第1章サッカーができないからフットサルをする
前回までのあらすじ、ナンパされている陽を救うために問題を起こした、奏、美琴、結弦、夕華の3人は職員室でこってり、油を搾られ、罰としてグラビアアイドル写真をするこ
奏・美琴・結弦・夕華『ざけんな、ド変態が!』飛び蹴り
大根侍「ぎゃぁぁぁぁ、お助け!」
というわけで、第1章スタートです。
桜が舞い散る日、新入生達は学校に入ると体育館に集められ、始業式が行われる。
生徒会長の挨拶、校長の無駄に長い話、そして、クラス分け、新入生のやることは多かった。
始業式を無事に終えた新入生達は次々と帰っていった。
入学祝に家族と食事に行ったり同じ新入生同士で親睦を深めるため食べに行く者等もいれば、その斜め上にいく者もいた。
アジュール舞子
明石海峡大橋が見える浜辺で、夕華達四人はゴミ拾いをしていた。
「………帰りたい。」
「…………サッカーしたい。」
「……なんで私まで。」
「…………同罪だ。」
4人は学ランを着た舞子高校の男子生徒に暴力を加えたため、始業式を終えた後、罰として一週間の間、海から浜辺に打ち上げられた漂着物の掃除をさせられていた。
後で聞いた話だと、危害を加えられた男子生徒は道が分からなくて丁度見かけた、陽に話しかけただけだった。ちなみに舞子高校の男子生徒は、気絶しただけで命に別状はなかった。
「はぁ、始業式の当日に問題を起こすなんて。」
奏は深々と後悔。
「あいつが陽ちゃんに手を出すから、悪いんだ。」
美琴は不貞腐れそうにゴミを拾いゴミ袋に入れた。
「…でも、あの人、ただ陽ちゃんに道を聞きたかっただけみたいだよ。」
奏はそう言い、手を動かした。
「もとはと言えば、お前がナンパされているなんて、言うからだろう。」
結弦は夕華を睨みつけた。
「それについては反省しています。」
夕華はそう言い、謝罪した。
「ともかく皆、真面目にやらないと日が暮れるよ。」
夕華が一括した。
「は~い。」
「了解。」
「はいはい。」
3人はそう言い、面倒くさいそうに掃除した。
そして、その一方で陽はというと
舞子公園 芝生広場
明石海峡大橋のそばにある公園で、時々、ここでお祭りやイベントなどが行われる。
美しい海と冷たいそよ風が吹く中で、陽はぽつりと立っていた。
「ユカ(夕華)ちゃん達大丈夫かな。」
始業式を終えて、普段着に着替えた陽はサッカーボール持って、公園までやってきた。
始業式初日に起こしたあの事故で、職員室で正座させられていた夕華達4人は陽の弁明で自宅謹慎は免れ、別の罰則を受けることになったことを思い出していた。
「……んっ、あれは。」
陽はある物を見て動きを止めた。
それは、明石海峡大橋の向こうにある島、淡路島だった。
淡路島は兵庫県と四国地方を結ぶ島で玉ねぎが有名な島である。
「……行ってみたいな、淡路島。」
陽は淡路島を見ながら、目を輝かせた。
(……いつか、お姉ちゃんと行きたいな。)
陽は胸に手を当てた。
「さて、練習しようっと。」
サッカーボールを蹴って、練習を始めた。
同時刻
四人は着々と浜辺の掃除に取り組んだ。
「…そういえば、球技大会はフットサルらしいけど。」
結弦が2週間後に行われる球技大会の話を切り出した。
「フットサルか。」
「腕が鳴るわね。」
奏と夕華は手を止め、結弦の方を向いた。
「……陽とまた、戦える。」
夕華が少し顔を赤くした。
2週間後の球技大会は、クラス対抗で夕華、奏、結弦、美琴の四人は一年一組であり、ちなみに陽は一年四組である。
つまり、球技大会で敵対することになる。
普通、好きな人と戦うとなると気が引けるのだが夕華達は違った。
「陽ちゃんとまた、戦える。」
「そうと決まったら、練習しなくちゃね。」
「……今度こそ負けない。」
「勝とう絶対。」
夕華達は陽とサッカーで勝負することに歓喜していた。
「…ねぇ、勝負しない。」
結弦が真顔で呟いた。
「勝負?」
