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glitter・lead  作者: 大根侍
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第6章 垂水山陽高校VS栄光高校①

皆さん、こんにちは夏休みはいかがお過ごしですか。

皆のアイドル、大根侍です。

今回サービス回では、無かったので、少し手を抜きました(ウソ)。

ちなみに、陽達は夏休みの宿題をやって、今回は襲ってきません。

二日後

神戸総合運動公園 ユニバー記念競技場

約6万人の観客を収容できる、ユニバーシアードの開催に合わせて、建築された日本でも有数の総合競技場である。

そして、競技場の玄関口には数百人近くの観客が試合を見ようと、集まっていた。

そんな、人だかりの中で足を止める人影があった。

「大きいね。」

陽は足を止めて、目を丸くした。

今日、練習試合を見に来たのは、監督の山田と陽、結弦、美琴、瑞姫、幸の6人である。

「………すごいね。」

「………うん、大きい。」

「………ここで試合してみたいな。」

「………すごく緊張するね。」

陽達はボソボソと語り合いながら、競技場を見上げた。

「………おい、何、ボーッとしているお前ら、後15分で試合が始まるぞ。」

横にいた山田が注意した。

「あっ、すみません。」

「………急がないと。」

陽達は慌てて、山田の後を追った。

「ほら、行くぞ、お前ら。」

山田は先頭に立ち、陽達を先導した。




数分後

陽達は無事に競技場に入り、座席に腰を掛けた。

「いいか後、6分で始まるから、トイレは早めに済ませておけよ。」

山田は再三、横に座る陽達に忠告した。

「………トイレ行ってくる。」

「わっ、私も行きたいです。」

瑞姫と結弦がトレイへと向かった。

「なぁ、影山ちょっといいか。」

隣にいる美琴に幸が話かけてきた。

「………どうしたの幸ちゃん。」

「………なんか、観客多くないか。」

「多いい?」

美琴は首を傾げた。

「あぁ、練習試合とはいえ、人が多すぎる。」

幸はそう言い、周囲を見渡した。

「あっ、確かに。」

幸の言う通り、周りを見てみると周囲にはもう色々な人達が競技場に入ってきた。

応援しに来た垂水山陽高校の女子サッカー部の応援団に栄光高校の応援団も来場していた。

同じく娘の活躍を見に来た家族の方々

偵察に来た他行の女子サッカー部の部員達

ただの野次馬の観客達

更には、中継しに来たテレビ局の人達もいた。

ざっと3万人近くの人が集まっていた。

「どうして、こんなに人がいくら練習試合でも、混雑している。」

「……さぁ。」

二人が深く頭を抱えていると

「………ショーだからだ。」

山田が腕を組んで、答えた。

「練習試合だが、今、世間を騒がせている有名な女子サッカー選手、日下部澪がここでサッカーをするんだ、わざわざ足を運んで見にきてもおかしくない。」

「なるほど。」

「だから、この場所で。」

幸と美琴は納得した、確かにいくら練習試合とはいえ、わざわざ、競技場で練習試合なんて、おかしいのだ。

「待てよ………ちょっと、待ってください!」

幸はあることに気づいた。

「………それじゃぁ、うちの女子サッカー部は⁉」

「あぁ、恐らく、日下部澪を引き立たせるための悪役だ。」

山田は少し険しい顔で語った。

「今頃、あいつらキレてるだろうよ。」

山田はそう言い、深くため息をついた。





垂水山陽 控え室

山田の言う通り、本田達は物に当たって、うっぷんを晴らしていた。

「くそが。」バコン

本田はロッカーに飛び蹴りをかました。

富士田「私達を悪役にしやがって。」ガシャ

鷹野「本当、ムカつく。」ドン

世良「ふざけやがって。」ゴン

那須山「……いいようにしやがって」バコン

佐沢「おまけにテレビ局まで呼んで。」メキ

馬門「テレビで私らの醜態を放送するきだ。」バキ

「………死ね。」バコン

部員達は、ロッカー、ベンチ、サッカー部に八つ当たりしていた。

すると、監督の奥村雅子おくむらまさこがやってきた。

「ちょっと、あなた達いい加減にしなさい。」

奥村は物に当たる本田達を怒鳴りつけた。

「………もう何やっているの、部品をこんなにぐちゃぐちゃにして。」

奥村は本田が蹴って、凹んだロッカーを見つめた。

