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おいらが聖女  作者: ケモブキ
10/19

魔族って何?

今月もひと月お疲れ様でした。

 『ほな行きまっせ~!』

「早く行けチビ!」

『容赦なく幼気なエルフを蹴ろうとするのはこの尻か?』

「尻で蹴れるか!」

「あの……いつもこうなんですか?」


魔神(テラ)の質問にオスカー司祭が青筋を立てながら答える。


「ええ……大きめの町だと大抵やりますね。

一応理由は解るので怒れないんですが。」

「エイ……ゴールディーさん、用意は整いましたぞ。」


そう言いかけるソウドにグリたんが背中に乗れと促す。

ソウドがグリたんの背中に乗ると。


『ワハハハハ!ソウド様は預かった!返して欲しくば……

あれ?』


グリたんは増山の肩を掴んで大空に羽ばたく。


『ソウド様、見送りに来た人に不審な人物は?』

「居りません。

全員我が愛する領民達です。」

『了解、グリたん降ろして?』


地上に降りると衛兵がグリたんを取り囲む。


「何をしてるんですかな?」

「ソウド様を誘拐しようとした容疑が有りますので……」

「幼子の戯言をいちいち本気に取らないで結構です。

それよりわしの留守を頼みますぞ?」

「ハッ!命に代えて!」

『代えるな!

ソウド様は王宮にエリクサーの販売許可申請に行くんだからその留守中にあなたが死んだら助けられないでしょう?

民間人を救うのにもし手足が千切れたりしたらこれを

……』


牛乳瓶に入った黒い液体を渡す。


『これは神変鬼毒酒と言いまして心の正しい者が飲めば体を治し悪しき心の者が飲めば毒に変わると言うエリクサー製造過程で作られた物です。

正しく使ってくださいね。

健康な人が飲んでも毒になります。

死にかけにぐっと一本いってください。』

「むちゃくちゃ言いますなぁ……」

「チビ!いつまで小芝居やってるんだよ!」

『全く体は大きいが器の小さい……』

「器が小さくて悪かったな?」

『おやグロリアちゃんおひさしゅう。』

「ええから乗らんかい!」


馬車に放り込まれた。


「なんかあの衛兵気にしてたが何だったんだオイ?」

『あいつ魔族だったからな、気になって。』

「魔族にエリクサー渡したんですか?」

『あれ下剤ですよ?』

「悪魔かあんたは?」

『お前のエインヘリヤルだった者だが覚えてないか?』

「つくづくロクでも無いエインヘリヤルでござるな。」

「と言うか魔族が潜入しているですと?」

『ソウド様、落ち着いてください。

彼は魔族ではありますが人間を害する者では有り得ませんので。』

{親方、神眼で視たんだね。}

『ああ、人間を傷付けたりしてないし第一子供達をカバーするように動いてた。

だいたい衛兵の半分近くは魔族だったからな。』

「あの者は魔素障害に襲われた村からの移住者だったのですが……」

『ああ高濃度の魔素に被曝して魔石が形成されつつあるのか。』

「こりゃゴールディー何言うた?」

『ん?魔族は体内に魔石を持つ元人間だって。

恐らく完全に魔石が形成されたら魔族としての力に目覚めるんじゃないかな?

知らんけど。』

「その根拠は有るんですか?」


オスカー司祭が食いついて来る。


『あいつら人間と同じ遺伝子持ってるからね。』

「マグナス、遺伝子って何だよオイ?」

「知らん、オーディン様にでも聞いたんじゃないかのう?」

『そこからだよな……遺伝子ってのは人間が人間になるための設計図みたいなもんだ。

普通捻れた梯子みたいな形しててエリクサーや高位治癒呪文はこの設計図によって手や足といった部品を作り出す。』

「異議有り!」

『オスカー司祭、取り敢えずそう思っといて?その方が解りやすいから。

この遺伝子だが先天的な疾病だけでなく放射能や薬品で簡単に壊れちまう。

そこに地球の2000年の叡智の中に無い魔素ってマテリアルが出て来た。

魔族は魔素の濃い場所で生まれると言う。

つまり魔族は元人間だった可能性が高い。』

「百歩譲ってその通りだとしましょう。

何故人間を襲うのですか?」

『昨日まで人間だったのが羽根生えたり角生えたりしたらどうします?

教会辺りが先導して神の敵だ魔物の混血だと追い出すんじゃないですか?

本人に罪は無いのに。

その恨み憎しみから人間を襲ったとして誰が咎められます?』

「エインヘリヤル様は知ってらしたんですか?」

『いいえ?

ただ良く有る民族紛争なので。

なんでおいらは言いましたよね?襲ってくる魔族のみ撃破すると。』

「そう言えばケーキ食いながら言ってたのう。」

「あああのドラゴン窟の魔族神官共は歯向かったから倒したと?」

『オスカー司祭、あいつらは自らの神でもあるテラを利用しようとしたんだよ?数え役満だ。』

「また訳のわかんねー事言い出したぜオイ。」

「ニーズちゃんおとなしく聞いてるけど意味判ってるの?」


アーニャの問いかけにニーズは……


「親方がごちゃごちゃ言う時は首の上下運動しながら全て聞き流すことにしてるの。」

「ゴールディー、この子は天才じゃ!」

「おめぇもわからねぇのかマグナスオイ。」

『そう言う訳でなニコライ……』

「わし残留思念のホムンクルスなんじゃけど?

って言うかお嬢ちゃんの言ってた事は昔から有ったんじゃよ。

わしも何回か征伐に狩り出されたがどうも魔族は狩れなくてのう。」

「あ~、そう言えばあたしも行ったわ。

なんか憎まれ口叩いてた騎士の腕飛ばしたら教会に帰されてねぇ……」

『オスカー司祭、リッチのお二人から証言戴きましたが?』

「まさか教会がそんな事を……」

『神の言葉も聞き手が歪んでればまともに届かない。

だからこそおでん様達は直接神託に切り替えたんだよ。

教会の大司教も魔族の大司教も自分の保身しか考えて無いから。』

「悲しいですがその通りですね。」

『そこでテラさんに頼みが有るんだけど……』

「何ですか改まって?」

『今の魔族の教会と反目してる魔族の国を知りたい。

できれば人間と仲良くしたい国なら最高なんだけど……

何処かない?』

ぼんやりと敵対種族としての魔族とか考えてたんですが……なんでこうなった?

{魔族の少年とシンの許されざる愛……}

腐ったオバケは黙っとれ!

せめてアーニャにせんかい!

{アーニャはジャンヌと……}

その2人はケーキの捕食者と製造者だ!

次回は11月30日更新予定です。

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