17 ヒモ集団
アリサ達を盗賊から助けたあと俺はデストロイヤルに襲撃された。
そしてそのデストロイヤルの襲撃から俺を救ってくれたのはアライヤという初心者テイマーの一人で、彼はデストロイヤル計7匹の内、5匹をテイムしてしまった。
アライヤさんマジすげー。だがしかし!
なんとアライヤはテイムしたデストロイヤルが可愛いとかほざきやがった。
助けられた俺がいう事ではないけどアライヤ、あんたは俺の敵だ。
そして俺たち計11人は洞窟に向かっている。
「・・・・なんであんた達ついて来てるの?」
「私達はテイマー初心者だ。そんな者達をレンは森の奥に置き去りにする気なの?」
「いやいや、テイマーの前にあんた達冒険者だったでしょ!それに10人もいれば森から出ることくらいできるでしょ!」
「まーまー、レン。俺たちはこの森に来た目的をまだ果たしてない。さっきあんなひどい目に会ったというのに手ぶらで帰れる訳ないだろ?」
「・・・・アライヤは満足してるみたいだけど?」
「あいつは別だ。グリーンキャタピラなんかテイムしてどうする気だか・・・・」
「可愛いって言ってるじゃないですか。俺にはおぞましいですけど。」
「とにかく!俺たちはまだ目的の強い魔物をテイムしてないからレンについて行って洞窟で魔物をテイムする(させてもらう)んだよ!」
「それが本音かいな!ついてくんなよ!」
「いいから行くぞ洞窟!俺はレンのおこぼれで魔物をテイムするんだよ!」
「自分で頑張れよこのヒモ男が!」
キースヒモ男発覚。
「レン、諦めなよ。レンがなんて言っても私達はついていくよ。原因の調査をしながら私たちのテイムの手伝いくらいレンなら余裕でしょ?」
「つまり洞窟の魔物を殺さず気絶させながら俺は調査して進み、その魔物をハイエナよろしくかっぱらって行くわけですね、わかります。」
「言い方悪いな~。まーその通りなんだけどね、よろしく頼むよレン。」
なんだよこのヒモ集団・・・・てかこの人達って結構図太いんだね・・・・
俺は諦めて彼らと共に洞窟に向かった。
洞窟は森の奥の崖に穴があって、そこから地下に続いている典型的な洞窟だった。
ただ異様に魔物の数が多く入り口から洞窟内の魔物の鳴き声がたくさん聞こえてくる。
「これは・・・・すごいね。レン、ホントに入るの?かなり危険だと思うけど・・・・」
「そうですね、危険ですから是非このまま帰ってください。あとは自分一人で適当に調べて来ますんで。」
「うっ、わかったわよ。入るわよ・・・・」
「嫌なら是非お帰りいただ「もうわかったから早く行くわよ!」ちぇ~」
ヒモ集団は洞窟の異様な魔物の気配に不安を表してるが、だったら無理してついてこなければいいのに。
そんなに強い魔物が欲しいのか・・・・
買った方が早いんじゃ・・・・
ヒモ集団は元冒険者だからだろうか、やはり危険だとわかっている場所には近づきたくないようだ。
「レンは何とも思わないの?この洞窟の魔物の数は異常よ。死ぬかもしれないのよ。」
「ん~、別になんとも」
「なんともって・・・・、すごい自信だね。レンの強さっていったいどのくらいなのよ?」
すまんアリサ、たぶん俺の場合は日本出身で平和ボケしているため危機察知能力とか決定的に足りてないだけです。
「レンは勇気あるね。」
勇気があるんじゃなくて、どんくらい危険かわかんないだけです。
やばいな・・・・俺もブルブル震えていた方がいいのかな?
まー、切り札のブラックマンティスもいるし最悪死んでも指輪の力で生き返れるし大丈夫っしょ。
俺達はキラーウルフを先行させて洞窟に入る。
キラーウルフ達は真っ暗でも匂いでわかるらしく、洞窟でも問題なく戦えた。
さすがキラウル!万能過ぎる!
