オーク洞の揉め事
お久しぶりでございます。
見捨てず読んでくれている皆様に感謝を。
オークの洞窟まであと少しの地点……
『前の時はこの辺で女差し出せってグロリアが暴れてたんだよな。』
「今同じ事やってる奴が居たらオデが張り倒してやるよ。」
「ここから先に通して欲しくばメスを差し出せ!」
『お前弟子でも居たのか?』
「いやそんなはずは……てめぇら誰に断って商売してやがる?」
「へっへっへ、お嬢ちゃん豚獣人とオークは違うんだz……」
グロリアの投擲したトマホークが1匹に直撃する。
「誰が豚獣人だこの野郎!」
『違いが解らん。』
「一般的に知能豚鬼は筋肉質で肌が浅黒く豚獣人が太ってて色白だと言われてますよ?」
「ムサシ!とうとうオスカーが獣娘に情欲をスパークさせる様になってしもうた!」
「殴りますよ?」
「それよりなんでグロリアいつもの人間態に戻らねぇんだオイ?」
「アサとハナがこっちの方が喜ぶんだよ!」
『よかった、3キロ太ったオークの姐ちゃんは居なかったんだな。』
「何で知ってる?」
『何でバラす?
ってかいきなり人間態に戻らなくなったら解るだろ普通に考えて。』
やっと無視され放置されていたことに気付くチンピラオーク……
「てめぇらよくも無視しやがったな?ディスライクの後を継いだ俺達を無視してただで済むと思ってやがんのか?」
グロリアの目に剣呑な光が灯る。
「おい!今てめぇ何つった?」
「知らねぇのか?オーガにすら暴れん坊と呼ばれたあの伝説のオークをよ。」
だがチンピラオーク共は気付いてない!
『ディスライクはグリフォンの雛飼ってなかったか?』
「お?小娘良く知ってるな。
嘴に傷のあるのを2年前まで……」
『そうか、それはこんな顔かえ?』
ぬっと顔を出すグリたん。
パクッとチンピラ1匹の顔を含み……吐き出す。
『おお良かったな、首は繋がったまんまだぞ。』
だが漏らしている……
『なんだグリフォンに含まれる位で情けない!』
「全くだ、こんな根性無し共がオデの名前騙っているとは……」
『ではグロリアさん、懲らしめておあげなさい!』
「エインヘリヤル様?
これは何とした事で?」
身長3メートルに近いインペリアルオークが飛び出して来た。
『ようダンジョンボス、あんたの子はハイランドオークに進化したぞ。』
「え?あの暴れん坊が?」
『それより人間の言葉教えるのはいいんだがこいつらガラ悪くないか?』
「こいつらも人の言うこと聞かない跳ね返りばっかりで……」
『もしかしてボスの育て方が悪いんじゃない?
ランペイジと言いこいつらと言い。』
「小娘!うちの親方に何言ってやがんだ!」
「こら三下うちのチビに何言ってんだ?あぁ?」
『ボス、もしかして新しい群吸収した?
前の連中でおいら達覚えてないって記憶力に欠陥が有ると思うんだが。』
「2週間程前にジェネラルオーク率いる一団を助けたんじゃが半数はうちのファミリーになったもののそこでジェネラルオークがキングオークに進化して残り半数はキングに従いわしらに戦争をふっかけて来たんじゃ。」
『そんなのインペリアルの祝福掛ければあんたらの方が強いだろう?』
「親父はオーク同士の戦いに祝福は使えないと……」
「使える物は使えば良いのによぉ。
兄貴もそう思わねぇか?」
『グロリア、見た目ファンシーなのに喋ると筋肉女冒険者みたいなギャップが凄い。
後ボス、あんた素漏病だろう?
だから後進に任せるつもりで負ける気だったな?』
「ほほほ、エインヘリヤル様は誤魔化せんのう。」
『何で息子を信じない?お前の息子もハイランドオークに進化できるのに。
何なら今進化するか?』
「何故我らに手を貸してくれますのじゃ?」
『うちのパーティーの母親役の故郷が荒らされるの嫌だから。
まぁとりあえず……進化せよ!』
だが何も起きない。
『あれ?』
「あれじゃねーよチビ!」
『神眼……兄ちゃんあんた名前無いのか?』
「黒の捕食者と名乗ってますが?」
『自称じゃダメ!つーか黒い捕食者ってゴキブリかよ!
あんたこれから星と名乗れ。みんなもいいな?この兄ちゃんの名前は?』
「「「アストロ!」」」
『よし、汝アストロ、進化せよ!』
肥満体型が偉丈夫に変わって行く……
『ありゃ、2段進化したか。
おめでとうアストロは連鎖進化によりハイランドオークキングに進化した。
んでボス、インペリアルオークやってるからまさかとは思うが名前は?』
「あはははは……」
『笑ってるけど素漏病の原因たぶんそれだからな?
体内での魔素消費が上手く行ってないんだよ。
だからゴールドシールを名乗るかい?』
「ええ名前だと思うんじゃがそれは?」
アメリカのクライスラー車のエンブレム(クライスラー・インペリアル)とは言えないではないか。
『元の世界の強力な魔導馬の名前だ。
150馬力で突き進む奴だぞ(嘘は言ってない。)』
「神の世界の神馬の名前でしたか。」
「……なぁ聖女様、チビの奴汗かいてねぇか?」
「きっと何かのネタで言ったのをそのまま受け入れられて焦っているというところでしょう。」
『いっそオーク洞をデトロイトって名前に変えるか?』
「帝国勇者が居たら意味聞くんだけどなオイ。」
「面白そうな話だな?」
『うん、もっと面白くなるから見とれ。
我エインヘリヤルの名において命名する!汝ゴールドシール!』
身長はそのままで体型が中年オヤジの肥満体からアスリート張りの逆三角形マッチョに変わる。
『これで素漏病治ったと思うけど念のためしばらく様子見てくださいね~、お大事に~。』
「んじゃ次は俺の番だな?」
怒張した性器を増山に向けるキングオーク。
『インキンですな。
カトちゃん患部切除。』
反射的にオリハルコンソードで切り落とした後……
「ああっ!穢い物斬ってしまい申した!」
『それ使うとは思わなかった……後で一緒に洗ってあげるから……』
のたうち回るキングオークを放置して遊び始めた増山達だった。
{グロリアの家族は自動車で纏めたか。}
グロリア自体増山が命名しとるからな。
あとマフウカタロと愉快な暗殺者達は王宮の牢屋に置いて来てますので今聖女パーティー以外の人間は
ミツクニとヒロコ、ブイヨン親娘、エルフのイルミとミネアになります。ソウド親子は王都に馬車制作の為残ってます(たまに書いとかないと忘れる)。
次回は6月30日更新予定です。
これから雨の多い時期足元にお気を付け下さい。




