主人公 スキル解禁 No.2
追加情報:ユルドラシルの学園は十歳からの入学
五年間制度(基本的に)
一方俺の部屋はというと
「ルシフェル様はこの赤を基調とした服がよろしいかと」
「いえいえ、ルシフェル様には青色の方がよろしいかと」
「そちらよりも赤と白をベースにした方がよろしいかと」
「それよりもこの黒の礼服の方がよろしいかと」
「礼服よりもこちらの白のタキシードの方がよろしいかと」
「ルシフェル様はこの由緒ある❬ドラゴリュート家❭の長男です。
このきらびやかな服の方がよろしいかと存じます」
見ての通り六人のメイドたちが俺のコーディネートについて口論している。
全く..ただでさえ時間が無いというのに。
彼女たちは俺の専属のメイドだ。いつもは仲が良いのだが
俺のことになると争うみたいだ。
「「「「「「ルシフェル様はどれにいたしますか?」」」」」」
「そうだな」
俺に話を振ってきたのでメイドが選んだ服ではなくクローゼットにあった
一着を手に取り、
「俺はこれにする」
「「「「「「畏まりました」」」」」」
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「おぉー!来たかルシフェル!」
「すみません、父上。少々服を選ぶのに時間がかかりました」
「いや!謝る必要は無い!時間も十分あるからな!」
結構急いできたが時間はどうやら足りたようだ。
「あら?その服は見たこと無いわね。ルシフェルの自作かしら?」
「えぇ。その通りですよ」
俺が選んだ服は黒のVネックのシャツに黒い長ズボン。
黒を基調とした所々に宝石が埋め込まれたロングコートだ。
自分でも結構気に入っているから、この国にもある学園というところにも
着ていこうと思っている。ちなみに俺が成長した時用に大きいサイズもある。
「では行きましょうか」
「はい」
俺たちは馬車に乗って教会に向かった。
ちなみにこの五年間で変わったことと言えば三歳の時に剣術を学び始めたくらいだ。
振り返ってる間に馬車が止まった。
コンコン
「失礼します。旦那様、奥様、ルシフェル様。教会に到着しました」
「うむ、ご苦労であった」
屋敷から教会までの距離はそこまで離れていなかったためすぐに着いた。
俺は馬車を降りると辺りを見渡した。そこには数え切れないほどの馬車が
止まっていた。馬車の拵えを見るに庶民や男爵、子爵や伯爵くらいだと思う。
父が言うには俺たちが最後のようだ。...主役は遅れてやってくる、みたいな。
それにしてもこの教会でかくね。五十メートルはあるぞ
「それではルシフェル、入りましょうか」
「はい、母上」
俺たちの後ろからやって来た二人のメイドが両開きの扉を開けた
キィーイ
音を立てながら開いた扉から俺を先頭に教会に入った。
中は地球にあるような作りで右の参列席に保護者、
左の参列席にステータスを貰う子供たちという風に座っていた。
座る席の位置は決まっているため俺は最前列の席へと真ん中の通路を
通り歩き出した。
もちろんその間は皆からは注目されるわけで、
「あの方がルシフェル殿か」
「あの方から覇気を感じる」
「なんという神々しさだ」
「あぁ。私、ルシフェル様に一目惚れしましたわ」
「あのお方が私の夫になるべき人。...おっと、少し気が早すぎました」
「ルシフェル様以上の素晴らしい人が見つからないような気がします」
などと保護者側からも子供側からも聞こえてくる。後ろでついてくる
母上たちはどうやらご満悦のようだ。良かった良かった。
俺と母上たちは左右に別れたと同時に儀式が始まったようだ。
「それでは儀式について説明いたします」
教壇にいた紳士が説明しだした。
思ったより長かったので要約するとこうだ。クレアの像の前で跪いて五分ほど祈る。
すると自分の目の前に半透明の板=ステータス板が現れる。それを両手で
受け取ると体内に吸収されるので最後に感謝を表して儀式終了となる。
「それではまず、一般市民の方から十名ほどお願いします」
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「ありがとうございました」
久しぶりに会うクレアを楽しみに待ってるとどうやらやっと
俺の番が来たようだ。
「今年最後の儀式です。それではルシフェル様、宜しくお願いします」
「うむ」
俺は短く返事をしてクレアの像の前まで歩き跪いて両手組み胸の前まで
もってきて目を瞑った。
次回でついにチートスキルががっがががっが