表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
glitter・lead  作者: 大根侍
3/13

第2章 球技大会はなんか、湧き上がる。

こんにちは、夏休み愛好家の大根侍です。

第2章の小説を投稿しました。

この投稿には、なんと、百合百合なシーンを入力しました。


では、そろそろ、あいつらが嗅ぎつけるのでこれで


話の続きは後書きで、じゃぁ、


ぴゅー ←逃走中

球技大会当日

垂水山陽高校の全校生徒が体操服に身を包み、グラウンドに立っていた。


一年一組VS二年三組 競技 フットサル(女子)


グラウンドに描かれた白線のフットサルコートで試合が行われていた。


編成チームは5人対5人の対決だった。

一年一組チームメンバー

「初戦が二年生か。」 

「強そうだね。」 

「全力で頑張ろう。」 

3人は口々に呟いた。

来馬柚音くるまゆずね「…そうですね。」 

気弱なクラスメイトの柚音そう言い、怯えながら呟いた。

「気を引き締めて行きましょう。」

キャプテンの夕華は長い黒髪を後ろに束ね、ポニーテールにした。



二年三組チームメンバー

蔵内「おいおい、相手チームに問題起こした一年連中がいるぞ。」ハンドボール部

米沢「あぁ、飛び蹴りをかましたっていう。」 バスケ部

戸部「調子に乗っているな。」 陸上部

仙道「締め上げちゃう?」 卓球部

長谷部「いいね、泣かせてやろうぜ。」 バレー部

二年生達は夕華達四人にお灸をすえてやろうとう気味の悪い笑みを浮かべた。

「点数、20対0で泣かしてやる。」

「いいや、40対0にしようぜ」

「いやいや、100対0の方がいいって。」

気味の悪い笑みを張り付けながら作戦を考えていた。



数分後

一年一組と二年三組はサッカーフィールドに入ってそれぞれのフォーメーションをつくり

「先輩の実力見せてやるよ!」

蔵内のキックオフで試合が開始した。

「…長谷部、やれ。」

ボールを長谷部にパスした。

「……了解。」

長谷部はボールを受け取ると全速力で走ってドルブルをした。

「ちょっ。」 

あっという間に一人抜きをし、ペナルティエリアに入った。

「貰った!」

強くボールを蹴ろうと足を引いた時だった。

「……甘いですよ、先輩。」

突然、長谷部の前に奏が現れた。

「なっ⁉」

急に出てきた奏に長谷部は戸惑った。

「……よっと。」

奏は長谷部の足元にあったボールを奪い、シュートブロックした。

「しまった。」

慌てて、奏からボールを奪おうとした。

「……結弦ちゃん!」

奏は近くにいた結弦にボールをパスした。

「……あいよ。」

ボールを受け取った結弦はドリブルし相手のゴールに向かって突っ込んだ。

「調子に乗らせるな!」 

「止めろ!」 

ディフェンダーの米沢と戸部が結弦のボールを奪おうとした。


「……遅い。」


結弦は目で負えない速さのドリブルとシザースで抜いた。

「………なっ⁉」

「早すぎる⁉」

あまりの速さで二人は驚愕した。

「……よっと。」

結弦はペナルティエリアに入ると同時に、軽くボールを浮かしループシュートをした。

「……うっ。」

ゴールキーパーの仙道は結弦のループシュートを止めようとしたが、ボールは止めることが出来ずゴールネットに入った。

ピッ

「…一年一組1点。」

審判は笛を鳴らし、得点係の人に合図をした。

そして、得点板に書いてある一年一組に一点入った。

「……くっ、早くも一点取られた。」

蔵内は悔しそうに唇を噛み締めた。