「………でも、先生!」

「このままで、いいんですか。」

部員達は引き下がらず、奥村に言った。


「…………いいわけないじゃない!」


奥村はいままでにない、怒鳴り声をあげた。

「私だって、悔しいわ。」

奥村は拳を強く握りしめた。

「私らを引き立て役にするなんて、いい度胸してる。」

そう言い、鬼の様な怒りの形相を見せた。

そして

バン

部屋に置いてあったホワイトボードを叩いた。

「いい、アンタ達、この試合勝つわよ。」

奥村は熱のこもった目を本田達に向けた。

「……私らのこれまで培ってきたサッカーでアイツらをぶちのめし、逆にテレビで醜態をさらさせてやりなさい!」

奥村は天井に向けて、拳を掲げた。

『おうっ!』

部員達は雄叫びを上げた。




その一方で

栄光高校 控え室

控え室の真ん中で女性監督の一条佳奈いちじょうよしなが腕を組んで立っていた。

「日下部、準備は万端か?」

一条は横に座っている澪に話かけた。

「………はい、いつでも行けます。」

澪はそう言い、履いているシューズの紐を結んでいた。

「さ~て、どうやって、可愛がってあげようかな。」

「………後半までふんばるといいな。」

「………さて、臆病な子羊ちゃんはいないかな。」

『三凶獣』の有紗、渚、光莉の3人は準備体操をして、体をほぐしていた。

そして、他の部員達も体をほぐす運動をしたり、緊張して固まっていたりなど、控え室に重たい空気が流れた。

「……よし、皆、今日の試合は10点以上、点を取って、相手の点数を0にしなさい。」

一条は重たい空気を気にせず、強引な指示を出した。

『はい!』

一同は威勢のある声で返事をした

「最後に一つでも足を引っ張った人、そくレギュラー剥奪だ。」

一条は険しい表情で言い、しめた。




数分後

スピーカーから行進のメロディが流れ、両方の選手が入場した。

最初に入ってきたのは、真顔の表情の垂水山陽高校女子サッカー部だった。

本田に馬門、野上と言ったレギュラーメンバーに観客達は拍手を送った。

垂水山陽高校とて県大会で何度も優勝する常連の強豪なので、拍手されて当然である。

「本田先輩達、すごいね。」

「………県大会で有名だから当然だ。」

「………気合、入ってますね。」

トイレから帰った、二人は本田達に視線を送った。

「………一点くらいとれば、御の字だな。」

「…そうですね。」

「………取れるかな。」

美琴と幸は顔をしかめた。

垂水山陽高校の女子サッカー部の部員達が全員の行進が終わり、今度は栄光高校の女子サッカー部の部員達が入ってきた。


ウォォォ


観客達は歓声を上げた。

入場してきたのは、『三凶獣』の渚、有紗、光莉の3人衆

更には、U-17の丹波実咲たんばみさき赤穂真奈美あかほまなみが入ってきた。

そして、エースキラーの異名を持つ冬島双葉ふゆしまふたば

次に入ってきたのは、『重壁』という異名を持つボランチの芦屋久子あしやひさこが手を振った。

それから、次々と名の通った部員達が入ってきた。

「すごい、皆、新聞やテレビで名を残した有名人ばかりですよ。」

「………うわっ、外国人の留学生もいる。」

瑞姫や美琴など、観客の中にはどよめきの声を上げる者もいた。

そして、最後に競技場の芝生に踏み入れたのは

ウオオオオ

当然、今、世間を騒がす、女子サッカーの期待の星、日下部澪だった。

観客達は今まで以上の歓声を上げ、盛大な拍手を澪に送った。

その後、準備運動のサッカーフィールドでパスの練習を軽く済ませた。

そして、お互いに陣形を作った。

垂水山陽高校は速攻重視の陣形

栄光高校は日下部澪を中心とした陣形


垂水山陽高校 メンバー

センターフォワード 本田

セカンドフォワード 野上

ストッパー 佐沢

ストッパー 馬門

インサイドハーフ 那須山

インサイドハーフ 鷹野

センターハーフ  富士田

サイドバック  望月

センターバック 安藤

センターバック 久保

ゴールキーパー 世良




栄光高校 メンバー

センターフォワード 日下部澪

セカンドフォワード エルナ・サンライト

ウィング 赤穂真奈美

ウィング 姫路紬ひめじゆず

ボランチ 芦屋久子

サイドバック 有馬渚

シャドー 城崎光莉

セカンドフォワード 湯村有紗

センターバック 三船理沙(みふねりさ)

