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25 慌ただしい旅立ち

王都へ旅立ちの日の朝。


俺は町の入り口の前の広場でみんなとお別れをしていた。


「おりゃー!」


のはずなのに、俺はいきなりラウドに腹パンされた。


「ぐっふ・・・・」


「ふ~、じゃあな、レン。たまには戻って来いよ。」


「宿で食べてきた朝食が戻ってきそう。」


「王都へ旅立ちの記念だ。」


「記念に送るものが腹パンとか斬新すぎるっ!」


「王都でも元気でやってけよ!」


「ホントにそう思ってるのか疑ってしまった自分は悪くないはず。」


「レン様、王都でもお元気で。お体にはお気を付けください。」


「ルルも元気でな。ルルが病気になるとラウドがバカみたいに慌てるからな。周りが迷惑被る。」


「うふふ、はい。わかっております。」


「レン、俺たちヒモパラダイスもそのうち王都に拠点を移すつもりだからそのときはよろしくな。」


「・・・・お前らは王都に来なくてもいいぞ。」


「最後のお別れなのにひどい!そこは王都に来たら俺の所を訪ねな!家をあげるぜ!って言うところだろ!」


「・・・・お前友達いないだろ?」


「レンが友達じゃないか!」


「俺はそう思ったことなど「それじゃあ王都で会ったらよろしくね!」・・・・キース彼女いないだろ?一生できないぞ?」


「う、うっさい!レンだっていないだろーが!」


「・・・・候補はいる。」


「裏切り者ー!!」


「坊や、元気でやりーよ。」


「ええ、クレハさんもお元気で。」


「王都なら他の召喚士もいるだろうしレンにとって良い経験ができるだろうね。楽しんできな!」


「はい、今までありがとうございました。」


「そういや嬢ちゃんはまだ来てないのかい?」


「ええ、まだ来てないんですよね・・・・」


「おかしいね?もう来る頃だろうけど・・・・おっ来た来た。」


「レンーーー!」


アリサがこちらに走ってくるのが見えた・・・・が、なんか背中にでっかい鞄背負ってるんですけど・・・・


「アリサ・・・・・・何?その荷物?」


なんとなく嫌な予感が・・・・


「レン、私も王都についていくわよ!」


「それじゃあねアリサまた会おうみんなも元気でね行ってきまーす!」


俺は早口で別れを言い走って町を出た。


「待ちなさい!レン!ついて行くってったらついていくわよ!」


マジですか?アリサさん。


俺の平穏な王都ライフは儚い夢で終わった。


途中でアリサに追いつかれて道端で正座ナウ!


「レン、なんで逃げたのかな?」


「いやこれはですねアリサさん。僕が勝手に王都へ行くだけなのにアリサさんを巻き込んでしまうのは悪いと思ったわけでしてね。決してアリサさんから逃げたわけではないのですよ、はい。」


「そう?でも私も自分の勝手でついて行くから気にしなくていいわ。一人にならなくて良かったわね。」


「ええ、まったくです、はい。アリサさんと旅できるなんて最高ですよ。ハハハ・・・・」


「そうよね!それじゃあ行こうかしらね。」


と、言うわけでアリサと王都に向かうことになりました。


・・・・まー、美人と2人旅。うん、それだけ聞けば最高の旅になりそうな予感しかしないじゃないか!


レッツ!ポジティブシンキング!


うん・・・・きっと最高の旅になるはずだよね?


