41 望まぬ修羅場は続く
「おーい、レンー?大丈夫ー?お見舞いに来てあげたぞー。」
俺を挟んで戦争勃発寸前の空間にミナが何も知らずに部屋のドアを開けてきた。
「おお!ミナ!HELP!」
アリサ&シェルがミナに「ジロッ」っと怖い視線を送る。
「・・・・あれ・・・・?お邪魔だったかな・・・・。レンも元気そうだしあたしはもう行こうかな~・・・・」
ミナは部屋に入る前に撤退してしまった。
「ミナーーーー!逃げんなーーーー!助けろマジで!この薄情者ー!」
俺は友に見捨てられた。
先生、友情ってなんですか?
まー、ミナとは出会って1日目だけども。
「レン、あの人は誰なのかな?この女狐といい私の知らないうちに随分女性と縁ができてるようね?」
「いえこれはですねアリサさんそういうのじゃないですからそんなプンスカしないでほしいですはい。」
「あらあら、彼女はダーリンのただの(ここ強調)友達ですわ。嫉妬だなんてみっともないですわね~。妻たるもの夫の愛を信じれないのではレン様には相応しくないですわ。ねぇ、ダーリン。」
「シェルさん、そろそろダーリンってのはやめてほしいっす・・・・」
「ほら、レンも言ってるじゃない。あなたは邪魔なのよ。さっさと諦めて消えなさい女狐。私はこれからレンの看病をしなきゃいけないんだから忙しいの。」
「いえアリサさん、僕ってばもう元気百倍なんたらパンなんで看病はしなくていいです。」
「そうですわ、ダーリンは私の愛情たっぷりの献身的な看病でもう大丈夫なのですから余計な事はしないで結構ですわ。」
「シェルさん、愛情たっぷりの献身的な看病って俺に何してたんですか?膝枕だけだよね?」
「まさか、私が膝枕だけなんてケチ臭いことするわけないじゃないですか。あんなことやこんなことで看病いたしましたわ。」
「シェルさんマジ何やったのっ!?」
「この女狐!私のレンに何したのよっ!綺麗なレンが汚物その物のあなたのせいで汚れてたらタダじゃおかないわよっ!」
「アリサさん、俺は何時あなたの物になったのでしょうか?」
「え?そうね~?盗賊から助けてもらった時からかしらね?」
「結構前からだったっ!?」
「ダーリン、駄猿の戯言など本気にしないで結構ですわ。もし失笑程度の冗談を聞きたいのなら私が愛の言葉と共にいくらでも聞かせてあげますわ。」
「誰が失笑程度の冗談よ!この金髪バカキツネ!」
「シェルさんはさっさと俺に何したか言いましょうね?」
「ふふふ、秘密ですわ。恥ずかしいです。」
そう言ってシェルは頬を赤らめた。
「えっ?マジで何やったの?変なことしてないよね?」
「あなたレンに何したのよ!」
「私の愛の深さをダーリンにお送りしただけですわ。」
だめだ、話が進まん。
とりあえず俺が寝てる間にシェルが何したかは一先ず置いておこう。
「・・・・ところでアリサ、なんで朝起こしてくれなかったの?」
「起こそうと思ったんだけどね、朝起きてレンの寝顔を2時間くらい見つめてたら登校する時間になっちゃって急いで教室に向かっちゃってレンのこと起こすの忘れちゃったの。ごめんね。」
「2時間も見つめられてたのかよ!?怖ーわ!」
「あの?ダーリン?起こしてもらえなかったとはどういうことでしょうか?男子寮に女性は入れませんし、男女寮だとしても部屋には異性は入れないはずですよね?」
「あら女狐?言ってなかったかしら?私レンと相部屋なの。まぁこの場合は愛部屋だけどね。」
「なっ・・・・どういう事ですか!ダーリン!私というものがありながら駄猿と同じ部屋で寝るなどと!」
「シェルさん、さっき俺の部屋に押しかけ宣言してたことね?」
「それとこれとは話が別ですわ!」
「・・・・・・・・なんか面倒臭くなってきたから俺寝るわ・・・・終わったら起こして・・・・」