「……くっ、巻き返すぞ!」

リーダーシップを取り反撃に出た。

「行くぞ、長谷部!」

仙道はボールを長谷部にボールをパスした。

「……反撃開始だ、おら!」

長谷部は勢いに乗って、米沢にパスした。

「よっと!」

そのパスを美琴が長谷部のパスをインターセプトし、奪い取った。

「もう一点行くよ。」

美琴は猛ダッシュでゴールに向かってドリブルして突っ込んできた。

「……次こそは。」

「調子に乗るな!」

二人が美琴に向かって、ダッシュした。

「……くらえ、稲妻電撃!」

美琴はそう言い、目にも見えぬ速さのドリブルとシザースで抜いた。

「ちょっ⁉」

「この動きって⁉」

戸部と米沢には、見覚えがあった。

そうさっき、結弦がやっていたドリブルとシザースだった。

「夕華ちゃん。」

美琴は夕華にパスした。

「ありがとう、美琴。」

美琴はボールをトラップし、ドリブルで進んだ。

「止めるぞ、戸部!」 

「おう。」 

「任せろ!」

夕華に向かって、米沢、戸部がボールを奪おうと襲い掛かった。


「……行きますよ、先輩。」


夕華はボールを蹴ってロングシュートを放った。

しかも、ゴールとの距離は5メートル以上あるのにも関わらずシュートしたのだ。

「……おいおい、あんなのありかよ。」

仙道は戸惑いながら、慌てて夕華のロングシュートを止めようとしたが、止められず

スポッ

ボールはまた、ゴールネットに入り、

ピー

審判のホイッスルが鳴った。

「ちょっ、何よあの一年チーム⁉」

蔵内は思考がついて行けず混乱した。

「すまない、蔵内、私のミスだ。」

長谷部が蔵内に言い寄ってきた。

二度もボールを取られたことに責任を感じていた。

「いいや、気にするな。」

蔵内は落ち着いたのかフォローした。

「……そうか、それより、一年生チームのことで思い出したことがあるんだ。」

長谷部は深刻そうな顔で語った。

「思い出したこと?」

「あぁ、あの問題児一年生達『ツクヨミ四天王』だったんだ。」

「ツクヨミ四天王、何それ?」

蔵内は首を傾げた。

長谷部は仕方なく簡単に説明した。


ツクヨミ四天王とは、中学女子サッカー部を全国ベストフォーにまでのし上げた、四人の天才少女達のことである。



どんな、シュートやボールテクニックも見抜きガードするディフェンダー

ゴールポストの番犬

狛犬の夜神奏


稲妻のような速さのフェイント、ボールタッチ、ドリブルでプレイするフォワード

電光石火の獣

雷獣の陰田結弦


どんな、ドリブルやトラップなどのボールテクニックやプレーをコピーし、自分のものにするミッドフィルダー

化け変わる狐

天狐の影山美琴


そして、最後は

試合でボールを1分間以上キープし、毎試合をハットトリックで勝利に導いた、自分だけ良ければいい自己中心のフォワード

孤高の龍

黒龍の月島夕華。




「……マジでヤバいわ。」

蔵内は引いた。

「……つ~か、何でうちの学校なんかに全員いんだ………。」

長谷部は夕華達を目視した。

「……さぁ、イケメン男子に釣られたんじゃないの。」

蔵内はそう言い、背筋を伸ばした。

「……このままじゃ終われない。」

「……えぇ、せめて一泡ふかせよう。」

蔵内は覚悟を決めたのだった。

しかし



数十分後

15点対4点で二年生チームはボロ負けしたのだった。

「……はぁはぁ。」

「……強すぎ。」

「……化け物め。」

二年生達は涙目になりながら、汗だくになって地面に倒れた。

「……ねぇ、あの四人って『ツクヨミ四天王』じゃない⁉]

