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群青の空の下で  作者: 花 影
第2章 タランテラの悪夢
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42 尽きない渇望2

 ベルクとリネアリス親子が退出した後、2人の神官長はエドワルドの寝室に招き入れられた。

 エドワルドは既に正装を解き、ぐったりと寝台に横になっている。先程の会見だけで気力を根こそぎ奪われた様子で、2人が部屋に入るとだるそうに体を起こした。するとすかさずその背中にオルティスがいくつもクッションをあてがう。

「同輩が大変失礼いたしました」

「いえ。こちらこそ助かりました」

 居間の片づけを若い侍官に任せたオルティスが、寝台脇のソファに2人を案内する。エドワルドは背中に当てたクッションに埋もれるようにして、かろうじて体を起こした状態を保っていた。

「お加減はあまり良くないご様子ですな」

「見ての通りです」

 久しぶりに彼の姿を見た2人は、そのやつれように思わず息を飲む。長い監禁生活の影響で痩せ細り、良く眠れないのか目の下には隈が出来ている。

こんな状態の彼に無理を言って面会をさせたのかと思うと、ベルクの身勝手さに怒りすら湧いてくる。

「申し訳ありませんが、この状態で話をさせて頂きます」

「どうぞ、お楽に」

 2人に異存は無い。所用で本宮に来たついでにエドワルドの見舞いに訪れたので、彼の体調をおもんばかり前置きは省いて本題に入る事にする。

「マルモアの視察に同行する神官は、ただ今アスター卿と打ち合わせをしております」

「そうですか、ご協力ありがとうございます」

 ラグラス逃亡の影響で延期となっていたマルモアの視察は3日の予定で明日出立する事が決まった。アスターの他、5人の竜騎士と新任の総督を含む3人の文官が同行する。そしてその他に神官の派遣を大神殿に要請していたのだ。

 2人の話では大神殿からは高神官と正神官を霊廟神殿からは正神官を派遣することが決まったらしい。

「ただ、客人の筈のベルク殿が随分と難色を示されて参りました」

「それはまた……」

 大神殿の神官長が溜息と共に愚痴をこぼすと、エドワルドも霊廟神殿の神官長も苦笑する。

 先程のどうにかしてエドワルドに貸しを作ろうという魂胆丸見えの行動は、何か後ろ暗いところがあるのではないかと勘繰ってしまう。ただ単に今まで通りタランテラという国に繋がりを持っておきたいのかもしれないが、それにしても彼の利に繋がる何かがあるのは明白である。

「調べてみる必要はあるな……」

 正直、今のタランテラには余裕がない。だが、それでももう一度、ワールウェイドとベルクの関係を調べておく必要はあった。

「準賢者の地位にあるものが関わっているとなれば、当方としても無関係とは言い切れません。微力ながらお手伝いさせていただきます」

「助かります」

 大神殿の神官長の申し出にエドワルドは感謝して頭を下げた。

「先ずはお体を治して下さい」

「そうですな。結果が出るには少々時間がかかるでしょうから、それまではゆっくりお休み下さい」

 神官長の地位にある2人の年長者の言葉にエドワルドは逆らうことが出来なかった。

「それでは、我々はこれで失礼いたします」

「調査結果が出る頃に、またお邪魔致します」

 長居するつもりのなかった2人は、口々に辞去の挨拶をすると席を立つ。

「ありがとうございます」

 エドワルドは素直に感謝すると、2人と握手を交わした。




 レイドはイルシオンを優雅に着地させた。かつては瀟洒しょうしゃな館が建っていたその場所は今、雑草が生い茂り、崩れた建材と剥き出しの土台が残る廃墟となっている。

 レイドはその場にイルシオンを残すと、敷石の隙間から雑草が生えている遊歩道をたどって庭に出た。枯れた植込みは放置され、湧水をたたえた池の表面には落ち葉が浮き、かつての華やぎは見る影もない。ザワザワと木々を揺らす風の音が一層もの悲しさを演出していた。