センターバック 冬島双葉

キーパー 庇護典子ひごのりこ



役者が全員揃ったのだった。

ピー

審判のホイッスルと共に試合がスタートした。

キックオフは垂水山陽高校からだった。

「勝つよ、皆!」

本田はすごい形相のドリブルで突っ込んできた。

「……パスしろ、本田。」

野上が本田にパスを求めた。

「行け、野上。」

本田は野上にボールをパスした

「……よっと。」

野上はボールをトラップする。

「させない。」

「……奪取する。」

そこに相手チームの実咲と真奈美が突っ込んできた。

「………行かせてもらう。」

野上は素早いドリブルで二人を一瞬で抜いた。

「………よし。」

野上はそのまま、ゴールに突っ込んで


双葉「させません。」


バコン

双葉はボールを蹴って、クリアした。

「……なっ。」

野上は驚愕した。

気配を感じずに、近づいてボールをクリアしたのだ。

「エースキラー、冬島双葉。」

望月は冷や汗をかいて、呟いた。

双葉は中学時代、試合で名だたるエースを叩き潰し、動きを封じ、数えきれないほどのエースストライカー達を奈落に突き落としてきた異名である。

そして

「………ナイス、双葉。」

ボールトラップしたのは、黒髪ショートヘアで常にきりっとした表情でメガネをかけた清潔感のある少女は栄光高校女子サッカー部のキャプテンの姫路紬だった。

紬は栄光高校女子サッカー部で唯一まともな、常識人でもある。

「………見せ場だよ、澪。」バコン

紬は力強くボールを蹴った。

紬が蹴ったボールは大きく、空を浮遊し、野上や双葉の頭上を飛び

「………任せて。」

澪は凛々しい表情で呟き、ボールを足でトラップした。

「………取り敢えず、一点お願い。」

紬は少し楽しそうな表情で指示を出した。

「……分かったわ。」

澪はドリブルし、相手ゴールに向かっていった。

「……来る。」

「止めるぞ。」

澪を止めようと、佐沢と安藤が突っ込んできた。

「………どいて。」

素早く、チョップドリブルをし、二人を抜いた。

「なっ。」

「……早い。」

対応できず、二人は唖然とした。

すると、今度は

「行かせません。」

「止める。」

今度は久保と野上が立ちはだかった。

「……邪魔。」

澪はスピードを緩めず、スピードドリブルで突っ込んできた。

そして、那須山と最上をジグザグドリブルで追い抜いた。

「なっ!」

「くそっ!」

野上は悔しそうに下唇をかんだ。

「………一点目。」

澪はペナルティエリアにギリギリ入ると同時にシュートした。

「………させるか!」

ゴールキーパーの世良は澪が蹴ったボールを止めようと身体を動かした。

「……そこだ。」

世良はボールが向かってくる場所を予測し、ジャンプしたが

スポッ

澪の放ったスピンカーブシュートは大きく曲がり、世良のいる反対方向のゴールポストの端に入った。

栄光高校に一点入れられてしまった。

『…………。』

それを見た観客達は呆然とし、息を飲み


ウァァァァァ


大きく大歓声を上げた。

そして、『ミーオ、ミーオ!』と澪を歓声を上げ、応援しだした。

「…………すごい。」

