表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
群青の空の下で  作者: 花 影
第1章 群青の騎士団と謎の佳人
18/156

16 竜騎士の心得

 エドワルドが許可してしまったので、止むを得ずマリーリアに武術の指導をしなければならなくなり、アスターは不機嫌だった。彼は練武場に向かう途中で侍官を捕まえると、着場の係員に予定変更でファルクレインのみ荷をほどいてもらうように伝言を頼んだ。どんな時でも当初の予定が狂えば、迅速かつ的確な指示を与えないと落ち着かない性分だからこそ長くエドワルドの副官を務めていられるのかもしれない。

 騎士団の施設となっている城の西棟の外れに練武場はあった。高い屋根があり、水飲み場が数か所設置されている。夏場の現在は更に塩を盛った器が水飲み場の脇に用意されている。

 アスターは練武場の脇にある男性用の控室で正装を解き、鍛錬用の簡素な衣服に着替えて修練用の剣を手に表に出た。マリーリアは既に準備を整え、体をほぐして待っていた。アスターは水を一杯飲み、彼女と同様に体をほぐし始める。

 練武場には彼らの他に、朝の鍛錬の後片付けをしている若い竜騎士が数人いた。プラチナブロンドの令嬢と前日に華麗な武術を披露した竜騎士の組み合わせは嫌でも目立ち、若い竜騎士達は何事だろうかと手を止めて様子をうかがっている。

「そろそろ始めましょうか?」

「はい、お願いします」

 十分に体をほぐしたところで、2人は剣を手にして向かい合った。一礼をして剣を構え、呼吸を整えるとまずはマリーリアが打ち掛かってくる。

 内心、『ゲオルグなど足元に及ばないな』とアスターは思いながら次々繰り出される鋭い攻撃を受け流していく。筋は悪くないが粗削りな部分が多く、隙もある。様子を見ていたアスターはその隙を逃さず剣を繰り出し、マリーリアの剣を落とした。それでも彼女は落とされた剣を拾うと再び構える。

「まだまだです」

 そう言うと、彼女は再びアスターに斬りかかっていく。同様の事を2度3度繰り返すうちに、練武場の見物人がいつの間にか増えていた。

「少し休憩しましょうか」

 何度か同じことを繰り返した後、アスターはそう言ってマリーリアを止めるとスタスタと水飲み場へ歩いていく。

 今日も朝から良く晴れている。ここは屋根があると言っても屋外であり、多少は風が抜けるものの暑いことには変わりはない。水分補給をおこたれば、暑さで倒れてしまうのは明白だった。

「は、はい」

 息が上がり始めていたマリーリアは、ほっとしてアスターが向かったのとは別の水飲み場に向かう。基本的な体力差があるだけでなく、無駄な動きが多い分、彼女が消耗するのは当然の事だった。

 アスターはまだ平然としており、乾いた布で汗を拭いて水分を補給し、置いてある塩を少しなめる。そしてマリーリアがまだ休憩しているのを確認すると、修練用の剣で型の練習を始める。

「すみません、お待たせしました」

 マリーリアは待たせていると思い、器に汲んだ水を飲み干すと慌てて剣を持って水飲み場を離れた。

「もういいのですか?」

「はい、お願いします」

 本当はまだ休んでいたかったが、自分から頼んでいる以上待たせるわけにはいかない。マリーリアは流れ出た汗を乾いた布でふくと、アスターに頭を下げた。彼は仕方なくといった様子で水飲み場を離れると、彼女と向き合い剣を構える。

 先ほどまでと同様に2人は剣を交えるが、今度は少しずつアスターがマリーリアに改善すべき点を指摘していく。彼女はのみ込みが早く、始めに感じた粗削りな部分はだいぶ和らいできた。

「これまでにしましょう」

 マリーリアの体力を考え、アスターは適当なところで終わりを告げた。

「どうしてですか?」

 気持ちとは裏腹に座り込んだ彼女の息はだいぶ上がっている。

「あなたの体力は限界だからです。もう休まれた方がいい」

 アスターは水飲み場で水を汲んできた器を差し出す。マリーリアは礼を言って受け取り、それを一口飲む。

「ですが……」

「焦ってもどうにもなりません。今日はこれまでです」

 そう言い切ると、アスターは自分も水分補給の為に水飲み場に向かう。

「待ってください……ぁ……」

 マリーリアは立ち上がってアスターを引き止めようとしたが、急に目の前が暗くなる。意識を手放す前に力強い腕に支えられた気がしたが、後の事は分からなくなっていた。




 冷たい水の感触にマリーリアは目を覚ました。

「気付いたかね?」

 視界に入ってきたのは年配の医師だった。鼻につく薬品の臭いでマリーリアは自分が医務室で寝ている事に気づいた。

「私……」

「ああ、まだ無理してはいかん」

 体を起こそうとすると、医師は彼女を止めた。額に乗せられていた濡れた布がずれ落ち、首の後ろと脇の下に当てられていた冷たい革袋がチャプンと水音を立てた。

「軽い熱中症じゃ。アスター卿が気を失ったお前さんを抱えて飛び込んできたのじゃ」

「あれほど慌てたアスターはなかなか見られないぞ」

 急に加わった声に首をめぐらすと、窓辺に置いた椅子にハルベルトが座っている。視線は外に向けられており、何やら随分と騒がしい。確か、ここの窓から見えるのは練武場だったはずだ。