「ちょっとダーリン!説明してくださいませ!」
「あら?寝るの?なら私が膝枕・・・・いいえ、私自身が枕になってあげるわ。女狐、そこを退きなさい。」
「駄猿!何を言っているのですか?このポジションは渡しませんよ!」
俺は喧しい部屋が静かになるまで再び眠りについたのであった。
「ダーリン、起きてください。」
「レン、起きなさい。」
身体が揺すられて目が覚める。
「・・・・ふぁ~・・・・、話は終わったの?」
「一先ず今日はもう遅いですしまた今度と言うことになりましたわ。」
「そーすか。」
「さぁ、部屋に帰るわよ。」
「ああ。」
「駄猿!待ちなさい!ダーリン、私の部屋で寝泊まりしませんか?こんな駄猿がいる部屋なんかではゆっくりと休めませんわ。そうでしょう?」
「黙りなさい、女狐。あなたの部屋なんかにレンを連れてったら呪いでレンが腐るわ。」
「はいはい、もういいから。とにかく俺は部屋に戻るよ。」
「そんなっ!考え直してください!ダーリン!」
「さっさと一人ぼっちの住処に帰りなさい、女狐。」
「はぁー・・・・疲れた・・・・」
俺はシェルの懇願を背中で聞き流しつつ部屋に戻るのだった。
「あのさー、シェルさん・・・・なんで部屋にいるの?」
部屋に戻ると何故かシェルが部屋の中にいた。
「ダーリンを駄猿と2人きりになどさせれませんわ。」
「てかどうやって入ってきた!?」
「寮主に一言で。」
「この公爵令嬢め!」
どうやら権力を使って部屋に堂々と侵入していたようです。
セキュルティーなんてもんはなかった。なかったんだ。
「なんで女狐が私達の愛の巣にいるのよっ!!」
「いや、愛の巣じゃないからね?」
「あら?駄猿ではありませんか?これからここは私とダーリンの愛の巣になりますので駄猿は外の木にでもしがみついて寝てくださいませ。」
「だから愛の巣になんてならないからね?」
なんてこった・・・・
部屋の中にはシェルの荷物と思われる皮のスーツケース的な物が積み上がっている。
マジでこの部屋に居つく気かよ・・・・
てかどうやって医療棟で別れて俺達が男女寮に着くまでの短時間にこんな荷物運んできたんだよ・・・・
「・・・・ねー、シェルさん、あのベットは何?」
「あれは私とダーリンが愛し合う為の特注のベットですわ。」
部屋の中には元から置いてあった2つのベットが撤去され、8×5メートルくらいのキングベットが置かれてた。
「あら、私達のために気が利くじゃない女狐。そのベットはありがたく使わせていただくわ。あなたはもう用積みよ、さっさと出て行きなさい。」
「何を言っているのでしょうかこの駄猿は?この部屋はペット禁止ですわ。獣臭くなるので早く窓から飛び降りてくださいな。」
なんで部屋の中までこの2人が・・・・
引っ越そうかな・・・・
でも引っ越しても結局意味なさそうだしな・・・・
「・・・・もうどうでもいいや、考えるの疲れた・・・・とにかく今日はもう寝る。」
俺はベットへ倒れこみ、
(エメ、カモン)
エメを召喚し、
「ますたー、どうしたの?」
「ああ、我が癒しよ。」
俺はエメを抱き枕にして眠りについた。
「ますたー、おつかれさん?おやすみなさい。」
肋骨が折れるかもしれないのに抱き付いていいのかだって?
あの2人との絡みよりは肋骨が粉になる方がマシだ。
「ちょっとダーリン!その子は誰ですか?まさか隠し子ですかっ!でも安心してください。ダーリンの血が流れているなら私は愛せますわ。ですからその子に妹を作って差し上げましょう。」
「黙りなさい!女狐!レンの貞操は渡さないわ!」
ああ、今日もエメは温かいな。
「ますたー、よしよし。」
俺は何故かエメに頭を撫でられながら眠りについた。




