藁人形Ⅲ
藁人形Ⅲ
僕は学校でいじめを受けています。
クラスメイトの湯島君にいじめられている。いや、湯島にいじめられているんだ。
辞めてほしいのだけど湯島と僕では体格の差があり反撃しても負けてしまうだろう。
ときは遡り2か月前。 学年が上がりクラス替えになった頃だった。
新しいクラスになりクラスに理恵ちゃんという女の子がいて僕は一目ぼれをしたのだ。
和風人形を思わせるきれいな黒髪の少女である理恵ちゃんに……。
しかし、理恵ちゃんはいじめを受けていたのだ。
去年のクラスから一緒だった湯島から。
僕は勇気を振り絞って湯島にやめろよと言って止めたのだけど、
いじめの対象が理恵ちゃんから僕に移っただけだったのだ。
腕力では勝てないから僕は藁人形を使って湯島に呪いをかけることにしたのだった。
さすがに教室で堂々とやるわけにはいかないので、人の出入りがない図書準備室で呪いをかけることにしたのだ。
図書準備室で、いざ藁人形を固定してくぎを打とうとすると、
ガラガラガラっと図書準備室のドアが開く音がしたのだ。
まずい。だれか入ってきた……。
なんと入ってきたのは理恵ちゃんだった。
理恵ちゃんは図書準備室を一瞥して僕と藁人形に気が付くと
「森川君。 君も湯島に呪いをかけようとしていたの? なら一緒に釘を打ちましょう」
「うん」
「森川君。この前助けてくれてありがとね」
「じゃあ一緒に打とうか」
呪いがもとで結ばれた縁
これも一つの恋愛の形でしょうか?
ホラーで投稿していないので、呪いの結末は書かなったです。
こういう形で結ばれる愛っていうのも一つのロマンかなって思って投稿しました。
(追伸:藁人形と藁人形Ⅱはホラーで出しています)