「これを飲みなさい」

 医師に飲み物が入った器を手渡される。マリーリアはゆっくりと体を起こすと、礼を言って受け取る。中身は酸味のある果実水で、喉の渇きを抑えきれずに全て飲み干した。

「もっと飲みなさい」

 医師はおかわりを注いでくれる。マリーリアはそれも全て飲み干した。

「ありがとうございます。あの、アスター卿は?」

 マリーリアの問いにハルベルトが手招きをする。医師の手を借りながら窓辺に寄ると、一面に人垣が目に入る。そしてその向こう、ここからは少し見下ろす形となる練武場に向かい合う2人の男性が立っている。1人は矛を構えた第1騎士団第1大隊隊長の肩書を持つヒースでもう1人は双剣を手にした第3騎士団副団長の肩書を持つアスターだった。

「座りなさい」

 ハルベルトが席を立ち、まだ少し体がフラフラしているマリーリアは半強制的に座らせられる。

「熟練者同士の試合だからな。見物人があっと言う間に増えた。祭は昨日で終わったはずなんだがな」

 暗に皆、仕事をさぼっている事を指摘しているのだが、そういうハルベルトも執務室を抜け出してきている。だが、マリーリアはそんな事よりも眼前の試合にくぎ付けとなった。

「すごい……」

 縦横無尽に繰り出されるヒースの矛をアスターは剣で受け流し、身をかわしたと思ったら鋭く斬り込む。斬り込まれたヒースもそれを矛ではじき返す……舞いと錯覚するような華麗な応酬が続いている。

「あれが日々の鍛錬を惜しまずに鍛え上げた、我が国の最高峰と言われる竜騎士の姿だ。彼等と同等かそれ以上に渡り合えるのはごく僅かだ。そう思わないか? マリーリア」

 ハルベルトは窓の外の光景を目を細めて眺める。数年前までは彼もその中の1人で、誇りある群青の装束に身を包み、この国の竜騎士の全てを率いる存在だった。

「はい」

「全て日々の積み重ねだ。いくら強くなりたくても、地道に一歩一歩、歩むしかない」

「……」

 窓の外で大きな歓声が上がり、見るとアスターの喉元にヒースの矛が突き付けられていた。

「これで2対2だ。次で決着がつく」

 ハルベルトが呟く。アスターとヒースは一旦分かれてそれぞれ違う水飲み場に向かう。そして続けて3杯水を飲んだ後、塩を少し舐めて頭から水を被った。

「君が今、微妙な立場にいる事は分かっている。それが元となって焦りが生まれているのだろう」

「……」

 マリーリアは答えられなかった。ハルベルトの言う微妙な立場というのは昨日の一件にからんでのことで、彼女が抱える本当の理由までは知らないだろう。知られてもいけなかった。

 ふと、外を見ると、ちょうど顔を上げたアスターと目があった。窓辺に目立つプラチナブロンドを見とめて表情が和らいだのは気のせいだろうか。ハルベルトが手を上げると、目礼を返して武器を手にヒースに向き直る。体をほぐすように動かしていたヒースも武器を手にして構えた。

 先にアスターが地を蹴った。続けざまに鋭い攻撃を繰り出し、ヒースはそれを危なげなく受け流す。一瞬のすきをついてヒースが攻撃を仕掛けるが、アスターはそれをかわし、さらに続く攻撃を掻い潜ってヒースの胸元に飛び込んだ。

き物が落ちたようだな」

 ハルベルトのつぶやきと共に、アスターに双剣を突き付けられたヒースが両手を上げて降参をした。これで3勝目となり、アスターがこの試合の勝者となった。





「何でエールなんだ?」

 目の前に置かれたジョッキを見て、アスターはヒースに文句を言った。

「家の所領でできたエールだ。おごってもらって文句言うな」

 ヒースは負けじと言い返す。昼間の試合で負けた方は、勝った相手に酒を奢る約束になっていた。

 ここは竜騎士宿舎の大食堂。夕食時と言う事もあって、多くの竜騎士でにぎわい、いずれの卓にも料理が山と盛られた皿が並んでいる。

 体が基本の竜騎士は、食事は無償で用意されるのだが、嗜好品……特に酒類は自腹と決められていた。多くの酒豪が揃う竜騎士達に無償で酒をふるまう程、国も寛容ではない。特に討伐の時期に酒好きの竜騎士が酔いつぶれる程飲んで任務を放棄した事件があって以来、竜騎士が個人で保有できる酒の量は決められている。その為、ほとんどの竜騎士が休日を城下で過ごしているらしい。

