っておれ。教務室から暇な教師を何人か引っ張り出してくるでの。」
そう言ってロバルト教官は教務室に走って行った。
「教官達と戦うの・・・・・・大変そうだな。」
「なんで教官達と戦わなきゃいけなくなるのよ・・・・・・」
「これまた・・・・・・キツイ相手ができたものだな・・・・・・」
「ダーリンがいるのですし大丈夫ですよ。ねぇ、ダーリン。」
「根拠になってないよ!てかこうなったのシェルのせいなんだけど・・・・」
「仕方ないじゃないですか?私はダーリンの敵となれば黒焦げにして差し上げねば気が済まなくなってしまうのですから。」
とんでもないことを言うシェルだった。
あれ?これロバルト教官達大丈夫?大丈夫だよね?
「ではよいな?全力でかかって来い!」
ロバルト教官は教師を3人引き連れて戻ってきた。
「はい、お願いします。」
教師陣は前衛に大斧を構えたロバルト教官と大盾とメイスを構えた騎士のような教師、後衛に魔法使いの教師が2人だ。
「轟け雷、我に仇名す者に天誅を!サンダーフォール!」
「地に蠢く大地の怒りよ、その怒りの炎を我が敵に向けよ!吹き上がれ!オーバーブリムストン!」
シェルとミナの強力な魔法が放たれる。
「「グレートアンチマジックシールド!」」
しかし2人の魔法は魔法使いの教師達が発動した魔法の盾に防がれてしまった。
上級防護魔法を魔法名だけで使えてしまうのは、さすがは教師ということだろう。
「ハッハッハ、連れてきたミカエナ史とパウエル氏は防護魔法を得意とする魔法使いだ。強力な魔法も防がれては意味がなかろう。」
なるほど、ロバルト教官も俺達と戦うことを踏まえた上でしっかりメンバーを選んできてたわけか。
「ではこちらからも行くぞ!」
ロバルト教官は大斧を片手に持ってこちらに走りこんでくる。
「お相手しますっ!」
ユミナスが教官の道を阻み、剣を構える。
教官は大斧を軽々と振り上げて勢いよく下す。
「我は護り守護せし者、我に護りを加護を与えん!」
ユミナスがそう早口で言うと盾が蒼白く光だし振り下ろされた斧を微動だにせず防いだ。
なにあれ魔法?すっげー。
「ユミナスさん!バックステップして!」
ミナが叫びユミナスがそれに従い後ろに跳んだ。
「熱気の波に飲み込まれろ!ヒートウェーブ!」
ユミナスが下がったところにミナは教官に魔法を放つ。
「ふんぬ!」
しかしミナの魔法は教官が再度振り下ろした大斧の風圧で熱気を吹き飛ばした。
「貫け雷、我に仇名す者を串刺しに!サンダースピア!」
シェルが敵後衛の魔法使いの教師に電光のような細い魔法の槍を高速で放つ。
「グレートアンぐっ!」
魔法使いの教師の一人は防護魔法を発動する前に雷の槍が貫通し、全身麻痺したように動けなくなった。
この魔法は威力は低いようだがそのかわり発射速度が売りの魔法のようだ。
「貫け雷、我に仇名す者を串刺しに!サンダースピア!」
シェルは雷の槍でもう一人の教師を行動不能にした。
「なんとっ!あの2人をこうも容易く倒すとはっ!これは面白い!」
ロバルト教官は戦闘狂だったようで、仲間の魔法使いが倒されたというのに笑いながら攻めてきた。
もう一人の大盾メイスの騎士風の教師も守る者がいなくなったためかこちらに攻めてきた。
「轟け雷、我に仇名す者に天誅を!サンダーフォール!」
「地に蠢く大地の怒りよ、その怒りの炎を我が敵に向けよ!吹き上がれ!オーバーブリムストン!」
・・・・・・容赦ねー・・・・・・
残った2人の教師に無慈悲にもシェルとミナの魔法が撃ち込まれた。
騎士風の男は大盾を上から降る雷に構えるも下から灼熱の渦が湧いてきたため意味をなさず倒れてしまった。
それでも立ち上がろうともがくところをみると凄い。
てかこの世界の人間の筋力や頑丈さのスペックが地球の人より格段に高い気がする。
俺があれ喰らったら余裕で昇天するな。
そしてロバルト教官は・・・・・・うん、まー、予想はしてた。
教官は魔法が直撃したのにも関わらず、耐え切り走りこんできた。