「レイド、ここだ」

 池のほとりでアレスが手招きしている。レイドは急いで彼に駆け寄った。

「すみません、遅くなりました」

「俺も今着いたところだ」

 アレスは野営の準備にかかっていた。火をおこし、携帯用の鍋で湯を沸かし始めている。レイドも持参した背嚢はいのうを降ろすと、正神殿の厨房から貰って来た食料を取りだす。

「ずっと携帯食料だったから助かる」

 皇都でラグラス逃亡の知らせを受けて3日目の夕刻である。皇都からこのグロリアの館跡まで、彼は驚異的な速さで馬を駆って来たのだ。勿論、合間に休憩を入れたが、悠長に食事をしている暇はなく、手っ取り早く携帯食料で済ませていたのだ。

「ロベリアの連中に混ざっているのを見かけたけど、何故そうなった?」

 アレスはレイドの申し出を受けるつもりでいたのだが、いくら待ってもレイドが来ない。やがて上空を通過した竜騎士団の中にイルシオンを見つけ、予定外の事が起こったのを察し、馬を駆ってこちらに戻って来たのだ。

「すみません。殿下直筆の通行許可証を頂いたのですが、帰りは騎士団と行動を共にしてほしいと言われました。断ると変に勘繰られますし、予定の変更を伝える術がなくてどうにも出来ませんでした」

「なるほど」

 日が沈み、辺りは急速に宵闇に覆われる。たき火のほのかな明かりの下、2人は沸かしたお湯でお茶を淹れ、温めた薄焼きパンに思い思いに具材を挟んで腹ごしらえを始める。

「殿下には会えたのか?」

「殿下にはお会いできませんでしたが、腹心のアスター卿には会えました」

「そうか……」

 救出後、寝込んでいるという噂があったが、あながちウソでは無いのだろう。皇都帰還の折には飛竜に跨がっていたが、相当無理をしていたことになる。

「で、ラグラスを逃がした経緯は聞いているのか?」

「はい。奴の懺悔ざんげを聞く為にロイス神官長が城へ日参していたのですが、4日目に事件が起きたと聞いております。神官長のお供をしていた見習い神官の話だと、凶器になったのは神官長が所持していた護身用のナイフだったそうです」

「そうか……」

「最後に一行を見かけたのは城の西にある小神殿。そのままガウラを目指した可能性もありますが、今の所それらしい一行が国境を超えた様子は有りません。一方でフォルビア陣営は春まで留まる見方をしており、隠れ家にしそうな場所を捜索しています」

 レイドの情報にアレスは考え込む。

「春まで留まる考えに根拠はあるのか?」

「身代金を手に入れても、一冬を慣れない場所で過ごすには足りないんじゃないかという意見と、奴の性格からして捜査をかく乱し、奔走する竜騎士達をどこからか見てあざ笑ってるんじゃないかという意見もあります」

「性格が悪いな」

「相当な自信家だそうです。困った事に、このままでは罪を免れない連中が奴に同調する恐れも出てきています」

「それはまずいな……」

 北国のタランテラでは初雪が早い分、霧の発生も妖魔の出現も早くて期間が長い。例年ならばこの時期には既にたてられた計画にのっとって準備が始められる筈なのだが、内乱の後始末に加えてラグラスの逃亡事件が重なり、まだ手が付けられていない状態だった。その為にレイドにも協力を求められたのだ。