「……なんで、この学校に。」

「ちょっ、あの有名な女子サッカーの⁉」

夕華達の素性に気づいた野次馬の生徒達が声を上げた。

「……うるさい野次馬だな。」

「確かにうるさいね。」

「どうします?」

「サインでもしてあげる。」

「……やる意味あんのか。」

四人がサッカーのフィールドでくっちゃべっていると

うおぉぉぉ

隣のサッカーのフィールドで大きな歓声が鳴り響いた。

向こうのフィールドでは、陽のいる一年四組と三年一組のサッカー試合だった。

結果は20点対0点で一年四組の勝利だった。

「ふぅ、手ごわかったね。」 元サッカー部

陽は額の汗を拭った。

その言葉を聞いた、一年四組の陽のチームメイト達は

「なんでやねん。」 

「いやいや、圧勝だったよ。」

「全部、陽ちゃんが点をとったんだけどね。」

「ドラクエの魔王だよ。」

口々に陽を突っ込んだ。

「ちょっ、皆どうしたの急に。」

陽は戸惑った。



そして、その一部始終を見た夕華達は

「当然だよ。」

「そうだね。」

「私の陽だもん。」

「いつ、奏の陽になったんですか。」

夕華はそう言い、奏の頬を掴んだ。

「……それで、どうする。」

「何をですか?」

「……次の試合、一年四組だけど、本気でやる。」

結弦は話を振った。

「いくら、陽でも私達四人を相手なら、流石に勝てないよ。」

「…ハンデでもつける。」

「じゃぁ、泣いた陽ちゃんを私が慰めてあげる。」

「いいえ、本気でやるべきです。」

夕華は、奏の耳を引っ張りながら、結弦の発言を否定した。

「……陽が私達に負けるなんて本当に思っているの。」

夕華はちくりと厳しいことを言った。

「それはありえないな。」

「私もそう思う。」

「……じゃぁ、私は試合中に陽ちゃんを後ろから近づいて胸を揉むね。」

奏は嫌らしく、手で揉むしぐさをした。

「なら私は、奏のお尻を思いっきりけるね。」

バキッ

結弦が奏のお尻に蹴りを入れた。

「……ぐふっ。」

奏は白目をむいて、失神したのだった。




数十分後

体育館の裏

暗い日陰のある物陰の下に

「……疲れたね。」

「いやいや、私達の圧勝だったでしょ。」

「……そだねー。」

陽、小百合、千裕は軽く休憩を取りつつ、次の試合の作戦会議を行っていた。

「……そういえば、次の試合だけど二年一組対一年一組らしいよ。」

小百合が話題をふった。

「……あぁ、ツクヨミ四天王がいる、クラスの。」

千裕はポカリを飲みながら、呟いた。

「……夕華ちゃん達のいるクラスか。」

陽は手に持っているポカリの入ったペットボトルを握りしめた。

すると、そこに

「あっ、見つけた!」

「こんなところにいた。」

奏と夕華がやってきた。

「奏ちゃん、夕華ちゃん!」

「………夕華。」

小百合はボソリと夕華の名を呟いた。

「……小百合。」

夕華は小百合の方を向いた。

「あれ、君って確か、夕華ちゃんと一緒にいた子?」

奏は小百合を見てる、ある事を思い出した。

実は小百合と夕華は中学の同級生で同じサッカー部の部員でもあった。

小百合は夕華と同じ女子サッカー部のレギュラーメンバーだったので、奏や結弦達と少し面識がある。

舞子公園で見かけたときは遠目で分からなかった。

「まさか、孤立好きのあなたがこんな学校に来るなんて。」

小百合は夕華を煽った。

「……それは、小百合も同じでしょ。」

夕華は言い返した。

「なんで、この学校を選んだの?」

夕華は首を傾げた。

実は小百合はいくつかのスポーツ最強の強豪校からスカウトされるほどのサッカーの実力を持っている。

「………そっ、それは。」

小百合はもぞもぞしながら、そっと陽の方を向いた。

「もしかして、陽とサッカーがしたいから?」

夕華は察した。

「ちょっ、そんなんじゃないわ!」

小百合は顔を赤くし、否定した。

「ツンデレなんだ。」

「そんなんじゃないよ!」

小百合は大声で奇声を上げた。

「なら、そういうことにしておくから。」

夕華は話を区切り、陽の方を向いた。

「ねぇ、陽、球技大会の後って予定ある。」

「ううん、ないけど。」