「仕方ないなぁ」

 口ではそう言いながらも、アスターはエールのジョッキに口をつける。卓上には野菜の煮込みが添えられた数種のあぶり肉に具沢山のスープ、茹でたジャガイモに溶けたチーズを乗せたものや焼いた数種類の腸詰など、所狭しと並べている。それらをつまみながらジョッキを傾けていると、気付けば中身は空になっている。

「ヒース、おかわり」

「エールでは不満なんだろう?」

「じゃあ、ワインで」

 親友の図々しい要求にヒースは顔をしかめる。

「明日早いんだろう?」

「このくらいは平気だ」

「……」

 すまして答えるアスターと呆れて返す言葉もないヒースの目の前にコトリとワインのボトルが置かれる。

「マリーリア卿……」

 振り向くとプラチナブロンドの髪を軽く束ねたマリーリアが立っていた。

「アスター卿、昼間はすみませんでした」

「……いや、体はもういいのか?」

「はい。本当に、お手数をおかけしてすみませんでした」

 マリーリアは何度も頭を下げるが、アスターは少し不機嫌そうに顔をしかめている。

「体調管理は基本だろう? それが出来ない奴が鍛えてくれと言うな」

「はい……」

 彼女はうなだれるしかなかった。確かに昨日の一件に父親が絡んでいるとの噂が広まった為に自分も白い目で見られてしまい、食堂に居づらくて朝食が殆ど喉を通らなかった。そんな状態で暑い最中に厳しい鍛錬をすれば、倒れるのも当然の結果と言える。それはアスターとヒースの試合を見た後に医者とハルベルトからも指摘されていた。

「飯は食ったか?」

 うなだれるマリーリアにヒースが声をかける。一瞬、張り詰めた空気が漂い、気付けば食堂中の注目を浴びている。それは彼らも本意ではなかった。

「……これからです」

「とって来い。ついでにグラスを頼む」

 ヒースがワインのボトルを手にし、物欲しげにラベルを確認している。

「……それは私のだろう?」

「もらうと言うからには謝罪を受け入れるのだろう?」

「……」

 アスターは反論できず、その間にヒースは行って来いとマリーリアに目くばせをする。直属の部下ではないが、微妙な立場にいる彼女の事を彼も気にかけているのだ。

 マリーリアが自分の夕食とグラスを持って戻ってくる頃には、食堂内の張り詰めた空気がとけていた。

 改めて2人に侘びと礼を言って席に着いたマリーリアは、貰い物だけどと断りをいれながらワインの栓を抜いて2人に勧める。グラスから漂う芳香にさすがのアスターもいつまでも不機嫌な顔をしていられなかった。

「とりあえず頂く」

 ぶっきらぼうに言いながらも、一口飲んでそれは気に入ったようで、すぐさま空にすると2杯目を注ぐ。マリーリアもそれを見て、安心した様に食事をとり始めた。

「そんなに前線に出たいのか?」

 卓上に並んだ皿も、ボトルの中身もほぼ空になったところでヒースが尋ねる。

「竜騎士ならば当然でしょう?」

「物見遊山ではない」

 アスターは当初の不機嫌さがぶり返したようで、眉間に皺が寄ってる。

「分かっています」

「分かっていない。義務だ、責務だときれい事を言い募っただけではだめだ」

 アスターはつい声を荒げてしまい、再び周囲の視線を集めてしまう。

「アスター」

「……」

 ヒースがたしなめると、アスターは黙りこみ、グラスに残っていったワインを飲み干す。

「悪い、飲みすぎた。今日はもう休む。2人共、ごちそうになった」

 そう言い残すと自分が使った皿とグラスを手に席を立つ。そして2人が声をかける間もなく食器を片づけると食堂を後にした。

「全く……」

 ヒースもグラスの中身を飲み干し、ボトルを手に取り残り少なくなった中身を注ぐ。殆ど残っておらず、グラスの半分ほどしか満たしていない。名残惜しげにボトルを逆さにするが、1滴2滴出てきただけだった。

