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18 愚鈍な肉は漆黒の鎌に

進んでいくと途中に分岐しているところがあったのでキラーウルフを呼び戻す。


キラーウルフは6体死んで16体にまで減っていた。


(これからはあまり無理させないようにしよ・・・・)


この先進むのに邪魔でしかないヒモ集団に、


「この先からは魔物と遭遇戦になるし、もう十分テイムできただろうから先に地上に出てくれない?護衛は一応付けるからさ。」


「そうか、わかった。確かに俺たちはレンにとって邪魔でしかないしな。これ以上進むには危険だし先に出てるよ。」


「ああ、そうしてくれ。」


ヒモ集団は、テイムした魔物に洞窟の魔物から取った素材を持たせて引き返す。


(召喚!)


俺はドラゴンニュートを召喚して護衛としてヒモ集団に追従させる。


「ドラゴンニュートも使役していたのか、さすがレンだな。それじゃありがとな、無事に戻って来いよー。」


「わかってる、じゃあね。」


「ああ、じゃあな」


こうしてヒモ集団と別れて俺達は2人で奥へ進んだ。


そう2人だ。


「あの・・・・アリサさん?なぜ僕は今あなたと並んで歩いているのでしょうか?」


「ん?ダメ?」


「ダメです。ヒモ集団と一緒に地上に先に出ててください。」


「ヒモ集団って・・・・心の中ではそう思っていたのね・・・・。まー仕方ないけど。私はそのヒモ集団の中じゃ一番腕が立つし冒険者時代に洞窟に潜った経験もある。レンは今回が初めてでしょ?助けてくれた上にテイムの手伝いまでやってもらって、ここからは危険だからさよならってのは私的には自分が許せないし付いていくことにするわ。」


おー、さすがアリサ、他のヒモよりまともだった。


「・・・・無茶はしないでね、メンドイから。」


「はいはい。」


てな訳で俺はアリサと2人で魔素塊を探す。


とは言え、神様が言うにアリサには魔素塊が見えないらしいので俺一人で探してるわけだが、


「魔物は地下に行けば行くほど強くなるよ。」


と、アリサが言うので地下に行けば魔素塊があると予想をつけて下へと進む。


途中で魔物に何回も襲われたが、キラーウルフの牙とベビーデビルの魔法で蹴散らす。


「レンの魔物は強いね、キラーウルフもベビーデビルも私が知ってる個体より1匹1匹が強いよ。」


「そうなの?なんか強過ぎるとは思ってたけど。」


「テイマーや召喚士に使役された魔物は術者から魔力を貰って存在してるから術者の魔力が高ければ使役された魔物もそれだけ強くなるのよ。」


「そうなんだ~。アリサの魔力は高いの?」


「ぶっちゃけ、そこらの魔法使いより高いよ。でも属性魔法の適正がなかったからテイマーになろうと思った訳よ。でもレンの保有魔力の方がずっと高いんだろうね。」


まー、神様に力を貰ったからね。


俺の魔力が高くてもおかしくないな。


「そうだ!私に召喚魔法の適正があったら今度召喚魔法を教えてよ。」


無理です。そもそも俺は魔法自体が理解できてないというのに。


今度いろいろ勉強せなならんな。


「・・・・適正があったらね。」


「うん、約束だよ!」


(お願いです。アリサに適正がありませんように!)


俺は失礼なことを願いながらも使役した魔物達に守られながら下へ下へと降りてきてとうとう最下層に着いた。


そして最下層で予想外のことが起きた。


最下層の広場にヘビートロルがいたのだ。


本来ヘビートロルはこんな洞窟に生息するはずのない上位の魔物なのだが魔素塊の影響で生まれたみたいだ。


ヘビートロルは普通のトロルを6体引き連れて広場で獲物を狩っていた。



魔物名:ヘビートロル

スキル:暴食 怪力

ランク:B

説明 :トロルの上位種。非常に好戦的。



その4メートルはあろう巨大な体躯からくり出される攻撃はとても重く獲物のビックミミズが弾き飛ばされたり潰されたりして捕食されてる。


(うっわ、グロいな。)


「レン!逃げよう!あれはヤバいよ!」


確かにあれはヤバい。


キラーウルフ達では手におえないだろうし、仮にどうにかできたとしても被害は洒落にならないだろう。


でもここまで来て逃げ帰るのもいやだし・・・・仕方ない。


「アリサ、今から出す魔物は秘密にしておいてね。俺の切り札だから。」


「えっ?切り札?そんなのいるの?」


「まーね。」


(召喚!)


