16 デストロイヤル突撃(若干タイトル詐欺だが気にするなったら気にするな!)
聞いてくれ。
俺は知り合いのメンドクサそうな場面に遭遇したので、その場をとんずらしようとしたのだが上からデストロイヤルが降ってきやがった。
なになに?「お前クズ過ぎるだろ!あとデストロイヤルってなんぞ?」だって?
確かに無慈悲だったのは認めよう。デストロイヤルってのはデストロイヤルだ。
このデストロイヤルをどうにかしてくれるなら喜んで彼らを助けようぞ!
あっ、デストロイヤルな魔物情報はこんな感じです。
魔物名:グリーンキャタピラ
スキル:なし
ランク:G+
説明 :芋虫をそのまま大きくしたような魔物 糸を吐いてくる
なにこれマジキモイ。
アーマーキャタピラと大違いでこっちの芋虫はとにかく見た目がNG過ぎる!
緑と紫の太長いぷにぷにしている身体を持ち、顔とか虫そのままの気色悪い顔だし!
俺は上から降ってきたデストロイヤル(呼び名確定)から逃げるように飛びのいたが、なんとあやつはこちらに突撃してくるではありませんか。
「うわっ!なにこの芋虫!気色わっる!あっち行けよ!ベビーデビル!この気色悪いデストロイヤルな物体を燃やせ!」
俺はその場を飛び出しベビーデビルに命令して、焼き芋虫を作る。
こんがり焼けたデストロイヤルから香ばしい匂いが辺りを充満し食欲を・・・・ってそそらないから!
なんでデストロイヤル焼いたらこんな良い匂いするわけ!?
マジデストロイヤルだわ!
「レン、何やってんのよ?」
「え?」
気づいたらアリサ達と盗賊達の間にいました。
俺に蹴り飛ばされたラウドが幼女を助けに入った時となんか似てるな~。
ラウドのあの時の心境ってこんな感じだったのか・・・・
ラウドの気持ち、良くわかったぜ!反省はしないけどな!
「えーと、皆様楽しそうでなによりです。自分お邪魔なようなので失礼させていただきますね。」
どんな状況になっても(逃げ出すことを)諦めない!俺ってばカッコいい!
「レン、なんでここにいるのよ!?」
「デストロイヤルに誘われて。」
「意味わかんないし!」
「君はあの時私が誘って断った子だね。こんなところまでよく来てくれたね。さあ、さっさと金目の物だして奴隷として生きなさい。」
カルロがなんか言ってる。
「レン、君だけでも逃げるんだ!俺達がなんとか食い止めるから早く!」
キースがイケメン発言する。
「そうよ、レン、私達のことはいいから逃げて!いくら召喚士でもこれでは分が悪いわ!」
アリサがそう言ってくれる。
ならば俺の回答は一つ!
「あ、そう?じゃあ、頑張ってね。逃げながら応援するよ。じゃあね。」
「「「「「「ちょっと待て!」」」」」」
なんすか?皆さん口を揃えて?
「この状況で素直に逃げちゃうの?そこは俺も戦うよ!とかいう場面でしょ!レン!」
俺に何カッコいいこと求めているんですかアリサさん?
「そうだよレン、召喚士である君が味方になってくれれば状況を打破できるかもしれないじゃないか!」
さっき召喚士でも分が悪いってアリサさんが言ってたじゃないですかキースさん。
なにこの人達、俺に何を期待しちゃってるんですか?やだー。
「テメーら、ふざけてんじゃねーぞ!逃がすわけねーだろうがボケ!野郎ども!さっさとやっちまえ!」
ああ、結局逃げる前に始まっちゃったよ・・・・
しょうがない。
仕方ないので頑張りますか。
まー、頑張るのは魔物なんだけどね。
俺はキラーウルフを盗賊に仕向けてベビーデビル達には空中から魔法で殲滅するように命令する。
(召喚!)
俺はさらにキラーウルフを12体追加で出して、カルロ達が使役している魔物へと仕向ける。
さすがの盗賊もキラーウルフの群れには勝てないようだ。
キラーウルフは固まって各個撃破しているのに対して盗賊にはチームワークなどなく、ただ向かってきて切りつけようとしてるだけなので人数の意味がない。
カルロ達の魔物も連携したキラーウルフ達になすすべなく蹂躙されている。
逃げようとする奴や、少し腕の立つ盗賊にはベビーデビルが空中から一方的に魔法で駆逐していく。
なんつーか・・・・俺の魔物強いな・・・・。
キラーウルフとかこんなに強いもんなんだろうか?
俺の魔物が盗賊を圧倒している間、アリサやキースは茫然とそれを眺めている。
いや、見てないで君達も戦ってよ・・・・
そしていつの間にか盗賊が全滅しており、辺りには血の匂いが充満している。
キラーウルフにかみ殺された者や、ベビーデビルに焼かれた死体が20体ほど転がっている。
その中に俺の使役していたキラーウルフの死体を2体見つけた。
さすがに20人の盗賊相手に無傷ではいかなかったようだ。
さて、残すのはカルロ達テイマーの3人だけだった。
使役していた魔物もすでにキラーウルフに殲滅されておりキラーウルフから逃げようとするがベビーデビルの火炎小障壁で逃げ道を塞がれている。
「こいつらはどうするの?」
と、アリサ達に聞くと
「こいつらの処分は私達に任せてくれない?」
「いいよ~、お好きにどうぞ~。」
俺は、目が殺気だった初心者10人にカルロ達を渡して死んだキラーウルフを埋めるため穴を掘る。
というかキラーウルフ達に掘らせる。
さすが犬科。穴掘りも20匹以上でやればすぐに大きな穴ができる。
後ろでカルロ達の断末魔が聞こえるけどスルースキル展開。今日も平常運転です。
キラーウルフの死体を穴に入れ、ベビーデビルに火葬してもらって穴を埋める。
さすがにこのくらいしないと死んだ魔物に悪い気がしたのだ。
キラーウルフの埋葬が終わるとアリサ達も終わったようでこちらに声をかけてくる。
「レン、すごいな!キラーウルフやベビーデビルをこんなに沢山召喚するなんて!召喚士って思ってたよりすごいんだね。」
「ありがとう、レン。あなたが助けてくれなかったら私達は死んでたか奴隷行きだったよ。ホントありがとね。見捨てられそうになったけど。」
「あはは・・・・」
俺はアリサの感謝の言葉に乾いた笑いを上げる。
若干怒ってるが、見捨てようとした俺が悪いので何も言えない・・・・
「レン、ちょっとここに立って。」
アリサが木の下を指さして俺を呼ぶ。
なんだろうと思いながらそこへ立つと、アリサが木を思いっ切り蹴った。
すると上からデストロイヤルが片手で数えれないくらい降ってきて俺は発狂しそうになった。
「ぎゃー!マjいmり!ほntかんbんsて!たすkt!フャーーーーーーク!!!」
俺が精神的ダメージを受ける中、
「これで見捨てようとしたことはチャラにしてあげるわ。ありがとね、レン!」
アリサさん、マジぱないっす。今はあなたのその飛び切りの笑顔が憎いです。
でも許す。美人の笑顔にゃカテナチオ。
神様、洞窟着く前に俺は死にそうです・・・・
助けてください。
具体的にはこの世界からすべてのデストロイヤルを消してください。お願いします。
すると俺はどこからともなく「無理!頑張れ!」と聞こえたような気がした。
神様・・・・
デストロイヤル「解せぬ!!」