「………無駄がない。」

「………あの人、足すらりとして綺麗。」

「確かに。」

「そこを見てどうする。」

山田は二人を突っ込んだ。

「…………。」

開始から僅か、5分弱で早くも一点を決められ、垂水山陽高校の部員達は怒りにみちていた。

「くそっ!」

望月は地面を何度も力強く踏んで暴れていた。

「やめろ、バカ!」バチン

背後から本田が頭を叩いた。

「痛っ!」

望月は悲鳴を上げた。

「………まだ、始まったばかりだ。」

本田は湧き上がる憤怒の感情を拳に握りしめ、抑え込んだ。

「………取り返すぞ。」

本田はそう吐き捨て、去っていった。

本田は部長としてキャプテンとして、チームをまとめる仕事をきっちりとやっていた。

「………本田、すまない。」

望月は分かっていた。

一番、怒り狂い暴れたいのは本田だと。

これまで、栄光高校との練習試合で澪に一度も勝つことが出来なかった。

その悔しさを噛み締め、今まで必死で練習に励んだ。

励みすぎて脱水症状で何度も倒れたこともあった。

(………勝とう絶対。)

佐沢は両頬を叩き、気持ちを切り替えた。




数分後

「よし、一点取り返すぞ!」

キーパーの世良は勢いよく、ボールを蹴り、那須山にパスした。

那須山「………はい、任せてください。」

那須山は胸でトラップし、ドリブルで突っ込んでいった。

「………鷹野、富士田!」

那須山は二人の名を叫んだ。

「………メテオ・ハッスル・アッタクだ!」

「了解!」

「足引っ張るなよ!」

メテオ・ハッスル・アタックは中学時代、同じサッカーのクラブチームだった鷹野、那須山、富士田の3人による、連携のパスフォーメーションである。

3人は走りながら、正三角の形の陣形を作った。

「………止めないと。」

「私がやります。」

那須山達に双葉が突っ込んできた。

「行くよ!」

「うん。」

「やるゾ!」

3人は一瞬で、バラバラに散った。

「………なっ、させない。」

双葉はボールを持っている、那須山から奪取しようとした。

「鷹野!」

那須山は強引に双葉を押しのけ、鷹野にパスした。

「………よし。」

鷹野はボールをトラップし、受け取った。

「行かせません!」

今度は、実咲がやってきた。

「………富士田!」

鷹野は富士田にパスした。

「……ナイス、パス。」

富士田も素早くボールをトラップした。

「……よし。」

富士田はトラップしたボールをドリブルに素早く切り替えた。

「…………させない。」

今度は真奈美が現れた。

「………くっ、那須山!」

富士田は抜かせないと判断し、那須山にパスを出した。

「………ナイス。」

那須山はパスをトラップしようとした。

「………ダメです。」

そこに一つの人影が現れた。

バコッ

人影は那須山にパスしたボールをクリアした。

ボールは白線を超え、外にでた。

ピー

審判はホイッスルを鳴らし、スローインの合図を送った。

「………ふぅ~。」

ボールをクリアしたのは、ウェーブのかかったロングヘアの金髪碧眼の少女、栄光高校女子のイギリスからの留学生 サッカー部、1年生、セカンドフォワードのエルナ・サンライトだった。