「この事はもう村に送ったのか?」

「はい。殿下が救出された事とラグラスが逃亡した事を第1報として、こちらに戻ってすぐに送りました」

 アレスは少し考え込む。

「俺は義父上の所に行ってくる」

「ソレルまで行くんですか?」

 聖域を突っ切って近道をしても、数日は帰ってこれない計算である。しかも仮のパートナーであるクルヴァスにそんな強行軍は無理である。

「飛竜は誰かのを借りる。とりあえず知らせておきたい事もあるしな」

「あの薬草ですか?」

 レイドが尋ねるとアレスはうなずいた。

「高神官が絡んでる可能性がある。俺達だけでは対処しきれない」

「……もしかしてベルクですか?」

「会ったのか?」

 レイドが重々しくうなずくと、アレスは天を仰いだ。

「そこまで恥知らずでない事を祈っていたが、どうやら無駄だったようだな」

「若、それは確定なのでしょうか?」

「十中八九は間違いないだろう。どこかの高神官が例の薬草園へ視察に来て、その後皇都に向かっている。客として国外からタランテラに来ている高神官は奴ぐらいだ。収穫された薬草は川船でマルモアに運ばれた。関係あるかどうかわからないが、マルモアからはタルカナ行きの船が予定を早めて出港している」

 ベルクの故郷はタランテラとタルカナとの国境付近だった。これだけベルクに繋がる状況証拠が揃って来ると、疑惑だけでは終わらない。

「賢者選出の会議が春にある。ほぼ確定と言われているが、それでもそう長く里を留守に出来ないはずだ。ワールウェイド公も失脚して、もう用事は無いはずなのにまだこちらに留まっているのは何か理由があるはずだ」

 その辺の調査は皇都に残してきたマルクスに任せている。アレスがソレルから帰って来る頃には、マルクスだけでなくマルモアの調査をしているスパークからも何かしらの情報が届いているだろう。

「こうなるとタランテラ一国の問題じゃなくなってきたな。殿下がどこまで把握しているか分からんが、この件はこちらで片付けるしかない」

「そうですね……」

 思った以上に大事となり、心なしかレイドは青ざめている。出来れば穏便に済ませたい。だが、あのベルク相手では到底無理だろう。とにかく早い対処が必要だった。

「とりあえず送ってくれ」

「はい、任せて下さい」

 アレスが乗りまわしていた馬は近くの神殿で預かってもらっている。腹ごしらえも済み、必要な情報も交換したので、2人は立ち上がると野営の後片付けを済ませ待たせているイルシオンの下へ向かった。




「あの若造……」

 ベルクは大神殿のあてがわれている部屋で、終始イライラと室内を歩き回っていた。前日の交渉で当初の目論見が空振りし、しかも交渉の余地すらなくなってしまった。このままだとあの薬草園を諦めなければならないが、それをスッパリと諦めることが出来ない。植え付けが始まる春までに何とか交渉できないだろうか考えるが、妙案はなかなか浮かばない。

「諦めてなるものか」

 本格的に栽培が始まった今年の収穫量は、今まで難民達に作らせていた時とは比べ物にならない程多かった。そして村によってバラつきがあった仕上がりも均一となり、質も向上していた。全てがこれからだったのだ。

 携わっていた難民のうち、腕がいい者はワールウェイド領のあの薬草園に引き抜いて働かせている。そして他の者は盗賊に襲わせ、村ごとその痕跡も消し去った。もう、以前の方法にも戻すことは出来ないのだ。

「ベルク準賢者様」

 そこへ彼の側近が声をかけてくる。何事かと視線だけで問うと、彼は一通の書状を差し出した。

「こちらがただ今届きました」

 書状に差出人の名はないが、特徴的な封筒を見ただけで部下のオットーからのものだと分かる。無造作にその封を開け、その内容を目で追っていくうちに彼の口元に笑みが浮かぶ。

「如何されましたか?」

「……出かける……いや、ここを引き払うぞ。すぐに支度しろ」

「は、はい」

 狼狽えたものの、主の我儘に慣れている側近はすぐにその手配を整える。その間にベルクは世話になった神官長にもっともらしい理由を考えて辞去の挨拶に向かった。




「随分と急ですなぁ」

今まで頑として帰ろうとしなかったベルクが急に辞去の挨拶に現れて神官長は少なからず驚いた。彼に急使が来たのは確認済みだ。どんなことを知らせて来たのか興味が湧いたが、内容を尋ねても里の秘匿扱いにされてうまくごまかされてしまうだろう。彼は率直な感想だけ述べるにとどめた。