俺は大きな不安を抱えて王都へ旅立つのであった。







今俺がいる国はグランガルドの西に位置する大国ラグニス王国だ。


ラグニス王国の王都ファンファーレまではリアリスから馬車で5日間かかる。


俺の場合は飛行ブランコで行くから2日くらいだ。


この飛行ブランコは1か月前にアリサが自分も乗るっと言いだしたので2乗り用に改良した。


ベビーデビル6匹に引っ張って飛んでもらえるようにしてあり、座る部分は狭く密着しないと2人で乗れないので現在アリサと密着して乗って王都に向かっている。


背中に柔らかい感触に押し付けられる度に飛行ブランコを作って良かったと思う。


「レン、今日はどこで泊まるの?野宿?」


「さあ?進路上に町か村があればそこで休むけどなければ野宿かな?」


「やっぱり調べてなかったわね・・・・」


「アリサは野宿でも大丈夫?」


「私は大丈夫よ。」


「なら後1時間くらい進んだら降りてそこで野宿しよう。」


「わかったわ。」


「そういやアリサはなんで王都に行くの?」


「学校に入学して召喚術を本格的に学ぼうと思ってね。あとはちょっとした目的のためね」


「へー、学校か。そんなもんもあるんだな。目的ってのは何?」


「そのうちわかるわ。」


「今教えてくれないんだ。」


「嫌でもわかるから大丈夫よ。」


「まー、いいけどさ。アリサは今19歳だったよね?学校は何歳からでも入学できるの?」


「15歳からなら誰でも入学金さえ払えば入れるわ。」


「そうなんだ。学校は何年?」


「4年間よ。卒業しても研究生として残る学生も多いわ。」


「アリサは卒業したらどうするの?」


「良い成績を残せたら騎士団か貴族のお抱え召喚士になりたいわね。」


「ふ~ん、めんどくさそうだね。」


「レンはそう言うと思ったわ。確かにレンの場合森で魔物をテイムして売ってた方が儲かりそうだしね。」


「そういやアリサは魔物ギルドに魔物を沢山預けてなかった?あの魔物達はどうしたの?」


「売ったわよ。おかげで王都で暮らす資金が手に入ったわ。」


「じゃあアリサが今契約してる魔物は限界数の6体?」


「そうよ、レッドスライムにハイリザードマン4体にハーピィー1体よ。」


「その戦力なら王都でも大丈夫だね。」


「レンはテイムした魔物はキラーウルフ以外全部売ってたわよね?」


「うん、テイムしたキラーウルフ10体以外売ってお財布はウハウハだね。」


1か月で金貨213枚稼いだ。強い魔物はとにかく高く売れる。


魔物はキラーウルフ10体追加で現在56匹だ。限界数がどんどん伸びてる。


「王都にはモンスターギルドの本部があるんだよね?」


「ええ、そうね。王都での生活が落ち着いたら見に行ってみましょう。」


「そうだね。」


「レンは王都のどこで暮らすか決めてるの?」


「決めてないよ。着いたら決める。」


「王都で居つくなら宿屋より借家とかを借りた方がいいわよ。」


「そうなの?じゃあ着いたら家でも探すかな。」


「なるべく早く決めなさいよ。それまで私も宿生活になるんだから。」


「・・・・アリサも一緒に住む気なの?」


「ええ、そのつもりだけどダメなの?」


「・・・・もう好きにしてください。」


「そうさせてもらうわ。」


王都では思い描いた日々の過ごし方(一日中ダラダラして過ごすニート生活)はできなくなりそうだ。


・・・・いや、もっとポジティブに考えるんだ。


美女と一つ屋根の下の共同生活。


言葉だけ聞けば素晴らしいじゃないか。


これでアリサがお淑やかな性格だったらホントに言う事なしだった。


「レン?なんか失礼な事考えてない?」


「いえ、まったく考えておりませんよ?。」


アリサさん鋭すぎ・・・・


女の感ってやつなのか?


「そろそろ暗くなってきたし下へ降りましょう。」


「そうだね、あそこの森の開けた場所でいいかな。」


俺は地面に降りて王都でどうやってアリサの目を逃れてニートになるか考えながら野宿の準備を始めるのだった。





魔物名:ハイリザードマン

スキル:なし

ランク:C

説明 :リザードマンの上位種。素早く力強い。武装可能。


魔物名:ハーピィー

スキル:夜目 風刃

ランク:C+

説明 :鳥の下半身と翼と女性の顔と身体を持つ魔物。珍しい魔物。


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