表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
35/63

35 入学式、そして寮へ

やってきました入学式の日。


思い返せば入試後の王都の生活は初日の観光以外はずっとアリサの訓練に朝から晩まで付き合わされて大変だった。


でもそんな日々はもう終わりだ。


アリサとは学部が違うから訓練に付き合わされることはないだろう。ないよね?ないと言って!


てな訳で俺たちはブルスカイ学園に来ていた。


「やっと入学式ね。」


「だね。これから4年間もこの学園で過ごすのか。」


「4年後にはレンに追いついてみせるわ!」


「頑張ってね。俺も4年後には平穏で平和で楽な生活を確保するために頑張る。」


「それってどんな生活?」


「ニート。」


「レンも4年後には私と同じ進路に進みましょう。」


「・・・・」


「新入生の方はこちらから入学式会場に入場してください。」


俺たちは外で案内をしている教師の指示に従って会場に入る。


この入学式が行われるホールはとにかくでかい。


東京ドーム以上の広さがありそうだ。


さすがバカデカいモンスター学校なだけある。


俺達は用意されていた椅子に奥から詰めて座る。


「さすがに新入生は多いわね。何人くらいいるのかしら?」


「さあ?2000人くらいじゃないの?」


「多いわね。召喚術学部の新入生は何人くらいいるのかしら?去年と同じくらいかしら?」


「去年は何人だったの?」


「30人って聞いたわ。」


「召喚士は珍しいって割には結構多いね。」


「召喚術に適性が見つかった子は召喚術を覚えるために基本はこの学校に入学するらしいわ。この学校には召喚士の教師が沢山いるから最初の2年で基本的な召喚術を学んで後の2年で師事する教師を見つけて師匠とするらしいわよ。」


「そーなんだ。でもアリサは基本的な召喚術はもう知ってるんじゃないの?てか2年もかけて基本を覚えるの?」


「そうね、私はもうできるけど召喚術って難しいのよ。レンは簡単に出来ちゃってるけど普通はそんな簡単に出来ないわ。無詠唱なんて相当なベテランにでもならなきゃできないわよ。」


「そうなの?」


「そうよ、レンがおかしいのよ。」


「そうなのか・・・・。ちなみに王宮学術学部の新入生は去年は何人だったか知ってる?」


「たしか40人って聞いたわ。」


「40人か・・・・。」


「王宮学術学部はこの学校の花だからいろいろ優遇されるし、何かと目立つわね。この学部には貴族も多いから特にね。」


「やっぱ目立つのか・・・・嫌だなー。てか貴族はやっぱり多いんだ。」


「去年は40人中32人が貴族だったって話よ。」


「うわ~、庶民のアウェー感が・・・・」


「レンなら下手に目を付けられても返り討ちにできるでしょ?」


「貴族なんか返り討ちにしたら後から報復が怖すぎるよ!俺はいじめられたら学校やめる。うん、そうしよう。」


逃げるが勝ちだ。


「はー・・・・、まったくそのだらしない考え方はやめなさいよ。もしいじめられたら私がどうにかしてあげるから。」


・・・・そう言ってくれるのは素直に嬉しいけどアリサの報復って恐ろしいんだよな~。


俺はリアリスの町でガラの悪い冒険者に「最近調子に乗ってんじゃねーぞ!」っていきなりいちゃもん付けられて殴られた時があった。


その時はめんどかったから素直に殴られたんだけど、後でアリサに殴られた痣を見られて何があったか問い詰められて話してしまったことがあったんだ。


そしたら翌日、町の外に魔物に食い荒らされた無残な死体が大量に見つかり、その死体から俺を殴った奴の冒険者カードも見つかった。


まさかと思って、そのことをアリサに聞いたときにアリサは「ちょっと調子に乗った人がいたから懲らしめただけよ。」と笑顔で言っていたので、俺の頭の中でアリサの報復=怪奇殺人発生の構成が生まれている。


もし俺がいじめられて、そのことがアリサにバレたら非常にヤバい殺人事件が起きそうだ。


これは貴族のためにもいじめられないよう頑張って立ち振る舞なきゃいけないな・・・・。


「それではこれより入学式を始めます。静粛にしてください。」


お、始まった。


学長先生(人型決戦兵器)が舞台に上がり話し始める。


「新入生の諸君。君たちはこれからこのラグニス国立ブルスカイ王宮学校の生徒となる。15歳で入学する子もいれば傭兵上がりで入学する者も商人上がりで入学する者もいる、王族貴族市民庶民と様々な者が新入生として入学するだろう。しかしこの学園に入れば今までの地位も名誉も関係ない。皆等しくブルスカイの生徒となる。生徒に身分の格差は必要ない。故に貴族だった者も庶民だった者も共に手を取り合い友として学んでいこうじゃないか!(以下割愛)」


うん、長い。


1時間くらい話して学長は舞台を降りて行った。


「続いて新入生の誓いの言葉。代表、シェルフィーユ=ラグニス=フランソワ。」


「はい。」


シェルが新入生代表なのか。


まー、公爵の娘だし当然っちゃ当然か。


シェルが新入生の誓い(清廉潔白誠心誠意切磋琢磨一蓮托生青天白日に頑張ります的なこと言ってた)とやらをやって入学式は終わり、簡単な学校の説明を聞いて解散となった。


「この後は自分の入居する寮へ向かってください。自分がどの寮のどの部屋かは、そこの掲示板を見て確認してください。」


外に出ると自分がどの寮か調べるために新入生が掲示板に群がってる。


しかし何故か受験に落ちたように落ち込む生徒や、逆に受かったように喜ぶ生徒がちらほらいる。


これ自分がどの寮か書いてあるだけだよね?