「エルナちゃん、ナイス!」

渚がエルナに抱き着こうと飛び掛かった。

「嫌です。」

エルナは素早く、飛び掛かった渚をかわした。

「………ほげっ。」

渚は芝生に落ちた。

「……もう、相変わらずいけずね。」

渚は不貞腐れた。

「私の身も心は、全てお姉さまのものです。」

エルナはそう言い、胸に手を置いた。

「……この身を全て、お姉さまにささげるの。」

「………もう、ちょっとは私と遊ぼうよ。」

「変質者とは遊んじゃダメって、お母さんに言われたの。」

「ひどい、エルナちゃん。」

渚は涙目になった。

すると、そこに

「二人共、お喋りはほどほどにして試合に集中にしなさい。」

澪が駆け寄り、注意した。

「………澪ちゃん。」

「お姉さま。」

二人は会話をやめて、澪に顔を向け

「………申し訳ありません、お姉さま。」

「………ごめんなさい。」

深々と頭を下げ、謝った。

「次からは気をつけなさい。」

澪はそう言い残し、配置についた。

「………お姉さま、素敵。」

エルナは頬を赤くし、ボソリと呟いた。

何を隠そう、エルナは彼女は澪を崇拝する信者である。




佐沢「………任せたぞ。」

佐沢がボールをコートに投げ入る、スローインで試合再開

「………よし。」

ボールは本田の元に振ってきた。

本田はすかさずボールをトラップし

「野上!」

野上にパスした。

「………サポートを頼む。」

野上はボールをトラップし、素早くドリブルした。

「止める。」

そこにエルナが立ちはだかった。

「………どけ。」

野上はひるむことなく、突っ込んだ。

しかし

「………動きがのろいです。」

エルナは野上からボールを奪取した。

「………お姉さまに届ける。」

エルナはドリブルし、突撃した。

「止めろ!」

「馬門、行くぞ!」

「了解!」

ボールを奪おうと馬門・鷹野・佐沢の3人が突っ込んできた。

「………エルナ、こっちにパスしろ。」

エルナの真横から光莉がやってきて、パスを促した。

「………嫌です。」

エルナはそれを突っぱねた。

「………このボールはお姉さまに渡す。」

エルナは速足で馬門達に突っ込んだ。

得意の素早いドリブルとテクニックであっさり抜いた。

そして


「お姉さま!」


エルナは目の前にいる、澪にボールをパスした。

しかし

「………貰ってあげる。」

真横から有紗が割り込んで、ボールをかっさらった。

「………なっ。」

エルナは驚きの声を上げた。

「……私がシュートする。」

有紗はそう言い、ドリブルで相手ゴールに向かっていった。

「………返せ、このボールはお姉さまのもの。」

エルナは有紗に吠えた。

「……フォワード失格ね。」

有紗はそう言い、ゴールに向かってロングシュートを放った。

ボールはまっすぐの直線でゴールに向かって飛来するが

「……させるか。」

野上が横から現れた。

「おりゃぁ!」バチ

野上は向かってくるボールを顔面ブロックした。

ボールは起動がずれ、ゴールのクロスバーにあたって、ボールは上にあがった。

「…………セカンドボール。」

地面に倒れた、野上はチームメイトに合図を送った。

「……任せてください。」

富士田はこぼれ球を拾った。

「よし、もう一度、反撃だ!」

富士田は気合上げ、思いっきりボールを蹴った。

蹴られたボールは高く飛び、相手陣地のコートに落ちた。

「………サンキュー。」

真奈美はボールをトラップした。

そして、ドリブルに切り替えようとしたが

「………返して。」

エルナがボールを奪取した。

「………くそっ。」

真奈美がボールを奪い返そうとしたが

「……お姉さま」

エルナはボールを高く蹴って、澪に向けてパスした。

「……ナイス、エルナ。」

澪はボールをトラップした。

「………2点目。」

澪はボソリと宣言し、ドリブルをした。

「……サポートするぞ。」

光莉が真横からやってきた。

「………その必要はないわ。」

ゴールとの距離が20メートル以上離れているにも関わらず、澪はロングシュートを放った。

「………なっ。」

光莉は驚きの声を上げ唖然とした。

ボールは高く空を飛び

スポッ

相手のゴールネットに入り、ホイッスルが鳴った。

光莉達は歓声を上げて、澪に駆け寄った。

「お姉さますごい!」

「…流石、ウチのエースだな。」

「…すごいです、澪先輩!」

「…もう相変わらず、可憐なんだから。」

光莉達は口々に言った。




観客席

一同『………。』

陽達は沈黙し、目を丸くした。

「……すごい。」

「えぐすぎる。」

「あんなプレーみたことない。」

「………化け物だ。」

「かっこいい。」

陽達は口々に呟いた。

「………これがお姉ちゃんのサッカー。」

陽は目を輝かせ、澪に目を向けた。

その後、前半の試合は澪の見せプレーとなるトリプルハットトリックの試合だった。


垂水山陽高校 0点 VS 栄光高校 9点



つづく


それでは、次回は後半戦です。またのお越しを。

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