陽は首を横に振った。

「じゃぁ、帰りに一緒にラーメンでも食べて行かない、私達が奢るからさ。」

奏が話に割り込み、陽を抱きしめた。

「………陽ちゃんって本当、柔らかくても揉みがいがある。」

奏は陽を自分のGカップの谷間に挟み、逃げ出さないように固定した。

「ちょっ、カナちゃん。」

陽は戸惑い、離れようとしたが、奏の谷間から逃げ出すことはできなかった。

「……ねぇ、このまま、保健室にいかない。」

奏はそう言い、謎の笑みを浮かべヨダレを垂らした。

「……気持ちい、マッサージをしてあげるから。」

陽の耳たぶを奏は美味しそうに甘噛みした。

「………ねぇ、夕華。」

「……えぇ、私も小百合と同じことを思ってる。」

二人は腕を鳴らし

「……取り敢えず、しめちゃう。」

「……えぇ、その後、木にしばりつけましょう。」

どこから、持ってきたのか夕華は荒縄を取り出した。





同時刻

校舎の廊下

「…陽どこだろう。」

「……もう、千裕ちゃん達がついていながら。」

二人は辺りを見渡しながら、陽達を捜していた。

すると、そこに

「……あれ、向井じゃんか。」

「なんで、ここに。」

二人の目の前に美琴と結弦が目の前に現れた。

「……陰田、影山。」

幸は二人を睨みつけた。

「……どうした、知り合いか。」

瑞姫は幸に質問した。

「………あぁ、少しな。」

幸は強く拳を握りしめた。

中学時代、幸が所属していたサッカー部は県大会で優勝するほど有名だった。

幸はそこでゴールキーパーをやっていた。

どんな、シュートも止める守護神『大門の幸』と謳われた。

しかし、その異名は一瞬にして消え去った。

それは、『ツクヨミ四天王』だった。

ツクヨミ四天王のメンバーの美琴と結弦にゴールを決められ、幸は失墜した。

そのせいか、幸は美琴と結弦を恨むようになった。

「……あんたらこそ、こんな所でなにしているの。」

幸は眉を潜めながら呟いた。

「……あ~ちょっと、陽を探していてな。」

「どこにいるか知らない?」

二人は陽がどこにいるのか問いかけた。

「それは私達も探しているの。」

ずっと黙っていた瑞姫が話に入ってきた。

「…つ~か、あんたらなんで、同じ学校にいんの?」

幸は少し首を傾げた。

「二人共、スポーツ推薦で栄光高校から推薦を貰ってなかった。」

「……その話なら蹴ってよ。」

「こっちがいいしね。」

「……はぁ、なんでよ。」

幸は戸惑いながら、言い寄った。

「……陽のプレーが好きだから。」

結弦は即答で答えた。

「……陽と一緒にサッカーがしたいから。」

結弦は顔を少し赤くして答えた。

「……陽…。」

「……私も陽ちゃんとサッカーがしたいから、この学校を選んだんだ。」

美琴は少し楽しそうに答えた。

「…………。」

幸は俯いて黙り込んだ。

「………何よ、私と一緒じゃない。」

幸は吐き捨てるように呟いた。

「……私と一緒。」

結弦は訳が分からず、首を傾げた。

「………何でもない。」

幸はそう言い、強引に瑞姫の手を握りしめた。

「行くぞ、瑞姫!」

幸は握った瑞姫の手を引っ張って歩き出した。

「ちょっ、幸ちゃん。」

瑞姫は強引に幸に連れて行かれたのだった。

「………私と同じ。」

結弦は幸の言葉の意味に気づいた。

「………なるほど、そういうことか。」

「………なんのこと?」

美琴が結弦に言い寄った。

「なんでもない、取り敢えず陽を探そう。」

結弦はそう言い、また、陽探しに戻った。



数十分後

二年一組VS一年一組

一年一組チームメンバー

「次の相手はサッカー部か。」

「……腕が鳴るね。」

「油断は大敵よ。」

「……そっ、そうですね。」

柚音はこくりと頷いた。

秋沢美智あきさわみち「……帰りたい。」

急に行方不明になった奏の代理のオセロ部の秋沢は涙目になりながら呟いた。

※ちなみに奏は夕華と小百合に体育館の木を縛り付けられています。



二年一組チームメンバー

富士田「とうとうこの日が来たな。」サッカー部

鷹野「あぁ、ぶちのめすぜ。」サッカー部

