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お嬢様 平穏に過ごす 3 イーゼスside


「あまいっ!!」

「くっ!」


もう、何時間たっただろうか。

イーゼスの視線の先にいる2人の男は、休憩もしないでずっと剣を交えている。


「隙があるぞ!!クローム・サジタリア!」

「はいっ!」

「次、行くぞ!」

「お願いします!!」


イーゼスは、腕を組ながら壁にもたれ掛かって、目の前の光景をずっと見ていた。


(全く・・・仕事が遅くなると言うのに・・・。)


今イーゼスがいる場所は、学園ではなく商会の地下にある訓練場。

普段、商会にいるロンやフェイがヴィクトリア軍の兵士を鍛える為に使用している。

広さは上の商会とほぼ同じ広さに作られていて、結構広く防音関係も1階に響かないようにしてある。

そして今、剣を交えているのはクロームとロンだ。

剣といっても木で作られてた木刀。

体があたっても大ケガなどすることはないので安全だと思うが、クロームを見ると身体中にロンの攻撃が入り、当たった所が赤くなっていた。


「いや~、頑張りますよね。あの坊っちゃん。」

「・・・だったらお前があいつと戦えばいいだろ、フェイ。」


そして、イーゼスの隣にはフェイが座っていた。

フェイもクロームと剣を交えるのかと思ったのだが、本人はやる気がないようで、イーゼスと一緒にクロームとロンの戦いをずっと見ているのだ。


「俺は、後輩とか部下を鍛えるような事は出来ないッスよ。そういうのはロンやバエイ隊長の方が適任ですよ。」

「否定はしないな。」

「そうッスよ。俺の戦い方は坊っちゃんには合わないッスから。」

「連れ込んだ本人の癖に・・・何故クロームをここに連れてきた。」

「あっ!そろそろ終わるッス!」

「・・・答える気ないだろ、おまえ。」

「そんなことないッスよ~。」


多分、これ以上フェイを追及しても無駄だろう。

上手くはぐらかされてしまう、イーゼスはそう判断をした。

まぁ、フェイがクロームを鍛える事が出来ないも言うのは良くわかる。

フェイはロンやバエイとは違って自己流で戦ってきた。

奇襲、騙し討ち、罠などセイント王国の騎士道に反することなど当たり前。

相手の隙をつく事に関して軍の中でフェイの右にでる者はいない。

悪くいえば卑怯、良くいえば実戦向きだ。


「まぁ、あえて言うのであれば予防ッスね。」

「予防??クロームが?なんでだ?」

「だって、ずっとおじょーの事を想っているんッスよ。周りをうろちょろされるより、囲んだ方が安全じゃないッスか。」

「確かに・・・。」

「で、しばらくはオレが坊っちゃんの監視をしておきますよ。おじょーはセラがついてるらしいので大丈夫ですよ。」


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