王都までの道のり No.2
俺は毎日投稿なんてしませんよ。
「さてフランとも別れたし駅まで五百メートルといったところか」
現在朝の5時四十五分。俺の馬車は大通りを直進している。
俺の屋敷から近いこの辺りは商業が盛んだ。
いくら早朝といっても既に下準備を始めている者も多いわけで、もちろん俺たちの馬車は
当然のように目立つわけで、窓から風景を見ていると、
「お母さん!ルシフェル様が来てるよ!」
「ルシフェル様ー!私と結婚してください!」
等々黄色い声が聞こえてくる。悪い気はしない。むしろ清々しい気分だ。
そんなこんなで俺たち一行は駅に着いた。
「お待ちしておりましたルシフェル様。私はこのドルフィン駅
駅長ビジス-レールと申します。以後お見知りおきを」
こいつはあれだ、一言で言って紳士だ。良い年の取り方ををしたじいさんと言った方が
分かりやすいだろうか。ステータスは弱かったので省略する。
「あぁ、宜しく頼む」
「では車両までご案内いたします」
俺たちはビジスの案内のもと専用車両に向かった。
そこで目にしたのは金の龍だった。知ってたけれども!
金の龍...もとい専用車両は、先頭は龍の頭を模していてそれに連なるように
胴体があり途中には翼がある。そして最後尾には尻尾がある。
列車とは一体...ちなみに外装の素材は純金製だ。
父曰く、(自分たちの移動手段くらいは派手じゃないとな!)らしい。なにやってんだ。
「ほぉー、中はそこそこ落ち着く設計だな。流石母上と言ったところか」
「流石ルシフェル様。なかなかの洞察力です。」
車両の外にいたビジスが感心しながら頷いている。
「それではルシフェル様。私はこの駅から離れる訳にはいきませんので」
「あぁ、それは知っている」
「申し訳ございません。ですので私の代わりに信頼のできる駅員と
メイドを新しく雇いご同行させていますのでそれでお許しください」
車内を確認すると駅員四人とメイドたち八人の計十二人いた...多いな。
「それでは出発いたします。ルシフェル様、良き旅路であることを祈ります」
「あぁお前も死ぬんじゃないぞ」
「ホッホッホ。ご冗談を。私はそろそろ定年ですよ」
ビジスが言い終わる前に出発している。誰だよ運転手。まぁ別にいいけどさ。
さっき出発したばかりなのにもう駅が米サイズになってるよ。
流石五百十キロは伊達じゃないな。
「主様」
「ん?どうした?」
隣に座っていたサクヤがウトウトしながら聞いてきたので大体を察した。
「膝を貸してもらえないでしょうか?」
「良いぞ」
「それでは失礼します」
サクヤがそう言いながら俺の膝に頭をのせてきた。
そしてものの数分で
「すーー.....」
見事に熟睡した。全く、いつも休めと言っているのに。
まぁ、サクヤも俺が創っただけあって可愛いんだがな。
「おっ」
ぼんやり外を眺めていると一瞬だが、魔物の姿が見えた。
(あれは確かグリーンウルフだったか)
グリーンウルフはウルフ系でも珍しい草食の魔物だ。
見つけてもこちらから攻撃しなければ襲ってこない比較的穏やかな魔物だ。
全体的にステータスはGDと低くゴブリンの次に弱い。
余談だが、ウルフは基本群れで生活していて、リーダーはグリーンロードウルフ
と呼ばれ、普通のウルフならGランクにロードウルフはFランクに、
指定されている。
(さて、サクヤの寝顔を見ていたら俺も眠くなったな)
「俺はこれからね寝るから王都に着いたら起こしてくれ」
「「畏まりました」」
俺は正面に座っていたメイドに指示して眠った。
魔物のランクは世界共通です。