那須山「……泣かしてやろうぜ。」サッカー部

入部届を出しにきた陽と夕華達に罵声を浴びせた、サッカー部の富士田、鷹野、那須山の3人は夕華達にガンを飛ばした。

雷塚「…ちょっ、やめなって。」

風原「……虐めちゃ可哀そうだよ。」

同じクラスメイトの雷塚、風原の二人が宥めた。

「……私は月島をマークするから、鷹野は陰田、那須山は影山を頼む。」

「あいさー。」

「任せろ!」

二人は了承した。




数分後

ピー

審判のホイッスルと共に試合が開始した。

「……行くぞ、月島。」

結弦は夕華にパスした。

「えぇ、速攻で終わらせましょう。」

ボールをトラックし、ドリブルした。

「させるか!」

夕華の前に富士田が立ちはだかった。

しかも、すごい勢いだった。

「……邪魔です。」

夕華は向かってくる富士田をシザースでかわした。

「くっ。」

夕華とすれ違いざまに苦い声を鳴らした。

「……。」

ゴールの距離は3メートルくらいになると

バンッ

夕華はゴールポスト目掛けて、ボールをループシュートした。

「……ブロックは任せて!」

ゴールキーパーの風原は元ハンドボール部のキーパーもやっているので、ゴールの守護神を任された。

しかし

ループしたボールは美しい曲線を描くように飛来し

スポッ

ゴールネットに入った。

ピー

審判はホイッスルを鳴らし、得点板に一点入った。




そして、同時刻

別のフットサルコートでは

一年四組VS三年四組

一年四組チームメンバー

「ねぇ、どういう作戦でいく。」 

陽は話を千裕達にふった。

「陽中心の戦術で。」

「異議なし。」

「ゴールは任せろ。」

「援護は私がやる。」

全員の判断は一瞬だった。




三年四組チームメンバー

「………ふっ、いい度胸しているな。」サッカー部

本田は自慢げに腕を組んだ。

佐沢「どうする。」サッカー部

馬門「本気で落とそうぜ。」サッカー部

野上「………あぁ、そうだな。」サッカー部

世良「足腰立たないくらいやっちまおうぜ。」サッカー部

三年四組のフットサルメンバーは全員、サッカー部のレギュラーメンバーで構成されたチートチームである。

そのせいか、高みの見物を決め込むかのように陽達を見下し嘲笑っていた。

ただ一人を除いて

「………。」

垂水山陽女子サッカー部のエース野上はジッと向かいのフットサルコートでパスの練習をする陽を目視していた。

「どうした、野上。」

気になった本田は尋ねた。

「……あの一年生、誰かに似ている気がするんだ。」

野上はボソリと呟き、陽を指さした。

「……あれって四天王と一緒にいた。」

本田はジッと陽を見つめた。

「……確かに見知った顔しているな。」

本田は陽の顔を見つめ考え込んだ。

(……目元が少し見慣れた顔にているな………。)

本田が深く考え込んでいると

「……何みてんだよ、変態。」

小百合が本田に詰め寄った。

「……喧嘩ならいい値で買うぞ、コラ。」

「……そっ、そんじゃんじゃねぇ。」

本田は陽から目を逸らした。

「………じゃぁ、どうしてなのか、教えろよ。」

小百合は引き下がらず、食らいついた。

「……もしかして、陽が好きなの。」

小百合はニヤニヤしながら呟いた。

「うるさい!」

本田は強引に小百合を引き離した。



そして、数分後

一年四組 対 三年四組の対決がスタートした。

「皆、行くよ。」

陽の掛け声を上げて、ボールを蹴った。

「……援護は任せて。」

「……了解。」

「……ちーす。」

その後ろから、三羽烏の3人がついて行った。

「止めるぞ!」

それに負けず、本田が陽からボールを奪おうと突進した。

ボールをカットしようと足のつま先を延ばしたが

「よっと。」

陽はあっさりとかわした。

「止めるぞ。」

「……打たせるか。」

今度は馬門と野上が突っ込んできた。

「……。」

すると、陽は左右の足裏でボールを転がし、二人をまいた。

「なっ、今のは⁉」

「……ファルカンフェイント⁉」

二人は呆気に取られ、固まった。

(……両足を器用に使い………そしてあの目元…まさか。)