なんでそんな反応なの?


聞き耳を立てると、


「よっしゃー!男女寮だ!」


「おお!俺もだ!」


「おお、そうか!一緒に青春を楽しもう!」


「ああ!」


「クソ!男子寮かよ!」


「俺もだ・・・・チクショー!」


「ぐすっ・・・・男女寮がよかったー!」


・・・・うん、まー、青春したいよね。


この学校には寮が沢山あって卒業した人たちが住んでいる研究生の寮や、一部の王族貴族が使う超豪華な寮などある。


新入生は5棟の寮から選ぶ。


男子寮、女子寮、男女寮、貴族寮、大人寮の5棟だ。


大人寮は傭兵上がりなどの15歳を大きく過ぎた人が入る寮で貴族寮は希望する貴族が入る豪華な寮だ。


他の3棟は普通の寮で基本2人一部屋だ。


当然男女寮は人気で一般生徒は抽選で男女寮か男子寮もしくは女子寮に決まる。


元々男女寮は男女ペアで入学する人達が希望する寮でこの世界では15歳での結婚も珍しくないのでそういう人達が優先されて寮に入居できる。


そして余った部屋を寮での出会いを求める人が希望するわけだ。


掲示板を確認すると俺は希望していないのに男女寮なっていた。


何故だ?


「レン、確認した?」


「うん、希望してないのに男女寮になってた。」


「私も男女寮よ。男女寮は向こうよ、行きましょう。」


アリサも男女寮なのか。


アリサは希望して男女寮になったのか希望してないのに男女寮になったのかどっちだろ?


アリサが出会いを求めて男女寮に入ったなら俺は男女寮の独身男子を哀れに思う。


もし付き合おうものならスパルタな恋愛が待っているだろう。








男女寮はホテルみたいに豪華な寮だった。


「おお、豪華な寮だな。これで一般寮なら貴族寮はどんだけ豪華なんだろーな?」


エントランスは新入生で溢れている。


というか出会いを求める男子諸君がナンパしてる。


そして女子は狙った男子にナンパされに行っている。


どんだけ飢えてんだよ・・・・


無論アリサがエントランスに入ると恋を求める男子に次々と声をかけられた。


さすが美人なだけある。美人なだけだが。


「痛っ!」


アリサに足踏まれた。


「何か失礼な事考えてたでしょ?」


「なんで分かんの!?マジ怖えー!」


ていうかさっきから新入生の女子が妙にこっちを見ている気がするんですけど・・・・


なんで?なんか顔についてる?


とか思ってたら4人組の女子に声をかけられた。


「あの、男女寮に入居する新入生の方ですか?」


「え?そうだけど。」


「私達もそうなんです!一緒ですね?お名前は何ていうんですか?」


これはあれか!逆ナンというやつなのか!


やったぜ、レンちゃん!逆ナンされちゃったよ!


このチャンスは不意にできない!慎重に仲を築いていかねば!


と、思ってたのに


「アギャ!痛ってー!」


アリサに後頭部を思いっきり叩かれた。


「何デレてんのよ!さっさと行くわよ。あなた達も悪いけど通してくれるかしら?」


アリサは俺に話しかけてくれた女子を追い払い、群がる男子達を蹴散らして自分の部屋に向かう。


俺の部屋も同じ方向なので後について行く。


「何も追い払わなくてもいいじゃん・・・・。せっかくのチャンスが・・・・」


「何言ってんのよ!どうせレンなんて遊ばれてポイッされちゃうだけなんだから!ああいうのには気をつけなさい!」


「マジで!女子怖えー!・・・・ってそれホント?」


「ホ、ホントよ!だから声かけられてもこれからは無視するようにしなさい!」


マジですかい?


そんな事言ってるうちに部屋に着いた。


「俺はこの部屋だ。」


部屋の鍵を開けて中に入ると驚いた。


寮の部屋とは思えない広さで40畳はありそうな広さだった。


「うわ、広いなー。」


「そうね、もう少し狭くてもいいくらいだわね。」


何故アリサさんも当然のように入ってるんですかね?


「お風呂もあるのね。ホント快適な部屋ね。」


「おお、風呂があるの!?ありがたい!」


日本人の俺にとって風呂付は嬉しい。


「机に置いてあるのは教材かしらね。」


部屋にはベットが2つに机が2つ、クローゼットが2つと大きめのテーブルとソファーが置いてあり、机には授業で使う教材が置いてあった。


「おお、これが授業で使う教科書か。」


教科書の中を軽く流し読みしてみたが掛け算割り算の算術や古代語の解読方法が書かれてあった。


日本の高校で数学を習ってた俺には余裕の算術だし、神様からもらった言語能力のおかげで古代語もスラスラ読めるどころか喋ることもできる。


学業はチョロそうだな。


「勉強はなんとかなりそーだな。」


「内容わかるの?」


「ぶっちゃけ余裕。」


「余裕って・・・・一体何時勉強したのよ・・・・」


「そういや俺と相部屋の人って誰だろ?仲良くできるといいな。」


「何言ってるの?私がそうよ。」


「えっ!?」


「私が入学手続きの時、私とレンのペアで男女寮に入居希望しておいたから当然ね。」


マジですか・・・・


つまり最初から仕組まれていたわけですね。


アリサと同室・・・・


い、いや!こう考えるんだ!


美人の女の子と同じ部屋での共同生活!


素晴らしいじゃないかっ!


凄い苦労するだろうけどっ!滅茶苦茶大変だろーけどもっ!


・・・・泣きそっ!


あ、でもアリサと同室なら気兼ねなくエメを召喚できるじゃん。


なら別にいっか。


最高のようじょしが俺を支えてくれる!



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