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天才主人公が異世界でも無双するそうです  作者: ルシフェルanime
奴隷たちと舞踏会までの経路
19/47

奴隷たちの思い

この話を書いている最中に1500文字くらいの時に間違って消して萎えた。

(。・´д`・。)

馬車に乗った俺たちは屋敷に向かっている最中だ。

席順は俺を中心に左にサクヤ、右に縮こまったシャルル。

俺の向かい側にリリスだ。

右手でシャルルの頭を撫でている。


「さてリリス。早速傷を直そうと思う」

コクリ


リリスは返事の代わりに頷く。しかしその顔は諦めきった顔だった。

そりゃそうだろう。自分と同じような年齢の子に、王宮魔術師でも治せなかった

怪我が治せるわけがないと思っているだろうからな。


俺は左手を前に出して掌をリリスに向ける。


「我が求むるは完全なる癒し[パーフェクトヒール]」


普段の俺は魔法を行使する際に詠唱を必要としないが今回は雰囲気作りの

ために詠唱を行う。

[パーフェクトヒール]は治癒属性の中で最上級であり、階級は神界級だ。

効果はHPとMPの完全回復、精神的疲労の回復、身体中の破損の完全修復だ。


発動した直後眩い光がリリスを包み込む。

数秒後には徐々に光が弱まり消えた。そこには一人の美少女がいた。


「っ!」


リリスは自分の姿を見て驚いている。

当然の反応だな、一生治せるわけがないと思っていたものが治ったんだからな。


「驚いているところ悪いが君の声を聞かせてくれないか?」

「....ぁ...ぁあ..あいうえお...。わっ私っしゃっ喋れてる。

ヒッグ....エッグ....私もう二度と喋れないと思ったのに」

「ほら、リリスおいで」


俺が呼び掛けるとリリスは泣きじゃくりながら俺の膝の上に座る。


「俺は皆が使えないような魔法を使うことが出来る。

だがこれは俺が一番秘密にしなくてはならないことだ、分かるな?」

「ばい....ヒッグ」

「俺はお前を守るために買い取り治した。お前が感じていた痛みや苦しさを

忘れろとは言わん。なぜならそれはお前が乗り越えた試練だからだ。

そしてお前はそんな試練を乗り越えた。誇れ。

お前の痛みや苦しさはこれからの人生にとってとても大事になると思う。

だからお前は俺に甘えても良いんだ。それだけのことをお前は成し遂げたんだからな」

「グスン...はい、分かりました」

「俺はお前の主人だ。お前のこれからの痛みや苦しみは俺が出来るだけ

減らしてやる。お前は俺についてこい」

「はいご主人」


そう言うとリリスは俺の膝から降りて振り向き跪いた。


「このリリス、ご主人様に対して一生の忠義と想いを誓います。

これからは末長くお願いします」


顔を上げたリリスの両目にはハートマークが浮かんでいた。

俺はまずリリスを席に座るように促した。


「シャルルよ、お前も分かっているとは思うが俺はお前に対して一切の

暴力や暴言を吐くつもりはない。といっても信じてもらいたいが難しいな」

「いえ、私は旦那様の仰ることを信じます。

私は小さい頃から親からも村の人たちからも蔑まれて来ました。

理由は良くわかりませんでしたがそれでも私なりに必死に

頑張りました。でもいくら頑張れど褒めてもらえませんでした。

むしろ状況は悪化していく一方でした。私はだんだんと

人を信じることができなくなっていきました。でもその時に

旦那様にお会いしました。私は運命を感じました、あぁこの方のお側こそが

私が本来いるべき場所だということに。旦那様の前に来た貴族たちは

私を弄ぼうしていました。本当に買われなくて良かったです。

今もこうして頭を撫でられるととても気持ちいいです。とても安心できます。

だから私は本当の意味で旦那様を信じます。.....いえ、それだけじゃありませんね」


そう言うとシャルルはリリスと同じように俺の前で跪いた。


「私ことシャルルは旦那様に一生の忠義と愛を誓います。

ですので旦那様。こんな私を見捨てないでください。

私はもうすでに旦那様無しには生きていけません。どうか宜しくお願いします」

「あぁ心配するな。俺はシャルルもリリスも見捨てるつもりはない」


俺もここまで言われたら断れない。まぁ断るつもりもないが。


「では旦那様。私からも末長くお願いします」


言い終わるとシャルルは顔を上げた。

両目にはハートマークと涙を浮かべていた。

俺はその涙を拭ってやる。


隣のサクヤは、満足げに頷いていた。


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