野上はあることに気が付いた。

「あと少し!」

陽は少しドリブルのペースを上げてゴールに突っ込んでいく。

「……今度はうちらが相手だ。」

「ポットでのくせに!」

今度はディフェンダーの佐沢とゴールキーパーの世良が陽に襲いかかった。

「……よし。」

陽はボールを大きく身を乗り出す

「……佐沢。」

「分かってる。」

佐沢は陽に詰め寄り、ボールをカットしようとした。

更に斜め後ろから世良が陽の二の腕を掴んだ。

「終わりだ。」

佐沢が勝利の笑みを浮かべ、ボールを奪おうとした時が

「小百合ちゃん!」

陽は左右の足裏でボールを操作し、真横にいた小百合にパスした。

「了解!」

小百合はボールをトラップし、そのままシュートした。

「止めろ!」

「しまった!」

「くそっ!」

馬門がゴールポストに入り肉壁になって阻止しようとしたが

「甘い!」

小百合の打った、少しカーブのかかったミドルシュートは馬門をかわし肉壁のない方に飛んでいき

スポッ

ゴールポストに入った。

ピー

審判がホイッスルを鳴らした。

「一年四組に一点!」

審判はそう言い、得点係に指示を出し得点板の一年四組に一点を入れた。

「やったー!」

「すごい、すごい!」

「流石ね!」

千裕達は嬉しさのあまりぴょんぴょん飛び跳ねた。

その一方で

「くそっ!」

本田は力強く足裏で地面を踏みつけた。

「ちょっ、本田!」

「……やめなって!」

佐沢と馬門が抑えた。

「ちょっ、野上なにしているの!」

キーパーの幸と何かを話している、野上に声をかけた。

「悪いちょっと確認していて。」

話終わったのか野上は、佐沢達の方に戻ってきた。

「確認したいこと?」

佐沢は馬門と一緒に本田を地面に押さえつけながら呟いた。

「あぁ。」

野上はコクリと頷いた。


「……あの子は多分、●●●●の●だよ。」


野上は真顔でボソリと呟いた。

「……えっ。」

「………はっ。」

「……ほっ?」

3人の目が点になった。

そして


『えぇぇぇぇぇ!』


とてつもない奇声を上げた。

「……それ本当なの⁉」

「マジか!」

「事実か!」

3人は野上に詰め寄った。

「………日下部陽。」

今度は陽の名前をフルネームで呟いた。

「……えっ。」

「……日下部。」

「………くっ、日下部。」

3人は口々に呟いた。

「さっき、あいつのクラスメイトから名前を聞いたんだ、それにあのスキのない動きとテクニック、間違いない。」

野上はコクリと頷いた。

「後、雑誌で●がいるって、取材で言っていた。」

「敵チームに日下部か。」

「まずいな。」

「あぁ、作戦を練る必要があるな。」

本田達は顔をしかめた。

「…取り敢えず、陽は私と本田でマークする。」

野上はそう言い、陽を目視した。

ピー

審判がホイッスルを鳴らし、試合再開。

ボールは三年四組からだった。

「行くぞ!」

「一矢報いるぞ。」

二人は華麗な連携プレーでドリブルし、相手チームのゴールへと突進した。

「止めるぞ。」

「絶対守る!」

それを止めようと小百合、瑞姫の二人がゴールの前に立ちはだかった。

「……小百合ちゃん、瑞姫ちゃん。」

陽は一歩も動くことが出来なかった。

本田と野上にマークされ、身動きが出来なかった。

「死ぬ気で止めるぞ!」

「了解!」

二人はボールをカットしようとボールを持つ佐沢に襲いかかった。

「……佐沢。」

「頼む。」

佐沢は真横にいる本田にパスを出した。

「よし。」

パスを受け取った本田はボールを蹴って、ロングシュートを繰り出した。

「なっ。」

「しまった」

二人は急なパスに対応できず、シュートを許してしまった。

「幸!」

ディフェンダーの千裕は自分じゃ止められないと判断し、ゴールキーパーの幸に声を掛けた。

「……任せて。」

幸は覚悟をきめた目をしていた。

「止める絶対!」

幸は向かってくるボールの動きをよく見て、どこに入るか直感的に判断し、体を動かした。

そして、

動いた場所にはボールが向かってきて

「キャッチ!」

幸はボールを両手でキャッチした。

「ナイス、幸!」

「さすが、ウチのキーパー!」

小百合と千裕は幸を褒めた。

「そんなこと言う暇があるなら、ちゃんと守れよ!」

幸は思いっきり、ボールを投げつけた。

投げたボールは宙を舞い、小百合がトラップしてキャッチした。

「よし、反撃だ!」

小百合はボールを蹴ってドリブルを繰り出した。

「瑞姫援護を頼む!」

「任せて、小百合ちゃん!」

その後ろから瑞姫が後を追った。

「私も行く!」

更にその後ろから千裕がついてきた。

三人はパスを回しながら、相手ゴールに突っ込んでいく。

球技大会のために陽と一緒に地獄の様な特訓をした成果が出てきた。

「させない。」