「……球技大会で一番、ゴールを多く点を決めた人は陽と一日、二人きりで過ごせる権利を得る。」
「……陽と一日。」
夕華は顔を赤くした。
「私は賛成!」
「……私も。」
美琴と奏は、結弦の話に乗った。
「その勝負受けてたつ。」
「……なら、決まりだ、今度の球技大会の試合で、ゴールで多く点を取った人が陽を一日独占できる、文句なしの勝負だ。」
結弦は強く宣言したのだった。
数分後
「はぁ、終わった。」
結弦は額の汗を拭った。
無事に浜辺の掃除を終えた、四人は肩を落とした。
「ふぅ、これで、帰れる。」
結弦は深く深呼吸した。
「ん~、筋肉痛になるよ。」
奏は腕を揉んだ。
「……お腹空いたね、ココスでも行く。」
美琴は背伸びした。
「……そうね、丁度、お昼だし………。」
夕華はある物を見て、固まった。
「どうしたの夕華ちゃん。」
奏が夕華に言い寄った。
「………あれ。」
夕華はボソリと呟き、ある場所を指刺した。
「……あれって?」
「UFOでも見つけたの。」
「もしかして、可愛くてエロい女子⁉」
三人は夕華が指を刺した、方に目を向けた。
『………。』
三人は氷りつき、黙り込んだ。
夕華が指を刺した場所には
「……88,89、90‼」
夕華達が掃除した浜辺で陽がサッカーボールを蹴って、リフティングをやっていた。
潮風の香りに釣られたせいか、陽はここまでやってきた。
「……陽ちゃんだ。」
「始業式の日に、サッカーするなんて。」
「相変わらずのサッカーバカだな。」
「……ちょっと、声を掛けてくる。」
夕華が陽に駆け寄った。
「…112、113、114。」
陽が気にせず、リフティングをしていると。
「陽、何しているの。」
後ろから声を掛けられた。
「……うぁ⁉」
突然、声を掛けられて戸惑い、サッカーボールを浜辺に落としてしまった。
「………ごめん。」
夕華が気まずそうに謝った。
「……ううん、気にしてないよ。」
陽はニッコリと笑みを浮かべた。
「……ユカちゃん達はなんでここに。」
陽は向こうにいる、奏達を見つめた。
「……今朝、起こしたことの罰で浜辺を掃除していたの。」
「うぁ~、大変だね。」
陽は苦笑いした。
「……うん、掃除が進まなくて大変だよ。」
夕華はそう言い、ため息をついた。
「ねぇ、ユカちゃん、一つ聞いていいかな。」
陽が急に真顔になった。
「ユカちゃん達は、部活何にするか、もう決めたの?」
陽は首を傾げた。
「……私達はサッカー部に入ろうと考えているの。」
「本当!」
それを聞いた陽は大喜びした。
陽達が通っている垂水山陽高校のサッカー部は県大会で優勝するほどの強豪の常連校である。
「………私も、サッカー部に入るんだ。」
陽は歯を見せて笑った。
「……明日、一緒に入部しよう。」
陽はウキウキしながら、微笑んだ。
しかし、予想外の出来事が起きた。
翌朝
垂水山陽高校
女子サッカー部の部室
陽達5人は、女子サッカー部の部室を訪ね、自分達の名前と女子サッカー部と書かれた入部届の紙を女子サッカー部のキャプテンに渡した。
女子サッカー部 キャプテン
本田英子「入部を拒否する!」
本田はそう言い、陽達が渡した入部届の紙をビリビリに破り捨て、あっさり入部を拒否された。
「えぇ!」
陽は驚きの声を上げた。
「……どうしてですか。」
「何で、ですか!」
「………なんで。」
「どうしてなの。」
夕華達は本田に問いかけた。
「……理由は簡単だ。」
本田は冷めた目で陽達を見つめた。
「……お前達とサッカーがしたくないからだ。」
本田はそう言い、人差し指を陽達に人差し指を突き付けた。
「……えっ、私達がですか⁉」
陽は息をのんだ。
「……お前らツクヨミ四天王だろう。」
本田は夕華達を睨みつけた。
「……そうだけど。」
「それが何か問題?」
夕華達は首を傾げた。
「……大ありだ。」
本田は夕華達を怒鳴りつけた。