「殿下に謝罪の機会を賜りたかったが、残念ながら里より用事を言いつかりましてな、戻らねばなりません。ご無礼致したと貴殿から伝えては貰えないか?」

 煩い客人が帰ってくれるのはありがたいと言うのが神官長の本音だが、あまりにも急な話で不審に思ってしまう。それでも内心に渦巻く不信感をおくびにも出さず、至って平静に応対できたのは長年神官長という地位を務め上げた賜物だろう。

エドワルドに請け負った調査の件も当人がいない方が調べやすい。ここは大人しく見送る事にした。

「承知いたした。慈悲深いお方ですから、殿下もこころよく許して下さるであろう」

「感謝します。それでは急ぎますので、これで失礼いたします」

 ベルクは早々に会談を切り上げると、本当に慌ただしく大神殿を後にしたのだった。




 手紙に記されていたのはフォルビア北部の宿場町にある宿だった。ベルクが町で最も高級な宿に着くと、部下のオットーが彼を出迎えた。

「なかなか連絡が出来ず申し訳ありませんでした」

「いや、良くやった」

 恐縮するオットーをベルクは肩を叩いてねぎらった。確かにフォルビアでの異変を早く知っていれば状況は変わっていたかもしれないが、それでもエドワルドが助け出された時点で大勢は変わらないだろう。そうした中でオットーは、監視下にありながら最善の努力をして満足できる結果を出してくれたのだ。

「先ずは詳細を頼む」

 落ち着いて話をするために最上級の部屋に場所を移す。さすがに他人に聞かれると都合の悪い話となる為、人払いをしただけでなく扉の前にはベルクの護衛が見張りに立った。他の護衛やオットーが自身の護衛として連れて来たフォルビア正神殿に雇われた傭兵は宿の周囲を警戒させる。

「私が異変に気付いた時には既に城は竜騎士達によって制圧されておりました」

 オットーは上司に求められるまま事件のあらましを語っていく。そして捕らえられた『死神の手』の一部を解放するために、ロイスを利用しラグラスを脱獄させたと報告する。

「で、あ奴はどこにおるんじゃ?」

「この北にある準神殿におります。先日まで監視が付いておりましたので、私も事件後はまだ会ってはおりませんが、部下の話では今のところ竜騎士共には気付かれていない様です」

「そうか、そうか、よくやった」

 『死神の手』は全員解放されたので、これでこの件について情報が洩れる心配もなくなった。更にはベルクを虚仮こけにしたエドワルドに一泡ふかせることに成功したのだ。満足できる成果と言えるだろう。

