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食べられないパンツ

 キーンコーンカーンコーン。チャイムが鳴って休憩時間になった。


「ねぇ、かすみちゃん?問題出してあげよっか?」


 椅子にもたれ掛かりながらほのかが聞いた。


「…いや、いいや。」


 かすみは、ほのかの方を見もしないで言った。


「わかった。じゃあ、問題です!」


「いや、要らないって言ったじゃん。」


「パンはパンでも食べられないパンツはな~んだ?」


 ほのかは、かすみをニヤニヤしながら見ている。


 かすみはそれに呆れた顔をしながら返した。


「ほのか、また問題間違えてる。パンツはもともと食べられないから。」


「え、そうなの?」


 ほのかはキョトンとした顔をしていた。


「正しくは『パンはパンでも食べられないパンは?』でしょ?」


「ああ!そっか~!なるほどね~!じゃあ、気を取り直して問題です!」


「…」


 本を読んでるかすみに、ほのかは得意げな顔をして言った。


「パンツはパンツでも食べられないパンはな~んだ?」


「だから違うって。パンツはパンじゃないから。パンはパンでもでしょ?」


 かすみはほのかの方をチラッと見て言った。


「わかった!じゃあ、パンツはパンツでも食べられないパンツはな~んだ?」


 得意げなほのかに向かって、かすみは読んでいた本を閉じ、立ち上がって言った。


「だから、パンツは食べれないから!元の問題文にパンツなんて一回も出てこないのに、なんであんたは毎回パンツを忍び込ませるのよ!」


「もう!文句ばっかり言ってないで答えてよ!つまらないじゃんか!」


「あんたがちゃんとした問題を出さないからでしょ!パンツはパンツでも食べられないパンツはただのパンツでしょうが!!」


 プンプン怒るかすみにほのかは大きな声で返した。


「ちゃんと出してるじゃんか!問題です!パンツは食べられないパンツでしょうか?」


「そうに決まってんでしょーが!!誰のパンツだって食べられないでしょ!っていうかこの質問をされるのはどういう状況だよ!!誰が誰に食べられないパンツか聞くのよ!」


「もー!!かすみちゃんがパンツパンツうるさいからわけわかんなくなっちゃったじゃん!!かすみちゃんの変態!もう問題出してあげないよ!ぺっ!!」


 ほのかは唾を吐く真似をした。


「誰が変態だ!!そして問題を出せ!フライパン派なんだよ、私は!!フライパンって答えさせろ!!」


 キーンコーンカーンコーン。チャイムが鳴って休憩時間が終わった。

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