ベビーデビルは悪魔種なだけあって光なしでも見えるらしいがそれでも視野はかなり狭まるらしく、キラーウルフに同行させることはできなかったので俺の護衛をさせる。
俺はGショップで懐中電灯を買って洞窟を歩く。
懐中電灯はヒモ集団に驚かれたが師匠からもらった魔法道具ということにしておいた。
師匠(神様)から貰った(G-ショップで買った)魔法(この世界では魔法のような)道具。
うん、間違ってはいないな!
懐中電灯片手に洞窟を歩く。
洞窟内の魔物は先行しているキラーウルフ達が倒していってくれてるので問題なく進めた。
なるべく殺さないように命令してあるので気絶してる魔物がちょくちょく転がっており、ヒモ集団が本領発揮している。
俺の使役している魔物が倒しているため、ヒモ集団がテイムしようとしても成功率は低くて10体に1体くらいの割合でしか成功していない。それに洞窟内でも特に強い魔物に関してはテイムできないみたいだ。
なのでそういった強い魔物は俺がテイムする。
限界数は前は47体だったので限界までテイムする。もしかしたら限界数が増えているかもしれないしね。
洞窟の魔物は全体的に森の魔物よりは強いからヒモ集団もテイムした魔物に満足しているみたいだ。
洞窟にいる魔物の種類は、
魔物名:ダークゴブリン
スキル:暗視
ランク:E
説明 :暗闇に適応したゴブリン。
魔物名:ウォーロック
スキル:なし
ランク:E+
説明 :岩に手足の生えた魔物。身体は固いが魔法にはとても弱い。
魔物名:キルバット
スキル:吸血
ランク:E+
説明 :蝙蝠型の魔物。暗闇からの奇襲が得意。
魔物名:ロックスライム
スキル:土魔法 吸収
ランク:E+
説明 :エルスライムの適応種。洞窟の環境に適応したスライム。
魔物名:アナモグラ
スキル:なし
ランク:E+
説明 :土の中から奇襲が得意。
魔物名:サンドマン
スキル:土魔法
ランク:D―
説明 :砂でできた魔物。下位土魔法を使う。
魔物名:ゾンビ
スキル:毒攻撃
ランク:D
説明 :魔素によって魔物化した人間の身体。しぶとい。
魔物名:ピクシー
スキル:闇魔法
ランク:D
説明 :小型の悪魔。
魔物名:ビックミミズ
スキル:なし
ランク:D+
説明 :大きいミミズの魔物。巻き付いてくるので注意。
魔物名:スケルトン
スキル:なし
ランク:C
説明 :骸骨の魔物。武装可能。打撃系の攻撃が有効。
魔物名:トロル
スキル:暴食
ランク:C
説明 :醜い太った人型の魔物。好戦的。
ヒモ集団はキルバットやサンドマン、ピクシーを中心にテイムしている。
ゾンビはモンスターギルドでテイムするのを禁止されているためテイムしてない。
俺はビックミミズやスケルトン、トロルをテイムしている。
ビックミミズに関しては見た目がアウトだが我慢した。
こいつはモンスターギルドで売ろう。
テイムした数はビックミミズ10体、スケルトンが6体、トロルが4体だ。
これで使役している魔物の合計は49体だ。
どうやら限界数は増えているようだ。やったね。
ヒモ集団は洞窟入り口での恐怖はどこへやら?テイムできた魔物と倒した魔物の素材にハイテンションで洞窟を闊歩している。
俺は洞窟を進むにつれ、たまに転がっている配下のキラーウルフの死体に
(さすがに酷使し過ぎているのかな・・・・)
と、魔物の使役を見直したほうがいいのかな?と感じながらその死体を集めるのだった。
キース「ヒモで何が悪い!」
レン「死ねよ、マジで。」
キース「容赦ねー・・・・」