「では、この件はお主に任せるとしよう」

 ベルクはこれで心置きなく里に戻れると、上機嫌で交渉内容や連絡方法等の話を詰めて行こうとする。だが、オットーは少し慌てた様に上司を制する。

「お待ちください、それが……」

「どうした? 何か問題でもあるのか?」

「それが……あの男は直接準賢者様と交渉したいと言っているのですが、如何いたしましょうか?」

「直接だと?」

 犯罪者の分際で賢者となる自分に直接交渉したいなどと生意気だとは思ったが、この時ベルクは機嫌が良かった。

「いいだろう。今夜中に手配しろ」

「かしこまりました」

 オットーはホッとした様子で頭を下げた。




 深夜、ベルクは少数の共だけ連れてラグラスが潜んでいる準神殿におもむいた。すると相手は酒盛りの真最中だった。

「おう、案外早かったじゃねぇか」

テーブルは酒肴が並び、高級酒の瓶が何本も空になっている。追われる身という自覚があるのか無いのか、そのふてぶてしい態度に呆れてしまう。

咎人とがびとの分際でワシを呼びつけるとは良い度胸をしておるではないか」

 扉の脇には護衛らしい大男が控えているが、人質にしているはずのロイスの姿は見当たらない。ベルクは立ったままソファでふんぞり返っているラグラスを見下ろした。

「あんただって似たようなもんだろう?」

「ワシは準賢者……もうじき賢者になる。お前ごときと一緒にするな」

 ベルクが不快そうに顔を顰めると、ラグラスは腹を抱えて笑い出す。

「……何がおかしい?」

「あんた……本気で言ってんのか? 俺様は知ってるんだぜ。あの薬草園で育てた薬であんたがぼろもうけしているのをな」

「……」

「それもただの薬じゃない。あの、神殿が禁止している劇薬だ。もうじき賢者になるお偉い神官様が関わってるなんて知られたらまずいんじゃないのかなぁ?」

 ニヤニヤと薄ら笑いを浮かべながらラグラスはベルクを見上げる。だが、ベルクは表情を変えずにソファにふんぞり返るラグラスを見下ろす。

「言いたい事はそれだけか?」

「取引しようぜ」

「お前の様な者と取引して、ワシに何の益があると言うのだ?」

「聞くまでも無いだろう? こうしてここに来たのが何よりの証じゃねぇか」

「……」

 ラグラスは相変わらずニヤニヤしながらベルクを見上げ、グラスに注いだ酒をあおる様に飲み干す。

「今まで手を組んでた宰相殿が失脚して焦ってんだろ? すぐにばれるようなへまはしてないんだろうが、今までの様にはいかないよなぁ? エドワルドは女でも金でもごまかされねぇしな」

「……」

 まさにそれで失敗したベルクはピクリと眉が動く。

「あんたが協力してくれたら、汚れ役引き受けてやってもいいぜ?」

「……」

 ベルクはすぐに答えず、頭の中でラグラスの利用法を思いつく限り考えてみる。確かに利用価値はありそうだが、用事が済んだ時点で始末しないと害毒しか残らないだろう。

「やろうと思えばワシは今すぐお前を竜騎士共に引き渡すことが出来るぞ」

「へぇ~、強気だねぇ。俺様は別にかまわねぇ。捕まったところで刑罰は変わらねぇからな。だが、洗いざらいしゃべっちまうぜ。良いのかい?」

「ならばこの場で息の根を止めるまでだ」

 いざとなればラグラスを始末するつもりでベルクは腕の立つ護衛を潜ませている。タランテラ側が不手際で逃がした、目の前にいる相手を捕えるか仕留めるかすればエドワルドに恩を着せられる。それだけでベルクが望む答えを得る自信はあった。

「それは構わねぇけどよぉ、俺様が何の準備も無しにここへ来ると思う?」

ラグラスはすっかり開き直っていてそれだけになお厄介だった。しかし、逆にそれがベルクの興味を引いた。

「ほぉ……」

「3日以内に戻らなければ、散々あんたが利用した神官長殿が変わり果てた姿で竜騎士達の元に送られる。あんたとの関係を告発した遺書と一緒にな」

「手を掛けたのか?」

「どうかな?」

 ラグラスにとってもこれは賭けだろう。それなのに彼は相変わらず余裕の表情でベルクを見上げている。

 グスタフ程ではないにしても、頭はきれるようだし度胸もある。少々見くびっていたが、案外良い手駒になりそうだ。自覚もある様なので汚れ役に徹してもらい、手に負えなくなる前に始末してしまえばいいだろうとベルクは自身の中で結論付けた。

「……貴様の望みは何だ?」

「話が分かる相手でよかったぜ」

 ベルクの言葉にラグラスはニヤリと笑った。

芸がないと言うか、何というか、やっぱり手を組んだこの2人。

単なる悪あがきで済みそうにありません……。

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