漆黒の身体に鋭い鎌を持つ死神のような昆虫(虫系じゃなけりゃホントに良かったんだけどな・・・・)が召喚される。


「な、なによ!それ!それってブラックマンティスじゃないの!なんでそんな上位魔物を使役できてるのよ!」


「さあ?召喚士だからかな?」


「そんな訳ないでしょ!魔物は強ければ強いほど使役するために必要な魔力が増えるし、そもそもテイムできないのよ!」


「でも俺できてるよ。」


「レンがおかしいのよ!」


酷いな・・・・。


「だから秘密でお願いね。それにランクはブラックマンティスの方が上だけど、だからって絶対勝てるって訳じゃないから一応逃げる準備はしといてね。」


アリサの叫び声でヘビートロルがこちらに気づきこちらに重い身体で歩み寄ってくる。


あの速度なら逃げるのは楽そうだな。


俺はヘビートロルにはブラックマンティスをぶつけるとして、配下のトロル6匹にはベビーデビルの魔法で遠距離から闇魔法の小混乱で混乱させる。


頭は悪いのかすぐに魔法に掛かって仲間同士で攻撃しだした。


ヘビートロルはそれを見て邪魔と判断したのか、トロルを手で掴み怪力で握り潰してそのまま捕食していく。


なんつー魔物だ。心底恐ろしくなる光景を見せられてアリサなんか泣きそうになってるじゃないですか。


早めに処理しよう。


俺はブラックマンティスに命令してその大きな鎌でヘビートロルの腹を切りつける。


しかしその腹は分厚く、切り裂かれてもたいしてダメージになっていないみたいだ。


ヘビートロルは反撃に太い腕を振り下ろしてきたので、ブラックマンティスを硬化させる。


ガギャン、と鈍い音がしてヘビートロルが痛そうにしている。


どうやら固くなったブラックマンティスを怪力をもって腕を打ち付けたために、腕を折ったようだ。


それに対してブラックマンティスは無傷で痛がってるトロルの腕をそのまま切り裂いた。


「ぐぎゃーーーーー!!」


ヘビートロルの悲痛な叫びが響き渡る。


ヘビートロルは完全に怒り心頭のようでブラックマンティスに攻撃するが、硬化で弾かれたり避けられたりして当たらない。


そして遂にもう一本の腕も切り裂かれた。


両腕を無くしたヘビートロルはあまりの痛みにその場で蹲ったので、契約してみる。


(契約!)


ヘビートロルの下に魔法陣が現れてそのまま光の鎖となって巻き付きヘビートロルごと消えた。


成功したらしい。


「レン、あ、あいつは?」


「ああ、契約できたみたい。」


「契約ってテイムできちゃったの!?あんな奴と!?」


「うん、あっ、これも秘密でお願いね。」


「なっ、あなたって・・・・」


「一回召喚してみるか。」


「え!別に今やんなくてもいいでしょ!」


「いいじゃん、召喚~!」


ヘビートロル参上!


切られたはずの両腕も元に戻っている。


ヘビートロルはブラックマンティスを見ると怯えだした。


本能にブラックマンティスの恐怖を刻み込まれたらしい。


「化け物をが化け物を怖がってるよ。おもしろいね。」


「その化け物を従えて笑ってられるレンのがよっぽど化け物だよ」


「ひっで」


「それに今更気づいたけどレンって無詠唱で召喚してるよね・・・・ホント規格外だわ。」


う~ん、自覚ないけど俺ってばすごいらしい。


さすが神様から貰った力なだけあるってことかな。


俺は2匹を戻してアリサを促し先に進む。


少し進むと黒くて禍々しい渦のようなものが浮かんでいた。


これが魔素塊だろうか?

無詠唱設定完全に忘れていた・・・・


強引だけどこれで勘弁!

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