グロリア変貌
今頃は持病の心臓病の検査入院中です。
年喰うと体にガタが来ますね……
「陛下、こちらの方々は?」
「余の懐刀たる世直し聖女一行である。のうミツクニ?」
「ああ馬車には触らん方がいいぞい?わしら以外が触ると雷が……」
ピシャーン!
「落ちたのう。ソウド殿、防犯はあんな感じでええかのう?」
「マグナス師、実は数人緑色の泡になって消えたのじゃが……」
「陛下、それはたぶんれぇざぁびぃむで……」
『父ちゃん、誰に聞いたか知らないけどレーザーにそんな効能無いぞ。』
「神のスライム・クリム師匠が言っておったのじゃが?」
『ありゃ芝居の話だ!』
「待て待て……神のスライムとな?」
『正確には神鉄のスライムです。
ハナミズ~おいで~!』
「んでオデはいつ脱げば良いんだ?」
『脱ぐな!アサハナニーズが裸族になってもかなわん。』
「このチビどんな目で見てやがる。」
『グロリア……普通女性ってのはそういうのを隠すもんだ。
その上で隠しきれない部分が魅力となる、これをチラリズムと言ってだな……』
「ヒロコがメモ取ってるので止めてもらえませんか?」
「と言うかJUN様ならわたくしもお会いしましたよ?
その折エインヘリヤル様と同じ事を教わりました。」
『なんですと?』
「ええと……女性の柔肌はゴヂラと同じで最初から見せてはいけない。
散々勿体つけてできるだけ相手に想像させるんだと……」
『ろくでもない思考ルーチン組み込んで有るな。』
“ありゃもう生物化しておるぞ。”
『おでん様まだ居たんですか?
……生物化って?』
“ケーキの一つでももらおうかと思っての。”
『そうでなくて、生物化とは?』
“機械の体じゃが小合と天宇受売命の考え方が混じり合った上に須勢理毘売命の魂が入っておる。
地球で付喪神作るのと同じ作法じゃよ。”
『……妖怪化では?』
“小合もそう言うとったのぉ。
食卓の妖怪とか何とか、で、あのちっこいのは20馬力を誇っとるんじゃそうな。”
『なんでそういうとこ凝るかなあいつは?』
「20馬力ってなんですか?」
『ルナ、公爵の改造馬車の魔道エンジンが100馬力足らずなんだよ。』
「あのちっこいの5つ居たら馬車動かせるって事か?」
『だいたいそういう考えで合ってる。
ってかグロリア計算できたんだな。』
「はっはっは!参ったか?
前に助けた子供に教えてもらったんだ。」
「グロリアよ、おぬしオークとしては恐ろしい頭脳を持っとるのう。」
「え?マグナス師、この娘本当にオークじゃったのか?」
「今でもオークですじゃ、後でご覧戴きましょう。
まずは食事をですな……」
“今ケーキの話しました?”
“こりゃフレイヤ!お主いつから腹ペコ女神キャラになったんじゃ!”
『おでん様も大概ですよ?
アサとハナはあんな神様になっちゃダメでちゅよ~。』
“わしこれでも北ヨーロッパの主神なんじゃが?”
『なんで葡萄酒からケーキに鞍替えを?』
“酒と煙草は最近肩身が狭くてのう。”
『食い物はゲリとフレキ(両方共に狼)にあげるんでは?』
“そちらは信者の供物で成り立っとる。
フギンとムニン(ワタリガラス、フギンが思考、ムニンが記憶の意)の食料もな。”
『ペットの餌くらい自分で工面しなさい。』
“使い魔じゃ!”
『尚更自分で工面しろ!うちの主神のペット嗾けるぞ!』
“それは八咫烏とか言う奴かの?”
『それは使い魔!
克っしゃんが最近姉ちゃんがポチとかコロとかってワンコ飼いだしたとか言っててな。』
“そのワンコはロキとアングルボザの子供じゃ!”
『ん?……もしかしたらヨルムンガンドとかヘルって弟妹の居る?』
“話が早いのう。”
「チビ、解るように説明してくれ。」
『どこぞの泉でギャラルホルン吹いた事で神々の黄昏とも呼ばれる終末戦争が始まるんだがそん時おでん様に噛み付いた狼がフェンリルってこれがアマテラス様のペットらしいのよ。
ちなみに神々の黄昏ってのは新エッダ書いたスノッリがラグナロックと同一視した誤訳とも言われてるな。』
「遠い世界の神話ですね。」
「テラは知ってるのか。」
『魔神だからなぁ。
基礎知識として魂に刻み込まれているのかも知れない。
その後ヨルムンガンドがエデンの園でアダム騙した蛇になったりアマテラスが新世界の太陽役で出たりもしてるとも聞いたが……如何せん地球の神話って民族ごとにいろいろ変わって来るんだよな。』
「お前その殆どに一丁噛んでるんだろうが。」
『おいらじゃねーよ!克っしゃんって悪いトモダチがだな……』
“一緒になって悪さしておったのう。”
『ケーキ抜くぞ北欧の主神。』
“尼寺は巫女の教育で忙しいらしいしのう、フレイヤもその程度は巫女に力入れるといいんじゃが……”
“マスヤマ、あれを倒す為に力を貸してください。”
『神力2万と2万5千で6万倒せますか?1万5千足りませんよ?』
“月読様に手伝って貰えれば……”
『何処に居るかも知れないのに?』
“オゴウと一緒に居ますよ?”
『何人呼んでんだこっちに?』
“いっぱい。”
『あんたもケーキ抜き!』
「まぁまぁ、そう意地悪してやらなくても……」
『ヨシムネ陛下、おいらは太った豚より痩せたソクラテスで居たい。』
“理屈屋になりたいんかの?”
“ダイエットに目覚めたのね?”
『やっぱりこの二人のケーキ没収した方が……』
「オデはいつ戻ればいいんだ?」
『そうだった!ちょっと食堂閉めて。
門番さん、何が有っても扉開けたり覗いたりしないでね?
んじゃラミパスラミパスルルルルル~!』
グロリアが光に包まれて行く……
「エインヘリヤル様?その胡散臭い呪文は何じゃ?」
『まほろばの鏡の魔力を遮ってみました。』
“また思い付きで呪文をこやつは……”
『はっはっは、グロリア、おでん様のケーキ食っていいから。』
「そんなに食えねぇよ!」
そして光が収まった時……そこには豚獣人とも言えるかわいい豚が居た。
“おや?グロリアはハイランドオークに進化してたんですね。”
『ああ聖騎士団の経験値か……』
「「きゃ~!かわいい!かわいい!!かわいい!!!」」
『アーニャは予想してたがマーガレットもああ言うのに弱いのか。』
グロリアを進化させたのは「月が導く異世界道中」のアニメを拝見して。
あ!こんなかわいいオークも有りなんだ!と……
もっともオーガにランページなんて呼ばせている時点で元々のイメージをお察し下さい。
{グロリアがヒロインやったんか?}
ハナだったらどうする?
{あんたのロリコンが悪化したなと思う。}




