大物登場
『グリ子~、まだ~?』
グ“あそこの山の中腹なんだが……グリコって何だ?”
『最初グリ太郎にしようと思ったらグロリアがお前がメスだと言うものでな。』
グ“え?あの筋肉姉ちゃんオークなの?”
グロ「呼んだ?」
グ“いや、俺っち昔ランペイジってオークに助けられて……”
グロ「え?お前グリたんか?」
グ“その呼び方……お姉ちゃん?”
『いやグリたんってお前……暴れ者が小動物助けるってのなら70年代80年代のヤンキー漫画や暴走族漫画でよくあったシチュエーションだがな。』
“ところでここの子供達何よ?俺っち怖がらずに体に上ってくるんだけど?”
「ああ、あの2人は神に托卵された神の子供達だから逆らうなよ?」
“いやリーダーっぽい黒い服の子供がね?”
『そいつニーズヘッグだから怒らせるなよ?』
“ああ邪竜王だったのか……邪竜王?”
『うん、しばき倒して仲間にした。』
“エルフの巫女だか聖女だかに封印されてるって話じゃ無かったのか?”
『されてたよ?おでん様が結界張ってその中でしばいた。』
“お姉ちゃん、俺っち頭痛がしてきた……”
「グリたん……判らないでもないがそのチビ異界の神なんだよ。
先日友人だってゴーレムが来て殴り合ってたぜ?」
“あんたらは殴り合いで全て解決するのか?”
『ってグロリア!またチビとか言いやがったな?嫁に行けない体にするぞ?』
「ほほう……やってみるか天の田力男の命よ?」
“姉ちゃんなんで鎧脱ぐんだ?”
『脱ぐな!お前は恥の概念無いのか?』
「オークの幸せは強い男の子を成すことだ!」
『おいらは今は可憐なエルフの幼女だ!』
ミ「あの……ゴールディーちゃんもグロリアさんも何してるんですか?」
グロ「公爵!山の中にオデとこいつのスィートホームを作って欲しい!」
『暴走すんじゃねぇ!』
グ“うわ……普通にお姉ちゃん殴り倒した?”
ミ「グリフォンちゃん、それがこの2人の会話の仕方なんですよ。」
ブ「屋根の上で何を……おいマーガレット、お前も参加して来い!」
マ「何を言って……うわぁ!この人なんで鎧脱いでお尻出してんのよ?」
ブ「マーガレット……世の中には爛れた愛と言うものがあってだな……」
『ブイヨン騎士爵!あなたまでアホになったらパーティー壊滅してしまう!』
ム「全くだぜ、なぁオイマグナスよぉ。」
マグ「うむ、不真面目なおっさんは2人も要らん。」
オ「本来は1人も要らないんですよ……」
『司祭……強く生きてください。んでグリたん石は?』
“え?……あ!あの山の中腹に。”
馬車を降りていってみると赤い筋の入った巨大な黒曜石が有った。
『覗き込むなよ?それ輝くトラペゾヘドロンの原石だ。
グリたん覗いたんだな?で精神支配されかけたと。』
{親方!3つ目のおっさんが走って来る。}
『ニーズ避けとけ!……千裂掌!』
{まだ来てる!}
『……からの……粉砕撃襲!』
{あ!ヒビに当たって転けた。}
グロ「ニーズ!大丈夫か?頭痛くないか?パパが覗くなと言ったら見ちゃいけないぞ?」
『いやグロリア、人間に見られなきゃ実体化できないナイアルラトホテップが実体化しようとしたのはドラゴンで代用が利くってことだ。これ処分しないと大変な事に……』
「しときましょうか?」
{親方、このダーク人間だれ?}
テ「その方は偉大なる暗黒邪神の一柱……」
『ニーズ、ぷう!』
{ぷう。}
「熱ちちちちち!何をしますかこのお子様は?」
『下手にクトゥヴァ喚んだらここ焼かれるからな、仕方ない。』
「お嬢ちゃん、ワタシがあんな火の塊に勝てないはずがないでしょう?」
『とか言っててンガイの森焼かれて逃げ出した時は笑えたがな。』
「……お嬢ちゃん、どこかで会いましたかな?」
『折れた奥歯治った?』
「え?……まさかあの田舎っペ……」
『クーちゃん喚ぼうか?』
「あんな物そうそう簡単に喚べるはずが……」
『ふんぐるい むぐるうなふ くとぅぐあ ほまるはうと んがあ・ぐあ……』
「そうそう簡単に喚ぶんじゃありませんよ!」
『うっせぇわ!急いでいる時にでっかいトラペゾヘドロン用意しくさって!』
「それこそ理不尽です!あれはワタシが作った物ではありませんよ!」
『他人が作ろうが自然に出来ようが使う奴が責任持てよ!』
テ「ナイアルラトホテップ様、あれはあなた様の魔力を数千年受けた黒曜石でしか作れないのでは?」
「クタニドがうちのベッド飛ばしやがったんですよ!やっと魔力が染み渡って来たと言うのに……」
『他人の家に布団干しに来てんじゃねぇ!』
「ふむ……お嬢ちゃん、あなた天の田力男ですか?」
『やっと気付いたか……んじゃ次に復活するまで大人しく寝てるんだな。』
「お待ちなさい、ワタシは現在あなたと戦う意志はありませんよ?
田力男さんは先を急ぎたい、ワタシは帰りたい。
ほら、見逃せばWIN=WINの関係では有りませんか。」
『何故逃げたがるのか理解できないが?』
テ「まだ傷が癒えて無いのですね?」
「はっはっは!何を言うんですかこの小娘は。」
テ「首、右肩、左膝に大きく魔力が欠乏している部分が認められます。
ナイアルラトホテップ様、田力男様は鬼神も凌駕する力をお持ちですが鬼では有りません。
ただし左ポケットの中性子爆弾を使った時はどう行動されるか判りませんが。
さぁ、ポケットから手を出して下さいませんか?」
「ワタシがここを離れるまで攻撃しないのであれば。」
『神対神の喧嘩は正面からが面白いんだ。
後ろから討って何が愉しい事が有る。』
「ああ、あなたはそうでしたね。
では田力男、あなたにこれを渡しておきましょう。」
『何だこれ?』
「中性子爆弾ですよ。
今は爆発しませんがワタシを狙うと……」
『ただの腕時計に見えるが預かっておこう。
さっさと最寄りの異次元に退去しろ。』
「個人的には好ましい性格なんですがねぇ……」
{出したか……}
出てしまったな……
{他人事みたいに言うな!ファンタジーの邪神をクトゥルフ神話に求めるな!}
親和性がいいんだ。神話だけに……
どごっ!