またまた、キーパーの馬門が立ちはだかった。

「……行くぞ、勝負。」

小百合は覚悟を決めて突っ込んだ。

「……そこだ。」

小百合はボールを浮かすように蹴って繰り出した。

ボールはカーブのかかったシュートで空中を舞い

すぽっ

ゴールネットに入った。

「よっしゃ!」

小百合は嬉しそうに飛び跳ねた。

「すごいな、小百合ちゃん!」

陽はほっこりと微笑んだ。

その後ろで

「………クソっ、今に見てろ。」

本田は下唇を噛み締めた。




そして、夕華達は

「このままいくぞ。」

「了解。」

「油断しないで。」

3人はパスを回す連携プレーで次々と相手チームを抜いて行った。

二年一組チームメンバー

「くっ。」

「早すぎる。」

「……止められねぇ。」

女子サッカー部のスタメンメンバーがあっさりと抜かれた。

「止めろ、風原!」

富士田はゴールを守る風原に大声で指示を出した。

「うん、任せて。」

風原はコクリと頷いた。

「行くよ、二人共。」

夕華はボールをドリブルしながら、指揮を執った。

「うん。」

「任せて。」

その後ろに二人がついてくる。

「させるか!」

ディフェンダーの雷塚が夕華の前に現れた。

しかし

「……結弦。」

結弦にボールをパスした。

「なっ。」

結弦は慌てて、ボールをトラップした。

慌てるのは当然だ、今まで誰にも頼らずに点を取って、私利私欲のプレーしかしてこなかった、夕華が他人にパスを出したのだ。

夕華の性格を知っている人は、この光景を見たら誰だって目が点になる。

「行くぞ。」

結弦は猛スピードでドリブルし、ゴールに突進した。

「今度こそ、止めてみせる!」

風原は気迫を上げた。

「……そこっ!」

結弦はボールを蹴って、インフロントキックを繰り出した。

ボールは曲がるような軌道を描き

スポッ

ゴールポストに入った。

ピー

そして、また審判がホイッスルを鳴らした。

「一年生チーム一点!」

得点板の一年一組の方にまたも一点入り、2対5で圧勝していた。

「この調子で押し切ろう。」

夕華はそう言い、額から出た汗を拭った。




数十分後

ピー

「試合終了!」

審判が試合終了の合図を送った。


結果は4対7で、一年一組の勝利だった。

「勝ったな。」

「当然です。」

「弱かったね。」

結弦、美琴、夕華は休憩スペースのテントでポカリを飲みながら語り合った。

「そういえば、次の相手は一年四組らしいぞ。」

結弦は背筋を伸ばした。

「ねぇ、奏ちゃんを探しに行こう。」

美琴は夕華に詰め寄った。

※美琴は夕華が奏を木に縛り上げたことを知っている。

「奏ちゃんがいなかったら、負けちゃうよ。」

「確かにそうかもね………それに反省していかもしれない。」

夕華は納得した。

「分かった、開放してくる。」

夕華は奏を縛りつけた場所へと向かった。

「あっ、奏ちゃんならさっき保健室に行ったよ。」

「友達が具合悪いからだって。」

柚音は体育館裏に向かう、夕華を呼び止めた。

「……まさか。」

夕華の顔を青ざめ

「………まずい!」

猛ダッシュで保健室へと向かった。




保健室

部屋の隅になる閉められたカーテンの中のベッドの上で二人の少女が悶着していた。

「奏ちゃん、やめて!」

陽は泣きながら懇願する。

「ダ~メ!」

体操服を脱いだ下着姿の奏はニッコリと微笑んだ。

体操服はベッドの下に脱ぎ捨てられていた。

今から数十分前の事

試合中、陽は本本田に報復を受けたのだ。

試合のさなか、本田は陽の腹を殴ったのだ。

その攻撃を受けた陽はお腹を押さえて、地面に倒れ蹲った。

その後、審判が笛を鳴らし、本田はファールとなり退場させられ陽は保健室へと運ばれた。

そしてその話をどこで嗅ぎ付けたのか奏がやってきたのだ。

保健室に来るなり奏は服を脱ぎ下着になった、陽を襲い今に至るのだった。

「えぇ、嫌がるなんてひどい。」

奏は豊富な胸部をゆらせながらベッドで横になっている陽の上にまたがっていた。

「たくさん、エロいことしよう。」

奏はそう言い、陽の服を脱がせようとした。

「……ちょっ、ダメ!」

抵抗しようと奏の腕を掴んだ。

「大丈夫、痛いのは最初だけだから。」

いやらしそうな声で呟き、掴んだ陽の腕を振りほどき、谷間からワイヤーを取り出して素早く陽の手首を縛った。

「それじゃぁ、まずはズボンから脱ぎ脱ぎしよう。」

ニッコリと微笑み、陽の履いているズボンを脱がそうとした。

すると

バサッ

突然カーテンが開けられ

「……奏。」

「…………アンタ。」

「…………ここまでやるとはね。」

そこには怖い顔をした三羽ガラスが立っていた。

『…死ねぇ、ド変態!』

荒縄を持った3人は奏に襲い掛かった。

「ちょっ、いきなり何するの⁉」

「それはこっちのセリフだ!」

