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なろうラジオ大賞5 参加作品

ゾンビの友人と温泉へ行こう!

作者: ヲンダ

 友人たちと温泉へ行こうとタブレット端末で探しているが、ゾンビも入れる温泉はなかなか見つからない。

 温泉にはいろいろ利用条件があるからだ。人間でもいろいろあるが妖怪・怪物だとより一層条件が多い。ゾンビは湯を汚すと嫌がられる。防腐処理をしているので大丈夫なのに、旅館側の勉強不足だ。ちっさい子どもの方が、よっぽど湯を汚している。


 今から百数十年前、月が紫色に輝いた日から日本、東洋、西洋問わず妖怪・怪物が現れた。

 人間は妖怪・怪物を恐れ怪物は人間を襲った。

 当時の政権は「怪物等討伐法」を制定し人間を襲う怪物の駆除に当たった。

 数年後、天才言語学者ダグラス・スティとその孫アーネスト・スティが妖怪・怪物の言語の解読に成功した。

 次の政権は「妖怪・怪物共存法」を制定した。共存できないと考える人も多かったが現在の犯罪率は人間も怪物もほぼ同じである。


「温泉じゃなくてもいいよ。温泉じゃなければ泊まれる宿はいっぱいあるんだからさ」

「でもお前、温泉行きたいんだろう。もっと探せばどっかあるよ」

 以前に狼男と温泉に行った時は、ペットも一緒に入れるをうたい文句にしていた温泉宿に泊まった。

 最初はやめようと思ったが当人が気にしないというのでそこにした。温泉はなかなか良くて彼も気に入ってくれたので、行って良かったと思う。だから今回もどこかあるかと思って探すが「ゾンビ OK」の温泉宿はない。

 人間の俺とぬらりひょんとゾンビの三人で温泉宿を探す。

「あ、ここはどうだ」

 ぬらりひょんが見つけた海辺の温泉宿は宿にある温泉にはゾンビは入ることはできないが、砂浜を掘ると温泉が出てくるのでそこに入ることができる。湯は宿の温泉と同じなので宿の中か外の違いだけだ。

 俺たちはその宿に決めた。

 

 砂浜では俺たちの他にもいくつかのグループが来て穴を掘っている。みんなゾンビ連れのグループだ。その時は他のグループを意識していたが、きっかけがつかめず話しかけたりはしなかった。でも大広間での夕食時には酒も入ったせいかゾンビのいるグループで話し始め、みんなで飲めや歌えやの大盛り上がりになった。目が笑っていない笑顔の宿の人に「大広間の利用時間はもう終わりですからお部屋へお戻りください」と言われるまで騒いでいた。

 ゾンビの友人も大満足の旅だった。

 ただ僕には一つ気にかかることがある。

 大人数で大騒ぎしたせいで、あの宿でゾンビ連れのグループの宿泊がお断りとならないか心配だ。


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― 新着の感想 ―
[良い点] タイトルというか設定が面白く、確かにそうだ、確かにそうだと納得しながら読ませて頂きました。 [一言] これは超短編よりも、もっと文字数の多いお話(オムニバスかな)の導入に相応しい気がしま…
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