「……私は中学時代女子サッカー部に入部していた、誰よりも練習に励み、誰よりも全国中学女子サッカー大会で優勝する事を望んでいただが、私は嫌、私達は一度も勝つことはおろか、ベスト4にも入れられず、試合に負けて終わったんだぞ!」
本田はそう言い、夕華達を怒鳴りつけた。
完結に言うと本田は夕華達『ツクヨミ四天王』を恨んでいた。
そして、本田の周囲にいた他の女子サッカー部の部員達が夕華達を白い目で睨みつけた。
この女子サッカー部の部員達も本田と同様に『ツクヨミ四天王』に恨みを持っていた。
「……『ツクヨミ四天王』は出ていけ。」
「……お前らなんかと、サッカーするなんて死んでもごめんだ。」
[……出ていけ、疫病神。]
女子サッカー部員達は口々に夕華達に罵声を浴びせた。
「……こいつらと友達でいる、お前も同罪だ。」
そう言い、今度は夕華達を睨みつけた。
「……四天王と一緒にいるなんて、とんだがめつい奴ね。」
「…ちょっ、陽は関係ない。」
夕華が本田を怒鳴った。
「…そんなの私の知ったことじゃない。」
本田はそう言い、陽の胸倉を掴み
「………出ていけ、お前らとサッカーをするつもりはない。」
強引に陽達を部室から追い出した。
廊下
女子サッカー部の入部を追い出された、結弦達は不貞腐れていた。
「………あのクソ○○〇女。」
「…あいつの○○に○○○○○○を刺してやる。」
「…本当、○○○にして○○○〇したい気分だよ。」
3人は口々に本田の文句を言っていた。
「……3人共、そんなこと廊下で愚痴らないでください。」
夕華は結弦達を注意した。
「大丈夫、陽。」
夕華は心配し、隣にいる陽に問いかけた。
「…うん、大丈夫だよ。」
陽は取り繕った笑顔で誤魔化した。
「……それより、放課後どっか遊びに行こう。」
陽はそう言い、話題を変えた。
「……。」
夕華は何も言えず、黙り込んだ。
数時間後
阿波(OUR)の森
「……遅いね、結弦達。」
「…うん、そうだね。」
二人は公園のベンチに腰を掛けていた。
ちなみに、結弦、美琴、奏の3人はコンビニでジュースを買いに行っていた。
「……これから、どうする。」
夕華は隣にいる陽に囁いた。
「……。」
陽は何も言わず、黙り込んだ。
「……サッカー部のことはごめん。」
夕華が申し訳なさそうに謝った。
「……私達のせいで、サッカー部に入れなくて。」
グッと拳を握りしめた。
「……本当にごめん、陽。」
夕華は涙目になりながら、陽にまた、謝った。
「ううん、気にしなくていいよ。」
陽は無邪気な笑みを浮かべた。
「……サッカー部に入れないなら、作ろうよ。」
陽は席を立ち、ニッコリと微笑んだ。
来月行われる球技大会では競技でフットサルがある
球技大会でいい結果を出せば、部活を作ることを許可してくれるだろう。
「…球技大会が終わったらフットサル部を作ることにしたんだ。」
陽は夕華の額と自分の額をひっつけた。
「……今度はユカちゃん達とまた、サッカーがしたいだから。」
陽はそう言い
「……フットサルだけど一緒にやらない。」
陽は額を離し、照れ臭そうに呟いた。
「………そんなの聞く必要ない。」
夕華はゆっくりと手を伸ばし
「………私も陽とサッカーをするために、この高校に入ったんだ。」
夕華は優しく陽の手を握った。
「……やるからには頂点まで行こう。」
「うん、一緒に頑張ろう!」
二人は強い握手を交わした。
そして、その後ろから
『いい雰囲気だしてんじゃねぇ!』
買い出しを終えて一部始終を見ていた、奏、結弦、美琴の3人が夕華を奇襲した。
理由は嫉妬である。
美琴が夕華の耳を甘嚙みし、結弦が夕華の頬を両手でつねり、奏が夕華の脇をこそばした。
「……ちょっ、何するのやっ、やめて⁉」
夕華は取り乱しながら、奏達を引きはがそうとした。
しかし、夕華達は粘り強く夕華にしがみつき、離れなかった。
こうして、奏達による拷問を長く続き、数十分後には
「……はぁはぁ。」
夕華は息苦しそうに地面に背をつけて、倒れた。
「………よし、じゃぁ次は。」