「竜騎士になってまだ1年も経っていないだろう? まだこれからじゃないか。焦る必要はないと思う」

「……」

 同じことをハルベルトにも言われたが、そうじゃないとマリーリアは言いたいのをグッと堪えた。

「あのバカ皇子より余程見込みがあるとあいつが言っていた。あまり口出しはできないが、指導法を変えてもらえるように君の上司に言っておくことはできるよ」

 ヒースは最後のワインを飲み干すと、空になった食器を持って立った。

「ワインごちそう様。今日は早めに休んだ方がいいぞ」

 ヒースはそう言い残すとその場を後にした。




 一人通り残されたマリーリアは自分のグラスに注がれたワインをしばらくの間眺めていた。彼等には言えないが、焦る理由が彼女にはあった。

『希望通り飛竜を手に入れてやったから感謝しろ』

 父親が手配したのは炎の力を持ったカーマインと名付けられた雌の飛竜だった。一目で気に入り、仲良くなった。そして見習いとして第1騎士団に入団したが、正式に竜騎士となった後にこう告げられた。

『竜騎士になったか。家名の為にもそれは喜ばしいことだ。だが、カーマインは繁殖用だ。成熟する2年か3年後には神殿に返す約束となっている。それまでは傷一つつけるな』

 知らされていなかった事実に愕然がくぜんとなった。繁殖用の飛竜は全て神殿の管理の元に置かれる。グスタフは最大限にコネを利用して、禁止されているにもかかわらず繁殖用の飛竜を用意したのだ。露見すれば少なからず罰せられるのだが、彼ならば全ての罪をマリーリアにかぶせることも可能だろう。全てはここ何代も竜騎士を輩出していないワールウェイド家の家名を守る為だった。

『その時はそなたもわしの手駒として嫁いでもらう。望みをかなえてやったのだ、良いな?』

 父親が告げた相手は礎の里の賢者の1人だ。父親と同年代……しかも祖父といってもいいくらい年が離れた相手の後添いだと言う。マリーリアは自分の未来が既に定められている事に戦慄し、更にはカーマインまで取り上げられることに憤り、初めて父親に反発した。

『ほぉ、そんなに嫌か? ここまでしてやったのに恩を仇で返すのか?』

 つかみかかろうとした彼女は同席していた護衛に取り押えられていた。それを父親は冷たい目で見下ろす。

『では、小娘1人で何が出来るか賭けでもするか? カーマインが成熟するまでにそなたが上級騎士として認められればそなたの勝ち。正式にカーマインがそなたのパートナーとなるように神殿側に交渉しよう。だが、認められなければ予定は変えぬ。竜騎士を辞して賢者の元へ嫁いでもらう。良いな?』

 圧倒的にマリーリアに不利な条件だったが、少しでも可能性があるならば飲むしかなかった。

『他言してはならぬ。己が力のみでなってみよ。だが、妨害だけはさせてもらうからな』

 そう言い残すと、護衛たちを引き連れて彼はその場を後にした。途方に暮れるマリーリアをその場に残して……。




 翌早朝、離宮にいるエドワルドと合流するため、アスターはヒースに見送られて城を発った。マリーリアは姿を見せず、彼女は自室の窓からそっと見送ったのだった。



おまけ リーガスとジーンの愛の劇場?

(時期的には3話のピクニックの後。武術試合の出場を強制的に告げられた直後)


ジーン 「リーガス」

リーガス「……」

ジーン 「触っていい?」

     リーガスが無言で頷くと、ジーンはその太い腕に手を添わせる。

     二の腕に触れた時に力を込めると彼女はその固さにうっとりする。


ジーン 「……ねぇ、リーガス」

リーガス「何だ?」

     ひとしきりリーガスの体…正確には筋肉を撫でまわして満足した彼女は

    その固い胸板にそっと寄り添う。

ジーン 「結婚しましょ」

リーガス「は?」

     彼女の突拍子もない言動になれている筈の彼もさすがに言葉に詰まる。

ジーン 「だってぇ……武術試合に出るのはもう決定なのでしょう?」

リーガス「……それはそうだが」

     事後承諾させられた怒りがまた沸き起こってくる。

ジーン 「そうしたら、あなたのかっこいい姿をみんなが目にしてしまうわ」

リーガス「……」

ジーン 「きっと、色んな人に言い寄られると思うの」

     自分のこの容姿ではその心配は無いと自分では思うのだが、そんな事を

    心配する恋人がとてもかわいいと思う。

リーガス「だったら止めればいい」

ジーン 「それは嫌」

リーガス「……何故?」

ジーン 「一度くらいは貴方が活躍するところを見たいの」

リーガス「……」

     我儘だなぁと思いつつ、そこがまたかわいいと思ってしまうのは惚れた

     弱みかもしれない。

ジーン 「だから、結婚しましょ」

     上目づかいでお願いされれば断れない。

リーガス「わかった」

ジーン 「嬉しい!」

     ジーンが抱きついてきて、その柔らかな唇を重ねてくる。

     リーガスの理性がもったのはここまでだった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