決闘 No,2
side ルシフェル
俺が向かうと既に皇帝や皇妃、ニチェたちや護衛の騎士たちがいた。
当然ながらソフィアまだ来ていない。
暫くボーっと待っていると動きやすい戦闘服に身を纏ったソフィアが来た。
「お待たせしてすみません。どうしても準備に時間がかかるものでして」
「いや、俺が早く来すぎただけだから気にしなでいいよ」
「そう言っていただけると助かります」
軽い談笑をしていると、二人のエルフが歩み寄って来た。
「姫様。いくら姫様のお好きな人であろうと我々は掟に従い厳しく審査しますから」
「はい、それぐらい分かっておりますよ。ただ、私が負けた時もお願いしますよ?」
「勿論ですとも」
二人のエルフは舞台の両脇に立ち反則を素早く見つける魔道具を取り出し、俺たちを定位置に誘導する。
「それでは、これより決闘を始めます!ルールは反則以外は全て許可!勝利条件は、相手が降参、気絶、審判の終了合図で決めます!両者質問は、無いですね!」
「はい!」
「うむ」
「それでは!決闘・・・・・・・開始!」
こうして、俺が嫁を増やす為の決闘が始まった。
「最初から全力で行きます![妖精装甲]!」
ソフィアの体から眩い光と共に虹色に光る鎧を身にまとう。それに伴いステータスが大幅に上昇する。
最初から全力か。面白い!なら俺は手加減をして、テクニックだけで勝負だ!
「はーーーー!!・・・・せい!」
高速で駆けて来たソフィアは斜めから切り上げてくるが、俺はすれ違うように避け、ソフィアが体で隠しながら放った[ファイヤーボール]を剣で弾く。続け様に屈んで薙ぎ払いを避けると、足目掛けて切りつけるが俺の頭上を通るようにして跳んでそのまま剣を振りかぶって来るので弾き飛ばすと、その衝撃を利用して少し離れた位置に着地する。
「流石ルシフェル様ですね!ですが!まだ始まったばかりです![身体強化]!{多重詠唱}[氷砕弾]!」
10個の魔方陣が展開されそこから氷の弾丸が飛んでくる。
「[炎壁]」
俺の目の前に壁が現れ弾丸を防ぐ。しかし、激しい温度差により大量の水蒸気が発生する。
危ないから[炎壁]を消し五感だけで気配を探す。
肌で鋭い風を感じると振り向き様に剣を振り下す。
キーンッ!
金属同士がぶつかり耳が痛くなりそうだ。流石エルフ、俊敏と演算能力が高いだけあって立ち回りと手数で攻めてくる。
「私の声に応じし妖精たちよ。私に更なる力を与えたまえ![共鳴]!」
水蒸気をすべて吹き飛ばすほどの強烈な風が吹くとそこには、虹色に光るオーラを身にまとったソフィアが現れる。
「これをすると結構疲れるんですけどルシフェル様相手ですと、ここまでしないとすぐに終わってしまいますからね。では・・・・・・行きます!」
言い終わると同時にソフィアの姿がぶれる。それに合わせ俺は、後ろに跳びつつ[岩砕弾]を放つ。ソフィアは、剣を持っていない左手で砕くと俺の方に跳んでくる。
「やあぁぁぁ!」
上段から切り込んでくるため俺は剣をソフィアの剣に添えるようにして受け流す。
そのまま首だけを傾けると後ろから[炎壁]で打ち消さなかった[氷砕弾]が通り過ぎる。
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