「メインディッシュね。」
「……美味しそう。」
結弦達は口からヨダレたらしながら陽の方を向き
『陽の番だ!』
3人は陽に襲い掛かった。
「きゃー⁉」
陽は悲鳴を上げて、3人にしがみつかれ地面に倒れた。
そして、三人の拷問が陽を襲った。
「陽ちゃんは特別に。」
「……たっぷりと可愛がってあげる。」
「…思考をピンク色にしてやるよ。」
美琴は素足の裏を舐め、奏は胸部を揉み、結弦は服の中に手を入れて体中を揉みしだいた。
「お願い、やめて⁉」
陽は涙目になりながら、懇願した。
その後、3人が通行人に不審者と見なされ警察に通報されたのは、また、別の話。
翌日
その日の放課後も、学校を終えた夕華達はアジュール舞子の浜辺を掃除していた。
「……早く、終わらせて帰ろう。」
夕華はそう言い、砂浜に打ち上げられた空き缶を手に持っていたゴミ袋に入れた。
「……うわっ、トランクスだ。」
美琴は泥だらけの漂流したトランクスを手に持った。
「こっちは空けてない鯖の缶詰だ。」
今度は奏が、空けてないサラの鯖の缶詰を掲げた。
「……まったく、たった一日でこんなに汚れるなんて、苦労するよ。」
結弦はそう言い、浜辺を見上げた。
この間、頑張って浜辺を掃除しても、また、海からの漂流物が流されて汚れていた。
「……はぁ。」
結弦は深くため息をし、肩を落とした。
そして、明石海峡大橋を見つめた。
「……なぁ、橋の下に行ってみないか。」
結弦が現実逃避した。
「サボりはダメだよ。」
「……そうだよ、サボったら怒られるよ。」
「……早く、終わらせて、肉まん買って帰ろう。」
3人は口々に結弦を注意した。
「あっちで陽がフットサルしている。」
結弦は言葉を付け足し、明石海峡大橋を指さした。
今日の朝、学校の通学中に陽が明石海峡大橋の傍にある舞子公園の芝生広場でサッカーの練習をしていることを話していたのを結弦は憶えていた。
『……行こう、掃除なんて後回し!』
美琴、奏の2人は手のひらを返し、明石海峡大橋へと向かって歩いて行った。
「……はぁ、まったく。」
「相変わらず元気だな。」
夕華と結弦は肩を落として奏と美琴の後を追った。
舞子公園 芝生広場
「……よっと。」
芝生の上で陽は軽くボールを蹴った。
そして、陽の周りには
光野小百合「こっちにパスして。」
和田千裕「了解!」
朝川瑞姫「ほいっと。」
向井幸「ちょっ、直線にパスできない。」
クラスメイト達と球技大会の科目であるフットサルの練習に励んでいた。
「パス!」
小百合は瑞姫に目掛けて、ボールをパスした。
「はい、キャッチ。」
瑞姫はうまく足を使ってボールをトラップした。
「…ねぇ、陽ちゃん、ドリブルを教えて。」
千裕はよそよそしく陽にお願いした。
「…ねぇ、キーパーは私がやっていい。」
などと楽しそうに練習に励んでいた。
そしてその光景をとある木の陰では
「…はりきっているな、陽ちゃん。」
「……結構、うまいね。」
「…練習入りたい。」
「…じゃぁ、スキンシップしにいこう。」
バキッ
奏は夕華に首筋をチョップされ、気絶した。
4人は木の陰に隠れて、陽達の練習をこっそりと伺っていた。
「どうする。」
「混ぜてもらう?」
奏は話を夕華に振った。
「ううん、帰ろう。」
夕華は帰るよう促した。
「…向こうは向こう、ウチはウチです、邪魔をしたら、迷惑よ。」
夕華は美琴と奏の腕を引っ張って、その場を去っていった。
「……そうだな、行くぞ。」
結弦はボソリと呟き、奏の束ねているポニーテールの髪先を引っ張った。
「イタタタ!」
奏は奇声をあげながら、引きずられたのだった。
4人は肩を並べて、帰ったのだった。
つづく
こんにちは、皆のヒーロー大根侍です、いかがでしたか、第1章は次のお話はなんと、球技大会で女子はビキニサッカーを…………。
奏・美琴・結弦・夕華『往生際が悪いぞ!』飛び蹴り
大根侍「ぐふっ!」
次回 第2章 『球技大会はなんか、湧き上がる。』お楽しみに‼