「SM縛りにしてやる!」

「……まったく、油断も隙もない。」

3人はブツブツ言いながら、奏を荒縄で縛りあげた(SM縛りで)。

ある程度縛り終えた時だった。

ガラッ

「……おい、陽大丈夫か。」

「ケガしてない。」

陽を心配したのか、小百合と瑞姫が保健室を訪ねてきた。

「…………試合勝ったから、次は…けっ…しょう………。」

「…………。」

そして、保健室のある光景を見て固まった。

保健室の隅にあるベッドの上で下着姿の奏が夕華、美琴、結弦の3人に荒縄でSM縛りをされていた。

更にベッドの隅には陽が両手を縛られて横になっていた。

「……へっ。」

「………変態だ。」

二人はドン引きした顔で呟いた。

そして、二人は息を飲み

『……陽 (ちゃん)を離せケダモノ!』

雄叫びを上げて、夕華達に向かって突進した。

ドン

二人は夕華達とぶつかった。

「この変態が!」

「ケダモノ!」

二人は夕華達をベッドに押し倒し、荒縄を奪い逆に縛り上げようとした。

「ちょっ、何するきだ。」

「どっちかっていうと私はする方が!」

「……おっ、落ち着いて二人共。」

3人は二人を宥めようとしたが

「うるさい!」

「……喋らないで、変態が移る。」

と言い拒絶した。

「ついでに服も脱がしやる!」

小百合は結弦の服を掴み、脱がそうとした。

「辞めろ、バカ!」

「……馬鹿なのはそっちです。」

「ちょっ、そんなに強くしないで痛いって⁉」

「誤解です。」

「……私を放置プレーにしないで。」

悶絶な死闘がベッドの上で繰り広げられていた時だった。

「おい、大丈夫か日下部?」

ジャージ服を着てアゴヒゲを生やした天然パーマの男性教師こと、陽のいる一年四組の担任兼体育教師の夏目哲夫が保健室に入ってきた。

小百合と瑞姫同様、陽を心配し様子を見に来たはずだった。

『…………。』

一同は驚愕し、黙り込んだ。

夏目の声とともに全員、ピタリと動きを止めた。

「………。」

夏目は顔を真っ赤にして、固まった。

自分の担当する女子生徒達が他の女子生徒達と保健室のベッドの上で淫らな行為を行っていた。

「……。」ワサワサ

夏目は自分のもじゃもじゃ髪をかき

「………黙っといてやるからさっさとしたくしろ……あと………スキンシップもほどほどにしとけよ。」

目を泳がせながら、呟き、ゆっくりと保健室の戸を閉めた。

『ごっ、誤解です!』

一同は顔を赤くして慌てて、夏目の後を追った。

その後、奏は事の発端を起こした罰として、小百合と結弦にろうそく責めの刑を受けたのだった。


ちなみに、保健室でのことは数日後に解けたのだった。





数十分後

最終決勝戦 一年四組VS一年一組

一年四組チームメンバー

「………皆、最後まで頑張ろう。」

「………うん、頑張ろう。」

「…………勝とう絶対。」

「……変態に気を付けて。」

「………ゴールは任せて…。」

「………よし、絶対勝つぞ。」

『おぉぉぉ!』

5人は円陣を組んで、雄叫びを上げた。



一年一組チームメンバー

「……全力で行こう。」

「……点数は任せて。」

「………私達でとるから。」

「…がっ、頑張ろう。」

「………陽ちゃんのシュートは任せて。」

夕華達5人は一切の気を緩めず、フットサルコートで集中力を高めた。

そして、その周りには教師と生徒達が300人近く集まっていた。

「……勝って、勝利の栄光を持ちかえろう。」

『おォォォ!』

陽達よりも大きな声を上げた。

その後、フットサルコートに入り、それぞれのクラスは陣形を作り

ピー

審判がホイッスルを鳴らし、試合が開始した。

「……行くよ、皆。」

「了解。」

「任せて。」

「……援護するね。」

陽を中心にパスを回して、相手ゴールに突撃して来る一年四組

「……月島は陽をモブは私がやる。」

「分かった、美琴は小百合をお願い。」

「了解、任せて!」

一年一組は瞬時に、対応し迎え撃つ

「………負けない、絶対。」

夕華は覚悟を決めたかの様か顔つきになった。

「………絶対勝つ……。」

「………負けられない。」

「……負かして、慰めたい。」

他の3人も同じ顔つきだった。

(………あの日から、あなたにあってから全てが始まった。)

夕華はドリブルする陽に向かって突進した。


そして、陽との出会いを思い返した。



つづく


結弦「大根侍のバカはどこだ!」

美琴「………ゲスはどこだ!」

夕華「出てきなさい!」

奏「もっと、私と陽ちゃんのエッチなことを書け!」


陽「大根侍さんはさっき、ドバイで修行するって出掛けました、あと第3章は過去編を作ってあるから、今度それを投稿するようにって。」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